96年8月26日

EDAWでのインターンは無事終了。あっと言う間の8週間だった。最後の上司とのミーティングで、「期待以上にやってくれた。君の卒業後には、我々は是非君と共に働きたいと思っている。また、秋学期にも引き続きインターンをして欲しい。」とお世辞にしても最高に嬉しいお言葉。彼等の仕事振りは日本でのものより合理的に思えたし、またプランニングに関する根本的な考えの違いも感じられた。これは社会の成り立ちそのものの違いか?

さて、その後、最後の夏を求めに小旅行。出発点のLas Vegasには参った!ピラミッドにスフィンクス、ライオンの頭、ニューヨークの摩天楼、シンデレラ調のお城など、そこまでふざけていいのか?しかし、彼等は真剣だ。まばゆいネオンの外装も、「モンテカルロ」など俗なネーミングも、日本のラブホテルを彷彿とさせる。カジノも異様な熱気で疲れた。この徹底した演出がアメリカ文化の本質のような気がする。

翌朝、逃げるようにGrand Canyonへ。途中の道は地平線までまーっすぐで気が遠くなる。そうして到着したCanyonは予想を遥かに上回る絶景。コロラド川が5億年かけて作り上げた彫刻は、まさに地理/地学の教科書そのもの。地層毎に微妙に色合いが異なり、とくに日没時に夕陽を受けて輝く様はもう現実とは思えない美しさ。翌日はヘリコプターで空からの展望を楽しんだが、このスケールは自分の物差しでは測れないものだった。都市ってすごく刺激的で面白いところなのに、その小ささを痛感。アメリカ人の都市に対する考え方は日本人とは違うはずだと納得。Canyonからの日の出は赤い夕陽とは異なり、少し黄色が入った希望を感じさせる色合い。そして、Monument Valleyへ。地平線まで続く平原に巨大な茶色い丘がニョキニョキ並ぶ様は、より武骨な男性的力強さを感じさせる。まったくLas Vegasの人間の所業が空しいものに思える。

このエリアはインディアンの居留地で、あちこちに民芸品屋が並ぶ。カーペットやアクセサリーは見ていて飽きないが、メキシコと比べて、仕上げも値段も洗練されすぎ。原住民の頃はいずれも大変素朴だったはずなのに、国の近代化の差がここにも現れていて考えさせられる。

こうして3ヵ月半の夏休みは終了。新入学生のオリエンテーションや歓迎パーティーも、昨年を思い出しながらこなし、いよいよ今日から授業開始。新入生の熱気と、同級生の懐かしさの中で、また勉強づけの生活に戻っていくのが、とても嬉しい。今はやる気に満ち満ちている。

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