多くのバス停は、鉄道の駅のようなチューブ状のプラットフォームになっています。ここでは、まず改札員に料金を支払ってプラットフォームに上がり、2)チューブの中で風雨に守られながらバスを待ち、3)バスが到着すると1台に3つずつあるドアから順序良く降車および乗車します。
チューブの中は、ラッシュアワーにはご覧のような混雑になります。皆さん、整然とバスを待っています。
なお、チューブ導入のメリットは、1)車椅子や老人はリフトでプラットフォームに上がり、バスへの乗り降りは水平移動だけなので楽である、2)バスの運転手が料金の支払を管理せずに済む、3)3つのドアから一斉に大勢が乗り降りできるので、結果的に運行時刻が短縮されダイヤも正確になる、ことなどです。
主な急行路線は、都心から出ると一般車から構造的に切り離された専用軌道を走るので、ラッシュ時にも渋滞知らずの正確な運行が行なわれています。急行路線沿いには、高密度な住宅、商業、オフィスなどの開発が誘導されていますが、急行バスは270人乗りの大型連接車両(2台がつながったもの)であり、十分な輸送能力を誇ります。
実は、クリチバ市は当初は地下鉄路線を建設する計画を立てていました。しかし、建設および運営コストを検討した結果、同じ輸送能力を1/10のコストで実現できるチューブ型プラットフォームおよび専用軌道を持つバス・システムの整備に変更したのです。この変更は、料金を低く抑えながらバス・システムの健全経営を可能にした点で大成功でした。
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