[NEXT] : [TOP] : [UP] ::: [SF] : [HOB] : [PROF] : [TOOL] ::: [LINK]

旅行の話 その1 新潟は遥かなり

地図も持たずにレッツゴー
Let's go with no plan


〜(工事中)〜
目撃情報は ippo_x@oocities.com まで


私は、某大学の某電子計算機系研究会の会員であり、OBであり、 その研究会の中の放浪班(非公認黙認)の班員でもある。
放浪と書いて「ほーろー」、又は「さすらい」と読む。
そして、放浪班班員は、「放浪班心得之条」というものを守らねばならぬ、 そして、産まねばならぬ使命をもつ。

故に私は、放浪せねばならないのだ。

おうい、 他の班員 共よ。ちゃんと放浪してるか〜。
俺は、してるぞ〜。


放浪班 心得之条 『常に無計画通り』

事の発端
Happening
98/5/X(X) 私は NIFTY で 闇工房( 黒猫さん 主宰) というPATIOに所属している。 (注: その活動は主に創作系列の談議である。 短篇や長編の一部を持ち込んで、遠慮会釈なし偏見込みの批判をして貰ったり、 改作盗作をして貰ったりする。役割分担によるリレー小説など、 分類不能なタイプの創作も試みる。 その発端はNIFTYはFSF1、創作部屋の活動が原典。 参加を試みる方は 黒猫さん へと連絡をとる事をお勧めする)

そこで、じゅんさんが日本諸国放浪の旅に出る(嘘あり) とおっしゃったのが発端である。
あるいは、 黒猫さん 中富さん の物理的所在が、意外にも御近所であった事 (実は二人ともそれと知らずに顔見知りだった(笑))が発端である。
あるいは、私がツーリングにどうしても行きたかった、 どうしても現実から逃げたかった、事が発端である。
日取りを合わせ、新潟は 中富さん のお宅での集合が決定された。
後は、行くのみ、である。

放浪班 心得之条 『巻き込まれたと思うな 誘われたと思え』

旅の準備
Preparation for ride
98/6/5(Fr) 今月は特に予定が目白押しで、前日、 前々日と学校に泊り込みで処理をしていたのだが。結局仕事は間に合わず、 うっちゃって行く形をとる。
学校での最後の処理として、 yahooから地図を たどり、 中富さん 宅の御近所と思われるポイントを出力/印刷させて、デイパックに放り込む。
あ、ついでに、ここ最近の打ち合せの経過(ログ)も印刷 (各自の住所や連絡先や予定など)、 午後二時に六日町の駅で待ち合わせ、という事実を確認する。

ガソリンは学校帰りに給油。満タン−3kmぐらいで帰宅。
これについでだから水抜き剤をぶちこんでやる。
調子があがってくれるといいな。

旅の準備(荷物のパッキング)は夕刻から。雨を気にして、雨具 (カッパ、防水スプレー、着替え等)を余分に用意すると、 荷物が膨れあがった。毎度、 どうもスマートなサイズの鞄にならぬのが嫌である。

おまけに、準備が終った後は、連日の徹夜でサイクルが壊れたか、 単に明日からおでかけで興奮してるのか(ガキかい(笑))、寝つけない。

放浪班 心得之条 『思ったが吉日』

殺那の始まり
Instant start
98/6/6(St)
5:45
000.0
たっぷりと準備時間はあった(約一カ月)にも関わらず、 何も考えぬまま出発する私の姿がそこにあった。

愛車ZZ−Rのオド・メーターをリセット。
数字が0から回り始めた。

結構な睡眠不足での出発だった。
6:00
030.0
家からほんの数分数kmで宝塚インター。
高速道路(中国道)へと入る。
後は一路新潟県まで、じゅんさんに教えて頂いた所によると、 約500kmとの事。
しかし、眠い。
眠い眠いと思いつつ、走り慣れた高速の道を走る……なぬ、 「走り慣れた」? そうこれは、鳥取へと行く道だ。 新潟はどっちにあるかというと……
いきなり大ポカ。反対車線を走っている事が判明(爆)。
次の西宮北インターでUターン、再び宝塚を通過。 約15分30kmを無駄にした。
それはそれでいいとして、どうも気になるのが鞄。
私は、腰にはポシェット(て言うのかな?)、 背中にはいつものデイパック、 そして後部座席に鞄を一つ、という感じでいつもツーリングに出るのだが、 ZZ−Rの後ろに荷物をくくりつけるのはこれが初めて。
チラチラと左ミラーを見ながら確認してると、 案の定、暫くするとミラーの視界から鞄の隅が消えた(笑)。
振動に揺らされて、徐々に右側にずり落ちて行っているのだ。
路側帯に停車、鞄を括るネットの張り直しをする。
ミラーを確認。
今度は、左にずれはじめていた(爆)
前回と同じく、非常用の駐車路側帯を探すが、ない。んー。
勇気を出して!  もう一度路肩に止め、再び張り直し。
コツが判ってきてて、どこをどれぐらいきつくすればいいのかを加減。
……今度はうまく行った模様。ほっ。
隣を突き抜けていくトラックの恐かった事(笑)
京都あたりにさしかかる。
高速道路に奇妙な表示。「この先分岐 右ルート 左ルート」。
道が二つに別れ、暫くしてからまた合流してるという。はて、 これはなんだろう、どっちを選べばいいのだろう……?
とりあえず北上している自分を思い描き、 なんらかの枝道が途中であったとしても左を選んでおけば間違いあるまい (右への分岐は名古屋系列だろう)と想定して左を選択。
結局、枝道などなかった。
ただ、右ルートの方が左ルートより道幅があったらしい感触を受ける。
う〜ん、失敗だったか。
しかあし、そもそも、なんの為の分岐だったのであろう? (工事の都合で、車線幅が取れなかったのであろうか)
「500kmですか。遠いですね。」
「あら、時速100km/hで走れば5時間よ(はぁと)」
「……」
そういう会話がじゅんさんとあったのを思い出す。
色々とロスを考えれば、もう少し速度があった方がいいだろう。
という訳で、110km/h巡行に移る。
風圧がきつく、肩辺りの袖がばたつく。 90km/hぐらいの所で、一度壁がある様だ。
(知人に聞いた話では、ツーリングマシンであるZZ−Rは、 80km/hぐらいで風圧と体重が相殺され、 浮いてる様な楽な感覚で乗れるのだそうだ。)
ZZ−Rのエンジンは、何という訳でもなくのほほんと回っている。 6速11000回転、という所だろうか。 なんというか、テゴタエのない奴である。本当に大丈夫かいな。
それとも、頼もしい、というべきなのかな。

放浪班 心得之条 『道はいつも向かい風で坂道』

危険な道中
Dangerous zonE
98/6/6(St)
7:30
153.9
中国道から名神、北陸へと、途中に一度切符チェック(検問所?) を通過しながら進行。
検問所では、Ninjaを従えた一団が後続を待っているのを横に見る。 ええのう。ZZ−Rとガワは同じでも排気量違うもんなあ。
8:00
210.9
杉津サービスエリアで休憩。
おお、海が見張らせるぞ。綺麗だ。
一息ついて出発。
8:20 そろそろ視覚が速度に慣れて来た頃だろう。
巡行速度を120km/hにUP。時には130km/hに。
ところが、周囲を走る車と比較しても、 それで充分「普通」なのだから、高速道路は判らない(笑)。
道路は海沿いを進む。 その青色が綺麗で、さらには路側にはあじさいがうわってて、これも綺麗。
え? よそ見ばかりすんなって? はいはい。
気がついたが、今回の旅ではまだピースサインをしていない。
つまり、対向車線で、ツーリングのバイク野郎を見ていない。
やはり、季節外れなのだろうか。
とか思っていると、中央分離帯についたてが並んでいるのに気がつく。
小さい幅のものを、少々間隔を開けながら、 私の進行方向と垂直になる様にたてている。あらあら、 これでは対向車線がうまく見えない。全く、何の為に……?  ……! 了解。夜、 ライトが相手の目線に入らない様にする為のものだったのだ。
かしこい、かしこい。
次の給油ポイントは56km先、と出る。
まだ300km程しか走っていない、 このバイクの普段の燃費でいくと、360kmまでは確実に走る (リザーブなしで)。
おまけに高速走行である、燃費は上がる。
安心して通過。
エンジントラブル発生。

なんだかアクセルの調子がスカだなあ、と思うと、ふと止まる。
この反応はなんだかガス欠臭い。
という訳で、走りながら素早くコックをリザーブに回す、と、無事に走り出す。
? おんやあ?
9:20
317.2
徳光パーキングエリアでマシンの調子チェック。
コックをリザーブから通常に戻して、ぐるぐると駐車スペースを回る。
なんだ、ちゃんと動くじゃないか。
なんだ? こないだアクセルが戻らなくなった、あれの再発か?  キャブかどっかが錆びたのか?
色々と悩むが、原因は不明。
とりあえず走り出す。
9:30 2kmも行かずに再び止まる。
今度は路肩によせてチェック。
念の為にガソリンタンクの中を目視で確認、うん、確かにチャプチャプと揺れてる 液面が全体的に見える(VTの経験で知っているのだが、 リザーブタンクというのはガソリンタンクの一部の底だけがへこんでいる、 その部分の事をいう。つまり、液面が一部だけあって、 あとは金属の底が見えている状態、というのが、リザーブを使用中の証拠になる)。
確かにタンクは軽いが、300km走行の後ではこんなもんだろう。
はて、すると何故止まるのだ?
給油パイプに何か目詰まりか? だから、リザーブにすると (給油パイプが変わるから)エンジンが復活するのか?

という訳で、リザーブにしてみる。
? それでも動かない!?
 ああ、いや、きちんと動いた。ほっ。走り始める。
給油可能のサービスエリアまで後2kmの看板。
10:20
352.3
給油可能のサービスエリアまで後1.5kmの看板。
そして、再び止まる。
メーターを見ると、350km。
もう一度、タンクの中を覗いてみる。
……全面的に、底が見えた。
からっぽ。

ガス欠確定。

高速走行で燃費が落ちるなんて聞いてないぞぉ!(泣)

(笑)。
VTとはタンクの形状が違う、つまり、 リザーブを利用する段になった時のタンク内の見え方が違う、というのは、 まあ、私の落度としよう。
だが、これはあまりにも許せないのであった。
後ろから黄色い車がやってきて、止まる。道路整備の皆さんである。
「ニイちゃん、どうした?」
「ガス欠です。」
「!……どうするの?」
「押します。」
頭の上には、1.5kmの看板。
「う〜ん、そうだよな。引き返してICから降りるのより、その方が早いか。 こっちの車で牽引するのも無理だしなあ……よし、事故が起きない様、 後ろからついていってやるからな。」
「は、どうも」
重たいZZ−Rを、押す。えっちら。おっちら。
振り返ると、常に黄色いランプをくるくると回転させた車がすぐ後ろに。 (圧迫感〜(笑))
前を向く。必死で押す。
道が、徐々に坂道になり始める(当然だが、昇りである(笑))。
押す。えっちら。おっちら。
10:40 小矢部サービスエリア到着。
店員さんに笑われながら給油。
体が一気に汗臭くなる。
道路が二車線に(各方向一車線)。
12:20
422.6
名立谷浜のパーキングエリア到着。
お昼に名立うどんというのを食べてみる。
海の幸(カニ、もずく等)が入っているのだが、 美味しいかと言われるとさほどでもない。ちぇっ(笑)
特にカニに関しては、口がおごっているんだろうなあ。 うまいの食った事あるもんなあ。
道路に濡れた後。どうやら雨が来てたらしい。
その関係だろうか、一気に気温が下がり始める。寒い。
親知子知(おやしらずこしらず)通過。小学校の時、 教科書にダム建設で載っていた黒姫、あれをもう少し向うに行った所にある。
じゅんさんが言うには、ここに面白い施設がある、また、道路が海に突き出てて、 恐くて素敵との事だったのだが、 はて、インターチェンジはあれど、サービスエリアもパーキングエリアもない。
どうも、インターを降りれば「ピアパーク」なるものがあるらしいのだが……
時間と照らし合わせ、何もせぬまま通過する。
確かに道路は海の上に作られているかの様に思え、景色はなかなかだった。 が、恐いという程では。
灰色の、海と、空と、水平線(天気は曇りだしていたのだ)。
じいんと、くるものもあった。
前を向いたら前走車のテールランプがすぐそこだった。やべえやべえ。
道路、二車線から復活。
新潟までいかず、その手前の長岡から道路が分岐。関越自動車道となる。
メーターは500kmを回る。
じゅんさんの嘘つき! いや、別に嘘でもないんだけどさ(笑)
アメリカを思う。
さすが新潟、米の倉所、平原の広がり方が違う。
道路が、どこまでも「まっすぐ」なのである。地平線が見え、 あまつさえそこまで道路が「まっすぐ」に伸びているのである。
アクセルも進む(笑)
十日町通過。
しかし、なんでこのへんの地名はこればっかりなのか。
4、5、6、10と揃っているのを確認。きちんと探せば、他もあるだろう。
(後に聞いた所によると、この日付はその町で「市」 がたった時の日付であろう、との事。毎月10日に市がたつから十日町。 なるほど〜)
13:40
630.4
六日町インターチェンジ到着。

5時間でつく予定(笑)だったので、数時間は余裕があるはずだった。
のだが、案の上のアクシデント(笑)の数々のおかげで、 どうやらぎりちょんの様子。
ちぇ、時間が余れば、一人で温泉にでもつかるかと思ったのにな。

高速代金を払いつつおっちゃんと会話をして、 待ち合わせのJR六日町駅の場所、それから、 温泉の場所を聞く(無駄だけどさ)。
町の観光協会発行の地図までくれた。
ガソリン給油。
雨が、ぱらり、ぱらりという調子で降り出していた。
無視できる程度ではある。
が、ついててよかった、とほっとしたのも本当だった。
13:50 駅に到着。
13:50。午後二時の待ち合わせにばっちり間に合ったぜ、と思いつつ、 駅の前には誰も居ない。改札口かな、と階段を上がる(陸橋状の駅で、 改札は上にあった)。
それらしい男性が一人。だが、目線があっても反応がない。
これはおそらく別人だろう。
14:00 電話をかけてみる。
つながらない。

待つ事にした。
14:10 もう一度電話。
かからない。
14:15 うーん、どうしよう。
いい加減30分が経過している。何処かでじゅんさんが倒れたか、 とか、色々な心配をしつつ、自分の身の振り方を考える。
この後の皆の予定は、確か、まずは黒猫さんの職場(電気屋)に攻めていき、 その顔を拝んでから晩御飯(バーベキュー)の買いだし、 そして中富さんのお宅を襲撃、だった。
とすると、黒猫さんの職場に行って、一行の行方を聞くのが順当か。

はて、私は黒猫さんの顔も本名も知らない……果たして店員さんを捕まえて、 「ここに黒猫さんという方がおられるはずですが」などと聞いていいものなのか、 どうか。(……絶対によくないと思うなあ。職場だもんなあ(笑))
あとは、オーラで割り出すしかないが(笑)……
14:20 困ってしまって、もう一度だけ電話する。
見事につながる。
現在、黒猫さんと職場で遊んでいるとの事、 駅まで中富さんが向かえに来てくれるとの事。
喜んで待つ。
ああ、よかったね、黒猫さん(爆)
後ほど聞いた話によると、丁度私の来る数分前だろう、 中富さんとじゅんさんは 運命的な出会い (笑。ふとすれ違いつつ、「あっ」と声をあげてバッと振り返る、という、 あのシチュエーションですな) を果たし、そのショックで私の事など記憶から落ちてしまったのだそうな(笑)
また、その後、電話がなかなか繋がらなかったのは、 全部黒猫さんが悪いという事だそうだ。 詳細は教えてくれない(笑)。 電話をネットに繋げていた、とは聞いたのだが……
改札口から下に降りると、高校生らしいのがZZ−Rの隣に居た。
「あの、このバイク、貴方のですか」
「はあ」
「ノーマルじゃないですよね、改造してますよね」
「はあ?」
自分が持っているZZ−Rとこれとが違う、というのである。
マフラーのサイズやタンクの大きさが違うという。
さあ、どうなんでしょう。 確かノーマルだと思うんですが……(少なくとも、私は改造していない)
年式とかの違いじゃないんですかねえ? どうなんだろう。
エンジンを聞かせてくれ、という。
おかしい、こんな音じゃない、という。
いや、そう言われても(笑)
アクセルをふかして、やっぱりそんな、という。
だからそう言われてもだなあ(笑)
乗せてくれ、という。
免許はと聞くと、家に置いてて今はない、という。
ううん、それは問題だろう、という事でお断りした。
お断りしてると中富さんが来たので、この話はこれで終った。

……う〜ん、なんだったのだろうか。

放浪班 心得之条 『放浪班時間は前後に2時間の幅』

閑話休題
Intermission
98/6/6(St)
中富さんは、背が高くて、目眼をかけてて、細いタイプの人です。
二枚目かどうかとか、そういうのを聞かれても、よく判りませんが。
某同輩になんだか似てて、ああ、と一発で親近感を持ったのでした。

黒猫さんの職場を襲撃。
黒猫さんは、背は普通で、目眼はかけてなくて、細いタイプの人です。
唯一意外に感じたのは、結構髪の毛を伸ばしていた事。
これまた某同輩に似てたりしたのでした。
仕事が忙しそうで、倉庫で荷物の出し入れをしてたので、会釈のみの挨拶でした。

そして、店内を探索してじゅんさんと合流。
じゅんさんは、背は女性にしては高め(私よりは低かったか?)で、 コンタクトで、細いタイプの人です。
体調はよさそうで、なんだかほっと安心したのでした。

ひとくさり挨拶をした後、出発、まずは中富さんの家へとなりました。

その途中、カインドウッドの丘にたつ、例の樹を、いや、そのモデルだ、 という樹を見せて貰いました。合計二本の樹が、そのモデルだそうで。
どちらも立派な巨木。
ううん、いかにも、と感心したのでした。

そして、中富さん宅に到着。
案内して貰ってよかった、決して自分では見つけられないよなあ、 という感じの地理を抜けた場所でした。
セールスなポイントの1は、薪ストーブが室内にある事。
ポイントの2は、そのストーブに、親子三代に渡る猫がたむろってた事。
ポイントの3は、納屋の二階に、 中富さん専用のおもちゃ部屋の用意されている事。

雨の振りそうな天気の為にバーベキューは室内での焼肉に変わり、 仕事の終った黒猫さんが到着し、 楽しい夜が更けて行き、更には明けていったのでした。
他にも沢山面白い話はあったのだが、 ツーリング日記からは離れてきそうなので、暫くおく。 バイクに跨っている間だけに限定して、とにかく話を進めよう。
98/6/7(Sn)
5:00
「仕事があるんだぁ」と泣く 黒猫さん を引き留めるのももう限界。
玄関で見送った後、ようやく眠りにつきます。
8:00 起床(笑)
寝てへんがな(笑)
夢の中でバリバリと発砲スチロールを砕く音がするなあ、と思っていたら、 実はそれは中富さんちの猫が、宴会のゴミ(肉汁のついたトレイ) を実際に砕いていた音だったのでした。
9:00 約束通り、中富さんの妹さんを乗せてZZ−Rの試乗。
う〜ん、人に自分のバイクを自慢するのの甘美な事(笑)
妹さんはかなりな速度でタンデムした事もあるとかで、 たいして参考にはならんかったでしょうが(笑)
とりあえず、ZZ−Rてのはああいうバイクです、 少しはタシになりましたでしょうか。
一度こかす。
やはりZZ−Rはタフ。どこも曲がっていない。
いや、ハンドルが少し緩んだかな? まあ、判らない程度である。

放浪班 心得之条 『常に選んだの逆の道が正しい道』

神よ、何処へ?
Where do you go?
98/6/7(Sn)
10:00
中富さん宅、出発。
「ここでしか買えない」と中富さんの力説される 地元銘菓のまんじゅうを買おうと、その元祖まんじゅう屋さんに向かうが、 しまっている。日曜の朝では、そうかもしれない(笑)
10:15 新幹線の駅(浦佐、だったかな?)で、じゅんさんをお見送り。
これから、北海道? へ行くとか。
おたっしゃで〜。
例のまんじゅうが、ここで売られている事を発見。購入。
手に持った瞬間に冷たい感触、う、ほとんど冷凍されている。
まずいなあ、生菓子かあ。もつといいなあ。
10:20
511.5
駅前で缶コーヒーを飲みながら、
「これから何処へ?」
「う〜ん……何処へ行きましょう?(爆)」
じゅんさんが勧めてくれた温泉もある。
また、つい先日地図を眺めてて初めて知ったのだが、山を一つ回り込めば、 そこには尾瀬がある。
尾瀬へ行く道については、中富さんのお父さんから教えて頂いた。 地理の方向的に、温泉とは逆方向。時間的に見て、両方行くのはしんどそう。
「どっちにします?」
「……尾瀬かな、やっぱ。」
その時に私の頭には、小学生の時に習ったあの歌がコダマしていた(笑)
そう、一度は行ってみたいと思ったのである。うちの親父もベタ褒めしてたし。
「ま、温泉は帰りに、時間が余ったら。」
「そうですか。じゃあ、途中までつき合います。」
おお! ありがたい!
そういう訳で地理不案内な私は、中富さんの先導で、スマートに道を進む。
10:42
631.0
なんとかスカイラインに到着。ここから先は二輪通行禁止らしい。
……見なかった事にする(爆)
もしもつかまったらどう会話をするか、入念に中富さんと打ち合せ。 「えー、ここ、二輪通行禁止だったんですかあぁ?
いやあ、地元の友人に聞いたら、尾瀬に行くならこの道だって……」
「私地元ですけど、ここが二輪禁止なんて知りませんでしたよ。 そうだったんですか。いや、実は私も、親から教えて貰っただけで、 ここを通るのはすごく久しぶりで……」
さあ、これで準備は完璧(笑)
長いトンネルがあり、あまつさえそのトンネル内で三差路があるという。
直進すればダム(落差発電日本一)を見れ、右折すれば尾瀬へと続く。
ついでなのでダムを見ていく事にする。
トンネルがなかなか素敵。
狭い、でこぼこ、天井も床も常に濡れてる、岩板露出な感じの壁。
しかも、長い。しかも、寒い。バイザーが曇る、上から滴は落ちてくる……
時々壁に白い線が斜めにひいてある。なんだろう……?
あ! この白線、これが「水平線」なんだ! 実はこのトンネル、 傾斜しているんだ、それも下る方向に!
目の錯覚とは恐ろしいもので、全く(今自分の走行してる路面が下り坂だと) 気がついていなかった。うーむ、なんだか人体実験な感じでしびれる。
奥只見ダム到着。
でかい。ああいうでかさは、「直接見ないと感じれない」類のでかさ。
海遊館でジンベイザメを観た時と同じ巨大感をここでも体験する。
ぐるりを回って歩きながら、中富さんと話す。
じゅんさんとの会話にあったのだが、 今は小説ではなくエッセイが売れる時代なのだそうだ……
新潟の自然に触れて、しかもファンタジーな感覚を握っている、 そんな中富さんのエッセイなら行けるのではなかろうか、私も読んでみたい……
一歩から見たら不思議なものが、私自身からは普通だ。だから、 エッセイにしたくても、題材が判らない。 私にとってはどれもエッセイのネタとして捕らえられない……
では、私が題材を指定しましょう、少なくとも、 一大阪人からは不思議なものはコレだ、というネタは与えられる、 だからそれをエッセイに……
なんだ、なんだかダムとは関係の話をしてたもんだ(笑)
さすが発電ダム。電気館なるものもあったが、それはうっちゃる。
たいして面白くないらしい。一度は見た事があるはずの中富さんが、 中身を思い出せずに困っていたから(笑)
水筒変わりに、500mlペットボトルのお茶x2を購入。
奥只見ダム出発。
今度はトンネルの中で三差路を曲がり、銀山平へ。
ここで中富さんとはお別れする。さあ、尾瀬だ。
と、進み出した途端に、またも二輪禁止の看板。今度のは、 見なかった事に出来る様な隅ではなく、でかでかと道の上に飾ってある。
う〜ん。
あれはきっと「原チャ禁止」の看板だったんだ。
そう自分に納得させて先に進む。
なるほど、二輪禁止の理由がよく判る。
うねうねと湖ぞいを曲がりながらアップダウンを繰り返す細い道、 これはバイクメンなら攻めたくてしょうがないようなシチュエーション。
なのに、ろくなガードレールはない。三本ワイヤーなだけである。
思い出した様に、落石がアスファルトの真中にあったりとか。
そして何より、この道、かなり頻繁に「沢」と一体化しているのだ。
幾つもの水流が山の尾根から峰から集まって、流れを作る、 その方向と直角に道路がぐるぐる走ってる(水面に並行に、 湖の淵をぐるりと巡って)訳だから、さもありなん。
ここで道路の下をくぐらす水路を作らず、 道路自身をちょとへこませて「川」にしてたりするのが、もう、 バイク駄目の原因ですね。
この感覚は、丁度一番バイクを倒しこんで突っ込むあたりですし、そこで 水があったりヘコミがあったりした日には……
雨上がりのこの道路、俺なら渡る気にはなれません。 一体幾つの濁流を「渡河」しなくちゃならないはめになるやら。 バイクでは流されます、はい。
山の上に重そうな雲がのっている。雲は、そのポジションをキープしたまま、 動かない。
そして道は、徐々にその山へと向かっている気がするのであった(笑)
アタリ。
その山の中に道は入り、雨が降り始める。
結構激しい。雨具の隙間を通して、水が染み込んでくる。
おいこら、またぐらから濡れ始めるのはよしてくれ。
まるでおもらしみたいじゃないかあああああ。
クソ。
おお、尾瀬居点だ。
山の中に駐車場と食堂などが並ぶ。と、そこにゲート。
ここから先は車の侵入禁止、稼働している送迎バスを利用の事……?
おやおや、とゲートの前で途方に暮れていると、 ゲートの警備員さんが近寄ってくる。
「二輪は通行許可ですよ。」
よかったあ。
車族を尻目に、ぶいぶいと走り入れる。
ゲートから先も結構長い。
途中で雨はやむ。
見上げると、真上は青空。でもすぐ隣には、先程の雨曇。
……なんちゅー局所固定の雨なんだ(笑)
13:56
767.8
沼山峠到着。
うおお、やっとついた。もう午後、果たして今日だけでどこまで行けるか……
しかし、最後にガソリンスタンドを見かけたのが、 例のトンネルのスカイラインに入る前。そこから先約100km、 ガソリンスタンドもなしとなると、なる程、普通バイクで来たら途中で止まるか。 これも理由の一つなのだろう。
デイパックを詰め直し、必要そうなものだけに中身を絞る (着替えとタオル、お茶等)。
愛車からは腕時計だけは剥ぎとり、後はそのまま放置。
俺が帰ってくるまで待っとれよ。
そう声をかけて、尾瀬道中が始まった。

放浪班 心得之条 『予定は未定 決定にあらず』

閑話休題
Intermission
98/6/7(Sn)
14:00
甘かった。見通しが極端に甘かった。尾瀬をなめてた。 思えば下山する人ばかりで、 なんでこの時間から入山するのが俺だけなんだと思った時に気がついてれば。
尾瀬は結構懐深く、半日で回れる広さではありません。
しかも、一般に尾瀬ヶ原と呼ばれる湿地帯は、 私のアプローチした方向からだと逆方向になります。
山道2時間を経過しないと、そちらへは行けません。

皆さん、肝に命じて下さい。
98/6/8(Mn)
5:30
結局、山中で山小屋で一泊。この宿泊代が痛かった。
ま、それはまた別の話。
バイクの話に戻りましょう。

とりあえず、コースにかかれてる目安となるタイムを、 私は平均0.75倍に早めて、ダッシュの尾瀬巡りを敢行しました。
ちなみに、花の季節は既に終っておりました。
「お前、一体何しに尾瀬まで行ってん?」
人にそう問われたら、少しはにかみながら私はこう答えるでしょう。
「ジョギング?」
と……

放浪班 心得之条 『後ろを振り返るとカーブミラーに当たる』

後の祭り
After festival
98/6/8(Mn)
?:??
ようやくZZ−Rの元に帰ってくる。
あ、足が、関節が、ボロボロ。

ZZ−Rの隣に、ホンダのオフ車?
仲間だ!
という訳で、これから尾瀬に向かうという彼と情報交換。
私は尾瀬内の状態を、彼は天気と道路地図を見せてくれました。
話がなごみ、だらだらと時間が過ぎていきます。
いかん、いかん。
ようやく腰をあげて出発。
実は、お金がピンチ。
予定していなかった宿泊のせいで、もうスカンピン。
ギリギリ、帰りのガス代があるか、ないか。
キャッシュディスペンサーは何処だ?
私の目が光る、あ、あそこに農協のが!

引き出してみて時計をみると、16:55。CDは17:00で止まるから、 まさにぎりぎりでした。
眠い。泣く子と睡魔には勝てない。
突然に路肩に止め、その隣に死体の様に転がる。 ああ、アスファルトが暖かい。緑の匂い、鳥の鳴き声……

時間がワープ。
元気になって即イグニション、その勢いをもって 行き道の「二輪禁止道路」をブチ切る。イェイ。

銀山平では、「尾瀬三郎」なる、ここでしか手に入らないという酒を購入。 また荷物が重くなる。
せっかく信州に来たんだから、と駅前のそば屋にしけこむ。
んー、期待ほどには。
あんまりソバの色してないし、コシはあるんだけど、風味がなんだかだし。
生そばっていうのが、いけなかったのか? 店がハズレだったのか?

そのまま駅のトイレで服を高速仕様(皮のズボンとグローブに。 まあ、気安め(笑))に変換、高速道路へと乗る。
せっかく信州に来たんだから、と駅前のそば屋にしけこむ。
んー、期待ほどには。
あんまりソバの色してないし、コシはあるんだけど、風味がなんだかだし。
生そばっていうのが、いけなかったのか? 店がハズレだったのか?

そのまま駅のトイレで服を高速仕様(皮のズボンとグローブに。 まあ、気安め(笑))に変換、高速道路へと乗る。
20:00 親知子知到着。
試しに降りてみる、が、やはり料金所を通り抜けないと、 じゅんさんの言っていた「海を見渡せる施設」=おそらくピアパーク、 へは行けない。
すっかり黒一色になってしまった世界とてらしあわせ、Uターン。
結局じゅんさんお勧めスポットは見ないままだった。
小人さん登場。
時速100km/hの運転を変わろう、変わろう、とうるさい。 時に、一瞬、二瞬と本当に運転を奪われ出して、これはさすがにやばいと覚悟。 ほとんど30分ごとにサービスエリアに降りて、 15分の仮眠をとる様な間合いでジリジリと距離を詰める。
サービスエリアで、 全国を自動車でぐるぐる回っているという変なおじさんと会う。
色々話してくれるが、大半が自分の履歴系列、自慢系列。
こっちは眠い。
早々にまた走り出す。ううん、休憩にならんかったなあ。
もう駄目だ。このままだと小人さんに敗けてしまう。
そう観念して、パーキングエリアのベンチに倒れる。
朝までここで寝るのを覚悟。
足はペンギン歩きしかできないままである。
覚悟したはずなのに、目が覚める。? はて?
胸騒ぎに誘われて、バイクの側へ。
その時、首筋に冷たいもの。
そして次に、額に。
……雨。
覚悟撤退、雨曇に完全に追いつかれないうちにと再びバイクに跨る。
その間にも、雨足は強まる。
ダッシュ、ダッシュ、ダッシュ!
一時は本降りになるが、ようやくかわす。
いやあ、恐かった。雨で夜で高速というのは、はじめての経験である。

また寝てると雨においつかれそうなので、このまま帰る事にする。
小人さんとの戦い再開。
コーヒー、ブラックガム他、総動員体制でいどむ。
口の中がタール系列というか、カフェイン系でというか、なんだか グニグニの味になって、唾吐いたりゲロッたりしたくてたまらなくなる。
オエエエ。
京都あたりで給油。
ついにカフェインがきかなくなる。
最後の手段だ!
ヘルメットの中に俺様の美声を響かせながら旅の再開!(笑)
歌うはアニソン(爆)、勢いのいいの。歌詞は既に眠さにまけて適当。
「ららら」だけでヤマトを歌うなよ(笑)
宝塚インター。
かなり寝ている。料金所のおっちゃんと押問答したり、 信号を3ターンぐらいぼーっと待ったり。
98/6/9(Te)
3:00
帰宅。
あ、歩くのがつらい。やはり尾瀬のせいで、足が。
無事ついた発言を関係者に発し、寝る。
さあ、明日は、いや、今日からは学校だあ(爆)
……かくして、幕を閉じる。


[1 step back] バイクページ
[2 step back] 趣味のページ
[COUNTER]
[NEXT] : [TOP] : [UP] ::: [SF] : [HOB] : [PROF] : [TOOL] ::: [LINK]


something tell me. [mailto:ippo_x@oocities.com] [BBS]

This page hosted by [GeoCities] Get your own Free Home Page