Aパートへ
−CM−
●トーラス・コックピット(地上)
ドモン 「誰の声だ?!(コックピット内を見回す)」
トミィの声「(無線音声)ショウ!ルカちゃんの所!」
手近のモニターのチャンネルを操作するショウ……
アリエス上空のアルゴスからの映像が映る!
ルカと対峙している緑色の髪の少女!!
ショウ 「み?!ミコト?!」
第3話でジオの命を救った「命の樹の森」の命守、ミコト
である。
ドモン 「(頭をかいて)何もんだ?」
ショウ 「地球の命を見守ってきた『命守』なんです」
ドモン 「……(髪をグシャグシャに)いったいもう何が
なんだか!!」
●公園
走ってくるショウ。
ショウ 「(荒い息を抑えて感慨深く)ミコト……」
振り返るミコト。少女っぽい外見に似つかわしくない、慈
愛の籠もった笑みを返すが、サッと背を向ける。
ショウ 「?」
ミコト 「(ルカに)虫たちを殲滅するつもり。そうでし
ょ」」
ル カ 「そうよ。この星系を守るのが私の任務。怪獣は
一匹残らず消えてもらうわ」
ショウ 「殲滅って……元の姿に戻すんじゃ」
ル カ 「本気?そんな面倒くさい事どうして」
ショウ 「面倒くさいって、そんな!!」
ル カ 「だって虫よ?単なる下等生物よ?10万匹死んだ
ってどうって事ないくらい生息してるのよ」
ショウ 「(激昂)数で問題を計るなよっ!!」
ル カ 「じゃあ何で計れって言うの」
ミコト 「命よ。命の尊さよ」
ル カ 「フゥ(ため息)解かってないわね……虫の命が
何だって言うの?虫を助けて何をしてくれるって
言うの」
ミコト 「解かってないのはあなたの方。星を守ってくれ
るのは嬉しいけれど、命を粗末に扱わないで」
ル カ 「何なのあなたは?!どいてなさい!!」
ペンダントをつかむルカ!
ミコト、右手を突き上げて手のひらを広げる。
オレンジ色の、手のひらいっぱいの大きさの種が、強烈な
輝きを放ち、上空に飛び出す!
光は巨大化して、種子怪獣ファンガーの姿に!
わおおおおおおおん!!
ル カ 「(驚き)あなた……いったい……」
ミコト 「同士討ちしている場合じゃないわ。虫たちは味
方なのよ。同じ地球の生き物なのよ……(ショウ
を見て)……てか、私もあまり人のこと、言えな
いけどね」
ショウを見ていたずらっぽく笑うミコト。
と、ショウのアスコムに入電!
ドモンの声「(無線音声)ショウ!お出でなすったぜ!!」
●U−SWAT作戦室
メインスクリーンに釘付けの参謀たち。
シオリ 「(レーダーを見ていて)南方上空より降下接近
中!!固体数は……100を越えてマス!」
●上空(俯瞰)