化身


・アトゥ(ニャルラトテップの化身)
 アフリカで目撃されるニャルラトテップの化身。
 巨大な樹木の姿をしており、金色の巻ひげで人間を鞭打つ。
 この神に対する信仰は、自分を傷つけることが教団の証であり、
 信者たちは手足のいずれかが無いとか、激しい鞭打ちや殴打による傷を負っている。
 アメリカ等の新世界では、ヴードゥーのような儀式で信仰されている。
 ネクロノミコンによれば、アトゥは昔地球に落とされたたくさんの種の中の一つであり、
 地球に根を張れば地表を覆い尽くすだろうと述べられている。
(ドレーク「蠢く密林」)                                                 


・ウムル・アト=タウィル(ヨグ=ソトースの化身)
 正確なアラビア語ではタウィル・アト=ウムル(生命永き者)。
 時空を管理するヨグ=ソトースの化身。
 ベールを纏った人間の姿をしている。
 劫初より地球の延長部の玉座に座し、多次元への門を護るものにして導くもの。
 地球上のどのような生物が栄える以前から、地球の実体として存在していた。
 古来より人類に恐れられている存在であるが、他の時間や空間に旅しようと欲するものには、
 危害を受けること無く相対することができる。
 まったく邪悪な印象を受けることはないが、ベールを剥ぐ者には代償として破滅と狂気が与えられる。
 本来はかなり危険な存在である。
(ラヴクラフト「銀の鍵の門を越えて」)                                          


・黄衣のキング(ハスターの化身)
 人間に良く似た姿をしたハスターの化身。
 黄色或いは斑に染め分けた襤褸を纏い、「青白き仮面」をつけている。
 襤褸は実際には肉が伸びたものであり、仮面は偽足を隠す為につけている。
 好きなような体を伸ばしたり、形を変えたりできる。
 戯曲「黄衣のキング」を読むことによって狂気に至った者達(大部分は芸術家たち)によって崇拝されている。
(ブリッシュ「月光」)                                                  


・膨れ女(ニャルラトテップの化身)
 体重300キログラム、身長2メートルある生き物。
 どことなく太った人間の女性に似ているニャルラトテップの化身。
 腕と鼻に当たる部分に触手がついている。
 弓のような形をした5つの口があり、そこから牙が束になって突き出している。
 黄色と黒の上質の絹のような材質の長衣を纏い、ベルトに6本の鎌と謎の黒い扇をぶら下げている。
(???)                                                        


・ブラック・ファラオ(ニャルラトテップの化身)
 ニャルラトテップの、人間の姿をとった化身。
 色の浅黒いほっそりとした体つきの男。
 暗黒の神或いは堕落した天使のような魅力があり、目の辺りには気まぐれな感じがなんとなく漂っている。
(ラヴクラフト「幻夢郷カダスを求めて」他)                                        


・闇に吠えるもの(ニャルラトテップの化身)
 ウィスコンシン州リック湖周辺のンガイの森や、コンゴの密林地帯で目撃される怪物。
 ニャルラトテップの一化身。
 三本脚で、鉤爪のついた手のような器官を持ち、顔の代わりに赤い血の色をした長い触手を持つ。
 月に向かって触手を突き出して吠える所を目撃される為に「闇に吠えるもの」と呼ばれるが、
 その行動にどのような意味があるのかは判っていない。
 月にいる「ムーンビースト」に指示を与えていると考えられている。
(ダーレス「闇に棲みつくもの」他)                                            


・闇の跳梁者(ニャルラトテップの化身)
 「輝くトラペゾヘドロン」によって召喚された際の、ニャルラトテップの化身。
 黒い翼と三つに分かれた燃え上がる目を持つ、危険で暴力的な怪物。
 翼は酸性の液が滴り落ちる巻き髭で縁取られている。
 光には耐えられず、暗闇の中でのみ活動する。
(ラヴクラフト「闇をさまようもの」)