カッコイイ女【nice lady】
見た目がカッコイイ女は、いくらでもいる。でも、生き方がカッコイイ女は、なかなか見当たらない。
彼女のホームページを、みればどのような、波瀾万丈の人生を歩んでいるかは、わかるので、隠す必要もないし、詳しく書く必要もない。
話の展開上、要約させていただくと、彼女とは、学生時代から結構親しくしていましたが、偶然ドイツや、オランダで再会し、最近また旧交を温めている。
今日、久しぶりに、彼女にあってきた。
大学卒業後、普通の会社勤めをしていたが、なじめずに、スチュワーデスに転身。
香港で、数年暮らす。そのあとは、別の航空会社に移り、ドイツ人と結婚し、ドイツに引っ越し。
スチュワーデスの仕事をそのまま続けていたが、いいかげんに、地上で仕事を見つける決心をする。
普通の人なら、ここで地上に降りて、仕事を探すのだが、「まっとうな資格くらい取らないと、いい仕事はない」と考えた彼女は、
なんと、スチュワーデスの仕事を続ける一方で、フランクフルトの大学に通い始め、(いうまでもなく、フライトが入れば、物理的に講義にもでれず、多忙の合間をぬって、大学に通った)経済学を専攻した(ここで、いきなり経済学を攻めるあたり、いかにも硬派である)。
日本の大学とは、違い、決して簡単ではない過程を、ドイツ語で全部こなし、とうとう経済学の、学位をとってしまった。
これだけで、凡人は驚愕する。
その後、国際的に有名な、某コンサルタント事務所に就職するが、ストレスがたまる一方で、さしものスーパーウーマンも、ダウン。
出社拒否症になってしまう。おまけに、夫とは、離婚係争という、難局に面し、その頃丁度、私は彼女に再会したのだが、昔の明るさはなく、鬱々としている、状態で、見ていても、本当に辛そうだった。
その後、彼女は、オランダに新しい仕事を見つけ、マンションを購入し、ドイツから移ってきた。今度は、女の一人暮らしで、再出発だ。
電気系統や、電話回線の工事のような、彼女が苦手な仕事は、私が手伝い、引っ越し作業も一段落した。
ようやく、新生活を踏み出したところで、今日、彼女の様子を見に行ってきた。
以前、沈み込んでいた時の彼女は、精彩を欠き、疲れきっていたが、今日の彼女は、吹っ切れたようで、完全に立ち直っていた。
仕事が、忙しくてゆっくり眠る暇もない、と愚痴りつつも、新しい恋を語るときは、本当にティーンエイジャーの様に、無邪気で、私も安心した。
この強さに、私は、心から心服し、彼女を、尊敬している。
「私は、常に前だけを見て生きているの。過去を振り返っても自分で、変えられないから」と心情を語ってくれた。