私がこの小さい街に興味を持つようになったのは、ポートランド時代の同僚の影響です。元上司のジョン・フレゴネシさんは、1980年〜1992年にアシュランド市の都市計画課長を勤めており、メトロで発揮された手腕はこの街で磨かれたと良く語っていました(→参考:直撃インタビュー第1回)。彼曰く、「太一、メトロのまちづくりの原点を見ずに帰国してはだめだ!」 また、同僚であったサラ・リードさんのお母さんは、アシュランド市のベテラン議員(兼コテージ経営者!)であり、親子揃って「自慢の故郷を案内させて!」と常日頃言っていました。これでは行かねばならないではありませんか(笑)
日本に紹介されるアメリカのまちづくり事例は、ニューヨーク、ボストン、サンフランシスコ、シアトル、ポートランドと言った大都市が多く、一部を除けば小都市ならではの魅力的まちづくりの実情はあまり知られていません。日本の地方中小都市からの視察団の皆さんが、都市としての規模や経済力の格差のために、ポートランドのまちづくりを御自分の都市に応用する方法が見通せないと嘆かれるのを見る度に、もっとアメリカの小都市のまちづくりを知ってもらいたいと思うようになりました。
一人でも多くの方がアシュランドへ足を延ばして下さるように、まずは観光案内から。
ポートランドからアシュランドに行く途中で少し寄り道をすると、全米的な観光地であるクレーター湖国立公園があります。澄んだ青い水を誇るこの湖は、7700年前のマザマ火山の噴火口に出来たカルデラであり、水深580mは全米第1位、世界でも第7位の深さです。自然の力の雄大さを感じずにはいられない、幻想的な風景が広がっています。アシュランドへは、アメリカの大自然観光ついでにお越し下さい。
アシュランドには素朴なコテージが沢山あるので、農園・牧場の雰囲気を味わいたい方にはお勧めです。私はリードさん夫妻が経営する写真のコテージに泊めてもらいましたが、チェーンのホテルやモーテルにはない素朴な感じでリラックスできます(手作りのジャムも美味しかったです)。
小説「マジソン郡の橋」に出てきそうなボンネット型トラックを運転している女性は、私を案内してくれたリードさんです。こういうレトロな車はさすがに珍しいですが、町中を走っていてすごく絵になります(エンストの多さには参りましたが)。
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