1998年1月31日(土曜日)

昨日の晩から頭が痛くて今日もずっと痛い。それでほとんど寝ていた。

が、A社から週刊の仕事が来たので、それはなんとかできた。

B社の分は明後日納期なので、明日なんとかしないといけない。

 

1998年1月30日(金曜日)

もう何日も前の話だが、CompaqがDECを買収した。私はこのニュースを聞いて耳を疑った。CompaqがDECを買収?逆じゃないの?

VAXをご存じだろうか。時代を変えた名機だ。UNIXはVAXで生まれたと言ってもいいと私は思う。実際はPDP-11かもしれないが、VAXこそがUNIXという気がする。もう10年以上は前の計算機。4,5年前には中古品が60万ぐらいで売られていたと思う。こんなものの中古品が放出されるのかとびっくりした。

ちなみに、VAX(VAX-11 780)を動かすには6畳では足りないかも。エアコンも必要。暑いと動かない。もちろん、木造建築には設置不可。

CompaqがDECを買収するか... 時代の流れは恐ろしい。VAXを生んだDECがなくなる。それもCompaqになど買収されるとは.... ショックなニュースだった。

 

1998年1月29日(木曜日)

B社に、2月2日納期分の一部を納品した。

ところで最近、日本円が一時期 130円台になった。

昔、円が130円ぐらいだったころ、アメリカで口座を作った。アメリカ在住経験のある方はもちろんご存じだろうが、口座を作るにはソーシャルセキュリティ番号が必要。

アメリカでは納税者に番号が振られていて、この番号で管理されている。職を得る際にもこの番号が必要だ。つまりアメリカ総国取民、背番号制になっている。日本でも導入が検討されている。背番号が付けられると脱税を厳しくり締まることができる。

私は銀行口座を作りたいがためにソーシャルセキュリティ番号を取得した。私の目論見では金利の高いアメリカでお金を預け、儲ける予定だった。ところが、それからどんどん円高が進んで、計画は失敗の兆しを呈していた。

そして、この間、アメリカに行ったときに口座を解約した。もう2度と130円に戻ることなどないだろう... とか思ったのだが、これが大失敗だった。

私が解約した時点で110円ぐらいだったと思う。その差だけでも 1ドルにつき20円も損したわけだ。あ〜失敗失敗。ま、総額10万円ぐらいだったので悔やむほどでもないか。

ところで、アメリカに口座があると何かと便利。特に小銭に困らないので、重宝していた。

アメリカにはトラベラーズチェックを持っていく。そしてアメリカの空港にある銀行の出張所で、それを預ける。あとは、その銀行のキャッシュカードで必要なときに、必要なところでドルを引き出す。

これで、ドルに困らなくなる。

もちろん、短期の出張でホテルに宿泊するときにはトラベラーズチェックで全然問題ない。食事もそこそこ普通のレストランでするならトラベラーズチェックで全く問題なし。

が、私のように会社が用意した(あるいは自分で確保した)アパートに滞在し、レストランになど行かないで、ふつ〜の一般アメリカ人と同じような生活をしていると、ドルがなくなって困ってしまう。開発に没頭していると、外にはあまり出ないし、食事はファーストフードとか自分で作るとか...

トラベラーズチェックは銀行で換金してくれるが、いちいち行くのが面倒で、一回に100ドルとか200ドルぐらいしか換金してくれない。買い物の際、スーパーでも使えるが、田舎に滞在すると、「それは何だ?」と言われたり、レジで払おうとしても、いちいちスーパーのマネージャに相談にいかれたりと、面倒なこと、この上ない。田舎の銀行で「そんなもの知らない」と言われたこともある。

大金を持ち歩くのは危ないが、キャッシュカードがあるとどこでも少額のドルを簡単に引き出せるので便利だ。

もっとも、最近は短期の滞在が多いので、キャッシュの必要性もあまりなくなってきた。でもまた長期滞在の機会があるといいなぁ...

 

1998年1月28日(水曜日)

おっと、今日もB社の納品だ。ということでメールで納品した。

 

1998年1月27日(火曜日)

昨日、B社の2月2日納期分を淡々と訳していると、さらにB社から割り込みの仕事が2 つ入ってきた。今日 1 つ納品して明日さらに 1 つ納品する予定。さらに29日夜には2月2日納期分の一部納品..... と、ややこしいのでしっかり整理しておかなければ...

ちなみに、複数の翻訳が同時進行すると、客先ごとに指定される文体、ルールが違うのでメチャメチャ混乱する。

「すべてのコンピュータを使う。」は良くても、「コンピュータをすべて使用する」はダメ、とか客先から指定される。「すべての」などの「個数を表すものは名詞の前に書け」とか、「使用」ではなく「使う」と表現せよ、と指定されるわけだ。

こういう翻訳が複数同時進行するとパニック。ちなみに、何も指定がなければ「コンピュータをすべて使用する」と私は訳す。こっちのほうがいいと思うけど... 違う?

 

1998年1月26日(月曜日)

このあいだ、T社のホームページを見ていると、「翻訳者XXX人募集...」と、大量の翻訳者を募集していた。実は私はここに応募してひどい目にあった。

すいません、割り込みの仕事が入ったので、この話はまた今度にします。

 

1998年1月25日(日曜日)

こうして日記を書いていると、翻訳を勉強している方からメールをいただくことがある。私がいつもお勧めするのは、とりあえずトライアルに応募して仕事をはじめてはいかがでしょう、ということ。いきなり、と思われるかも知れないが、私がそう思うのには一応理由がある。

文芸翻訳とか、映像翻訳とか、難しそうなのは別だが、産業翻訳の入り口はかなり広いと思う。

何度か、リライトを頼まれたことがある。リライトというのは他人が訳した文章を書き直すこと。最初は、自分にそのようなことができるとも思わなかったので断ったが、どうしてもやって欲しいということだったので引き受けることにした。適当な人がいなかったのだろう。最初にリライトを引き受けたのは半年ぐらい前だったと思う。

それで私が感じたのは、翻訳者にもいろいろな人がいるということ。はっきり言えば、とりあえず辞書を見ながら日本語にしました、程度でもお金がもらえるもののようだ。

翻訳会社もいろいろ事情があって、下請けの翻訳会社に仕事を出すことがあるようだ。そういう場合、できあがってきた訳をチェックするわけだが、そのできが良くない場合には書き直す必要が出てくる。下請けに出された方の責任だとも思うが、いろいろ事情もあって、そういう仕事が私に回ってくることがある。

私も初心者なので、あまり偉そうなことを言える立場でもないが、読んでも意味が良く分からない文章を私は受け取り、英文を見ながら修正する。たぶん、訳した人は意味が分かっていないと思う。あるいは、英文は分かっているのかも知れないが、意味のとおらない日本語になっている。

別の例では、

1ヶ月ぐらい前に受けた仕事で、私の訳が好評だった(ほんとか?)客先の話だが、私が訳したあと、既に別の翻訳会社が訳してあった文章のリライトを頼まれたらしい。

このリライトには私は関わっていないが、そのリライト前の文章を見せてもらった。この文章は、意味は分かるのでよいとしても、手紙のような文章で、マニュアルとしてはどうも... という内容だった。

何が言いたいかというと、産業翻訳をしている人はたぶん、かなり多いわけで、初心者の人もいれば熟練の人もいるのだろう。翻訳会社の応募条件にしても「稼げる実務翻訳ガイド」を見ていると、3年以上経験が必要でフルタイムの翻訳者のみ、というところもあれば、初心者歓迎、というところもある。

インターネットを見ていても、「ちゃんとした辞書を持っている人」というのが条件になっていたりする翻訳会社もあるので、こういうところも初心者OKじゃないだろうか。

私も含めて最初は誰でも初心者なのだから、「初心者歓迎」のところで仕事を始めて勉強すればいいのでは.. と私は思う。お金がもらえて勉強にもなるのでこんないいことはないと思う。

もちろん、いくつもトライアルを受けてみないと初心者歓迎の翻訳会社が見つからないかも知れない。明確に「初心者歓迎」と募集要項に書いてある翻訳会社はきっと少ないと思う。ハードルの高い翻訳会社はさっさとあきらめて、どんどん次の翻訳会社に応募し、1社でも使ってもらえるところを見つけたら、それでよし、と思うのは安易だろうか?熟練の翻訳者の方から、不謹慎だ、というお叱りがあるかもしれないが...

私の場合もいくつかトライアルに落ちたが、それでも仕事がもらえる翻訳会社がたまたま見つかって良かったと思っている。

 

1998年1月24日(土曜日)

昼まで寝ていて、昼御飯を食べたあとさらに夕方まで寝て、晩御飯を食べたあとテレビを3時間ほど見てしまった。

それでも翻訳の方は結構進んだ。

今日来たA社の週刊の翻訳も一通り完成し、B社の分もわりと進んだ。

 

1998年1月22日(木曜日)

昨日は詳しく書かなかったが、B社からの仕事はいつものコンピュータメーカの翻訳。B社からはファイルが10個ぐらい送られてきて、選んで欲しいと言われたので、いくつかファイルを選んでB社に連絡しておいた。

残りのファイルがどうなるのかは不明だが、きっと誰かが訳すのだろう...(あたりまえか...)

B社は客先ごとに翻訳コーディネータが分かれているようだが、今回の仕事の客先を担当していた翻訳コーディネータの人がかわった。新しい人からご挨拶のメールをいただいたので、返事を出しておいた。

翻訳量を自分で決められる仕事だったにもかかわらず、ちょっと引き受けた量が多かったような気がする。が、後悔先に立たず。しばらくはがんばる必要がありそう。

 

1998年1月21日(水曜日)

B社から次の仕事が来た。今度は2月2日が納期。さっそく着手した。しばらく仕事がないとうれしいなぁ、と思っていたが、結局、休みは月曜日と火曜日の2日だけだった。

量は全部で 200 ページ弱だと思う。

 

1998年1月20日(火曜日)

とくに何もない1日だった。1時間ほど何を書こうかと考えたが、何も浮かんでこないので考えるのをやめた。

 

1998年1月19日(月曜日)

人間、ある種の思い込みで動いていると思うのですが、私の場合も思い込みで翻訳しています。1年前、翻訳をはじめたのも、「翻訳ぐらい自分でもできる」という単純な発想、単純な思い込みからでした。トライアルぐらい合格するに違いない、と思いました。いくつか失敗しても、まだまだいける、と思っていました。何十社にでも応募すればよい、という考えでした。

何かを始めるときというのは、こういうものだと思います。逆に、「いける」と思わずしてうまくいく、ということはないと思います。

私は(自称)コンピュータ・アーキテクトですが、独立するとかそういう意思はないのです。私の回りには会社をやめた人もたくさんいますが、私が独立してもうまくいくとは思えないのです。つまり、「うまくいくと思えない」という時点で、終わっていると思います。辞めていく人は「うまくいく」と思い込んで独立していくわけです。「うまくいく」と思い込めない時点で、決して私に成功はありません。このままずっと会社の歯車のままでしょう。

「うまくいく」と思い込めないのは、リスクを伴うからかも知れません。私はどちらかというと「石橋を叩いて渡る」性格です。なので、コンピュータ屋として独立したときのリスクを考えると怖いので、「うまくいく」と思い込むことができないような気がします。ネガティブなんですよ。

翻訳の場合、私には全くリスクがありません。強いてリスクを挙げるとすると、何十万もするパソコンを買った、ぐらいですが、この程度のパソコンは趣味で買う人が多数いるのでリスクとは言えないでしょう。翻訳以外にも使えます。

こういうリスクのないところも私が「いける」と思い込んで走ってしまった理由だと思います。

私の場合、私生活は「石橋を叩いて渡る」性格ですが、会社での行動は正反対です。常に「イケイケ」です。リスクがあっても常に前進...です。なぜかというと、会社でのリスクは私個人のリスクじゃないからです。会社がいくら損したところで、私個人にはほとんどデメリットがありません。私の仕事は、「会社のお金を使って勝負に出ること」だと思っているくらいです。うちの会社は特に、古い体質の大企業なので、失敗したからといって左遷されることもあまりありませんし、私レベルの、ひら社員の失敗など、会社全体から見ると取るに足りません。

この日記を読んでいらっしゃる方々も、ある種の思い込みで翻訳を志していらっしゃるのではないでしょうか。

逆に「いける」と思い込んでいない人には(サラリーマンの私も含めて)成功もありません。どこまでポジティブになれるかの問題でしょうね。

もちろん、ポジティブに行動しても必ず成功するわけじゃないです。「やってやれないことはない、やらずにできるわけがない」と言います(ふ、古い..)が、前者は嘘だと思います。「やってやれないこと」は多いです。でも、「やらずにできるわけがない」は、その通りでしょう。

 

1998年1月17日(土曜日)

B社の翻訳も一通り終わり、今日来たA社の翻訳も一応できた。明日はもう一度見直して納品する。

ところで、もうすぐ確定申告をしないといけないので現在勉強中。私がもらっている翻訳料は源泉徴収されているが、計算してみると税金をかなり追加で払う必要がありそうだ。悲しい....

 

1998年1月16日(金曜日)

昨日の日記では、B社の翻訳に今日着手する... という予定になっていたが、今日は飲みに行ってしまったので、明日から翻訳することにする。

明日は明日で、A社からの週刊の翻訳が来るが、きっとだいじょうぶだろう...... ということでかなり酔っぱらっているので寝ることにする。

 

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