- ２月４日（木）丁亥 立春
- 「春は名のみの……」と言いたいが、この日はやたらと暑い。台湾の冬将軍は根性無いらしい。大汗かきながら愛機（自転車）「猫マタギ」にまたがり台北市の外れまで行く。とはいえこの日は午後から日本語教師なので、すぐに仕事を終えて市の中心部へ。実動３時間足らず。これで半日分の給料貰って良いのだろうか？
- さて今泊まっている「ゲストハウスおおしろ」に、北京に留学している日本人が来た。大陸でも（旧）正月休みなので、台湾に遊びに来たらしい。まあ北方に位置する北京の方が、台湾より冬休み長いし。それはそうと、北京語は台湾でも通じるので良いのだけれど、時々台湾では使わない表現が出てきて驚く。「お勘定」は台湾では「買単（マイタン）」だが、北京では「算帳（スァンジャン）」らしい。台湾で「算帳（スァンザン）」といったら「オトシマエ」の事だが……。他にもトマトが「紅西柿（台湾では蕃茄。台湾語では日本語と同じくトマト）」とか、ジャガイモの事を「土豆」とか（台湾で「土豆」は落花生の事）、いきなり聞くと多分理解できないだろう。（まあ北京語はあちらが本家なのだろうが……）なまじ言葉が通じてしまう事が誤解を招く事も多そうだ。
- ２月８日（月）辛卯
- 大陸からまたも寒波襲来。いきなり気温がガクっと落ちた。この日はやはり「おおしろ」に泊まっている人たちととある有名なレストランへ行った……のだが、看板に大きく「月曜日定休」。ちゃんと調べてから計画立てろよ〜。
- 仕方ないのでそのまま近くの夜市（ナイトマーケット）へ。いくつか代表的な屋台料理を選んで紹介したが、やはり好き嫌いが大きく分かれるようだ。現地ガイドもなかなか骨が折れる。まあほとんどオゴリのようなものだったから良いけどね。
- ２月１１日（木）甲午
- 今日はバイトを休んで休学の最終手続き。しかしハンコをくれるはずの教授が会議中で、事務室が閉まる時間になっても会議室から出てこない。しかし事務室のお姉さんが代わりに貰っておいてくれるという事で解決。ここ（大学院生向け窓口）のお姉さんはいつも親切にしてくれるのが嬉しい。台湾大学は国立なので、事務員からお役所並みにつっけんどんな対応をされる事が多い中で有り難い例外ではある。
- 午後は今年（旧暦）最後の日本語教師。授業料は先週に２週間分貰っていたが、今日も「お年玉」として貰えた。まあこの餅代で旧正月用の保存食でも買うかな……（旧正月にはコンビニやファーストフード以外ほとんどの店が閉まる）。善は急げで餅を買いに市場に向かう途中、看板に誇らしげに「隠しカメラ・盗聴機無し！」と大書したホテルを発見。しかしこの宣伝文句って、「ウチは連れ込みです」と公言しているようなものでは？
- 明日仕事を負えれば、後はほぼ一週間旧正月休み。この間ＨＰ更新はまず出来ません。次の更新は２月１９日か？
- ２月１４日（日）丁酉
バレンタインデーなどと言う毛唐どもの祭りを祝うつもりはない！ - 脂の強いチョコレートは嫌いな食べ物の一つだし。と言い切ったはずなのに、何故か心に空しさが残る……。
- 機会があって台北駅近くの「二二八和平記念館」を参観。台湾の二二八事件がひどかったとは聞いていたが、具体的な数字、状況を見せられるとまた格別な思いがある。英語による説明は受けられるらしいが、日本語によるものはどうか？
- 夜は迪化街（かつての大稲程：漢方薬と乾物の街）をさまよう。この込み具合はちょうど上野のアメ横か？ただ山と積んだ乾物（するめ、干し肉、ナッツ類など）を好きなだけ試食できるのはうれしい。それに人出を狙った屋台も多く、ちょっとしたナイトマーケットのようだ。ここで買った干しガキ（カキはカキでも海の牡蠣）も酒の肴にちょうど良かったし、来てみる価値はあったかもしれない。
- ２月１５日（月）戊戌
- 旧暦の大晦日は爆竹でうるさいかと思ったが、午後から夕方まではそれ程でもない。しかしこの期間は新竹の友人宅で（只で）過ごそうかと思っていた所、「今年の旧正月は他に大勢の客が来るので勘弁」と言われてしまい、仕方なく台北で過ごす羽目になった。以前台湾にいた頃はこの季節を東部の友人宅で過ごしていたので、台北での旧正月は実はこれが初めて。どんなものか、と思っていたら、やはり夕方になると次々に店が閉まっていく。この季節には台湾に観光に来ても面白くも何ともないだろう……が、その割には日本人観光客がけっこう来ている。台湾着のチケットは取り易いという事もあるだろうが、もうちょっと事前のリサーチをしてから来た方が良いのでは？
- 夜は台北在住の友人（台湾人）宅でご馳走になる。彼が野党民進党支持なのは知っていたので、同党所属の前台北市長陳水扁応援団のトレードマーク「扁帽」をかぶっていったら、予想通り家族中から歓迎してもらえた。さすがに歳を送る日の夕食だけあって豪華な食卓の上、香菜無し。進められるままに意地汚くずいぶんと頂いてしまった。食後は彼の趣味だという「旧日本軍軍歌メドレー」を聞かされつつ夜は更けた。やっぱり「抜刀隊」だよな（誰も知らんて）。
- ２月１６日（火）己亥 旧正月
皆様新年明けましておめでとうございます。
今年も宜しくお願いします。（今年で二度目）
- 今日はコンビニとファーストフード以外全滅。街に出てもシャッターしか見えない。ついでに言うとここ一週間大学のＰＣルームも閉まるのでチャットも出来ない。家で大人しくしていようか……。
「当方に年越しの用意あり」 - とりあえず雑煮。材料はかなり多めにあったので、覚悟完了の出来ていなかった人たちにも振る舞う。この日の夕食は日本語を教えている社長さんの所で食わせてもらう事になっているし、多少気前良くしておいても（敬礼しつつ）問題ない。……この元ネタ、今時の若いモンに分かるだろうか？
- ２月１７日（水）庚子
- 回娘家（奥さんの里帰り）の日。大晦日までは「旦那の帰省ラッシュ」、この日は「奥さんの帰省ラッシュ」。何れにせよ長距離交通機関が満杯になるのは変わらず。またこの日は台湾人の家には少なくとも一人以上の客が来るから、それ以上客が増えるのはあまり歓迎されないので、結局「おおしろ」で過ごす事になった。つまらん。
- ２月１８日（木）辛丑
- Ｕターンラッシュ開始。それはともかく今日は午後にネットで知り合った友人と会う約束。彼は最近ここのゲストブックに書き込んでくれる唯一の人間ではあるが、ＢＩＧ５コードで書き込んでいるので普通の日本語ＯＳでは文字化けして読めないだろう。従って３月に入ってからは少なくとも中国語の書き込みは禁止する予定。
- ところがこの男、待ち合わせの場所に母親連れで現れおった。「さてはマザコン？」と驚いたが、両親が用事で街に出てくるのでついでに乗せてもらってきただけと判明。他愛の無い事を喋りながら台北の街を歩く。男同士なのがちょっと問題だが、まあ部屋で一人でいるよりマシか。夕食は向こうのオゴリになったのはラッキーだが、まだ正月三ヶ日の間なので食堂はほぼ全滅。仕方なく入った某アメリカ風レストランでは、メニューの値段を見て彼が目を回した。「オゴリ」と言った（親から資金が出ていたらしい）手前出直す訳にも行かず、結局そこで夕食となった。量はまあ多い方だが、これならさっさとハードロック・カフェに行った方が良かったな……。
- 「おおしろ」に帰ってからしばらくした深夜、オーナーの大城さんが台湾人の宴会から帰ってきたが、酔いすぎて直立歩行が出来ない状態。寝付くまで断続的には面倒見たものの、酒はやはり気○い水ね（自
縛爆）。- ２月２０日（土）癸卯
- 朝の３時まで酒呑んで、床に就いたのは４時頃。いつもならこうしたヤクザな生活でも何とかなっているが、この日は５時から爆発音が。
「マフィアの襲撃か？」
「警察の手入れか？（「おおしろ」は一応モグリのゲストハウスなのです）」
「人民解放軍か？」- とパニクりつつ暦をめくると、「２月２０日＝旧暦１月５日、仕事始めの大安吉日」と出ている。そう、中国文化圏では仕事始めの厄払い＆景気付けにこれでもかというほど爆竹を鳴らすのだ。しかも祈祷の時刻は卯の刻＝午前５時から７時が大吉・・・。ほぼ２時間ほどの爆音の後、ようやく少し静かになったようなので寝直す。ヤクザな生活は相変わらず。
- ２月２２日（月）乙巳
- 旧正月休みもおしまい。今日から本来なら学校だが、休学にしているのでお仕事お仕事。バイトの後釜も決まったので、彼に渡せるよう引き継ぎノートの作成も暇を見て行う。来週のこの日には台湾を離れる予定なので、立つ鳥跡を濁さず、出来る限りの事はかたづけておきたいものだ。
- 部屋に帰ると教授に出した年賀状が返ってきている。「受取人転居に就き配送不能」ううう、日本の郵便局では（届け出さえすれば）１年は追跡発送してくれるのに〜（以前は数年間でも追跡してくれたらしい）。仕方ないので大学の事務室宛てにして出し直す。やはり日本の郵便局って優秀なのね。
- ２月２３日（火）丙午
- 朝っぱらからまたも人民解放軍・・・じゃなかった、仕事始めの爆竹嵐。今日もまた大安吉日なので、土曜日休みの店は今日から仕事始めらしい。仕事に出ようと身支度をしていると、日本語家庭教師をしている先から「今日も入って欲しい」と電話があったので、午後はそちらに向かう事にする。
- 昼頃になっても爆竹が轟く中、仕事先へ。今年（旧暦）初の日本語教師だが、最初の仕事はクレームの翻訳。中国の工場に発注してそこから直接日本へ発送させた商品の、品質管理がなっていないとの事だが、台湾にいるこちらが中国の工場の直接管理をする訳にも行かず、何ともややこしい立場のようだ。
「日本側でチェックしたサンプルが、たまたま中国側がいいかげんに梱包したコンテナだったんじゃないの？」
- と社長は相変わらず能天気な事を。こんな商売してて大丈夫かいな。で、３月半ばにこの社長の通訳という事で大阪出張予定。詳細はそのうちこのＨＰ上で公開されるかもしれない。
- ２月２４日（水）丁未
- 中央研究院で仕事をしていると、引継ぎをしてくれる友人登場。日本に帰っている間髪の毛を脱色したとかでずいぶんと明るい金髪に。こんなの紹介して大丈夫か？
- まあ監督のＺ先生はあまり人の外見にはこだわらない方らしいのでお目見えは何とかなったようだ。問題としては、彼は台湾大学法学部の３年なのでバイトの時間を捻出するのが大変だという事。彼の事だから、人を失望させる事はそうそうないと思うのだが・・・。
- 夜は「おおしろ」に新しく来たお客さんを案内してナイトマーケットに。これで食費は浮くが、こういう形でタカるのが癖になったらどうしよう（笑）。後２、３ヶ月あそこに住んでいたら、ひょっとしたら「名物ガイド」という事になって「地球の
迷い歩き方」にでも載ったかもしれない（オイ）。
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- ２月４日（木）丁亥 立春