MinMin's Diary
9月14日
台湾に戻ってきました。
今回は今までの日本帰国では最長記録となりうるものだけあって、台湾に戻ってからのリハビリ?が大変そうだなと思ってます。
でも、ひとつだけ、「あぁ、よかった」と思うものがあります。
それは迷彩服もどきのファッションをした子供がいないこと。
日本に戻って、まずぎょっとしたのが迷彩服もどきを来た子供に出会った時。
なんでも親子で「アーミールック」が流行してるそうですね。
はっきり申し上げて私はアーミールックが大嫌い。
映画「プラトーン」でID用に兵士達がつけていた認識証とでも言うのでしょうか、ペンダントみたいなのがありました。
あれが日本で大流行した時もぞっとしました。
あれって爆風で身体が木っ端微塵になって、何も残らなくても、それだけの爆風に耐えうるものだそうです。
それで、肉の一片も残らなかった兵士の遺体として、あの認識証が使われたそうです。
そんなもん、誰が身につけたいでしょう?
人を殺すために、そして人に殺されるために戦地に赴いた若者達の遣る瀬無い思い。
自らの全ての人生が、あんなちっぽけな認識証だけにすり替わってしまうことの哀しみ。
そんなことをも感じ取れない日本の若者が「かっこいいじゃん」と言って無邪気にイミテーションをつけるという。
そんな若者が親になり、「かっこいいじゃん」と「親子でアーミールック」をしてしまうのでしょうか?
迷彩服というのは、もろに戦場で着る戦闘服です。
左翼ががぁがぁ怒りそうなあの歌、「海ゆかば」の中に登場する「山ゆかば、草生す屍」を連想させる服です。
本物の迷彩服を着た多くの若者は異郷の密林で、草むらで、生命を散らしていきました。
そんな服、着たくなんかなかったでしょう。
明るい色の、戦争なんかとは無縁の服を着て、愛する人達と歩きたかったでしょう。
なのに、その服を着ることを余儀なくされ、愛する人とも離れ、ただ、黙々と人を殺し、さもなくば人に殺される異常な状況下に置かれていたのです。
そんな服のどこがカッコイイのか私には解りません。
「ファッションだよ」と言い切る人もいるでしょう。
軍服は礼服でもあったから、百歩譲って許しましょう。
でも、迷彩服は人殺しの現場の服なのです。
それを我が子に嬉々として着せる親の神経を疑いたくなります。
日本にいた間に「特攻の街・知覧」(佐藤早苗著)という本を読みました。
ちょっと手元にないので詳細は書けないのですが、著者の等身大で、主義やら立場に左右されない、事実を事実として客観的に見つめる姿勢に打たれました。
更に、客観的でありながらも血肉の通った温かみを感じさせる文章で、対象となる人々への愛情を感じました。
この時代のものを書くのは難しいと思います。
それを見事なまでにやりのけてくれたと感心しました。
この本を読んでいただけに、迷彩服を我が子に喜んで着せている若い親の感覚に目眩がしました。
おりしも、北朝鮮が何やらやらかしていた時。
平和だ、戦争反対だ、平和教育だと識者が叫ぶ前に、こういった感覚のズレた若い親が日本にいるという事実を真摯に見つめる必要がないでしょうか。
別にファッションなんだから、いいじゃんと言われるかもしれません。
だけど、私にはどうしても受け入れることは出来ません。
個性の時代だの、校則の廃止だのと学校側もやけに物分かりがいいですが、ああいうファッションの誕生した背景やらを誰が教えてくれるんでしょうね。
世の中の識者も、どうしてあのファッションのことを言っていないのでしょう。
不思議です。
もし仮に、私に息子がいても、絶対にあんな服は着せません。
もし戦争が起こったら、着たくなくても着なければいけない服なのですから。
それを平和な時代の今に、どうして着せなければいけないのでしょう。
台湾に帰って来て、子供にあんな服を着せている親はさすがにいなかったので、ほっとしました。
ま、台湾の場合、大抵の男子が兵役に就きますから、そのうち嫌でも着れるからっていうんでしょうかねぇ。
9月20日
明日は公聴会の下準備とやらがある。
実は25日に立法院で外国籍配偶者の永住権に関する公聴会が開かれるのだ。
日本から帰って来て、すぐにこの知らせを受けて、にわかに慌ただしくなった。
台湾では外国人に永住権を与えない。
確かに狭い島だと言われればそれまでなのだが、なんとなく割り切れない。
日本には配偶者が日本人でなくても永住権を取得している台湾人がいる。
実際に先日も日本への帰化を申請して受理されず、日本を訴えた台湾人の男性がいた。
彼と彼の3歳になる息子が帰化を訴えるというのだがら配偶者は恐らく日本人ではないだろう。妻が日本人なら3歳の息子には日本籍があるはずだし、帰化を申請する必要も無い。権利として日本国籍を取得できる。
恐らく息子の兵役などを考えて日本帰化を申請したのだろう。
ところがこの男性は1年の240日以上を海外で過ごしているという理由で帰化が認められなかった。
彼はこの判決を不服として日本を訴えた。
曰く、自分が海外に行っているのは自分の母国の台湾ではなく、中国大陸だからビジネスであり、まったく正当な理由だというわけだ。
ちょいと待ってくれ。
日本の国では台湾は中国大陸と同じ扱いなんだって。
つまりね、台湾人が中国大陸に行ってても第3国に行ってるようにはならないんですよ。
だって、日本女性が台湾の中華民国籍を取得するために日本籍を放棄しようとしたら、日本の法務省に「その中華民国の書類は無効です」と言われ、「日本では中国は中華人民共和国のみを認めていますので」と言われたそうなのだ。
となると、その240日を中国大陸で過ごしている台湾人は「故国」に戻っていると判断されても仕方ないんです。
ま、でも、240日も海外にいながら永住権を取れたうえ、その永住権は永久に有効なんだからうらやましい限りです。
台湾で現在進められている永住権の草案でも、なんと、せっかく永住権が取れても、台湾から1年の間に183日離れていたら永住権は剥奪されてしまうようになってるとか。
となると、実の親が病気になって、その介護に出向いて半年間、付き添ってあげていると、せっかく取得した永住権はぱぁになるんだそうです。
あんまりだよねぇ。
台湾人の中には、ほとんどの日々を台湾で過ごし、保険をもらえなくなるといけないからって、ちょろっとアメリカに行ってる人もいるのに。
240日も国外で仕事していて、日本に居住する意味もないのに永住権まで取れてしまう人もいるのに。
なんだか不公平だな。
いくら台湾が狭いからとか、台湾が不安定だからとかって言われても、この不公平は納得できない。
アメリカ籍や日本籍を取得したい台湾人ってのは、ある意味では台湾から離れたい人達でしょ?
台湾の状況が危ないって思っているから、いざとなったら我が身可愛さに見捨てようって人でしょ?
そういう人に相も変わらず自国民として優遇措置を与えているのに、台湾で生活しようとしてやってきた外国籍の配偶者には、どうして、いつまでたってもヨソモノ扱いしかできないんだろう。
私達が男の子を産めば、その子は中華民国軍の兵士として兵役に就くんだよ。
私達は中華民国軍の兵士の母になるんだよ。
その兵隊に自分の息子をするのが嫌で外国籍を取得している自国民には甘いのに。
半年以上も外国籍を持っている自国民が台湾に住んでいても全く問題ないのに。
私達が家庭の事情などで国外に半年出ていれば永住権は剥奪されるなんて。
もし、仮に夫が海外に転勤になったらどうすればいいんだろう。
夫は海外にいるのに外国籍の妻はわざわざ半年以上台湾に滞在しに戻ってこなければいけないんだろうか。
なんか不条理。
日本の外国人に関する法案もまだまだと言われているけれど...。
日本にいた頃は、そんな法案を見て、頭を抱え、こんなんじゃ国際化なんてとても遠いって、よく友達と嘆いていたけれど。
台湾の外国人に関する法案に比べれば、日本はまだ整っているな。
中華民国政府に聞きたいですよ。
そんなに外国人が恐いですか?
そんなに外国人が犯罪予備軍に思えますか?
外事警察での不愉快な体験と重ねあわせて、こういう言葉がつい口をついてしまいます。
普段の生活に文句を言っているんじゃありません。
台湾で台湾の人々は民主主義のもと、自由に生きているんだからなんてお気楽なことを言ってくれた人もいます。
当たり前です。
自分の国で自由に生きられないなら、それは問題ありです。
問題は「自国民でない人の人権がどこまで守られるか」ということです。
おかみの鶴の一声で居留できるかできないかも決められてしまう外国人。
だけど、ここに生活の基盤を移してきてしまった外国人には、それなりの保証があってもいいはずです。
例えば親の代から日本に住み、20数年も親が日本で日本の為に働いてくれていたら、その外国人に日本の永住権が与えられるのは誰しも当たり前と思うでしょう。
ましてや、その外国人が親に続いて、日本で日本の為に働き、日本人の配偶者を持ち、親子2代で日本に貢献していたら、永住権どころか帰化だってありうるはず。
それと同じような立場にある日本人が台湾にいたらどうなるでしょうか?
答えは簡単。
昨日、今日、台湾にやってきた外国人と同じ扱いを受けます。
親の功績も、己の功績も一切考慮されず、機械的に数年に一度の居留延長手続きをするだけです。
居留の延長期間が長くなるわけでもなく、永住権が下りるわけでもなく、おかみの気紛れで追い出されるんじゃないかって冷や冷やしながら生活しなければいけません。
なんか変じゃないですか?
そういう沢山の「変」をあぶり出すために公聴会を開きます。
どうなるだろうな。
どこまで「全ての人権は等しく公平に扱われるもの」って考えが通用するだろう。
インドネシア華僑の友達なんて冷めてるもんなぁ。
「いっくらインドネシア人が騒いでも駄目よ。貧乏国って馬鹿にされてるから。そんなとこの人間がいっくら訴えても『貧乏だから来たがってるインドネシア人が何を言うか』ってとこでしょ。だから台湾人が一目置いてる日本人と欧米人が言ってくれないとね。そりゃ、私だっていくらでも手伝うけど、発言するのは欧米人と日本人じゃなきゃね」
と言ってたっけ。
図星だよね。
どこの国の、どの地方の、どの民族の出身だって同じ人間で、同じだけ尊重されるべきなのに。
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