交通手段が決まったらば、次はきっぷを購入しなければなりません・・・が、これがまたいろいろとあってとてもじゃないですが覚えきれませんね。と、我に帰ると全部覚える必要は全然ないのであって、自分が必要なものだけがあればいいのです。ともかくハッキリしていることは「正規運賃を払っても航空会社やJRが喜ぶだけ」ということ。会社の金じゃなくて自腹を切って行くのであれば、1円でも安く、そうでなければ価格アップ分のサービスは求めたいものです。
(文中特記なき場合、運賃・料金額は大人1人のもの、小人料金はその約半額となります。なお、このページの情報は各社の公式リリースをもとに記述しておりますが、詳細はご自身でご確認くださいますようお願いいたします。)
@ 往路・復路の航空機
航空機利用の割引運賃については前回で触れましたので、ここでは割愛いたします。航空機とセットで使えるきっぷの情報として、周遊きっぷや北海道フリーきっぷ・ペアきっぷなどがあります。また「ツアーを上手に利用する」でも紹介いたしますのでご覧下さい。
そうそう、安いきっぷの王道ではチケットショップを利用するという手もありますね。繁忙期では大きな割引は期待できませんが、それ以外のシーズンなら航空会社限定で30%程度の割引はあるようです。また、出発日指定、便名・席数限定ですが正規運賃の半額でチケットを売っているショップもありました。店頭を眺めてみるとこういう掘り出し物が見つかるかもしれません。
@ 往路・復路・道内のJR
JR利用の場合、定番はやはり「周遊券」・・・だったのですが、平成10年3月をもって従来の周遊券は廃止され、「周遊きっぷ」という新商品に生まれ変わりました。昔と比べて旅のスタイルが大きく変わり、周遊券自体の需要が落ち込んでいたのがその理由だそうです。これは想像に過ぎませんが、JR各社とも国鉄時代の遺産である周遊券を清算したいと考えていたのではないか、とも思っています。
えーっと、話がそれてしまいました。北海道をめぐる旅人の強い味方だった「北海道ワイド周遊券」「北海道ニューワイド周遊券」や各種ミニ周遊券も「周遊きっぷ」として再編されました。
コラム・北海道の鉄道
北海道を走る鉄道というと、1輌に1〜2人くらいしか乗っていなくてほとんど空気を運んでいる、明日廃止になってもおかしくないような路線ばかり・・・と思っていらっしゃる方も多いかと思います。いわゆる「国鉄再建法」で道内の国鉄線の多くが廃止されてしまったこともそう思われる一因でしょう。ですが、あまり馬鹿にしてはいけません。道内の都市間を結ぶ特急列車はなかなかどうして結構混雑しています。特に冬になると自家用車での峠越えなどは大変な危険を伴うために公共交通機関を利用する人が増えますが、鉄道の競争相手である都市間バスも遅れがちとなり、比較的運行時刻の正確な鉄道に乗客がシフトするため、主要列車の指定席は数時間後まで全部満席!ということもよくあります。なめてかかっていると「函館−札幌間(約3時間)を狭いデッキで立ちっぱなし」という事態になりかねません。指定席が利用できない場合は、そんなことにならないようになるべく早めに駅へ向かいましょう。
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盆暮れ正月黄金週間、いわゆる繁忙期には使用できませんが次のようなきっぷもあります。
- 北海道フリーきっぷ・ペアきっぷ
道内の特急・急行・快速・普通列車とJR北海道バスが7日間乗り放題、というとまるで周遊きっぷのようですが、最大の違いは自由席ではなく指定席、それも普通車用とグリーン車用とそれぞれの1人用(フリー)/2人用(ペア)の4種類がある点です。
普通車指定席・1人用は\23,750、2人用は\43,220、グリーン車・1人用は\34,860、2人用は\63,200です。小人料金の設定はありません。いずれも2人用は2人が同一の行程で移動する場合に限り有効です。この値段にはフリー区間までの往復運賃は含まれませんので別途購入する必要があります。また、このきっぷは道内でも発売していますが、道外で購入する場合には当該期間に使用する北海道までの乗車船券を呈示する必要があります。但し、先に紹介した周遊きっぷのように必ずしも往路・フリー・復路券の有効期間が連続している必要はなく、同時に購入する必要もありません。(だからでしょうけど往路・復路の割引もありません)
個人的所感・どうせだったら贅沢しましょう!
北海道フリーきっぷ・ペアきっぷは普通車用とグリーン車用があると書きましたが、私のおすすめはなんといってもグリーン車用です。道内の特急列車のグリーン車はハイデッカー(床が高くなっている)車が多く走っており、眺めの良い快適な旅が楽しめますし、列車によっては無料のドリンクサービスなどもあります。また、グリーン車用なら札幌から稚内・網走・釧路方面への夜行列車のB寝台車も利用できますので、移動しながら宿泊費も浮きます。それでありながら普通車用に1万円程度のプラスですから、これはおトクとしか言いようがありません。私は7日間の有効期間内にB寝台で2泊しました。
でも、乗り放題とはいえ乗り過ぎ・乗りっぱなしには御用心。汽車に揺られてばっかりで、結局何をしに行ったのかわからなかった、なんてことがないように気を付け、ほどほどにしておきましょう。
余談ですが、このきっぷはあまり売れていないようで、都内某駅のびゅうプラザ(JR東日本の旅行センター)に行ったところ、JRの商品カタログから時刻表までひっくり返した挙げ句、カタログのコピーのようなものを持ってきて「こちらでよろしかったでしょうか?」と聞かれました。(苦笑) |
JR東日本管内のみ発売でしかも期間限定というきっぷを紹介しましょう。
- ぐるり北海道フリーきっぷ
JR東日本管内のみの発売ですが、往復に新幹線+在来線特急列車(いずれも普通車指定席)または寝台特急北斗星(二段式B寝台)のどちらかあるいは両方が利用でき、道内の特急・急行・快速・普通列車の普通車指定席に乗車できます。JR北海道バスには乗れません。有効期間は出発日から5日間ですが、最終日に乗った列車から途中下車しない限りその列車の終着駅まで乗車できます。ということは、5日目の最終北斗星で東京へ帰るようにすると、実質6日目の昼、上野駅に到着するまで有効ということになります。間違っても「はまなす(青森行き)」や「ミッドナイト(函館行き)」に乗らないように注意しましょう(笑)。もうお分かりでしょうが、現地滞在時間を最長に取るためには初日に東京を8:00に出発する最速プランで渡道し、5日目の最終北斗星6号で帰ることになります。この場合、下車駅から最寄り駅までの運賃は別途精算になりますのでご注意下さい。
気になるお値段は\33,500と格安の設定です。小人料金の設定はありません。利用可能期間は過去の実績からすると、黄金週間、7〜9月、年末年始とさっぽろ雪まつり開催期間を除く時期に発売されているようです。
- 北海道ユースきっぷ
上記「ぐるり北海道フリーきっぷ」の学割版といえる商品です。往復には東北新幹線+在来線特急列車(いずれも普通車指定席)又は寝台特急北斗星(二段式B寝台)が利用できます。「ぐるり北海道」との違いは道内の特急・急行・快速・普通列車の普通車自由席の利用となること、有効期間が7日間と2日長いこと、1人では利用できないこと(2人用と3人用を発売)、学割版と説明したくらいですから当然ですが利用には学生証が必要であること、といったところでしょう。ただしこちらの発売期間は96,97年実績では冬(1月頃)〜春(4月末)のみで、東京都区内発着の場合1人あたり\28,500です。あぁ学生さんになりたい(爆)。
番外:現地で使えるきっぷ(発売/使用期間限定)
- 青春18きっぷ
JR全線の快速・普通列車が1日当たり\2,300(5日分\11,500で発売:おとな・こども同額)で乗り放題になるという青春18きっぷ、当然ですがJR北海道でも利用できます。都市間移動に使用するにはかなり無理がありますが、札幌・小樽周辺での一日観光や網走−釧路−根室周辺の移動(快速・普通しか走っていない)に使うには有効でしょう。
販売形態が5枚綴りではなく1枚券の5回使用に変更されたため、チケットショップでのバラ売り券販売が少なくなってしまったのが難点ですが、うまく入手することができましたら使用価値はかなり大きいと思います。発売期間は春休みや夏休みとなりますが、詳細は時刻表や駅の窓口などでお確かめ下さい。
また、現地使用だけではなく「青春18きっぷで北海道まで行ってます」という方がいらっしゃいましたらぜひご一報ください。
- 一日散歩きっぷ(道央・道南・道北)
土日休日のいずれか一日、それぞれの設定地区圏内の快速・普通列車が一日乗り放題となるきっぷで、値段は\2,040です。各地区ごとのフリー区間は
- 道央:函館本線の長万部−滝川、根室本線の滝川−新得及び室蘭本線・千歳線・石勝線・日高本線・札沼線の全線
- 道南:函館本線の函館−黒松内、江差線の全線及び津軽海峡線の木古内−吉岡海底
- 道北:函館本線の美唄−旭川、石北本線の旭川−上川、宗谷本線の旭川−音威子府、留萌本線の全線、根室本線の滝川−新得及び富良野線の旭川−富良野
尚、青春18きっぷ・一日散歩きっぷともに特急・急行列車やグリーン車には乗車できません。それぞれの料金券を購入しても、これらのきっぷを乗車券として使用することはできず、別に乗車券を購入しなければなりなせん。快速・普通列車の指定席とホームライナーは利用できますが、乗車する場合にはそれぞれ指定席券・ライナー乗車整理券を購入する必要があります。
@ 往路・復路の船舶
正規運賃ベースでは一番安いフェリー利用ですが、こちらにも割引があります。
誰でも使える代表的なものでは往復割引。一定期間内(たぶん14日くらい)に同一航路で往復する場合に、復路運賃から10%程度割り引かれるというものです。また、同一会社の別航路や提携会社の航路で往復する場合にも割引が適用されることがあります。往復割引を適用するには、往路と復路の乗船券は同時に購入しなければなりません。
また、季節割引と称して閑散期に運賃・航送料金を割引している航路もあります。名古屋−仙台−苫小牧を結ぶ太平洋フェリーは9/1〜6/30乗船分について、名古屋−苫小牧間で35%、仙台−苫小牧間で15%の運賃・航送料金割引を実施しています。仙台−苫小牧間を並走する東日本フェリーも同様に15%割引があります。なお、この航路では今シーズンは夏季についても季節割引運賃で利用出来るようです。太平洋フェリーでは「"いしかり"フェリー オブ ザ イヤー7年連続受賞記念割引運賃」として、また、東日本フェリーでも同額の割引があります。
JAF(日本自動車連盟)の会員であれば、多くの航路で割引を受けられます(新日本海フェリーは適用外)。その多くは10%程度ですが、東京−釧路間の近海郵船では7/25〜8/25の繁忙期を除く期間で20%、大洗−苫小牧間のブルーハイウェイラインでは現在「創立30周年特別割引」として特別割引運賃を設定していますが、JAF会員はさらに10%の割引が受けられます。なお、東日本フェリーの大洗−室蘭線についても「航路開設15周年記念割引」として50%割引を実施していますが、こちらはJAF会員割引は適用されませんので注意してください。
JAFでの割引は乗用車の航送料金と定員以内の乗員全員に適用されます。細かい点は会社や航路によって若干異なりますのでJAFのサービスガイドを参照して下さい。
- JAF会員割引の適用と予約について
JAFサービスガイドを見ると、割引の適用を受けるためには事前に各フェリー会社へJAF会員番号を申し出て予約する必要がある、とありますが、予約を取らずにフェリーターミナルへ直接乗り付けた場合でも乗船手続きを取る際にJAF会員証を呈示すれば割引の適用を受けられます。東日本フェリーと近海郵船では実際にこの方法が使えましたし、近海郵船については事前予約は不要であることを電話で確認しました。おそらく他社の航路でもこの扱いに準じているものと思われます。乗船券購入時に「JAFの割引は使えますか?」と聞きましょう。東京−釧路間の5m未満乗用車の航送料金は\44,100、これが20%引きになれば\35,280、なんと\8,820も節約できるのです。会員だったらロードサービスのお世話になっていなくてもこういう時に使いましょう。
こちらも現地の交通には北海道ニューワイド周遊券や北海道フリーきっぷ・ペアきっぷなどを参照して下さい。またこのあとの「ツアーを上手に利用する」もご覧下さい。
@ ツアーを上手に利用する
第一回の冒頭で「私はツアーを利用しない(したくてもできない)」と書きましたが、世の中探すとツアーでもいい商品が出ています。添乗員同行タイプの旅行では必ずしも2人から受け付けというわけではないようですし、割増料金で個室利用可というプランもあります。但し、フリープランではやはり2人以上でないと申し込めないものが多いです。
とそんな中で今年の夏に私が利用した日本交通公社の「エースJTB・マイプラン北海道」はよくあるツアーとは違ってとても興味深い商品でした。何が?というと、
- 基本となる料金が決まっており、その中に往復の交通費と現地一泊分の料金が含まれている
- 往復の経路が航空機、フェリー、JR北斗星の中から発着空港・駅・港を含めて自由に選択できる
- 交通費の安いルートで往復した場合は基本料金から減額され、高い(往復遠距離航空機利用の場合や、北斗星・フェリー船室の等級アップの場合など)には増額される
- 基本宿泊は道内各地の指定ホテルの中から選択できる。料金は大体\7,500円程度のところだと思われるが、こちらも追加料金によってアップグレードが可能
- 基本宿泊を旅行期間中のどこかで1泊すれば、あとはどこに泊まるのも自由。キャンプでもいいし、ホテルに宿泊するにしてもJTBを通す必要はありません
- 現地での交通はオプションでレンタカーやタクシー観光、JRフリー乗車票(道南用・道東用・一周用)を発売
- フェリーでの車の航送も可能。単車はちょっとわかりません
- 1人から申し込みできる
というセットになっており、旧盆の一週間前に出発の設定では、基本料金が\56,800で、5m未満の車両航送を東京有明−苫小牧、十勝広尾−東京有明で申し込んだところおつりがきました。料金表を見ると、人のみ車ナシ、往復航空機(東京−新千歳)という時に追加料金が発生しないようになっています。シーズンオフではもっと安くなります。手元にあるパンフレットは'97/10/1〜12/末用ですが、これによると1名1室の場合の基本料金は\36,800〜でした。
普通に5m未満の乗用車を東京−苫小牧のフェリーに乗せても片道\38,850かかるのに、この価格設定は破格といえるでしょう。
もともとJAFの主催旅行に「JAFフェリー&ドライブ 北海道ワイドパック」という大変よく似た商品があったのですが、JAFが旅行業を廃止した現在、どうやらこれが車と一緒に安く旅する方法のようです。
- でもねぇ、ちょっとこれは・・・
という見出しを敢えてつけました。それは何かというと
宿泊アップグレードの追加料金が高い
のです。\7,500程度というと、大体ビジネスホテルのシングル、それでも場所によってはこの値段なら高い方に入ると思います。ですが、8月中だと追加料金無しで泊まれるホテルがほとんどないのです。それこそ普通に泊まったら\6,000くらいじゃないの?というようなところなのに。ちょっとした温泉ホテルにでも泊まろうものなら、追加料金だけで\10,000以上なんていうのもザラ。確かにJTBお勧めの旅館やホテルだからサービスはいいし、選択肢が多いのもありがたいのですがもうちょっと料金を抑えてほしいなぁ、と切に思います。
他の旅行代理店でも同様の商品を発売しているところがありますので、パンフレットなどを集めて検討されてはいかがでしょうか。
かなり時間が開いてしまったので、とりあえず今回はここまでとしておきます。不明な点については追跡調査をする予定です。次回は・・・まだ決めてません。いつになるかも不明です(苦笑)。長文をお読みいただきありがとうございました。
ではまた。
#1997/12/08 第1回追跡調査実施(笑)
#1998/01/21 「ぐるり」「道東一日散歩」情報の追加
#1998/02/15 周遊券情報の追加
#1998/08/12 周遊きっぷ情報の更新
#1999/06/22 フェリー割引情報の更新
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