ニュースファイル
Release 1999/11/5
Update 1999/11/5
| モロッコでの性転換手術といえば、カルーセル麻紀が有名であるが、カルーセル麻紀が手術を受ける以前にすでに日本人の男性が、Dr.ブローの執刀により女性になっていたことはあまり知られていない。 |
| ■1968年「女性自身」記事より抜粋 |
| 「男性性器を切断したらバストは85センチになりました。」池本サギリさん(19歳、仮名)の『完全な女』になるまでの驚くべき体験は・・・・。 |
|
|
「私の生き方は、これしかなかったのです。なぜ手術したかと聞かれても、私、困っちゃうわ。私は男のシンボルはあったけど、心は女だったのよ。だから体も女になりたいと思っただけ。」耳をつんざくような強烈なリズム。きらめくはなやかなライト。銀座の有名なキャバレーのステージでトップレスで踊る人気スター、コニーは男性から女性へ性転換した女性である。彼女は以外に、サバサバした口調で、そのいきさつを話しだす。彼女のバストは85,ヒップ85、ウェスト58、身長162、体重48、それに喉仏すらなくヒゲもなく、まさしく女性の肌、声がややしわがれているが、それもセクシーですらある。しかし通称コニー池本サギリ(仮名)は別に小さいときから、なよなよしていたわけでもなかった。生まれは豪快な気風で知られる高知県中村市。三人兄弟の末っ子として生まれたが、厳格な高校教師だった父親からスパルタ教育を受け、中学時代はラグビーと陸上の選手をしたこともある。彼女が性転換した原因は、そのひとつが父親の存在。「私にとって父親は絶対的な存在でした。恐ろしくもあったし、憎しみの対象でもあったわ。」高校教師として尊敬されていた彼女の父親は、家庭にあっては相当の暴君だったらしい。母親も子供も虐げられた生活の明けくれのなかで、父親の憎悪がおりのように傷ついた少年の心にたまっていった。 そして、昭和41年、上京して初めて愛された相手がホモの男だったことからコニーの性格がガラリと変わった。 「最初の男だって、ほんとうに愛していたわけではなかったの。でも、彼があんまり私を求めるものだから、かわいそうになって。ただのお情けで、あげたのよ。それが女性になるきっかけになってしまったのだからセックスって人間を変えるわねェ。」 それ以来、コニーは女への変身を願うようになった。だが、女になりたいという願望の底には地域社会のなかで尊敬されている父親の仮面を衝撃的なかたちであばいてやりたいという復讐心にもにた憎悪があったのではなかったか。 そのころ彼はフランスからきたブルーボーイたちと知り合いフランスへ行けば性転換手術を受けることができることを教えられた。そのことが彼に性転換手術を受ける決意をさせた。日本では特別な場合を除いては『医師法』に違反するので手術はできないことになっている。それ以来、彼はフランスへ渡る旅費を工面するためバーテンやボーイをして働き、約80万円を貯めた。執念といってもいい。その間、江東区のあるモグリの医者に『睾丸結核』という名目で、睾丸を摘出してもらった。手術費は約10万円だった。 「意外に安かったわね。」 彼がフランスへ渡ったのはそれから半年後、昭和42年の春である。 パリのシャンゼリゼの近くに1DKのアパートを2万円で借り、ひとまず生活が落ち着くと、彼はある高級クラブのホステスとなった。彼はフランス語も英語も話せない。けれども、彼には女性になりたいという憑かれたような執念があった。それに睾丸を摘出してから女性ホルモンの分泌が多くなり、自然に乳房もふくらみ、やや小さいが普通の女性の乳房のようになっていた。テストも簡単に合格。彼は快楽の相手を求め世界中から集まってくる秘密クラブで“ポンポン”という愛称で呼ばれるホステスとなった。月収は約20万円。“ポンポン”とはジャポンからつけられたものである。彼はその店でガーラという21歳のフランスの女性と親友となった。彼女も性転換した組。そのガーラがパリでの手術は難しくモロッコによい医者がいるという。手術代も貯まった。 その日、ガーラに案内されてマルセイユからモロッコへ向かった。「本当に後悔しないんだね。」「私はそのためはるばる日本から来たのよ。」彼の心に何の不安もなかったといったらウソになるだろう。しかし、ここまできた以上彼の心は決まっていた。 モロッコは外人部隊のいる熱砂の街である。その地の果てのモロッコからさらにバスで30分の郊外にその病院はあった。正式な病院であるが性転換手術はフランスでも禁止されており、もちろんモグリ手術である。「私の手術をうけるためにわざわざ日本からやってきたって!メルシー」ガーラの通訳で彼の性転換への情熱を知った病院長が感動したような声を出した。 手術が始まった。病院長のかたわらに4人の看護婦がつく。全身麻酔注射がうたれもうとうと意識が遠のいていく中で「メス!」と叫ぶ医者の声が聞こえてくる。ペニスが取り除かれてゆくのがかすかにわかる。 「ああ・・・これで、私は本当の女性になれるのだわ。」その喜びの中で、彼は夢の世界をさまよっていた。6時間後、目覚めると医者が目の前にいた。 「大成功だよ。君は今日から女性として生まれ変わったのだ。」彼がかつて男性であったことを証明するシンボルはすべて除去去れ、彼女の下半身には女性だけがもつ膣が作られていた。 《性転換手術の方法には、日本式とヨーロッパ式がある。日本式はおへその下から下腹部を切開し腸を使って膣を作る。そのため手術後も切開のあとが大きく残ってしまう。それに比べてヨーロッパ式は睾丸の袋やペニスの皮を使用して膣を作るため体に何の痕跡も残らない。》 女性として再生した彼女の肉体は素っ裸になっても生まれながらの女性と寸分も変わらないものだった。 「ありがとうございます。」彼女の声はつまった。手術料は約40万円。彼女はその後、20日間ほど入院。そして女性として日本に帰ってきた。彼女が女性になるまで要した費用は渡航費を含めてざっと百万円。彼女はいまショーダンサー(神東プロ所属)として銀座の「ハリウッド」や赤坂の「マースディスコテック」で踊りながら、女性へ戸籍を変更してくれるのを待っている。 |
| ■補足 |
| 彼女の現在の消息は不明であるが、今は50歳ぐらいである。どこかで主婦になって暮らしているのであれば幸いである。ところで、性転換した部分は、その後、あまり使用せずケアも怠ったために、残念ながら塞がってしまったということである。 |