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ETCetra review

評外評

小説外批評
SF副題は「知性化戦争」(笑)

 小説以外の各種物品感想文。
  食べ物 音楽 漫画 アニメ 映画 芝居
 そんなとこでしょうか。




Do−can 奥井雅美
足音のあと
キョウノコト。
しっぽのきもち 谷山浩子
珊瑚ショウ
ソラリス クロムモリブデン
Entrance 岩男潤子
スワロウテイル
鈴虫のこえ、宵のホタル 三角フラスコ
ジャイアント・ロボ
0007 −マダム・ルージュに愛を込めて− リリパット・アーミー
kimochi 岩男潤子
NEO CYBER CITY PSY・S
シゲキックスCケア





Do−can(ドカーン) 奥井雅美
(アルバム) masami okui
1998年9月23日発売

  1. Makoon〜1999〜
  2. 朱-AKA-[L.A ver.]
  3. kiss in the dark
  4. BIG-3
  5. 太陽の花 [isamix]
  6. 幸せって...
  7. Eve
  8. CLIMAX
  9. Birth [takemix]
  10. ビタミン〜ぜったい、そうだ。〜
  11. 恋しましょ ねばりましょ [daitamix]
  12. 誰かが誰かを
 話は友人から借りたパトレイバーのアルバムに遡る。
 全曲終ったはずのそのMDから、更に音楽が流れて来たのである。
 ダビングの時になにかアクシデントがあり、続けて入れてしまったらしい。
 聞くともなしに聞いてみる。
 伸びるタイプの太い女性ボーカル。私の半端知識の中では、 田村直美などに似ているだろうか。……などと聞いていると、おやあ、 なんだか聞いた事のある様な曲が……ああ、そうか、某アニメの曲じゃないかな、 これ……と、なんとなくだが聞き惚れ始めた時。
 曲のサビもサビ、一番いい所まで来た時。

 フッ

 音が消えた。MDの収録時間が限界に来たのだ。

 私は相手にどなりこんで今度こそアルバムごと借りた。(笑)
 そして、きちんとサビの終りまで聞いて流飲を下げたのである(笑)
 ま、という事で、 途中で切られるとおそろしく続きの聞きたくなる曲を作る人である。 って、これはどんな曲でもそうか?

 この奥井さんは、前からアニメ系の主題歌など結構歌っている人との事で、 知らなかった私が不勉強の様子。いや、全く知らんかった。
 ファンである友人はまとめて彼女のアルバムを聞かせてくれたが、 まあ、私にとってはやはり、最初に聞き、 そして聞き損ねて気になってしかたなかったこのアルバムがベストである。
 ノビが気持ちいいですねえ。

 だが。
 冒頭の事件については今でも私は思っている。
「アイツ、はめやがったな」

発掘 Reference
  1. STAR CHILD


足音のあと
(芝居)OMS第四回 扇町ミュージックスクエア
1997年12月4日19:00〜

 舞台装置ベスト。テーマ不親切。

 入場一番、設置されてた舞台が素敵で、「おお、これは!」と期待するも、 話はよく判りませんでした。
 とある公園を舞台とした劇。
 塾帰りの小学生らが、残酷な遊び 「イケニエごっこ」 をして、自分らのペットを殺す。
 これが一軸。
 そして、その公園に住んでいるホームレスの老婆、 その老婆を取り巻く浮浪者仲間。
 これが更に一軸。

 二つの軸は時に交わり、時に分離しながら、
 芝居は終る。

 無惨さ、切なさみたいな所がテーマだったのでしょう。
 しかし、明文化されてない部分、雰囲気や観る人の主観や想像に頼る部分多く、 まだまだ未完成な感じ。

 もう少しテーマを詳細に書くと。
 小学生の方は、現代っ子の舌たらずな「恐さ」の提出と、 私達からは非常識に見えるその行為にも、実は彼らなりに 「規則」があるのだ、彼ら独自の常識が、別の世界があると知れ、 という提出でしょうか。
 ホームレスの方は、最底辺とはなにか、行き場がなくて、 どうしようもなくて今ここに居る、その現実の提出、でしょうか。
 両方を通じてあるのは、「甘えている」存在、がある事、 「甘えられない/甘える相手が居ない」所まで追い詰められた存在、がいる事。

 まあ、で、私の毎度の愚痴ですが、
「で、だから?」
 という疑問が浮上する訳ですな。結論は私には汲み取れませんでした。

 雰囲気のみで呑ませる舞台だとしても力量不足、でしょう。
 あの雰囲気を、明確に観客の胸に刻み、主張を感じさせる力量があれば、 オチを執拗に求めようとする私でも、また違った感想を持ったかもしれない。


 ここしばらく劇を見ての感想。
 まあ、やっぱりインディーズ。プロじゃない。
 10観て1アタリ、で満足しなきゃね。


キョウノコト。
(芝居)OMS第三回 扇町ミュージックスクエア
1997年11月28日17:00〜

 眠い、だるい、焦点不明。

 登場するのは、二人組x3。
 それぞれに、他のペアは無視してお互いだけの問答を行なう。

 現代風倦怠感と閃く感性だけで生きてるアベック。
 洗濯ものを干す美人とお茶の用意をする盲目青年。
 自転車に乗り登場し、キャベツをやりとりする兎男二人。

 訳判らん? 判らんでしょうねえ。私にも判らんでした。
 動きはほぼない。
 間が、意味深な台詞と台詞の間に長大に空く。
 筋は、判らない。

 あれっすね、エヴァの、エレベーターの中のシーンとか、 カヲル君をやるシーンとか、そういうので二時間つなげた感じです。
 あるいは、これは私だけの感想なのですが、 今借りて読んでるヴォネガットの 「スローターハウス5」 が、俺的にこんな感じと言うか。
(余談になるけど、 「フリーダム・ライディング」 の中でこの台詞が出てきた時、 おいらはにやりとしましたね)
 ひらめく台詞は、なんか、格好いい時があるんです。でも、 それに前後するシチュエーションに、時空間的に意味がくみとれない。 「抽象芸術」系。

 ああ。イライラした。
 私はあの空気を共有しなかった。


しっぽのきもち 谷山浩子
(アルバム) Hiroko Taniyama
19??年初版

  1. しっぽのきもち
  2. おはようクレヨン
  3. 秋ぎつね
  4. キャロットスープの歌
  5. まっくら森の歌
  6. エッグムーン
  7. 恋するニワトリ
  8. ニャコとニャンピ
  9. はじめてのピュンタ
  10. 愛をもういちど
  11. 恋のタマゴ
  12. ほうき星の歌
  13. 花時計
 谷山浩子、どうしてそこまで しっぽ にこだわる!(笑)
 「しっぽのきもち」「秋ぎつね」「ニャコとニャンピ」 と三連打されるとどんなタフガイでものっくあうとであろう(笑)
 特に最後の一撃は(しっぽとは又別の意味で)強悪(大笑)
 とかく尻尾に事欠かない異色のアルバム。
 って、他を知らないからなんとも言えないのだが。

 また、「キャロットスープの歌」を聞いてリハビリをしてからでないと 「エッグムーン」を聞いてはいけない(笑)
 私は聞きながら思わず「なぁ〜んでやねん!」と、 一人スピーカーに突っ込みを入れてしまった。

 「恋するニワトリ」のフルコーラスが聞けたのはよし、か。
 みんなの歌で聞いてから、好きだったんだこれ。でも、 みんなの歌バージョンの方がアップテンポ&ガチャガチャしてて、 おいらの好みだったかも(笑)

 それにしても、形容詞を冠している曲の多い事。
 ついでだから、その形容詞も示しておく。

 「愛をもういちど」がコナンの曲だと知って、二度惚れ直した馬鹿より
  1. しっぽのきもち:NHKみんなのうた
  2. おはようクレヨン:NHKみんなのうた
  3. 秋ぎつね:動物愛護協会主催 ニッポン放送協賛 音楽コンテスト入賞曲
  4. キャロットスープの歌
  5. まっくら森の歌:NHKみんなのうた
  6. エッグムーン
  7. 恋するニワトリ:NHKみんなのうた
  8. ニャコとニャンピ:サンヨー食品提供 イベントソング
  9. はじめてのピュンタ:カイ成社 月刊MOE記載 谷山浩子特集より
  10. 愛をもういちど:未来少年コナン 劇場用主題歌
  11. 恋のタマゴ:マンガ「ななこSOS」イメージアルバムより
  12. ほうき星の歌
  13. 花時計:花王提供 母と子の教育フィルム主題歌


珊瑚ショウ(?)
(芝居)OMS第二回 扇町ミュージックスクエア
1997年11月15日14:00〜

 うまい、けどおもろない。

 役者さん最高。
 やりとりのペースが、感情の極端化(判りやすさ)がうまい。
 舞台効果なかなか。
 あんな少ない部品、単純な部品で、よくまあ様々に印象を描いてくれる。
 演技や行為の中に含まれる暗喩なんかもビリビリくる。

 でも、内容が俺的にアウト。
 悩める青年の内面を描き出す、系列なのだが。
 悩んで、追い詰められて、んで終り。
 こら。
 答えは何処だ。
 「オチがない」制御盤さん言。
 「日本の純文学はこんなのばっかりですよ」制御盤さん言。
 ははっん。おいらが純文学を、ほとんど読まず嫌いしてるのは、 どうやら正解だね。

 私が芝居に、映画に求めるのは、「救い」や「助け」である。
 「楽しみ」としてもいい。
 金を払ってまで、「堕ち様」を見てなにがいい。
 堕ちるだけなら、俺にもできる。俺だって堕ちてる。
 堕ち様のバリエーションを見たって、「堕ちる」本質において変わらず、 そこに魅力はない。
 堕ちた所から「どうはい上がる」か、少なくとも、 堕ちた所とどう「正面から向きあう」か。
 つまり、「その後」をどうするか。
 そこがないと意味0である。

 ひょっとしたら、堕ち方のバリエーションを見せて、「これは堕ちてるから、 この手のパターンにはまったら気をつけなさいね」と警句を発してるのか。
 それは、全然ないと思う。
 これを見て共感する人は「俺もその堕ち方をした」という人だろうし。
そうでない人は「こういう生き方もあるのか」と、それを「避ける」のではなく、 それに「はまる」方向でとらえると思う。
 語弊ありだが、「かっこいい」とでも言わす様な、いわばすがすがしさ、いや、 そうじゃあないな、ないけど、惹かれるモノみたいなのが、舞台にあるのだ。
 なまじ役者さんタチうまいだけに。
 「ああはなりたくない!」と心底からは思わせない。と言えば判るか。

 ああくそ、なんかすっごいまともで腹にズンとくる物語を、あの舞台で、 あの役者で見たかったぞ。


ソラリス クロムモリブデン
(芝居) 神戸?
1998年11月15日17:00〜

 舞台装置・照明ピカいち、色気あり。
 でも、話の筋はなし。

 いやあ、SFやと思っていったんですが、  結局それってネタ、フレーバーにすぎない、全然別のものでした。

 「夢中夢」の、話の筋や結論的には全然判らん物語です。
 3つくらいの話が一応絡んでいますが、それぞれが、それぞれの見てる夢、 みたいな感じで進んだり、時に理不尽に展開したりします。
 結論的には、舞台終盤で語っていましたが、
「夢と現実に境界はない。理屈づけて解釈しようとするな」
 とかって。
 こら。
 本人がそれ言っちゃ駄目。それ、単に言い訳。

 で、この、夢見る、幻想が現実化する、  そのあたりでソラリス設定をひっぱってきて有効活用してる訳ですね。

 衣装がよかったですねえ。適度にスマート、エロス、洒落っけがあって。
 舞台もねえ。もう、これでもかって感じの「鉄とパイプ」でね。
 SF心くすぐるったら。
 音楽も証明も気合いはいってるし。
 時々混じるギャグもいけるし。

 でも、突然に踊りだし目が痛くなる程フラッシュかけ、 訳の判らん話をその力技でもってぶちきって場面転換、 でもって始まるのはまた別の「訳の判らん物語」じゃねえ。
 同じ訳の判らん、でも、出だしは気にいってるんだが。
 そこから、あの波長ともう少し現実波長な所をブレンドしてツッキってくれれば、 判らんなりに俺にも受けると思うのだが。


 ああくそ、なんかすっごいまともで腹にズンとくる物語を、あの舞台で、 あの役者で見たかったぞ。と、これまた。


Entrance 岩男潤子
(アルバム) 19??年初版

  1. 太陽のくに
  2. 夜明けの French Kiss
  3. 運命のエントランス
  4. 三日月(クレセント)の誘惑
  5. あなたを忘れたい
  6. 勘違いの輪舞曲
  7. 鳥籠姫
  8. 追憶のエチュード
  9. 晩夏
  10. ねこ曜日
 なあんだ、本業は声優さんだったのね。
 通(?)によると、エヴァンゲリオンの委員長のひとだとか。

 当たり前だが、谷山浩子プロデュースではないので、 谷山浩子テイストがなくなってしまっている。
 ではどうなったのかというと、なんというか。 より真剣な歌、と言えるだろうか?(笑)
 とはいえ、声質に、そして時々飛び出す変調子に、ああ、 やっぱりあのアルバムはあるべくしてあったんだなあ(笑) とでもいう部分を時折り拾う。
 そうして、部分的に好きな部分が見えると、前回とは違う、 その、「真剣な部分」も、結構好きに思える。

 という事で、プラスマイナス統合しますと。
 ……ん、なかなかええんじゃないっすか? 許可。

 しかし、あれだね。本職声優と思うと、やっぱ色目鏡が入るのかね。 ドラマポイントが高い曲が多いなあ、と思うのは。 <これは、私が常々アニソン系列の歌に対して感じている事。
 「音楽」を聴かせる、感じさせる、そういう方向の、いわば感性的なものでなく、 むしろ「ドラマ」を、「シチュエーション」を聞かせる、読ませる、という、 より物語的な味というのを持たせる、みたいな。


 各曲個別攻撃で行くと、まず、全体に「恋してるから、だから、故に。」 という、ツライ系、悲しい系の曲が基調。
 大きな例外は世界を歌おうとした「太陽のくに」と、 お前やっぱり谷山浩子に目をつけられて正解だよ、と思わせる、 「ぼんやり脳天気系かわゆい女の子」演出の「ねこ曜日」。

 各曲の中、ぽろぽろと混じるのは 「悲しい故に、たかく、高く、青く、澄んでいる空」を感じさせる音、 だろうか。 (この感じは、ASKAの「Girl」に似た感じ、かな?)
 イッちゃってる系な所がなんなのだが、そんなこんなで 「鳥籠姫」がおいらのお勧めだったり。


スワロウテイル (映画)
(映画) 19??年

 「スワロウテイル」観る。
 これもまあ、アングラ系といえば、そういう。

 理屈でなく感性でみる。
 理系な頭が「ひかれた伏線はなんだ」とか「だから結果はなにだ、 主張点はどこだ」などとわめくが、無視。

 「かっこよさ」みたいなのを追求した、 「世間の常識の不条理」を追求した、 そんな映画。
 んー。見んと判らんな。この感じ。
 全てが相関していく……みたいな所は好きだ。

 特に、ニセ札絡みで主要人物達が「すれ違い」あうあたり。
 その辺がほんっとーに「すれ違う」だけで、 決して相関して事象が進んだりしない所が映画としてははがゆく、 真理としては納得する。

 出てくる人物がたいてい「イヤなヤツ」で、でも、 それが時には助けてくれたり、一緒に行動する事になったりで、「イイヤツ」 に化けて、でも、やっぱりそいつって情けないヤツで、 軟弱ってみたり裏切ってみたりする、そこで「人にイイも悪いもないんだな、 その時々で色んな顔があるんだな」というか「人の弱さ」みたいなの見たり。

 リアリティ、に分類していいか? 死、暴力、爆発、銃撃、血。
 そういうのを誇張もしない、隠しもしない、そういう姿勢もなかなかいいっす。

 この映画、一歩間違うと、フランス映画系になるね。
例の、難解な、観た後なんのこっちゃかよく判らない、 けど、趣味だけはよさげな映画(笑)。

 あれかなあ。
 向うの国の人が、これ観て、 東洋人に対しておんなじような感想を抱くのかなあ。
 と、そういう感じ?

 しかしなあ。
 どこか殺伐としてるよなあ。
 この映画。

 いや。
 この現実。


鈴虫のこえ、宵のホタル 三角フラスコ
(芝居)OMS第一回 1998年10月27日

 制御盤さんは絶賛の様でしたが、私には少々「つらい」作品でした。
 真剣な芝居です。扱うテーマは「家族」です。

 舞台装置がイカしてました。
 客席を狭くしてでも作った奥行きのたっぷりとあるその舞台。
 廊下に囲まれた、大きな田舎家の典型的な部屋です。 私も、自分の田舎の家を思い出しました。
 そして、時にスクリーンにもなる、縁側にかけられた簾。これがいい。
 ナイスアイデア。
 舞台暗転した時には、あちこちに貼られた蛍光テープが蛍の色を発し、 夏の夜を見せてくれました……
 って、実はあれ、役者さんへの目印テープ兼用だったんだな、きっと。
 かしこい! かしこい! うまいぜ、ナイスアイデア!
 舞台装置へのこういう凝り方、に、私は絶賛です。


 さて、「つらい」と言った舞台の中身。
 3人の姉妹のみによる会話中心の劇です。
 3人はそれぞれに家を出て、ケーキ職人見習い、専門学校生、 OLとして働いています。
 家には父が、そしてその父とうまく行かず、かつぼけ始めている祖母が、 祖母の実子である母が居ました。
 その母が、突然の事故死をしたのです。
 盆にも帰らず、正月にすらひょっとしたら帰らなくなっていた姉妹が、 久しぶりに集い、そして、通夜が始まります。
 そして、その通夜を中心とした舞台が始まるのです。

 どこにでもある「家族」です。
 表面的には普通でも、内側にうまくいかない、 「どろどろ」を持った家族です。
 言わないけれどそれぞれに感じている「コンプレックス」 を抱えている姉妹です。
 そんな黒いものが、全て悪いベクトルの方で解放されます。
 相手を攻める、攻める、つッぱねる言葉で一気に全て紡がれます。

 おばあさんのおむつは誰が世話する、
 晩御飯が口に合わないとぐちるアレをどうする、
 父と祖母の冷たい喧嘩は、間に入る人間はすり切れる、
 じいさんは施設に入れてぼけて死んだ、おじさんは金を借りにくる、
 母は姉だけをえこひいきしていた、すねて仮病をした思いで、
 正論だけど正論だけでは無理、では誰がその嫌な決断を下す、
 下したくて下したのじゃないそれを、下す決断を放棄した誰かが攻める……

 ほらあ、心あたりが沢山。(笑)

 これは笑えない。
 作者や役者が笑わせようとしてない(のだろう)だけに、なおさら笑えない。

 全員が背負う十字架としてそれを抱えていこうという思いのないものに、 つらいもの、おもいものから逃げたいと思うものに、 家に、祖母に、親戚に、田舎に、 そんなものに暗さしか感じれなくなったものに。

 ああ、つれえ。

 誰もが我儘です。
 誰もが自分が泥をかぶるのはいやがります。
 姉妹でも、押しつけ合います。
 共同してあたるのではないのです。


 特に三女は、世の全てに刺を持って対応していました。
 (そういや、うちの三女にも、そういう所あるな。)
 言葉じりに、ふとしたふるまいに、すねてる奴の影があります。
 あれ、演技? ならいいけど。普段からそうなら、 あんた、背中がすすけてるぜ?(笑)

 特に二女は、ゴーイング・マイウエイでした。
 (あら? うちの二女もそうだな。仕切り屋でない所だけ違うか。)
 正論を吐くだけならできる。俺でも出来る。
 要は、実現方法だ。妥協だ。 そして、その妥協に対する己なりの責任のとり方だ。
 そのへん君は判ってない。

 特に長女は、ええかっこしいの世話焼きでした。
 (あ……長男の俺、ええかっこしいは当たってるわ。 一番可愛がられてるし(爆))
 おまえも口先だけやのう。
 行動で示せよ。
 そして、それ以上は無駄口叩くな。こじれるだけや。

 そして、ばあさん。
 舞台には出なかった、三人の言葉だけで語られるばあさん……  うちのばあさんも、今は天です。
 ぼけて、ハイカイして、長男ではないうちの家で暫く一緒にいて、  別の兄弟の所に行って、施設行って、機械に繋がれて死にました。
 そうです。
 あんな風に、まっこう臭く、うさん臭く、 頭で判ってても心で避けたんです。
 けなし、嫌い、避けたんです。

 あかん。つらい。見れん。


 救いは?
 結論は?
 ……私の理解できた範囲で、この芝居で、これらの感情、問題に、 全て答えは出ていませんでした。
 もうすぐ祖母は死ぬだろう、というのが、ひょっとしたら救いなのですか?
 問題解決方法なのですか?
 あれだけの黒い部分を放出しておいて、 それら全てを解決するのではなくチャイにして、 手をつないで和解して終るのですか?

 次こそは、同じ過ちをしない。
 既にした過ちをいかにして自分らはつぐなう。
 その、答えは何処ですか?

 どんなにけなしあっても、どんなに許せなくても、 結局一晩寝たらそんな話は何処かにいっている。
 それが「家族」と私は思います。
 長い長い長い長い時間を、一緒に過ごした事、 それによってしかなしえなかった繋がり。
 おそらく、この方法以外では、一緒に飯を食い、トイレを使い、 洗濯ものを洗いあわなければできなかった繋がり、 無条件の一緒にいる許可が家族です。

 でも、この芝居はそれが結論じゃないです。
 その特性を利用して結論をうやむやにしちゃった話です。

 それを結論にするなら、もっと家族の「楽しい面」を、 普段からの会話にひそむ「敵意」だけじゃない、その逆ベクトルを、 もっともっとひそませるベきです。
 あるいは、あれですか? 単に役者が下手で、 会話のノリがまずかっただけですか?
 会話の間に、「あ、いま台詞を思い出そうとしてるのかな?」 と思わせる空白をとるのは、あれは観てる者への配慮だった訳ですか、 それとも京都での通常の会話の間合いですか。
 チョウチョウハッシとなにも考えずにやりとりしなきゃ 家族の会話じゃないですよ。

 あんな、ざーとらしい過去の数シーンだけで、家族の「いい面」 を演出しないで欲しかったなあ。もっと小さく、消えるように小さく、 でも、ちゃんと存在するそれを書いて欲しかったなあ。

 と、愚痴だけならどこまでも続く。
 やはり、最近おいらの精神状態はあまりうまくないのか?(笑)


 そうそう、三女。
 「タオル」が、姉が白いので、自分が新聞おまけだった時に、すかさず
「ほらあ、やっぱり私だけ」
 ってスネなきゃ。  そうじゃなきゃ、君のキャラじゃないぞ(笑)


ジャイアント・ロボ 今川監督?
(OAV) 19??年初版

 ついに「ジャイアント・ロボ」全7巻観了。
 なんてーか、駄目。(笑)
 全然終ってへんやん(笑)
 とりあえず銀鈴ファンは黙ってなかっただろうなあ、 みたいな扱いを銀鈴は受けてる気がする。
 フォーグラー博士の意図はまあ予想通り。

 やはり、「お約束」をひたすらに見せる為の映像だったのだな。
 某いあはーと氏、それにえでぃ氏も言ってたらしい
「あれはギャグアニメとして最高」
 という楽しみ方が正しいのだろう。
 「お約束」を笑いではなく、背筋も凍る感動にする為には、蓄積がいる。 蓄積とは、ええっと、要するにウラというか、説明というか。 状況の積み重ねと描写による盛り上げというか。

 これは「粗筋と見所紹介」みたいなダイジェスト盤で、 とっても面白いスペクタクル映画の中から30分だけ見せました、 みたいな「詐欺」感覚が観た後に残った。
 うああああああ、なんか、こう、欲求不満やぞおお! あほお!(笑)


0007 −マダム・ルージュに愛を込めて− リリパット・アーミー
(芝居) 1998年10月11日

 リリパットアーミーは面白い!!
 今回は 「0007 マダム・ルージュに愛を込めて」 という事で、 「正しい”007”のパロディ」 という品物だった。
 中身は一応3部構成、つまり、 コードネーム0007、ジェームス・ボンド君が3つの事件を渡り歩く訳だ。
 まずはロシア、世界を滅ぼすという細菌兵器の奪取と冷凍に、
 そして中国、レーザー兵器の焦点となる大型宝石の爆破に、
 更にアラビア、核兵器売買を行なうという秘密シンジケートの壊滅に……

 そしてそしてお約束、毎回「美女」が現れて、彼ボンド君を助けてくれる。

 そう、「お約束」である。これこそが大阪芸人の心意気なのである(うそ?) (笑)

 制御盤さん の語る
「大阪の芝居は”寒い”、そこがいい。」
 と語るこの”寒い”こそは、私が今表現した”お約束”と同義、 もしくは類義と思う。また彼は
「ギャグがすべる。そのすべった所で笑いをとる」
 とも語った。うんうん、その表現も良く判る。その通りなのだ。

 てな訳で、 制御盤さん、 ありがとうございました。
 今日も又面白いものを観させて貰いました。
 大阪ナビゲートさせたら日本いちっ! よっ!!


kimochi 岩男潤子
(アルバム) 谷山浩子プロデュース
19??年初版

  1. Dream Dream
  2. はじめてのさよなら
  3. 好きな人がいるの
  4. 風のジャンヌ
  5. おひさま
  6. SHIPPO
  7. あそびにいこうよ!
  8. パタパタ
  9. May Stream
  10. 翼になれ
  11. ここにいるよ (Extra Track)
  12. 手のひらの宇宙
 はっきり言って、この「谷山浩子」 の4文字がなければ私はこのアルバムを素通りしていただろう。 だいいち、「岩男」なんてごつい名前、 どうにもこうにも響きのいい感じがしない。
 だから、余計に最初の一曲を聴いた時には、その声質に驚いた。

 甘い、のである。
 バニラ系の甘さである。
 zabadack、遊佐未森、谷山浩子、 それらをなんと形容したらいいのかは判らないが、とりあえず「イロモノ系」 (爆)と称するとすると、そのイロモノ系で定番とでもいうものだった、 あのかすれる高音、綱渡りをしている高音、そういう女性ボーカルとは、 全く違うのである。
 どっしりと甘い、キャンキャンしたアイドル系とでもいうか、 いやいや、アグネス・チャンをほうふつとさせるというか。
 実際にはそれらとは全く違うのだが、こうとしか私には説明のしようがない。

 そしてその歌詞にまんべんなく流れる「変さ」。ああ、 確かに谷山浩子系だと確信させるポイントが、ツボがくっきりとある。 曲名一覧を見るだけで、そのへん、ピンと来る人は来るのではなかろうか。
 曲勢は二種類、おちゃらけ&小さな幸せ系列と、 (元気OR切ない)&小さな幸せ系列に分類。
 この分類では判らないか。 馬鹿系と馬鹿じゃない系とすればよりすっきりするか?
 どちらにしろ、聴き手の私には、 馬鹿なはずなのにツボを押されて真剣になるポイントあり、 馬鹿じゃないはずなのにやはりツボを押されて笑ってしまうポイントあり、 のどうにも憎めない曲に全曲しあがっている。

 繰り返し聴き込むうちに、その「余分な甘さ」だった声の柔らかさは 「これが適切、デフォルトな柔らかさ」という評価へと変わっていく。
 なにより、繰り返し聴き込むのが苦にならないというのは大きな評価だった。
 何故なのか判らないが、聴き続けるとどこかしらイライラしてきて長く聴けない、 というアルバムは、意外と多いのだ、実は。

 馬鹿系として「SHIPPO」、「パタパタ」(<これはきわどいか) などを押す。
 「パタパタ」などは、その音からしても、ひょっとしてひょっとすると、 「So What?」(わかつきめぐみ 白泉社 花と夢コミックス) などに非常にマッチするのでは、と思っている。
 馬鹿じゃない系としては、「風のジャンヌ」だろうか。

発掘 Reference
  1. 一条寺すみか さんレビューによる IWAO's Mentaiko Tamagoyaki Room


NEO CYBER CITY PSY・S
(アルバム)NEO CYBER CITY PSY.S
19??年初版 19??

 いい。PSY・Sは、いい。
 特にこのアルバムは、緊急非常時の私のドーピング剤である。


シゲキックスCケア
(菓子) Author???
19??年

 変な食感のおかし。うまいかって? 変。






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