第４編　志摩～鳥羽

熊野市から志摩に抜ける３桁国道はところどころがたいへん狭く、遠くに来たぜ気分を盛りたてました。

途中、こんな「交互一方通行式」信号機というのがあり、僕は初めて見ました。工事中の信号機が恒久的になったようなものです。

…志摩に到着。関西では伊勢志摩は古くから修学旅行コースに組み込まれているそうですが、九州出身の私は志摩は初めてです。陸からは風景があまりよく判らないようだったので、遊覧船に乗ってみることにします。その出航時間まで、まずは腹ごしらえ。

「てこね寿司定食」をいただきました。ご飯に載っているのは鮪、そのほか香の物の黒いやつは海苔佃煮(おいしかった)、まんなかの小皿は、ウニが添えられたイカの塩辛、味噌汁には「あおさ」が入っていてと、もりだくさんで、これで1,000円はお得です。

さて、遊覧船に乗り込んで英虞湾に出ます。

ぐるりと半島に囲まれた湾内はたいへん穏やかで、この穏やかさと水の綺麗さとが、真珠の養殖に適しているのだそうです。湾内随所に養殖がされていて、船はその間を縫うように走ります。

見上げると、この旅行中最も綺麗だった青空。

船は途中で真珠販売所に寄港し、真珠貝の核入れ作業の実演が見られるという寸法です。

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港に戻ります。こんな立派な真珠店もありました。「創業明治三拾八年」とあり、中央には伊勢志摩に特徴的な、年中飾られる注連縄があります。

さて、北上して鳥羽に向かいます。

道路脇にたくさんのナルキッソス君たち(水仙)が咲いているのを見かけました。沿道の人たちが植えているのでしょうね。

鳥羽では、パールロード沿いにある「海の博物館」(設計:内藤廣)を見学します。

博物館に着いたのは閉館時間の5分前でしたが、係の方に申し出て、見えている範囲だけ内部をみせていただきました。

展示室A棟の内観と、

umi1.jpg (7467 バイト) 天井の見上げです。全体の見かけは、大人しい切妻屋根の建物ですが、スケールの大きなその空間を、集成材による複雑な構成で支えています。伝統木造でもなく、アールトでもレーモンドでもない独創的な木の空間表現であり、完成度の高い作品だといえます。

水に映るA棟の足もとです。下部がガラスになっていることで随分開放的に見えます。

エントランスから見た、A棟(左)とB棟(奥)です。妻面の意匠も、基本的には内部の構造が表に現れて自動的に出来たものですが、きれいにまとめられていました。

…というところで博物館見学を終え、近くのホテル「サン浦島」の温泉に行きます。(温泉ばかりに行っていると思わないでくださいね、今日はこれが初めてです)。
駐車場を案内してくれた従業員の方の対応もよく、温泉施設も綺麗で快適でした。泉質はアルカリ単純温泉です。ホテルは崖地に建っているらしく、入口が５階であり、ロビーからは海が見下ろせます。

さて、そのようなわけでこの日も日が暮れ、伊勢に立ち寄って晩御飯を食べてから、名阪国道経由で神戸に戻ります。伊勢から３時間、23時に神戸に着きました。

【おわり】

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第４編 志摩～鳥羽

【おわり】

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