MinMin's Diary


today's diary
Last week's diary

3月22日
最近は忙しいくせにやけに思索に走ってます。
優しい人って傷つき易いのかなって思います。
思い遣りがある人って辛いことあるんじゃないかなって思います。
ずっと昔に読んだ詩を思い出しました。
仕事で疲れた優しい娘が電車で席にやっと座れると,人の波に押されて老人が目の前に立ってしまう。
彼女は老人に席を譲る。
そして次の駅で老人が降りて少女はまた座る。
すると次の駅で別の老人が乗ってくる。
彼女は疲れた身体を奮い起こしてまた席を譲る。
その老人も次の駅で降りていった。
彼女はまた席に座る。
すると次の駅でまた老人が乗り込んできた。
少女は遂に立ちあがらなかった。
だけど老人は次の駅が来ても,次の駅が来ても降りない。
少女は唇をぎゅっと噛みしめ,うつむきながら座っている。
詩人はそこで電車を降り,見送った。
優しい心を乗せたまま電車はどこへ行くのだろうと思いながら。
そういう詩でした。
残念ながら題名は思い出せません。
だけど夕闇の中を走る電車と少女の切なさがいつまでも胸に残る詩でした。
優し過ぎると傷つき易くなる。
思い遣りがあり過ぎると辛くなる。
満員電車の中には他の人も居たはずです。
なのにどうして少女ばかりが傷つき,辛い思いをするのでしょう。
優しい人は他人を傷つけることにも敏感です。
他人を平気で傷つけるような人にまで思い遣りを見せます。
傷つくことの辛さを知っているからでしょう。
傷つけることの罪深さを知っているからでしょう。
そうするうちに優しい心を奥の方に隠し,かたくなに優しい心を閉ざし,諦めたような瞳を投げるのでしょう。
わざと冷たいようなことを言って,話をそれ以上しないように壁を築こうとするのでしょう。
自分が他人を傷つける言葉を出さないように細心の注意を払っているのでしょう。
絶望することで期待する気持を抑え込み,傷つくことから自分を守ろうとしているのでしょう。
私はそういう人が好きです。
冷たいような言葉を吐きながら温かい思いが心の奥底に流れている…。
心臓病の女の子が掃除の時間に机を運んでいると雑巾を投げつけて[お前は窓でも拭いてろ]と言う不良ぶってる少年。
病気で彼女が死んだ時に見せた少年の辛そうな表情。
自分の周りにいる人を失うのが何よりも恐かったと打ち明けた大人になってからの彼。
[俺達まだ30歳越えたばっかなんだぜ。どうしてそれなのにこんなに人が死んでんだよ]
同級生の物故者の名前が意外な程に多いことに気付いた時に彼は言いました。
失い,傷つくことを恐れて心を閉ざす優しい人達。
私は貴方達の心の扉を無理にこじ明けて引っ張り出そうとはしません。
だけどお願いです。
絶望しないでください。
絶望しているふりならいいです。
傷つく自分を守る為の手段なのですから。
だけど本気で絶望だけはしないでください。
貴方達に希望を与えてくれるようなものは出現しないかもしれません。
だけど,貴方達を絶望させるのに充分な理由はまだまだ出そろってないはずです。
傷つくことを恐れるなとは言いません。
傷つくことは辛いことです。
だけど,だからと言って許してはいけないものにまで寛容な態度を見せないでほしいのです。
貴方が傷つき易いからと言って他の人までものが全員傷つき易い訳ではないのです。
他人を他人と思わないような人を見過ごすことをしないでください。
他人を他人と扱わないような事物を見逃すことをしないでください。
貴方のように優しい,思い遣りに満ちた心の人ならばそういったことの不正は既に気付いてるはずです。
弱い者の立場に常に立っている貴方達が好きです。
痛みを受ける者の立場に常に立っている貴方達が好きです。
だけど,貴方達とは所詮,考えの違う人が行なう無分別な行為にまで寛大な態度を見せないでほしいのです。
ともすれば貴方を襲ってくるかもしれない傍若無人な連中までをも許さないでください。
……。
優しい人に出会う度に題名を忘れた夕闇の中を走る電車の少女の詩を思い出してしまいます。
優しい人のきゅっと噛みしめられた唇が少女の唇とダブります。
絶望的な色に満ちた瞳が少女の俯いた瞳とダブります。
他人よりも優しい心を持っているといつの時代も生き難いのかもしれない…。
そんな風に考えてしまいました。
そして思うのです。
傷ついても傷ついても私は立ち向かおう…。
優しい人達が少しでも傷つかなくてよくなる為に。
思い遣りのある人達が少しでも絶望しなくてもよくなる為に。
私が出来ることなんて微々たることかもしれません。
だけど,努力だけは捨てないでいたいです。



Go back to Index
Go back to Last week's Diary

minmin@geocities.co.jp