仕事のペースもつかめてきたので、何か新しいことを始めようとずっと考えていたある日、ふとしたことから知り合ったKさんに誘われて、草サッカーのリーグ戦に参加することになりました。「ゴルフしなきゃ嘘だよ。2000円なんだよ。コースはあちこちにあるし、アフター5でも出来るんだから。」という周囲の声をよそに、よりハードなスポーツに敢えてチャレンジすることにしました。ゴルフもやれば面白いのだろうけど、体がまだ元気な間(元気だと信じたい間)は、やっぱり気合いの入ったスポーツをしたいと思ったのが理由です。
大学体育会サッカー部マネジャーだった姉の影響で、ワールドカップ/トヨタカップ/高校サッカーなどサッカーのテレビ中継は結構よく見ていましたが、サッカーへの興味が本当に強くなったのはJリーグとドーハの悲劇以降でしょう。そして留学してみて、サッカーは世界の共通語であることを肌で感じ、そして日本人として自国のワールドカップ初出場を本当に願うようになりました。ウズベキスタン戦、UAE戦はアメリカから心臓をばくばくさせて応援してました。(ちなみに今度の韓国戦は日系の衛星放送でほぼリアルタイムで放送されます。絶対、声を出して応援します!)
アメリカでサッカーをするのは不思議かもしれませんが、ポートランドはアメリカにおけるサッカーの中心地です。先日のワールドカップ予選の対コスタリカ戦も、家から徒歩3分の競技場に大観衆を集めたし、来年(だったと思う)には女性のワールドカップを誘致する計画もあります。町の中には芝生の(!)グラウンドがごろごろしており、ちびっ子の間では野球やアメフトよりもサッカーに人気があります。やはり、ナイキ本社とアディダスのアメリカ本社が位置しているだけのことはあります。草サッカーのリーグ戦も市の主催で、約10チームが参加しています。45分ハーフで、フルサイズの芝グラウンドで、スパイクとすね当てとユニホームを着てやるのですから、かなり本格的です。年齢制限は30歳以上ですが…まあ、この辺りはゆるやかです。
私が参加したチームは日本人チームで、駐在員と現地在住の日本人に「すけっと」のアメリカ人が混ざっています。5、6人の経験者が皆をまとめてくれていますが、こちらに来て始めてボールにさわった人も大勢います。皆、プレー中は真剣ですが、変に勝敗に執着せずに、サッカーそのものを楽しんでいるようです。おかげで、素人の私も自然に輪に加わることができました。30歳を過ぎてサッカーを始めようというおじさん達は、大変気さくで素敵な方々です。少なくとも、「日本のおやじ臭さ」はありません。
で、今日がデビュー戦でした。サッカーをするのは7年前の大学サークルの合宿以来ということで、目標は「怪我をしないこと」でした。技術も体力もないので、ポジションはミスが比較的許される右ウィングでした。
キックオフから、敵のアメリカチームは殆どラグビー状態です。ロングキックをばんばん放り込んでくるばっかりなのですが、図体のでかい奴らに空中戦では全く歯が立ちません。こちらは細かくパスをつなごうとしますが、芝が凸凹でなかなかつながりません。先取点は取られましたが、すぐに追いつきました。その後、「あともう少し足が伸びたら入ったのに〜」というゴールチャンスが2度ほど巡ってきたのですが、決められませんでした。(この辺りの記述は日本代表の試合と似ていますが、私の問題は決定力不足などではなく、単に下手くそなことです)
1-1でハーフタイム。45分走りっぱなしでしたが(少しさぼっていましたが…)、思ったほど疲れていません。何だ、俺もまだまだ若いではないか!と嬉しくなります。後半は15分過ぎから、センターハーフの位置で出場しました。そして、最初に相手のマークに入った時、いきなり芝生と土の境目に足をひっかけて転倒!痛みで地面をのたうちまわりました。右足首をひどく捻挫したようで動けません。後半は1回もボールに触ることなく、無念のリタイアです。今日の目標は果たせませんでした。ストレッチも念入りにやったし、体力もまだ十分あったし、これは凸凹なグラウンドのせいでしょう。味方も敵も審判も、「大丈夫かい?」「ナイスプレーだったよ」と優しく声をかけてくれたのが、本当に嬉しく感じられました。
結局、試合は1-3で負けました。皆、くやしそうですが、次は勝とうと明るく解散しました。皆と声を掛け合って頑張る団体スポーツはやっぱり楽しいです。これからシーズンオフまでは、テニスとサッカーの二足のわらじでいきます。そして、次の試合までには足を治して、今度は必ず勝ちます!(でも、気合いに技術がついていってないので、15ドルのサッカーボールを購入して、基礎練習をしようかと思います)