「何か物足りない」 おすすめ度 ★★★☆☆
本を先に読んだ者としては、何か物足りなさを感じる。そして少し長い。長いのはいいのだが、長いと感じさせるところに、もう少しストーリー展開をうまく構成できなかったのだろうか、と悔やまれる。しかし、すごくいい映画ではないが、悪い映画でもない。まとまってはいるし、キャスト陣も豪華。
概要 ナポレオンの侵攻が迫る19世紀帝政時代のロシア。貴族の娘ナターシャ(オードリー・ヘプバーン)を想いつつ、告白できないまま別の女性と結婚したピエール(ヘンリー・フォンダ)。一方ナターシャは、ピエールの親友アンドレイ(メル・フェラー)と愛しようになるが、ナポレオンのロシア侵攻が彼らの運命を大きく揺り動かしていく……。 ロシアの文豪トルストイの名作を、アメリカで映画化した文芸大作。原作は膨大な長さだが、名匠キング・ビダー監督は実にコンパクトに要領よくまとめあげている。若き日のヘプバーンの華麗な美しさも大きなポイント。音楽担当ニーノ・ロータ作曲による『ナターシャのワルツ』も、忘れ難い余韻を残している。(的田也寸志)
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