クリチバ(2):便利なバス・システム

クリチバのまちづくりの代名詞ともなっているのが、大変発展したバス・システムです。一日の乗降客は約25万人、放射状に整備されたネットワークは路線毎に色分けされており、行き先や乗り換え地点が大変わかりやすくなっています。まち中に張りめぐらされた路線を何度乗り換えても料金は一律の約70円であり、庶民の重要な日常の足となっています。
チューブ状のバス停

多くのバス停は、鉄道の駅のようなチューブ状のプラットフォームになっています。ここでは、まず改札員に料金を支払ってプラットフォームに上がり、2)チューブの中で風雨に守られながらバスを待ち、3)バスが到着すると1台に3つずつあるドアから順序良く降車および乗車します。


バスを待つ人々

チューブの中は、ラッシュアワーにはご覧のような混雑になります。皆さん、整然とバスを待っています。

なお、チューブ導入のメリットは、1)車椅子や老人はリフトでプラットフォームに上がり、バスへの乗り降りは水平移動だけなので楽である、2)バスの運転手が料金の支払を管理せずに済む、3)3つのドアから一斉に大勢が乗り降りできるので、結果的に運行時刻が短縮されダイヤも正確になる、ことなどです。


急行バスの専用軌道

主な急行路線は、都心から出ると一般車から構造的に切り離された専用軌道を走るので、ラッシュ時にも渋滞知らずの正確な運行が行なわれています。急行路線沿いには、高密度な住宅、商業、オフィスなどの開発が誘導されていますが、急行バスは270人乗りの大型連接車両(2台がつながったもの)であり、十分な輸送能力を誇ります。

実は、クリチバ市は当初は地下鉄路線を建設する計画を立てていました。しかし、建設および運営コストを検討した結果、同じ輸送能力を1/10のコストで実現できるチューブ型プラットフォームおよび専用軌道を持つバス・システムの整備に変更したのです。この変更は、料金を低く抑えながらバス・システムの健全経営を可能にした点で大成功でした。


<では、バスに乗って都心へ行きましょう>

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