990215_1
なぜ図書館はタダなのか。美術館は、公立であってもたいてい入場料をとるのに。

この問いが気になって、先日書いた、図書館についての本を図書館で借りてきた。
ある程度想像していた通り、社会教育的な考え方が根本にあるようだ。貧しい者にも本を読ませた方が社会の発展にとってよい、という。公立学校設立の延長。学校を卒業した者がそれっきり勉強から離れてしまうのは社会にとってよくない、と考えたわけだ。

その後百何十年の間に、社会の方はものすごく変化して、本も買えないほど貧しい者は稀になっている(欧米、日本では)。それにつれて図書館も変化はしているようだが、根本の思想をひっくり返したわけではなくその上に新しいものを順々に重ねていったような感じだ。
社会教育が生涯教育になり生涯学習と名前を変えても、公が民に与えるもの、という所は結局変わっていないのではないか。

そもそも論を問い直してもいいと思う。なぜ図書館はタダなのか。

会費制の図書館があってもいいんじゃないか、と思い始めたのだが、似たようなものが実際にあったようだ。19世紀前半のボストン・アセニアムという図書館は500人の株主により所有されていた(今もあるのかもしれない)。(P.ウィリアムズ「アメリカ公共図書館史」による)

 

zz