セントルイス


昔来たセントルイスとは違っていた。会社の前のホテルに泊まり、毎日会社まで歩いて行き、夕方に帰ってきて、人りでモールに行って食事。味気ない経験だった。一人で行く所はモールや面白い物を探しての車でのドライブだった。新聞で見つけて、1回日曜日に自動車レースを見に行った。地元のレースだったのだろうが、大きなアメ車が目の前を疾走する光景は迫力があった。3週間も居たので何回かダウンタウンにも行ったりしたが、一人では時間を持て余す。

3連休のチャンスがあり、夏の日差しの長い金曜日午後4時位に車で、昔居たケンタッキー州レキシントンを目指して出発。以前来た時には6,7時間で来たので夜中に着くかなと思っていたが、一人での運転では、3時間も運転すると飽きる。まして凄い雨になりドライブインで1泊。翌日4時間程運転して懐かしいインターステートの光景になった。懐かしい町が近づくにつれ、涙が出てきた。もう二度と帰れないと思っていた田舎に戻ってきたような。安モーテルにチェックイン。昔の同僚、友人に電話。皆ビックリして、翌日会うことを約束。昔住んでいたアパートへ行く。3連休なので知り合いの日本人家族は不在。昔家の子供と遊んでいたような子供も見掛けた。懐かしい。町中をドライブして、随分町が変わったのに気がついた。翌日、同僚の家を訪ねたり、一緒に食事をしたりしたが、それだけだった。もう一晩泊まろうかと思ったが、もう会うべき人にはあったし、未練はなかった。そのままセントルイスへ引き返した。

こんなアメリカの田舎町を懐かしく思える自分の人生に感謝している。



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copyright 1999 Makoto Aida