自覚なき 「怪人 福助」の被害者(2)


「なぎさ さん?だよね・・覚えてる?わたし 光江、、高崎光江、」

「きゃ、え?、、おミツ?、おミツなの?」

「うっわーナッキーだぁ、やっぱりナッキーううん懐かしいわぁ。あの頃と全然変わらないわねえ。うらやましいっ!」

女子校の卒業から どれだけの歳月が過ぎようとも 私達には 関係のない事でした。
その同窓会を縁にして、わたし達は時間があると、待ち合わせては お茶をしたり
ショッピングを楽しんだのです。

「ふう、、、」

「どうしたのよ?光江ったら、そんな溜め息なんかついて・・・何か悩みでもあるの?」

嗚呼、、まさか同窓会で再会した あの友人の なぎさが 怪人福助の
変装などでなかったら・・・

「ふふふふ、、どうかしら?これで声も完璧でしょ。あっそうだ!忘れていたわ、おミツの息子の名前って、、たしか【ユキオ】くんだったわよね。」

「うむううう!くぶうううんんん」

「ほらほら、そんなに愚図らないのよ。良い子にしていたら おミツも、あとでちゃんと仲間入りさせてあげるから」

ガチャン、バッタァァン、ガシャン

「・・・・ただいま・・・・」

「ふふん、お坊ちゃまのお帰りね。それじゃ おミツ 又後でね。」

キイィィィイ バドムン

もはや 抵抗する術を失ない、されるがままの私は もう1人の私に変装した 誰かに薬品臭い布を鼻と口の上から押しつけられても、ただ弱々しく呻き声を立てる事しか出来ませんでした。

これって麻酔なのかしら・・・・混沌していた意識が、少しずつ戻って来てまっさきに感じたのは、頭の芯がガンガンする・・・それが本心でした・・・・

それはとても爽快な自然の目覚めなんかじゃありません、、、薬品による強制的な、、失神に近い睡眠は、目覚めにおいても強制的な目覚めでした。

暴力的な覚醒を強いられた私は最初、何がなんだか訳がわかりませんでした。見慣れた室内や家具などを見て ようやくそこが自分の住むマンションである事を思い出しました。

「ふっ・・・うぅっっ、、、」

?、、、その弱々しい呻き声は私のものではありません、だれ。

その呻き声は 何かを喋っているでもあるけれど、私には、それを聞き取る勇気がありませんでした。妖しく そして激しくなる その呻きは、そのまま私の心臓の慟哭にも思えてきました。どうして?消えかけた意識が戻って来た事を私は後悔しています。

「ユキオ お前みたいな変態には、少し荒療治が必要なのよ・・・・これから生まれ変わる為にもね。お義母さんも本当は辛いんですからね。」

「あふ!ううん、あくう、、、、」

誰かが寝室にいる・・・・少しボンヤリした意識の中で、私は無意識に話し声のする方に視線を向けて 愕然としました。

(あ、、なにしてるの、、や、、やめ、、て、、)
「あっぅひっふうぁん、、ひふぅううぅぅん。」

そこに寝室のクローゼットを背にして立っていたのは、私の姿をして私の顔に残忍な微笑みを浮かべている謎の女性と、、、息子のユキオが、、、下着、、、それも私の下着を身に着けて縛られていてました、、!!!!

「はい、これも欲しいんでしょう。ほら口開けて、、」

「は、はぷっ クチャ、、クチュ」

「吐き出すんじゃないわよ・・・・これで少しはオシャベリも直るでしょ、ネッ、ユ・キ・オくん。お母さんの思いやり。」

ガム?それも他人が噛んだ物を・・・・いいえ。彼女/私の姿と顔をした誰かが手にしているのは、コンドームでした。ヌラヌラと光るその薄いゴムの袋の中には白く濁った液体が湯気を立てているかの様です。彼女はその口元を軽く捻ると、さっきまで私の口の中に詰めていたショーツに包んで又、私の口の中に詰め込みパンティストッキングで吐き出せないように猿轡を咬ませて、それで終わりかと思ったら、、、、

「もう今夜は誰にも邪魔されたくないからね。オシオキもかねて大サービスしてあげる。」

そう言った時にはベットの脇に脱ぎ散らかした、私の下着の中からショーツを取り
だして、ユキオの口と鼻にあてがうと、別なパンティストッキングを、今度は幅を広げて覆う様な猿轡を私に填めてから、スリップでさらに念入りに鼻の上まで隠れる猿轡を、思い切り強い力で締め上げる様に填め、やっと満足そうに、私に向って指でVサインをしています。

「えっ、ずいぶんひどい事するじゃないか。」

室内から、もう1人、男性の人の声が聞こえましたが、室内には私達3人以外には誰もいません。、、だれ?その男性の声は、その別にその行為を止めるつもりではなく、単に面白がっている口調です。

「いいのよ、このオボッチャマ、これで喜んでるのよ。ホラ見てよ。」

私の姿で私の顔をしている彼女は、なんと私に向って ユキオの身に着けているスリップをまくり上げて見せています。もし私が自由だったら、すぐに自分の耳を塞ぐかユキオを助ける事が出来たのに。

いいえ?ユキオ、、、どうして 逃げようとしないの?お義母さんは ここにいるのよ。そこにいる、あなたをそんな酷い目に合わせているのは 偽者なのよ・・・ユキオの行動は不思議でした・・・私の姿を見、私と視線を合わせていながら なぜか恥ずかしそうに視線をそらしてしまっているなんて・・・・

嫌よ!そんなユキオの姿なんか見せないで、、、彼女の手でめくり上げられたスリップの下にはハイウエストガートルが見え隠れし、パンティストッキングとショーツを突き上げる様に、ユキオの分身が熱く燃えているんです。

「ホラね、アタシの身にもなってよ、初めて出来たカワイイ息子が、女の格好して縛られるのが好きなヘンタイ坊やだったなんて。あぁー、考えただけでもウンザリ
よ。」

「でもそのおかげで俺達、旦那の留守中に堂々とこうしてられるんだから、大目にみてやれよ。」

「だから、こうして大サービスしてあげてるんじゃないの。こんな事SMクラブで
やったら大金がいるワヨ。」

「ヤメテ!」

いくら私がそう叫んでも、ワタシの声は厳重な猿轡の為にぜったいに伝わる訳ありません。それよりこの厳重な猿轡のお陰でワタシの呼吸が段々苦しくなっていました。

そんな私を見透かすように彼女は三面鏡の鏡をオープンするとその一面を私の方に
向けて開いたんです!!

「!!!んんんんん?!!」

たしかに これではユキオが眼をそらす筈です。なぜなら その鏡に写る私の姿は、私とは似ても似つかない別人の・・・男性・・・の姿だったんですから。しかもその男性の体格・・・ボディスーツなの?・・・は縛られて猿轡を嵌められている私の全身をスッポリと包んでしまっていて 外見はトランクス姿の男性がベッドに腰掛けているようにしか見えないんです。

「ルルルルルルルルルッ」

突然の電話の呼び出し音。今、電話に出られるのは この場では彼女しかいません。

「うふふふっテレビ電話でなくって良かったわね。」

そう言いながら電話にでる時の彼女は、数分の電話の後、

「いやんなっちゃう、マンションの自治会の会議、今夜だったんだわ。ワタシ、1週間間違ってたみたい。すぐ帰ってきますから、お願い。ちょっとだけ出かけてもいいかしら。」

彼女は、私にそう言うと、不思議な事を始めました。彼女はユキオに かなり念入りに目隠しをしてベッドの脇に座らせると 自分の衣類をすべて脱ぎ捨ててから?、どうして?、、派手な音を立てて玄関のドアを開け閉めだけして 寝室に戻って来たんです。

「坊や、苦しくないのかい?」

そうベッドの端に腰掛けるユキオに質問する男性の声・・・私はその声の正体を知って驚いてしまいました。なんと その声は、、、嗚呼、、彼女、、私の姿と顔をもっている彼女の声だったのです、、、声帯模写?

でも、目隠しをされているユキオにそんな事が解る筈もありません。むしろそう訪ねてくれたのをチャンスに、せめて猿轡だけでも外してもらおうと思って猿轡の奥から何かを叫んでいるんです。

「ふぉるふぃむふぇふ」

そんなうめき声にしかならなかったけど、何度もその男性にお願いしているうちに、

「解ったそこまで言うんなら、アイツには内緒だぞ。」

ユキオのお願いを聞き入れてくれた、そう私が思ってホッとしたのも束の間、彼女にベットに放り出されたんです。そしてユキオが履いていたパンティストッキングとショーツが引き吊り降ろされて、

「俺もニューハーフは初めてじゃないけど、自分から“見られて嬉しい”とか“掘って”なんて言われた事ないからなぁ」

エッ、馬鹿バカバカっ何、勘違いしてるの・・・・・

馬乗りになられ、猿轡の上から手で押さえてしまっているので、ユキオは呻き声をあげる事もできません。

私の姿をした誰かの手がユキオの脚を触っている!なのにユキオはベッドにいる知らない男性にオモチャにされているとしか思ってはいないのでしょう・・・なんて狡猾な・・・

その手の動きは、初めは遠慮がちに、そして段々と大胆になって行きます。見たくない・・・抵抗しようと縛られてもがきながらも、次第にそれにに応えてしまっているユキオ・・・・

「うふっくおふっあっあっあっあっ」

ついに はしたない うめき声を漏らしだしたユキオ、、

「あっぁう、うんんんんんんっ」

謎の彼女の手練手管は ついにユキオを失神に追い込んで行きます。無意識に、本当に自分では気が付かないのでしょう。ユキオの全身は小刻みに震えだして、ついに露わになった ユキオの股間は見ていても痛々しいほどに天を刺し貫こうとしていました。

彼女は、手を休める事無く、器用に ユキオの猿轡を外し始めました。

ハラッ、、、

ユキオの顔の下半分を蔽っていた布が すべて取り払われた瞬間、私はある予感に
ゾッとしました。まだ目隠しの分だけは隠れているものの、今、ユキオの顔は・・・・・

<受難の原因>(2)
自覚なき 怪人 福助の被害者
<完>
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