セッケンは、水中では「セッケンミセル」として存在します。
これがセッケンの洗浄力の秘密です。
衣服についた汚れを、セッケンで洗い落とす場合を考えましょう。
「衣服についた汚れ」というのは、基本的に油です。
ですからセッケン分子の「疎水部分」に溶けます。ここがポイントです。
衣服についた油汚れに、セッケンミセルが衝突すると、その汚れを疎水部分に巻き込みます。
結果として、右のような状態になります。(この状態は、セッケンミセルとは言いません)こうすると、油汚れがセッケン分子に守られる形になるので、再び衣服にくっつく事はありません。(細かい話は略します)
これがセッケンの洗浄力の秘密です。
セッケンの、この作用を「乳化作用」と言います。
このセッケンは、我々の人間の生活には欠かせませんが、いくつかの欠点もあります。
例えば、セッケンで毛糸のセーターを洗ってはいけませんよね。なんででしょうね?
また日本人には馴染みが薄いでしょうが、ヨーロッパではセッケンはあまり使えないんですね。泡立たないんですよ。なんででしょうね?
次は、その様なセッケンの性質の話をしましょう。
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