星空コラム

はたして今年もしし座流星群は観られるのか

　しし座流星群極大の日が、今年もまた１１月にやってきます。
　「えー、また来るの？」なんて聞かないで下さい。流星群とは、彗星が撒き散らしたチリの中を、１年に一度、地球が通過するときに観られるもの。今年も１１月１８日〜1９日頃がその極大日と予測されています。
　去年も、一昨年（は私の行った富士山は雪が降っちゃったけど）も、その前の年も、流星群は観測されました。「３３年に一度しか見られない」っていうのは大きな間違いです。しかし、その出現数のピークは、しし座流星群の場合、３３年周期であり、残念ながら、ピークを過ぎると、極端に観られる数は減ってしまうものと予測されます。

　ということは、１９９９年の大出現を終えたので、それ以降はどんどん流れ星の数は少なくなってしまうの・・・？

　そのとおりです。と思っていたら、ちょっと待って。ここに注目の学説があるんです。

　北アイルランド・アーマー(Armagh)天文台のデイビット・アッシャー博士らによれば、

「３３年周期で母彗星が通過する毎にチリの濃いエリアができていて、地球がちょうどそのエリアの中を通過すると流星雨になる」

のだというのです。もちろん、時が経てば、その「濃いエリア」の部分はだんだんと散らばってしまうのだけれど、数百年の間は残っており、実は１９９９年の大流星雨もなんと１００年前の１８９９年の母彗星通過時に吐き出されたチリがもたらしたものだとのこと。
　彼の予測によれば、２０００年の大出現はあまり期待できないが、２００１年には、１６９９年と１８６６年のチリが重なった部分に地球の軌道が重なり、１９９９年をはるかにしのぐ流星雨が期待されるそうです。（極大は一日ずれて１１月１９日未明との予測。）
　なんともスケールの大きな話にワクワクしてきますね。
　この最新理論の信憑性にはまだ疑問符をつける意見もあるようですが、この理論で、１９９９年の流星雨を時間帯までドンピシャと当てられたそうで、まずは、星空ファンなら信じることにしましょう。
　まだまだ、しし座流星群は注目です。
　「はたして今年もしし座流星群は観られるのか」との問いに、あなたならどう答えますか？



2000年のしし座流星群観測最新情報です。 　観測できるチャンスがあるのはいずれにしても11月17〜19日、しし座が東の空を昇ってくる午前０時以降となります。 　ただし、今年は月明かりが結構邪魔しそう。観測の条件は悪いほうです。 　前述のアッシャー氏によればピーク時刻は18日12時44分と18日16時51分（いずれも日本時間・・・日中ですね）だとか（「国立天文台・天文ニュース」より）。 　でも、これはあくまでも予測。週末とも重なることだし、寒いけど、まずは「期待せずに」観測にチャレンジしてみよう。 　 　　　　　★ 　　　　　★ 　ソシテ　ソノ　ヨル。。。 　　　　　★ 　　　　　★ 　2000年のしし座流星群、私の観測結果はというと・・・。 　19日未明（18日土曜日の深夜）、”恒例の場所”富士山五合目にて観測。 　幸い天気にも恵まれ、風も弱く、暖かく（マイナス3度ぐらい）、いい観測日和だったのですが、出現数は低調。ピークらしいピークもなく終わってしまいました。 　どうやら国内では18日未明のほうが見えてたらしいけど、関東地方は曇ってましたね。 　コラムでも紹介しているアッシャーの予測は、今年もヨーロッパ等で観測された小ピークを的中させた模様。 　来年はいよいよ日本でチャンス到来かな。 　今宵の星空に願いを込めて・・・。 　今年、2001年も、しし座流星群はバッチリ観測できそうですよ！

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