オフィス街にはモダンな高層ビルが整然とならび、スーツ姿のビジネスマンが忙しく行き来しています。ここでは時計もラテン・タイムではなく、正確に動いているようです。しかし、外観は素晴しい建物も一部に施工の粗い部分が見られ、きちんと構造計算がされているのかどうか少し気掛かりでした。
11月15日通り"Rua 15 de Novembro"は、花の道"Rua das Flores"という愛称を持つ、歩行者専用の目抜き通りです。きちんと街路樹やプランターの花が整備され、タイルで舗装された両側にはデパートから個人商店まであらゆる種類のお店が並んでいます。カフェは道路にテーブルを並べ、ストリート・パフォーマーや道行く人を観察しながらくつろぐ人々で一杯です。驚いたのは、道沿いのビルは1階の商店部分のみがきれいに改装されており、2階以上は70年代的なオフィスのままであり、なおかつその空室率がかなり高いことでした。現代的なまちづくりの成功とは裏腹に、急成長しつつある地域経済もまだ発展途上であることがうかがえます。
クリチバの街並みはどことなくヨーロッパ的ですが、それは数多くの植民地時代の建物がきちんと保存されているためです。その多くが現在でも公共施設や商店などに利用されています。建築の様式はヨーロッパ調ですが、壁の大胆な配色が強い太陽の光に照らされると、ここが南米であることを思い出します。
オソリオ公園"Parque G Osorio"は11月15日通りの一部となっており、賑やかな商店街から突然ジャングルのような空間が現われて驚かされます。生い茂る大木は緯度が低い地域特有のものです。警官、物売り、ビジネスマン、買物客、ただボーっとしている人などが同居するこの公園には、ラテンの広場文化が溢れています。
24時間通り"Rua 24 Horas"は新しく整備された繁華街であり、若者を中心に真夜中まで賑わっています。両側には24時間営業のビール屋や軽食屋が並んでいます。写真を撮った時はものすごい雷雨に雨宿りしていた時ですが、一部では屋根から激しく雨漏りしていました。これまでのブラジルの歓楽街とは異なり、庶民が安心して来られる夜の繁華街を整備しようというこの試みは、これまでのところ大成功のようでした。しかし、リオの賑わいをイメージしてここに来るとがっかりします。ここでは、おしゃべりしながら1杯のビールを何時間もかけて飲むことが全てです。
都心にはあちこちに警官の姿が見られ、ほとんど緊張を感じることなく安心して歩くことができました。この安全は、ブラジルでは大変貴重なものです。また、女性の社会進出が盛んとは言えないブラジルですが、ここでは婦人警官も大勢活躍していました。裏返せば、これも治安が比較的良いことの証明であると言えましょう。
都心が大変美しく清潔に保たれている陰には、ディズニーランド顔負けのプロの清掃スタッフの活躍があります。彼等は街中を手分けして巡回しており、吸い殻やごみ屑を丹念に拾っていきます。彼等の顔が、街をきれいにする仕事への誇りに溢れているように見えたのが印象的でした。
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