南の海に浮かぶ小さな島に作られた、全寮制私立高校、鳳凰学園。
きわめて独創的なこの高校に、国際親善交流の一環として、アラブの某国の本物の王女様が留学してくることになった。
それだけでなく、王家に伝わる黄金の飾り帯が貸与され、王女の留学中に公開されるのだ。その飾り帯には、色、屈折率では世界最高の美しさといわれる最大級のルビー、「燃えるジャムシードの心臓」があしらわれている。
生徒の自治を誇りとする学園生徒会は、王女の歓待、および飾り帯公開前夜のレセプションとして、学園の迎賓館で盛大なパーティーを催す。
そのパーティーの真っ最中、「燃えるジャムシードの心臓」が忽然と消えた。
いち早く気がついたのは、パーティーの総責任者である、女実行委員長。生徒で組織された警備班の班長。真っ先に忍びこんだ先が警備班の待機部屋だったために、侵入して一分もしないうちに捕まった間抜けな泥棒。
ことが公になる前に、なんとかしなければ。デッドラインは明日の朝、九時ちょうど。それまでに「燃えるシャムシードの心臓」を展示室のケースの中に戻さなければならない。
間抜けな泥棒のおかげで、迎賓館の入り口は完全に閉鎖されている。誰であれ、「燃えるシャムシードの心臓」を持って外に出ることは出来ない。
大紅玉を盗んだのは誰か?
脚本担当:譲葉規矩夫