前日がクラスでの呑み会だったため少し酒が残っているものの、ほぼ予定通り西鉄久留米を出発。そのまま天神へと向かうが、正直言って福岡市内に観光に行くのはこれが初めて。天神に着いたものの道が分からず、少しうろうろしてようやく地下鉄駅に辿り着く。ガイドマップでも買っておくべきだったか。
さて今回の第一目標、筥崎宮は福岡市営地下鉄箱崎駅を下りてすぐ。というより駅が参道の途中にある。参道周りは太宰府と違って店も少なく、小雨のせいもあってか少し寂しい。やはり「学問の神様」と「軍神」の違いか(筥崎に祭られているのは仲哀天皇と神宮皇后、それに八幡神=応神天皇)。参道が寂しい割には鳥居は大きく、特に一の鳥居は自分が今まで見た石造り(セメント含む)の鳥居では最大級である。またこの神社は豊臣秀吉が朝鮮出兵の際滞在した事もあるとかで、それにちなんだ史跡も参道にあるという話だが良くは知らない。境内も案外広く、その隅にひっそり「元冦」の歌碑が建っている。ここでは参拝の後、お守りでも頂こうかと授与所に近づくと、「御神酒」の看板が・・・。五合くらい頂こうかと悩んだが、まだこれから香椎まで行くので今回はパス。次に来た時は一升ほど授けて頂こう(マテ)。
筥崎宮では「勝守」を授かり、参道を海側へと歩く。電車では乗り換えがややこしそうなので、箱崎駅を素通りして巨大な一の鳥居をくぐり、国道からバスに乗る事にした。しかし香椎までのバスはしばらく来そうにない。やむなく途中まで同じ方向のバスに乗る事にしたが、今度は下りるバス停を間違えてえらい遠回りになってしまった。まあこれもいい運動か。
香椎宮の最寄りの駅は(確か)西鉄の連絡線があるが、駅からかなり歩く必要がある。参道の両脇には椎の並木が生い茂り、福岡市内とは言え随分と自然が豊かな所だ。並木の緑で目と心を和ませつつ、社へとゆっくり歩く。目立つ鳥居のようなものが無いので一見それとは分からないが、5分も歩くと目指す香椎宮に到着。境内は休憩所や案内板がある広場と、石段を登って入る本殿前の広場に分けられており、いずれにも人影が少ない。天候のせいかと思いながら石段を登っていくと、泥に気を付けながら本殿へ向かう白無垢の花嫁さんがいた。なるほど、社務所に人影が無いと思ったら、結婚式で忙しかった訳か。本殿が式場になっているらしいので、邪魔しては悪いと参拝は中止。まあ御祭神は筥崎と同じだし、改めてお賽銭を出す事もないか、と自分を納得させて退散する事にした。しかし6月のアジサイ祭りにはまた来るぞ。
昼食を食べていなかったので、香椎宮からの帰り道で蕎麦でもたぐっていこうと蕎麦屋に入った。はっきり言って、九州に来て初めて入ったまともな蕎麦屋である。こういう店なら頼むのはこれしかない。
「板わさと、熱燗一本」
また人生の落伍者のような昼食になってしまったな、と思いながらふと脇を見ると、見事なあごひげの爺さんがカリッと揚げた蕎麦をつまみに一杯やっていた。今度蕎麦屋で飲む時は、あれも頼んでみようかしらん。
福岡に戻ってからまだ時間があるので、福岡市博物館で「唐の女帝・則天武后とその時代展」を見に行ったが、入場料1500円は高すぎたかもしれない。まあ展示物(仏像が主)はどれもめったに見られないものだからいいけどね。しかし個人的には常設展示(九州北部の歴史を展示)の方が面白かったが・・・(第一「唐の女帝」ではなく「周の女帝」のはずだし)。