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雨の中を、ベイブリッジの見える辺りからフィッシャーマンズワーフまで、写真を撮ったり途中の店を冷やかしながら3時間弱も歩き、朝食も摂っていないことと、少し遅めな昼食時に掛かっていることに思い至った…通り過ぎようとした店にPIZZAという看板を見つけて、「ピザも悪くない」と思って中に入った…中に入ると、シカゴにフランチャイズのあるスポーツチームのTシャツやら、シカゴの写真や絵が沢山飾られていた…私の次の行き先を運命に見透かされているようだ… 愛想良く迎えられ、とりあえず喉が渇いていたのでレモネードを頼み、メニューを眺めると愕いた…ピザの名前に『アンタッチャブル』とか、その主要キャラクターであるエリオット・ネス、アル・カポネなどの名前が付いていた…「彼はこんな味を絶対に知らないでしょう…エリオット、ごめんなさい…」などというコメントがメニューの説明に入っている…映画『アンタッチャブル』が大好きな私はウケてしまった… |
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“アンタッチャブル”というのを頼み、店のスタッフが「20分程お待ちください…」と言うので、待っていると出て来た…なるほど、シカゴ風スタッフドピザである… |
ボリューム感はあるが、以前にシカゴの“ジョルダーノ”で食べた“World famous”(世界に冠たる)と謳っているスタッフドピザよりもアッサリした味わいだった…一枚をユックリと平らげた… |
空腹を満たした後、私の中で頭をもたげたのは「ゴールデンゲートブリッジを見たい」という思いだった。雨に霞んで見えないということもあるかもしれない…それでも近くまで行ってみたかった…フィッシャーマンズワーフで気になったのは写真のバスだった…運転席は真ん中に配置され、オープンになっているベンチまである、ケーブルカーを模したバスである。ケーブルカーとそっくりなベルまで鳴らし、ホンモノとは違ってエンジン音と共に道路を駆け抜けて行く… これの正体はツアーバスで、フィッシャーマンズワーフにあるボックスでチケットを求めると、これに乗って市内の名所を巡ることが出来る。ボックスを見つけた… 私「おたくのツアーでゴールデンゲートブリッジは行けますか?」 スタッフ「2時間30分コースが行くことになっていますが…」 私「次のやつは何時ですか?」 スタッフ「2時です…」 私「5分…」 スタッフ「未だ2時ではないですが…」 私「2時まで5分ありますね!」 スタッフ「丁度5分で2時です…」 私「5分前でも間に合いますか?」 スタッフ「走っていただけば間に合います…」 私「チケットください!走ります!」 スタッフ「この先のピアー39辺りから出ます…」 この時に私と擦れ違った人たちは、一体何事が起こったのかと訝ったことであろう…人込みの歩道と、駐車場と、車道の端をジグザグに、刑事に追われる容疑者の如く、凄まじい勢いで駆けた…息を切らし、少し汗をかきながら、小雨に濡れた私はピアー39で待つ写真の型のバスの前に立った… ドライバー「一体どうしたんです?」 私「あなたのバスの…この回の…最後の乗客にして欲しい…」 ドライバー「何ですって?」 私「チケットはここにある…」 ドライバー「お客さん、走って…丁度出すところです…空いている席へどうぞ…」 アメリカ流にThanksという単語をドライバーに残し、空いていた席に着いた… バスは私の息が戻らない間に動き出し、フィッシャーマンズワーフの辺りのノロノロと動き、サンフランシスコの景観を個性的にしている坂道を上がり始めた… |
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