第一章
四十年荒野路程

第二章
カナン定着時代

第三章
成約時代の到来

第四章
中南米摂理

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第三章  成約時代の到来

 第二次世界大戦の摂理は英国を中心とした、英米仏の連合国家と、日本を中心とした、日独伊の枢軸国家の戦いだった。これが、第二次世界大戦の構図であり、ここにいろんな国が加わってきた。原理講論によると、アメリカがアダム国家、イギリスがエバ国家、フランスが天使長国家とある。しかし、今お父様の摂理観はそれと違う。復帰摂理を理解するためには、そういう観点ではなくて、エバ国家がイギリスというのはいいのだけれど、アメリカはアダム国家ではなく、アベル国家、フランスは天使長国家ではなくカイン国家である。エバを中心にしたアベル・カインであり、サタン側もドイツがアダム国家ではなく、アベル国家、日本がエバ国家、イタリアがカイン国家。こういう捉え方は、お父様のみ言の観点から出てくる。なぜ、こう見るか。目的が分かるからである。第二次世界大戦は何のためにあったのかということである。一番の本質は何かというと、エバを中心として、アベル・カインを持った理由は、アダムを立てるためであった。エバは、子供を一つにしてアダムを求める。エバ国家イギリスを中心として、アベル・カインを一つにして、アダム国家を再創造する。それはどこか。韓国というアダム国家を再創造するために、エバ国家はある。そうすると、サタン側はどうするか。何としてでも阻止したい。それが証拠にサタン側のエバ国の日本は四十年間韓国を支配した。その当時の地図を見ると、韓国はない。韓半島は、日本だった。完全にサタン側のエバによって、抹殺されていた。だから、確かに、サタン側のエバはアダムの誕生を我知らずに阻止しようとした。それを神側のエバを中心にして、必死になって産もうとした。その激しい攻防戦が第二次世界大戦であった。その結果はどうであったか。日本が敗れた。日本が敗れたから韓国が解放された。そして、1948年、大韓民国として独立した。まさしく第二次世界大戦は、アダム国家再創造の戦いだった。この神側の勝利によって、アダムが浮上した。そのアダム国家再創造の背景の上に再臨主が立って、受け入れられていれば、国家基準で世界に向かったということが、最初に論じたことであった。最高のチャンスだった。しかし、内的にはキリスト教の不信仰、外的にはアメリカを中心とした民主世界が使命を果たせなかったために、以来四十年間の荒野路程を出発した。キリスト教は失敗した。キリスト教は新婦宗教である。キリスト教の目的は再臨のイエス様を待つことである。主よ来たりませ、主よ来たりませ、と再臨のイエス様を待ち望む。再臨のイエス様はアダムだから、アダムを待ち望むのが新婦である。キリスト教はどの宗教よりも先だって、真のアダム、新郎であるイエス様を迎えるために準備された新婦宗教であったにもかかわらず、再臨の主が来たのに気が付かなかった。このキリスト教の失敗を誰が償うのか。真の母が最終的に蕩減復帰するというわけである。なぜか。真の母は、真の新婦だからである。お母様は、真の新婦として、新婦宗教の失敗の全てを蕩減復帰する。そうすると、キリスト教の失敗とは何か。それは再臨の主のみ言を受け入れなかったということである。だからお母様は、再臨主のみ言を携えて、このキリスト教国家群に伝え、失われてしまった国々に伝える。これが何かというと、世界平和女性連合の十五万人大会で勝利した後、まず行ったのが韓国の六十一カ所だった。お母様のメッセージを受け入れたという基準を立てて、失われてしまった韓国を取り戻した基準を立てた。その次に、日本の十カ所でお母様のメッセージを受けたということを条件にして、失われてしまった日本の立場を復帰した。その次に、アメリカが復帰された。そして、ヨーロッパに行かれた。まず、ドイツに行かれることによって、ドイツを取り返された。その次は英国を取り返し、その次はフランスでメッセージを語られ、フランスを復帰した。そして、最後はイタリアを復帰した。この摂理的七大国家を復帰した。四十年間、お父様は、一日五回これらの国のために祈ってこられた。その基台の上でお母様はメッセージを携えていかれのであった。キリスト教は新約時代を担当してきた。お母様は四十年路程を背景にキリスト教の失敗を蕩減復帰されたので、ここに新約摂理が完結し、新しい成約時代の到来を迎えた。1992年はお母様の偉大な勝利の年であった。それを背景にして迎えたのが、翌年の93年である。ここから成約時代が始まった。92年まではずっと新約時代の蕩減路程を歩んでいたというわけである。93年から、本当の成約時代を迎えたのである。

 成約時代とは何か。まず成約時代とは、成約のみ言から出発するという時代である。新約時代は、新約のイエス様の福音を述べ伝えることから出発しましたから、成約時代は成約のみ言から出発するのである。成約時代とは統一原理からの出発であり、原理講論からの出発である。今更原理から出発というのはどうかしてかというと、今までは新約摂理の最終段階を歩みながら、学んできた。今度は、成約時代を本当に力強く出発するために学ぶべきだというのである。だから93年からお父様は原理講論を毎日拝読し、伝道は原理講論貸し出してするように言われた。考え方を変えないといけない。今の時代はこの原理講論を渡して、ダイレクトに反応する人がいるんだと。講論を見て、「これはすごい」と反応する人が身近にいるんだということである。そう考えないと、こんなに確信を持って言われるのが理解できない。これからは講論が直接に伝道する時代に入ってきた。その摂理を信じなければならない。毎日、講論拝読、伝道も講論貸し出し伝道、講義も、講論拝読講義と徹頭徹尾講論である。それが成約時代である。お父様はここに勝共理論、統一思想を足して統一理論と名付けられた。だから、講論からの出発だが、もっと言うなら、統一理論からの出発である。ここから出発するのが成約時代である。それを学ぶ必要がある。

 もう一つだけ上げておくと、旧約時代は老人代表時代だというのである。旧約というのは、ノア、アブラハム、モーセと老人が歩んだ時代だった。新約時代は壮年代表時代だというのである。成約時代はどういう時代かというと、青年代表時代、いわゆる二世時代である。二世が先頭を切る二世代表時代に入った。

 共産主義問題に触れてみると、かつて、70年代、日本では日米安保華々しい頃であった。安田講堂を占領したとか、早稲田大学バリケード封鎖とか、民青、革マル、中核派、こういうものが、いつも暗躍しては、騒然としていた。日本全国、共産主義が吹き荒れていた。世界的にそうであった。世界的共産主義がすごい勢いだった。ソ連が拡張していたから、特に70年代はその真っ直中だった。そういう中でお父様は勝共を進められた。なぜ統一教会が勝共をやらなければならないのか。共産主義はサタンの思想であり、サタンが相対しているのである。共産主義が勝利することは、神側の陣営が後退することである。神を愛する者は断じて共産主義と戦わねばならない。そこに勝共を掲げた。日本では勝共国民運動として、全面的に戦った。70年代は勝共一色だった。その結果、ついに89年に米ソ首脳会談があって、冷戦終結宣言がなされた。ソ連が崩壊し、ガラガラと共産主義が崩れていった。見事に勝共が勝利した。ところがお父様は言われる。体制としての共産主義は崩れたけれど、思想としての共産主義は残っているのだと。外的共産主義は崩れたんだけど、内的共産主義は滅ぼされていない。だから油断してはいけない。この内的共産主義、思想としての共産主義はどういう形で現れているのかというと、青少年問題の中に性教育という名前の下に、密かに忍び込んで生きている。何で性教育の問題と関係しているのかと思うだろう。この性教育の流れを振り返ってみると、ここにフロイトという心理学者がいる。彼は心理学の中に「リビドー」という性衝動、これが人間の心の動機付けとなっているというのである。その弟子のライヒはフロイトの流れをくんで性革命という本を著した。このライヒという人の流れをくんで、日本で積極的に性教育を推進しているのが山本直英である。彼は積極的な性教育の推進派である。日本では、四、五年前から文部省推薦で小学校五年生以上に、性教育を導入した。今までは保健体育でちょっとやるくらいだった。今度は、正式に性教育が導入された。ところが学校の先生方はそんなに性教育なんてやったことがない。自信もなければ、資料もない。いきおいと、先駆けて性教育に携わっている山本直英の書物とか、彼は副読本も出しているが、そういうものに頼ってくる。

 だから彼の思想が問題なのである。山本直英氏は、「ヒューマン・セクシュアリティ」という本を自分で発刊しているのだが、その中で「人類が二十一世紀にかけるユートピアは、エロス・コミューンの実現である。」と述べている。このエロスとは、彼が言うには、全ての人間の根底にある人と人との性的関係である。コミューンとは管理なき共同体、統制なき共同体のことである。ということは、エロス・コミューンとは管理されない性関係を結ぶ共同体、統制されない自由な性関係を結ぶことのできる共同体、これが二十一世紀のユートピアだと彼は言っている。そして、山本氏がつくった副読本の「大人に近づく日々」(中学生用の性教育の本)の中の一節で「あなたがいつ誰と性交するかは、性関係を結ぶかは、親や教師が決めることではなく、あなた自身がしっかりと考えて、決めることです」と言っている。これは形を変えたフリーセックスである。それを奨励している。とんでもない考え方を秘めて、あたかも正しい性教育の推進者のようにやっている。彼はもともと共産主義者だった。共産主義というのは資本主義という管理社会、統制社会をぶち壊そうと、原始共同社会に帰ろうという思想である。この共産主義思想が形を変えてでてきたのである。サタンは共産主義という相対圏を失って、今、性教育という問題に入ろうとしている。確かに堕落論を見ても、サタンの最後の牙城は愛の問題、性の問題である。しかも摂理は青少年が中心だというのだから、その青少年を奪って、成約時代を壊そうとするのがサタンである。今一番問題なのは、背後でサタンがうごめいているんだということである。だから、これをほおっておいてはいけない。成約時代は青少年を守らないといけない。だからお父様は、性教育という、この誤った導入に対して、純潔であるという。共産主義には勝共であった。性教育には純潔である。その純潔を推進して、かつての勝共運動以上に、これを国民運動にせよと言われる。純潔推進国民運動を展開せよと言われる。

 1993年2月にアメリカでの御聖誕日のお祝いに神山会長と三人の女性が招かれた。桜田淳子、山崎浩子、徳田敦子さんである。神山会長と一緒に純潔キャンペーンを大々的にやる使命を授かって、燃え上がって三人の女性達が、この純潔キャンペーンを展開した。この直後に山崎浩子さんが監禁された。その後、記者会見があって出てきた。そこで彼女は完全な離教宣言、脱退宣言をした。純潔推進運動を推進していくべき一角が崩れたのである。まさにサタンは良く知っている。摂理の出鼻をくじくために一番不安定だったその人を引っ張っていった。だから、非常に後遺症があったが、今年は決意している。この純潔推進運動は家庭から子供を守り、社会から青少年を守るものであり、女性が先頭を切ってやらなければならない。国民連合とか、アカデミーとか原研とか、個団機動連盟とかこういうたくさんの組織がみんな純潔を訴えているのだが、バラバラだった。だから、今年は大同団結して、一大純潔運動を促進しようとしている。世界平和女性連合が先頭を切って、あらゆる組織を大同団結させて、お父様が言われる純潔を実現しないと、日本は沈滞せざるを得ない。そういう時代である。

1、1993年

 訪韓修練会

 1993年になって、6月に、6月の7日からアラスカの修練会があった。そのアラスカの修練会で、最初第一陣は6月の2日から男性が受けた。その後世界平和女性連合の人たちのリーダー、江梨川会長を中心とした女性のリーダー達が二百名近くお父様に招かれて、このアラスカ修練会、女性として第一回ということで参加した。本当に御父母様に愛されて、復興して、帰ってきた婦人達が献金を捧げて、真の父母様の摂理に役立てていきたいということで、外的にも実績が上がった。それで江梨川会長はこれは素晴らしいということで、お父様にお願いして、もう一度、このような修練会を行っていただけるように頼まれた。一度目、二度目は断られてしまった。三度目頼んだ時、お父様は五万やろうと応えられた。江梨川会長としては千名ぐらいの修練会を考えておられた。しかしお父様は五万と決めてしまわれた。そこから始まったのが、済州島の五万人の修練会であった。お父様からは五万できなければもうエバ国としての使命をはずされると、このくらい言われて、必死になって、動員した。そして93年の12月末ぐらいに、ようやく五万人できた。それで12月31日に神の日に呼ばれて、江梨川会長が御父母様のところへ挨拶に行って、「お父様、本当に導かれて五万人できまして感謝します。」「おお良かったね、ところで江梨川、もう五万ぐらいどうだ」「・・・ああっ、それもいいことですね、と調子を合わせてお答えした。そして、神の日を迎えて、94年の1月2日に、漢南洞で、愛勝日の記念メッセージがあって、その後、午後に日本のリーダーが全部集まった。そこでお父様が急に、一昨日江梨川が決意したから、もう五万やる、と言われた。お父様があと五万どうかね、と言われた時に、話でまさかいやですとは言えないから、ああっ、いいんじゃないですか、という単なる受け答えの対話をした。それを天は決意したとみたのである。だから、お父様とお話しする時は気を付けないと、それが全部その言葉が条件なのである。それで五万が始まって、その途中であと六万だということになって、結果的には、十六万になった。経緯を話しますと、ただお父様は小出しに五万、五万、六万と来た。最初からお父様としては十六万という御計画だったのだろうけれど、私たちがそこまで決意ができないから、本当に段階的に来て、結果的に十六万やって、最初はなんのためにこんなにやるのかというのは分からなかった。修練会にしては、ばかにアボジがものすごい切迫感とものすごい決意で出発され、なんの目的かというのはだたみ言を聞くというのは分かるけど、もっと深い意味があったのである。

 具体的には10月からまず済州島から始まって、そして93年の12月経て、94年の11月20日の水沢里を持って何とか16万できた、16万を達成した。もちろん本当の願いとしては、日本から十六万人の個性真理体として招くということだったけど、それは残念ながら現実的には不可能に近いことであって、どうしても二回、三回、四回と、婦人達も何度か自分たちもいろんな人を連れながら参加するということで、足掛け十六万、足掛けだったけど、でもお父様は条件として全うしたと、天から公認していただいて、この十六万を達成することができた。この十六万の意味を考えてみると、今ここにエデンの園の内容を考えてみると、ここから、堕落から見てみる。すると、どうであったかというと、サタンはまずアダムを堕落させ、エバを堕落させようとした。堕落は天使長ルーシェルがエバを堕落させて、堕落したエバがアダムを誘惑して、アダムを堕落させたというのが堕落の経路なのに、ここではアダム、エバと書いてある。どういうことかというと、サタンの目的からすると、エバを堕落させたけれど、実際はアダムの生命の種を奪いたかったのである。アダムの生命の種を奪って、サタンがそこを主管して生命の種をエバに植え付けて、そこから罪の血統を繁殖させたのである。そうしてエバから罪の血統を持ったカインとアベルというふうに展開した。さて、神様の救いはどこから来るかというと、神はサタンの未練の強いところには相対できない。だから、サタンの一番未練の少ない、すなわちサタンから最も遠いところから出発するのである。それは、アダムでもなく、エバでもなく、カインでもなく、それはサタンのしっぽと言われるアベルから、神の救いの摂理は始まる。これが神様がアベルを用いて、復帰摂理を始められた理由である。そしてカインとアベルが逆転して、ここに長子権復帰をして、摂理はそこから始まる。六千年の歴史は長子権復帰の歴史であっただ。アダム、ノア、アブラハム家庭、モーセ路程、イエス様もそうであったし、御父母様も今日まではほとんどの生涯を長子権復帰をテーマとして歩んでこられた。それを1989年の8月31日に天宙的長子権復帰ということで、見事に御父母様が全うされた。その基盤の上にどういう摂理が来るかと、カインとアベルが一体化して、お母さんのところに帰っていくのである。堕落はエバから出発したから、復帰はエバからである。女性をいかに復帰していくかということにおいて、カインとアベルが一つになって、それから救いの摂理は展開していく。母の使命を堕落エバの蕩減復帰としてお母様が担当される。そうすると、アベルとは世界平和女性連合(WFWP)のメンバーたち、内的には統一教会、外的組織としては、WFWPである。そして日本の場合でいえば、WFWPのメンバーが六千万の一般的女性たちをカインとして、彼女たちを引きあげて復帰していく。どこに連れていくかというと、母の胎中に招くのである。なぜかというと、堕落したエバからカインとアベルという罪の血統が外に出てしまった。だから、復帰は外に出てしまったカインとアベルを母の懐に戻すのである。エバは罪の血統を外に出してしまったから、お母様はエバの蕩減復帰として、罪の血統を自分の胎中まで戻さないといけない。これがお母様の使命である。1993年に、お母様は日本に来られた。その日本の講演会で中心は東京ドームだった。その東京ドームの大会で、会場は象徴的にお母様の子宮の中であった。だから、その東京ドームに自分の氏族とか自分の知人、友人の女性を招いた。共にお母様の子宮を通って胎内に入っていったのである。このようにお母様は日本に来られた時に全部それはカイン圏の女性とアベル圏の女性を引き入れるという使命を持って来られた。その胎中に戻したことは偉大なことだけど、しかし、それだけでは本当の価値にならない。真の父母と重生という内容がある。お母様の腹の中に入ったしても、その入った子供の根っこは渋柿の根っこから取ってきたものである。それが天の家庭に入るには手続をしないといけない。何の手続かというと、愛の手続である。だから、真のお母様の腹の中に入っても、真のお父様の真の愛と真の血統にはまだ繋がっていないのです。お母様は真の愛と真の血統を持っていません。どうしても次に父のところに行かなければならないというわけである。真の父、完成したアダムの骨髄に入れというみ言がある。骨髄というのは人体構造からいって、中心部分である。ここで人間の中心とは心情である。完成したアダムの心情圏に入れということが、完成したアダムの骨髄に入れということの具体的な意味である。心情は事情圏を通過しなければ一体化は難しいのであるから、同じ事情圏を通過するということである。その同じ事情圏を通過するとは何かというと、生活圏を共にする中で、心情が一つとなっていく。これは夫婦を見てもそうである。家庭に入って生活を共にする中でだんだんと事情が分かり、その背後の心情が理解でき、この一体化というのが生まれる。真の完成したアダムと事情圏を共にし、生活圏を共にして、心情一体化しなくてはいけない。それがまさしく済州島の修練会である。そして、水沢里の修練会である。この修練会は三泊四日という短い期間ではあるが、この修練会で、お父様が早朝から深夜まで、メンバーたちの中を歩きながら、時には頭をさわったり、小突いたりして語られた。そうしてみんなが本当にお父様に近い心情をつかんでいった。これこそまさに、骨髄に入る、こういう修練会だった。生命の種は、父が持っているので、真の父の生命の種と一つになっていくというのがこの修練会の目的だった。真の生命は真の父母の夫婦関係、真の愛を中心として一体となった中から生まれる。真のお父様と真のお母様が夫婦関係によって一つとなって、そこに子供の種が具体的に生まれてくる。そういう中を自分が通過したんだと、実感しないといけない。だからまず、女性たちを先頭にして、お母様の胎中に入っていく。胎中に入ったということはサタンと因縁が切れるということである。サタンはここをザン訴はできないけれど、まだ生まれ変わってはいない。そのお母様の胎中から、お父様の骨髄に入っていく。生命の種の真ん中に入っていく。それが済州島の修練会であり、水沢里の修練会である。その骨髄に入り、生命の種と完全に一つになる。お父様の生命の種がお母様の胎中に植え付けられて、お母様の胎中で育って、子女様が生まれたという内容を実感して自分も共に生まれたとすると、女性は娘という立場で生まれたことになる。これを重生という。女性たちの修練会は、女性における重生の摂理であったのである。この重生という言葉は決して新しい言葉ではない。日本の原理講論は1967年の10月2日に初版が発刊された。その時、韓国語の原理講論を日本語に訳した先輩方がどう考えたかというと、重生という表現は全然日本にはなじまないし、福音、伝道ということを考えたときに難しいんじゃないかと思って変えたという。どこで変えたかというと、キリスト論、前編第七章のキリスト論の第四節、今の原理講論には新生論と三位一体論と書いてある。ところがこの韓国語の原典にはキリスト論の中に最初から重生論と書いてあった。三色刷りの原理講論を発刊した時には日本でも重生論に直した。だから、日本で今新しい原理講論は新生論でなくて、重生論にみんな直っている。まず女性を十六万お父様が重生して、その十六万の女性たちを摂理の最先端で用いていくという崇高な御計画、厖大な御計画の下で十六万人の女性幹部修練会をなされたことが分かった。最初は五万、続いて五万、それから六万と少しずつ増やしていかれたようであるが、最初からお父様の頭の中には十六万という数があったのである。なぜなら、再臨主は十六数と共にある。国連軍は十六カ国、オリンピックが百六十カ国の参加、という十六数に再臨主の復帰すべき数があるから、最初から十六万と考えておられた。今、復帰摂理から見てみると、エバはこの二人の男をダメにした。それは誰かというと、アダムと天使長だというのである。天使長ルーシェルがエバを誘惑したのであって、エバがダメにしたのではないと思うのだが、一理はある。なぜ一理あるかというと、取って食べるなという戒めはエバに与えたれたのであって、ルーシェルには与えられていない。ルーシェルはもちろん知っていた。神様の戒めがどういうものかということを知っていたけれども、責任はなかった。責任はあくまでも人間に与えられているみ言だから、人間にしかない。いくらルーシェルが誘惑したとしても、取って食べてはいけないというみ言はあくまでもエバが守って、誘惑を断ち切っていかなくてはいけない。ところがエバはルーシェルの言葉に引っ張られたから、エバが堕落することにおいて、ルーシェルは本来の天使長の位置を崩してしまった。だからエバがダメにしたと言っても過言ではないわけである。エバはルーシェルをだめにして、アダムをダメにした。二人の男をダメにしたのだから、エバの蕩減をなす女性にはアダムの立場の男性とルーシェルの立場の男性を復帰する使命がある。だから、重生された十六万の女性たちは最低二人の男を復帰する使命があるから、三十二万人の男を立てないといけない。復帰摂理から見て、この十六万人の女性たちが一人が二人、三十二万人の男を立てるためにお父様は次は三十二万人の男性幹部修練会、このような発表をされた。今、停滞しているけれど、これは摂理としてお父様はやるように言われている。十六万人の女性修練会で一つ重要だったのは、真の父母が祭司長の立場でエバ国家の供えものを国家的祭壇に捧げたことである。十六万人が準備した供え物が救国献金である。それは新婦が新郎と出会うための結婚支度金であり、喜んで感謝して供えるということが非常に強調された。

 重生の摂理というものは祝福における血統転換の応用である。女性が最初に重生され男はその女性を通じて生み変えられて、そして三日儀式を通して、最終的には母と息子という立場から本然の夫婦となって、家庭を出発している。今、お母様のお腹が国家的な胎中となっている。世界的な胎中に勝利圏が拡大している。お母様の胎中をして、国家的な重生をする段階まで来ているから、お父様は重生摂理という内容を教えている。血統転換を応用して、これから国ごと生み変える。最終的には世界を生み変える。この93年、94年、95年の三年間は世界的血統転換の年であると言われた。世界を生み変える基盤をつくる。それはこの重生の摂理を通していく。日本から出発した千六百名の宣教師がいる。この女性宣教師たちは母の立場で宣教国に行った。母という立場で今までの宣教師と任地の人々を胎中に入れて、そして真のお父様の立場に立ったのが韓国の男性宣教師である。韓国の男性宣教師はお父様の代身という立場である。父という立場でこの女性宣教師たちと一体となって、その任地の人々を生み変える。だから国家的重生摂理としての今回の女性宣教師の派遣であった。日本の十名の女性と韓国の一人の男性が一つとなって、その任地のアベル、カインを完全に重生するというみ業をやっている。国家的重生ということも兼ねて、お父様は今この重生摂理という内容を発表されている。これが1993年の摂理であった。

2、1994年 (成約2年)

 1993年は成約時代の幕開けであり、重生修練会であった。翌1994年は成約2年目にあたる。この年のメインとなる摂理は家庭協会の摂理であった。

 家庭協会

 正式には1994年の5月3日に世界祝福家庭協会という名で、発表された。これを略して家庭協会という。その背景として、1994年の5月1日に統一教会創立40周年があった。これを契機として、お父様が世界祝福家庭協会を新しく発表された。それが1994年の10月9日に世界平和統一家庭連合、略称家庭連合会となった。しかし、11月3日にお父様は再度それを家庭連合とされた。最終的に世界平和統一家庭連合となったが、本質的意味は変わらない。なぜ家庭連合というものが突然出てきたのか。アメリカにも、韓国にも、同じように出発した世界的摂理である。世界基督教統一神霊協会の四十周年を契機としてで来たものなので、当然世界的なものである。

 アダムとエバが長成期完成級まで成長し、そこで、天使長ルーシェルに誘惑させれて、堕落した。その結果、サタン的な四位基台をつくった。この堕落した立場から復帰摂理を歩んで、男女ともに上がってきた。ここに三つの家庭がある。一つは、堕落してサタンの血統を受けた家庭、すなわち堕落圏の家庭である。堕落したアダムとエバの後孫として、ほとんどの家庭はここにある。これはまったくみ旨と関係のない家庭である。もう一つの家庭は真の父母の祝福によって、新しく出発した祝福家庭である。もう一つの家庭は真の父母の完成したメシヤ家庭である。メシヤ家庭は完成した真のアダム家庭である。それに対して、祝福家庭は善の天使長家庭である。時代全体が四十周年までは天使長圏内の家庭時代だったので、祝福家庭は定着できず、天使長家庭のままだった。しかし、四十周年を終えてからは、アダム家庭完成復帰時代になり、真の父母が安着できる時代になった。今までは、メシヤ家庭が礎を降ろすことができなかったが、地上に礎を降ろすことができる時代になった。そうすると、礎をおろした船が泊まっているので、その船に連絡できる時代に入った。ゆえに天使長家庭である祝福家庭が真のアダム家庭により連絡できる時代に入ってきた。そのように連絡されるためには、祝福家庭は氏族メシヤを勝利しなくてはならない。氏族メシヤを勝利すれば、真のアダム家庭に連絡されて、祝福家庭もアダム家庭完全復帰をなす。このように氏族メシヤを勝利して真のアダム家庭に連結される時代を迎えたので明確に組織をつくらなくてはならなかった。堕落圏の人々に祝福の素晴らしさを伝え、その意義と価値を伝えて堕落圏の家庭を祝福家庭にまで導くということが統一教会の使命である。世界基督教統一神霊協会はただひたすらに、み言を知らない人にみ言を伝え、祝福の素晴らしさを伝えて、祝福まで導くことが使命であった。しかし、今やそれだけではいけなくなった。その祝福家庭を今度は氏族メシヤ勝利まで、そして真のアダム家庭との連結にまで導かなくてはならない。ここまで導く立場が時代的にともなってきた。祝福家庭を氏族メシヤまで導くものが、家庭協会、家庭連合である。日本でいえば、統一教会の会長は桜井会長で、家庭連合の会長は神山会長が責任を与えられて、二人の会長制度をもっている。そしてその役割を明確に分けている。統一教会は、信仰生活を教え、訓練するところである。当時、黄会長はアダム国家家庭代表であり、神山会長はエバ国家を代表した家庭代表であった。この二人が一体化しなければならない。家庭連合は、生活信仰を教えるところである。信仰生活と生活信仰は、字をひっくり返しただけではないかと思われるかもしれないが、この漢字をひっくり返すことのよって、意味が全く違ってしまう。信仰生活とは、まさに信仰を生活化することである。これを教えるのが統一教会である。その基礎訓練をしなくてはならない。統一教会は具体的に信仰のあり方、靴のはき方から掃除の仕方などから始まり、挨拶、そして、対人関係や伝道方法の基礎を教えつつ、その素晴らしさに感動して多くの人たちが、本当に私たちもみ言を聞いて祝福を受けたいと思うようにしていかなくてはならない。このように、信仰生活を生活化する。ただ原理と理論ではなく、原理をいかに生活化するかということを教えるのが統一教会の目的である。この原点をもう一度見つめ、あらゆる点で、そのような人格伝道、生活伝道をしなくてはならない。一方、生活信仰とは何か。これは、生活即信仰となっている状態である。生活イコール信仰である。故に、将来の家庭連合の雰囲気は一つの祝福家庭の中で、神を中心にした親子の対話が祈り以上の祈りであり、家庭が団らんして集まる場が礼拝以上に礼拝であり、ことさら、儀式張った礼拝という形ではない。また、ことさら格式張った祈祷会などはいらない。自然の生活の流れが即祈祷生活であり、礼拝生活、公的生活、公的集会であり、何の無理もない。生活が即信仰である。このような雰囲気である。この時に、何の矛盾もなく、違和感もなく、永続した信仰ができる。それを築くのが家庭協会である。今各家庭で家庭協会の看板を掲げて信仰生活の実践を理想としている。そこに入ってきた人は自然とその中で、本当に祝福家庭は素晴らしいと実感し、その中からさらに高い氏族メシヤに向かっていこうという雰囲気になるようにしなくてはならない。またそのように教育しなくてはならない。日本には隔週の機関誌、中和新聞があり、月刊誌にファミリーがある。この2つによって、教育がなされている。これまではごちゃごちゃになっていたが、これからは家庭連合時代に入ったので、家庭連合の祝福家庭を教育する新聞が必要になったので、お父様に命名をお願いして、中和新聞の上をいく「世界家庭」という新聞ができた。そこに祝福家庭の証や氏族メシヤ勝利の証を載せて、祝福家庭を啓蒙するようにしている。月刊誌としては「祝福」を月刊誌化するまでもっていって、内容を刷新して、さらに祝福家庭の教育誌にしていく方向に進んでいる。このようにして機関誌で教育し、信仰生活と生活信仰を教えながら、氏族メシヤ勝利の目的を果たしていこうとしている。そして、百六十家庭の伝道を勝利し、氏族メシヤを勝利し、真のアダム家庭に連結して、天国入籍の条件を勝ちとるという、明確な路線がここに見えてきた。このような目的を全うするために統一教会創立四十周年を契機として大きな転換をした。日本でもまだまだ家庭連合は軌道に乗っていない。しかし、これをこれから確実にやっていって、これまではとにかく祝福まで何とか導くということで精いっぱいだったが、これからは祝福家庭が、さらに教育される段階に来なくてはならない。

3、1995年(成約三年目)

 教育は先行投資なので、お金がかかるし、時間がかかる。先見の目がある人はそこに投入するが、どうしても目先の実績ばかり見ると、教育はなかなか思い切ってできない。日本もそのような現状の中にあった。しかしお父様は教育しないといけないと言われて、自らが命令されて、済州島の修練会をなされた。十六万の女性の修練会は、三泊四日であったが、二十一修、四十週に匹敵する修練会を受けなくてはならないとし、日本特別幹部修練会として修練会が行われた。内容は二十一修であり、より本質的には四十修であった。それが済州島修練会であった。この修練会の第一、二、三回に参加した者が海外宣教師として出発した。海外宣教者は全員、十六万の重生された女性たちである。さらに、済州島修練会で二十一修、四十修を受けた人たちが出発した。お父様は、絶対に摂理に用いる時には教育してから用いるというのが鉄則である。み言を伝えずして、み言を教えずして、摂理に用いることは罪だと言われる。二日修、七日修、二十一修、四十修と、これらをあわせて、七十修になる。ある時、アメリカのお父様の知っている方が教会を離れてしまった。それを報告したとき、お父様はすぐに聞かれて、「その兄弟に七十修を教育したのか」と言われた。そして、「七十修を教育せずして、そのメンバーが離れたら、教会の責任であり、親の責任なんだ。七十修まで聞いて離れてしまったら、それは本人の5%に帰する」と言われた。親として、教会としての責任は、いかに七十修をしっかり教育して、そのメンバーを摂理、み旨に用いるかということにあると、お父様はそのぐらいに教育を大切に考えられ、伝統教育というものを持たれている。それで海外宣教という重要な摂理の出発にもしっかりと二日修、七日修に匹敵する十六万人の修練会、二十一修、四十修に匹敵する済州島修練会で、七十修を受けたという基準で、お父様は海外宣教に送った。しっかりと教育して出発した。それ以外の女性の方々は故郷に帰って、お父様は「君たちを氏族メシヤ(個団活動)の中核要員、リーダーとして派遣する」と言われた。氏族メシヤ活動のリーダーとなるためにも、七十修を受けて、み言を学んだ上で、送られた。それが95年から具体的になってきた。この重生された十六万の女性たちが訪米セミナーを担当するように命じられた。95年の1月22日頃、ワシントンで第一回目が行われた。アメリカでは今当然の摂理であるが、当時の日本にとっては唐突に言われた摂理だった。この日米姉妹血縁、訪米セミナーが95年の一つの山場となった。

 1)訪米セミナー

 16万の女性幹部修練会のメインは、韓日の姉妹血縁だった。韓国が長女、日本が次女の立場で姉妹血縁を結んだ。その上で、その次の摂理として、天使長国家に対する摂理がなされた。韓日の姉妹血縁によって、内的にも韓日が一体となった。韓国は父の国であり、日本は母の国なので、韓日が一体化すれば、父母国家として立つことができる。内的に韓日ががっちりと一つになって、父母国家の基準が立った。父母は子供を産むことができる。すなわち、天使長を産むことができる。天使長国家とは、自由圏を代表する天使長国家、アメリカと共産圏を代表する天使長国家の旧ソ連、そしてアジアを代表する天使長国家の中国のことである。この天使長国家を生み変えるということが使命だった。その出発点がアメリカだった。そして、訪米セミナーを通じ、日米姉妹血縁を通して、アメリカの女性たちが生み変えられて、三女という立場に立った。韓国が長女、日本が次女、アメリカが三女というふうに、姉妹血縁をもって、娘、子女という立場に生み変えられることが、訪米セミナー、日米姉妹血縁の重要な内容であった。このようにして、アメリカ自体を大きく転換しようとするお父様の作戦であった。また同時に、雑教文明であり、根がない日本が、この訪米セミナー、日米姉妹血縁を通じて、キリスト教国家であるアメリカの根っこに繋がっていくのである。キリスト教の伝統を受け継ぐという目的も兼ねて、訪米セミナーが大々的に展開された。

 いつもお父様は、一国におけるアベルは宗教だ、宗教は国家のアベルであり、国家の心だと言われる。政治は国家の体であり、カインである。アメリカの場合、宗教はキリスト教なので、キリスト教がアメリカのアベルであり、政府がカインである。このアベル・カインをいかに立てるかというのが、国家復帰、そして国家に影響を与えるためのお父様の作戦である。キリスト教を代表する人物がジェリー・ファウエル牧師である。彼はダンベリーで、すでにお父様と因縁を持ったが、今回の訪米セミナーでも非常に深くかかわった。最初の第一回目から八回までのワシントンに於いてはほとんど毎回のように来て、大変お父様の運動に関心を持ち、理念に賛同していた。彼は第一回目の訪米セミナーは私に任せて下さいと約束していた。彼の傘下にはたくさんのクリスチャンがいるので、その女性たちを動員して、日本から来た女性たちと姉妹血縁をさせますからと言っていた。それで安心して日本から二百名近くの女性を送った。ところがふたを開けてみると、全然来なかった。あまりにもたくさんの抗議の文書や批判が来て、ジェリー・ファウエル牧師は驚いてしまった。それで、来る予定だった女性たちが次々とキャンセルになった。第一回目は急に人が来なくなって大変だった。仕方なくメンバーの女性を集めて、ワシントン・タイムズに勤めている女性をその当日に動員したりして行われた。急きょ集めて、何とかできたという感じだった。このことによって、ジェリー・ファウエル牧師は非常に申し訳ないと思って、何とかこの汚名を挽回しようとして、それ以来何度も参加し、協力してくれるようになった。

 政府を代表する人物として、多くの共和党の議員や、超VIPといわれる人たちが次々と来た。映画俳優や著名な牧師等が続々と訪米セミナーの講演をしてくれた。今までは考えられなかったような現象が、起こっていた。最初に担当されていた小山田先生や周藤先生が帰国報告で、VIPの人たちが来て、本当に感動している。目を輝かせて、講話をして、感動して帰っていると報告された。日本女性たちは時差ボケで、会場ではほとんど眠ってしまっていて、周りのスタッフははらはらしていたが、講話をしている人は、熱心に語って感動していた。小山田先生は「眠っていても美しい。彼女たちは眠れる森の美女たちである」と評価されていた。お父様も、「なぜ彼らは感動しているのか。それは天使長国家の男がエバに惚れてるんだ」と言われている。摂理的には、日本はエバ国家なので、一人ひとりがきれいだということではなく、エバ国家という立場で、彼らの心が惹きつけられた。周藤先生は「そういう意味で日本の女性は摂理的美人であります」と言われた。それが幸いしてか、彼らは皆、とても感動した。95年の10月に講師としてロサンジェルスに招かれて行った時、ある有名な牧師が一通り話をし終えて、何か質問はありませんか、と聞いたところ、一人の女性が手を挙げて、「牧師さんはどういうところで一番神体験をされましたか。生きた神をどう感じましたか」と聞いた。するとその牧師は三十分ほどとうとうと話された。それを言いたかったんだという感じで話された。自分の持っているものを引き出してくれるような質問が出てきた。例えば共和党の議員たちであれば、日米の経済摩擦をどう解決したらいいと、あなたは考えていますか、という質問などが来ると、専門的にそれを学んでいる立場の人であるので、これぞ言いたかったことだと思って、喜んで語ってくれる。彼らはそのような質問をする人々が全部来ていると思う。しかし、実は数人であった。彼らは美しい誤解をして、そのような質問をするほど意識の高い人々が来ていると思って、とても喜んでいた。たとえそうであっても、とにかく喜んでもらえたということが素晴らしいことであった。そして、口コミで次々と来て、大盛況になった。そのうちにジェリー・ファウエル牧師が自分の友人のブッシュ氏を何とかして招きたいと言ってきた。ブッシュ氏としては、様々な噂を聞いていたので、そのようなところへ行っても大丈夫かと考えて、あまり来たがらなかった。しかし、あまりにもジェリー・ファウエル師から頼まれるうえに、自分の知っている共和党議員も来ているということで、短い挨拶だけでも参加しようかということで来た。はじめは、ほんの数分だけの話をするだけで、写真も撮って欲しくないと言っていた。ところが、その日はすごい人が来たということで、女性たちは誰も寝ないで熱心に聞いていた。アメリカの女性はもともと面白くない話は熱心に聞かないですぐに帰ってしまうし、長い話はあまり聞かないところがあるが、その日は拍手も熱烈で、目を輝かして聞くので、その雰囲気の素晴らしさに、ブッシュ氏も時間を延長して語り通した。ブッシュ氏はこの日とても感動した。それで、お父様はこういう時には、それだけでは済まされない。杉山会長にすぐさま今度はバーバラ夫人を呼べと言われた。それで即座に杉山会長はブッシュ氏が帰る時に、「ぜひ次はミセス・バーバラを招待させて下さい」と言った。ブッシュ氏は快くOKされて、次回バーバラ夫人が招待された。前大統領夫人と比べて、杉山会長は世界平和女性連合という肩書きはあっても、中身は一市民なので、単なる一信徒であって、対外的には杉山会長といっても何もない。そのような人が、前大統領夫人と姉妹血縁をするということは大変なことである。それが実現した。これは感動的なことであった。

 姉妹血縁されてみて分かったことは杉山夫人以外にはバーバラ夫人に合う人はいなかったのではないかということである。体型からしてぴったりと合っていた。しかも杉山夫人はアメリカで十数年過ごしてきたので英語もペラペラで、またとても相手の心に入る人だった。今回、東京ドームにブッシュ氏夫妻が来られた時も、杉山会長がブッシュ氏を紹介する挨拶で、「私とバーバラ夫人は姉妹ですから、これから義理のお兄さんを紹介します」と、家庭のように紹介した。このようにして、ブッシュ氏が来たということは、訪米セミナーの思わぬ成果だった。前大統領と元大統領は全然違う。カーター元大統領やレーガン元大統領などが生きているが、これらの方と、この間まで大統領だった人とは違う。その前大統領が来たということは価値として全然違う。このブッシュ前大統領の参加が訪米セミナーの最大の成果だった。訪米セミナーを通じてキリスト教を代表したジェリー・ファウエルと政府を代表したブッシュ氏と共和党議員が、アベル・カインとして一つになる摂理に勝利した。これがまさにアベル圏である北米の勝利だった。国家的アベルであるキリスト教を代表するジェリー・ファウエル師と、国家的カインとして政治を代表するブッシュ前大統領の心を捉えた。そして確実につなぎとめたということが、訪米セミナーの最も大きいことであった。それによって、北米の勝利基準が立った。アベルが真の父母と完全に一体化した。アベルが父母と一体となると、カインは自動的に惹きつけられるというのが原理である。アベルである北米が真の父母と一つになればなるほど、カイン圏である南米は自動的に惹きつけられていく。また、北米は新教、プロテスタントの文化であり、それが真の父母と一体化して、南米のカトリック文化が惹きつけられて、ここにキリスト教統一の道が開かれた。はじめは、訪米セミナーと南米の摂理は何の関係もないように思われていたのだが、結論的に訪米セミナーの勝利が南米摂理の推進になった。こうして南米摂理の具体的出発となった。

 2)南米摂理

 こうして、訪米セミナーの次の段階として、南米摂理が95年のまた一つの大きなポイントであった。お父様は、94年の5月1日に統一教会の四十周年を迎え、家庭協会を発表された。そして95年の5月1日の統一教会創立四十一周年から本格的に南米における新しい摂理を発表された。

 a)サンパウロ宣言

 95年に初めて話されたことであるが、今までは第一次四十年路程だった。統一教会創立の1954年5月1日から94年の5月1日までが、第一次四十年路程であり、これは真の父母の完全勝利で終わった。お父様はすでに天宙的長子権復帰、天宙的父母権復帰、天宙的王権復帰の基準を立てられた。また、縦的、横的八段階の基準を立てられた。それでこの第一次四十年路程で父母として、これ以上の勝利はないという、完全勝利をされた。子女である統一食口たちもこの第一次四十年路程で勝利して、父母の勝利圏を相続していたなら、輝かしい全面的な勝利で終わっていたのだが、残念ながら勝利できなかった。特に祝福家庭は勝利できなかった。それをやらなくてはならないのが第二次四十年路程であると言われ、初めて第二次四十年路程の宣言をされた。これは95年の5月1日から、本格的に始まった。1995年4月30日までが、第一次四十年路程であり、95年5月1日から、そのまま足すと2035年までが第二次四十年路程であるという宣言がなされた。この第二次四十年路程は子女が担当するんだと言われた。子女の責任分担として、これは、二世を先頭にした、家庭単位の責任時代である。これからは、祝福の子供たちを先頭に立てながら、家庭ごとに行く。夫婦が歩調を合わせて、親子が歩調を合わせて、家庭単位で行かなくてはならない。個人だけで出発してはいけない。祝福家庭の家庭単位の責任分担時代が第二次四十年路程である。そして、祝福家庭は氏族メシヤ勝利を目指していく時代である。第二次四十年路程は再び出発する路程なので、新しい気持ちで出発しなくてはならない。今までは、北米を中心として、先進国家が経済的にとても恵まれ発展してきた北半球の文明圏が今度は後進諸国の南米を中心とした南半球へと向かい、お父様の平準化思想を実現していく。お父様は、「先生は今まで、アメリカという先進国のトップでやってきた。そのトップでやってきた先生が今度は南米のパラグアイという最低の貧しい国に行く。先生はトップに行く時も、先頭を切ってきた。今度は一番貧しい国に行く時も、先生は先頭を切って行くんだ」と言われて、ブラジルやパラグアイへ行かれた。お父様御自身がこのように平準化思想を実践され、「高いところへ登ったら、降りるんだ」と言われている。これが南米摂理である。低いところに、今、降りて、先生は先頭を切って基盤をつくろうとしている。文化の平準化思想が南米摂理である。ゆえに、出エジプト路程は南米に向かっての出発である。南米は新しいカナンである。不思議なことに、聖書を見ると、ヨシュアとカレブはカナンに入って行き、破竹の勢いでもって、カナンの地で王たちを滅ぼしたとある。三十一の王たちを屈服させたとある。驚くべきことに、中南米は、三十一カ国である。お父様は三十一カ国の国家元首に会い、大統領に会って、それを屈服させて、まさにヨシュア路程を具体的に行くんだと言われる。その点から見ても、南米がカナンであると言うことは非常に符合する。そこに向かって、いよいよ文化の平準化を目指していく。氏族的メシヤの勝利はその総合的な基盤として国家復帰に向かう。すなわち、一国を立てる方向へ向かう。御父母様は、氏族的メシヤを勝利した祝福家庭の国家復帰の基盤の上に、世界復帰に着手できる。ところが、君たちはそれを第一次でやらなかった。第二次はそこに向かっていくと言われた。祝福家庭の総合的な力で氏族メシヤ勝利の基盤で一国を神の前に立てる。この国家基盤の上に、お父様は世界に向かっていける。これが第二次の願いだった。そのために、なかなか一国の復帰といっても難しいので、側面から援助しながら、お父様はモデル国家をまず建設しようとされている。具体的に、パラグアイの周辺に広大な土地を購入して、モデルをつくろうとされている。南米三十一カ国の中でも、ブラジルとアルゼンチン、そしてウルグアイとパラグアイをお父様は重要視されている。95年に日本を代表するリーダーの小山田先生がブラジル人事になり、ハッピーを代表する古田社長がアルゼンチンに人事になった。そして、地区長の中でも代表的な杉山地区長がウルグアイの人事になり、全国の勝共の太田会長がパラグアイの人事になった。日本から見れば、このような重要な人を一人でも国外には出せないというほどの人を四人、お父様はバサッと切るようにして南米人事にされた。この人事一つを見ても、いかにお父様は南米に力を入れておられるかということを知ることができる。ブラジルはアベルであり、アルゼンチンはカインである。このブラジルとアルゼンチンが一つになり、アベルのウルグアイとカインのパラグアイが一つになって、一体化したアベル・カインの上に父母が立って、モデル国家建設に向かっていく。この四カ国を基盤としながら、中南米を動かしていき、モデル国家建設に向かっていく。ウルグアイにはかねてからお父様は摂理されていた。韓半島のちょうど地球の真裏がウルグアイである。日本から見ても、ちょうど真下に位置した遠いところである。ウルグアイに銀行をつくり、国家に影響を与える基盤を着々とつくってきた。そしてこれから本格的にこの四カ国に投資して、モデル国家建設をしていく。特にパラグアイの周辺に広大な土地を購入していく。

 b)ニューホープファーム宣言(1995年4月3日)

 1995年の4月3日にニューホープファーム宣言がなされた。ブラジルのボリビアとパラグアイの国境の近くに、八十万坪の土地を購入している。そこをニューホープファームと名付けてお父様が計画を発表された。エデンの園を考えてみると、神様は、まず地球を創造され、そのエデンの園の環境にあった植物と動物を創造され、そこに人間、アダムとエバを創造された。そのアダムとエバが個性完成し、家庭完成し、そして万物を主管して、アダムとエバによって、三大祝福が全うされた神の国をつくることが神の御理想であった。それが堕落によって、失われた。何もないブラジルはまさに新しいエデンの園の出発にふさわしい地である。お父様はこれからエデンの園の理想を取り返すんだと言われた。地を愛し、万物を愛し、人間を愛し、神を愛するところから始まる。具体的に、自然を愛しながら、神の国建設に向かっていく。その時に、神の国と言っても漠然としているので、そこに具体的にモデル国家をつくる。ところが、モデル国家自体もどのようにしてつくったらよいかということも、さらに分からないので、モデル国家をつくるために、新しい希望農場をまず建設した。これはサンパウロ宣言の実践方案である。サンパウロ宣言で、これから摂理は南米に移行していくと言われた内容の具体的実践方案がこの新しい希望農場であり、ここで精神的伝統を訓練する。ここの生活はアラスカ精神である。お父様はアラスカでずっと釣りをしながら訓練された。朝は五時から起きて、夕方は証会などのいろいろな話があり、ちょうどアラスカと同じように、徹頭徹尾み旨に徹する生活を直接指導されて、アラスカ精神をここに伝授して、ここで神の国の伝統的な精神というものを教えるんだと言われる。多くのメンバーたちがここで学びながら、そこで、いろいろな活動をして、その精神がモデル国家をつくっていく。今、具体的にも農場経験者が様々な開拓をしている。ニューホープファームにはいろいろな国の人々が集まってきている。言葉も英語から、スペイン語から、中国語から、日本語からいろいろで、名前一つも分からないし、覚えられない状況で、しかたなく、「おーい、イタリーノ」とか、「ジャポーネー」とか、「ハンガリー」などと、国の名前で呼び合っている。そうすると、本当に国家を代表しているという自覚が深まってくる。まさに、神の国は超民族的、超国家的なので、その訓練がここでなされ、非常に国際色豊かにやっている。このように、お父様は様々な訓練をして、モデル国家をつくろうとしている。この希望農場を万民に見せながら、将来、こうやって、国をつくるんだと示す宣言が、ニューホープファーム宣言であった。お父様はさらにブラジルに三千万坪の土地を購入する計画だと言われた。近々購入するからエバ国家はこれを全面的に支援せよ、という指示があった。また、南米三十一カ国に新聞社を設立し、大々的に中南米を動かすんだ、と言う発表もあった。また南米にワコムの工場を設立する。ウルグアイで、今回ワコムの展示会をした。それは非常に評判が良かった。それをお父様は非常に喜ばれて、すぐにこれを南米全体の主だったところに持っていって、ワコムの工場を設立して、南米の活性化をするんだと言われた。また、南米で様々な活動を紹介するために、展示会を各国で計画し、統一運動がこうやっているんだ、ということを知らせる。これをウルグアイではすでに実現した。それが成功したので、他の様々な国でも計画している。それから、一和サッカーチームも南米を訪問した。南米で有名なサントスというチームと戦って、勝てば大変な評判になるということで、南米に派遣した。とにかくお父様の構想はどんどんとふくれあがって、今、南米に大変な力を注がれている。このようにして、昨年から、今年にかけて、南米摂理が展開されてきた。

 3)36万双祝福

 36万双祝福は、1995年のメイン中のメインイベントであった。8月18日に雨が降り始めて、24日の聖酒式もやまず、ついに8月25日も朝から雨だった。スコールのような雨の中大変だった。韓江も水があふれて、式場の駐車場も水浸しになり、バスが止まれなかった。スーツケースを持って移動しなければならない人たちは、当日大変だった。恨めしく天を仰いだ。まるで、ヤンキー大会のようだった。1974年9月18日のマジソン大会は蘇生期であり、1976年6月1日のヤンキー大会はアメリカのキリスト教復興大会の長成的大会、2数の立場であった。2数の立場はいつもサタンの攻撃を受けるように、サタンの試練を真っ向から受けた。第二アダムのイエス様の峠を越える大会だった。ただ違うのは、イエス様の時には、弟子達はみんな去ってしまい、失敗したのに対して、この時は、ユーアーマイサンシャインを歌いながら、メンバーたちが一致団結した。お父様を信じて一致団結したから越えていった。これがイエス様の峠を越えたということだった。そして、かろうじて失敗の峠を越えた。但し、それはあくまでも、霊的勝利であった。イエス様の救いが霊的救いだったように、霊的勝利であった。お客さんの数は十分ではなかったし、いろいろなハプニングがあって、完全な勝利ではなかった。それゆえに、完全な勝利をするためにワシントンに行くんだと言われ、ここでワシントン大会のことを発表された。このような経緯が思い出される。そこで、1995年は、成約時代の二年目でもなく、三年目であるのにどうしてこのような三十六万双の試練が来るのか理解できなかった。お母様が1992年に世界平和女性連合の創設大会をされて、お父様と横一列に並ばれた。その後、父母様はメシヤ宣布をされた。そのメシヤ宣布の初穂が3万双(1992年8月25日)であった。それまでの祝福と3万双とには大きな違いがある。3万双より前の祝福は、世界基督教統一神霊協会の主催だったが、3万双は、第一回世界文化体育大典の主催に変わった。それまでは、父母様は統一教会の父母様であった。それゆえに、統一教会の父母として、統一教会のメンバーに祝福を与えたが、今や父母様は人類の父母であるので、回教圏の人々も祝福を受けるし、様々な宗教圏の人々に対しても祝福を与えることができるようになった。このように、主催は統一教会ではなく、もっと次元の高い世界文化体育大典の主催となった。そうすると、この36万双は、第二回世界文化体育大典の主催で開催されたことになる。ここに2数の立場という因縁がある。しかも、ヤンキー大会はアメリカというレベルでイエス様の峠を越える長成的大会だったのに対し、36万双は世界的なレベルで祝福を与える長成段階の立場だった。それゆえ、雨ももっとひどく降り、台風もすれすれのところまで近づいてきて、スコールのように雨が降った。36万双の翌日、8月26日の中央日報や朝鮮日報等の一面に「水魔」という見出しで、洪水によって橋が崩れた、土砂崩れが起こった、何人が死んだという記事が載っていた。その中で世界日報だけが合同結婚式を報道していた。他の新聞は全部この「水魔」(韓国で大洪水を表現する言葉)を報道していた。この大洪水、大惨禍の中で誰が結婚式をやったのかと思うくらい、とてもそんな状況ではなかった。韓国全土が毎日の雨ですさまじい大洪水でとても結婚式などできる雰囲気ではない中を堂々とやった。これは後に歴史に残されるような驚くべきことである。これは奇跡的なことであった。しかも、救われたのは、兄弟姉妹達が全然雨も台風も気にしないで、ニコニコしながら来た。裾をまくりあげ、主体者が一生懸命相対者に傘を差して、全く雨が降ったから中止になるとかは思わず、みんなが確信を持ってどんどん来た。普通ならもうできないと思う状況だった。それを兄弟が信じ切っていったところが素晴らしかった。そしてお父様が登壇される直前ぐらいに雨がやんだ。お父様の約一時間の式の間、雨がやんだ。雨が急に止み、何事もなく、お父様が祝祷し、宣誓をし、全てをされた。ヤンキー大会以上の感動だった。ヤンキー大会もお父様を食口達が信じて一つになったように、それ以上に36万双のメンバーは動じないで一体化したことと、父母様の信仰条件が合わさり、2数の立場を越えた。逆に晴れていたとしても感動していただろうが、あれだけの大洪水の中で雨が止んで滞りなくできたので、感動的な神のみ業であった。このように、36万双は忘れることのできない祝福だった。36万双が終わり、8月28日に携わったメンバーが全部水沢里の修練所に集められた。そこで、はじめは36万双の祝賀会だと聞いて行ったのだが、全く祝いという雰囲気ではなかった。第三回世界文化体育大典の出発であった。

 もう一つ、36万双で言われたことがある。今まではサタンが支配した悪主権の世界であり、善主権はいつも虐げられてきていた。しかし、今やその悪主権と善主権が世界的に交差する時代が来た。交差はしてもそのままでは転換されないので、その転換のきっかけとして、36万双があった。36万双の勝利を転換点として、善主権が悪主権に変わっていく。36万双は世界的な交差祝福といわれている。6500双も交差祝福といわれたが、それは韓日という怨讐関係を越えた交差祝福だった。36万双は世界的な善悪の主権が交差し、転換する祝福だった。

 4)ブッシュ氏来日

 日米姉妹血縁式にブッシュ夫妻はとても喜んで感動してきていた。そこにお父様は、日本の杉山もと子会長にそのままで済んではいけない、ということでまたさらに高い指示をされて、「日本に招待しろ」と命じられた。それでおそるおそる、「次はぜひ日本に来ていただけないでしょうか」と言ったところ、ブッシュ氏はそうだね、ということでパッと手帳を取り出した。ぜひ9月に来て下さいというと、ちょうど8月の末頃からベトナムと中国に行く予定があった。アジアに来ているので、可能だということだった。ところがまだ関門があって、ただ来てもらうわけにはいかず、東京ドームに来て欲しかった。東京ドームは滅多に空いてないが、9月14日だけが空いていた。この日にブッシュが来れるかどうかだった。ブッシュ氏はちょうどこの日なら来れると言った。超殺人的なスケジュールのブッシュ氏となかなか空いていない東京ドームとがちょうどここでピタッとあった。これは奇跡的なことだった。うまく天が準備してくれた。このようにして、9月14日が決定された。しかし、極秘に内実にして大きな騒ぎになることを防ごうとしていたが、それでもだんだんと知れ渡っていき、世界平和女性連合の招待で日本に行くことが知れてきた。ニューヨーク・タイムズやCNNからブッシュ事務所にたくさんの抗議の電話が殺到した。抗議のファックスの山だった。日本からも反対弁護士など左翼弁護士達がどんどんとファックスを送った。ところが、がんとして、マスコミの批判に対しては応じなかった。一つはブッシュ氏は信念の人と言われて、それほどマスコミに影響を受けないということがある。また、世界日報で組まれた「世界平和女性連合と理念共有」という特集にあるように、世界平和女性連合の「家庭再建」というテーマが、ブッシュ夫妻、特にブッシュ元大統領にとってはとてもぴったりときた。自分は大統領時代に於いてゴルバチョフとの間で、冷戦を終結してきた。もう一つやりたかったのはこの「家庭再建」だった。それができないうちに終わってしまった。2期目は敗れてしまい、できずに無念と思っていたことを、世界平和女性連合がやろうとしていることを見て、感動した。ブッシュは世界平和女性連合の理念に感動して、理念共有がなされた。

 ブッシュ氏が日本の講演の中で盛んにアピールしていたことがあった。この世の人は、男性であれば、権力を求める。堕落人間の、天使長的な男であるならば、喉から手が出るほど欲しい権力と世界的な名声である。アメリカの大統領は世界の大統領であり、世界的な権力と世界的な名声を博する。この頂点に登った人物として、ブッシュ氏は、自分は権力(power)、政治(politics)、名声(prestiges)の3Pを握ったと言った。しかし、その3Pを握ってみて、大統領の職を降りてみると、それが人生にとって大切なものではなかった。今、しみじみと感じるのは、自分にとって大切なものは、信仰(faith)であり、家庭(family)であり、友人(friend)であるということである。自分は大統領という最高の地位に昇って、3Pはむなしく、3Fが人生にとって大切だということを自覚した、という素晴らしいことをブッシュ氏は述べている。これはリンカーンのゲティスバーグの演説以上のものではないかと思うほどである。このようなことを日本でもとうとうと語られた。権力が問題ではないとか、お金が問題ではないということを言ったとしても、それならお金を見せてみろと言われてしまう。一万円か二万円しか財布に入ってなくて、せいぜい10万か20万しか握ったことのない人間がどれだけお金の魅力を知っているのかと言われる。一億のお金を持っている人間がお金は空しいものだと言えば、説得力を持った響きがある。10万か20万しか持っていない人間がお金は空しいなどと言う資格はない。まだその魅力を十分に味わっていないわけだから。やはり、それを握った人間が言わなくてはならない。世界平和女性連合の理念と一致した理念を持っていたので、ブッシュ氏はだた受け入れて来たのではなく、感動してついてきているのである。それゆえに、彼は、全ての批判を越えてきた。さらに、真のお母様が日本に来られた。お母様は彼とこの時まで一度も会っていなかった。9月13日にお母様は成田に来られ、前日、日本に来ていたブッシュ氏とホテルのスウィート・ルームで初めて対面した。それは、真の母と善の天使長との感動的な出会いだった。ブッシュ氏は後に朴先生に感想として、「ミセス・ムーンは非常に物静かだけど、威厳のある人だ」と言った。非常に第一印象が良かった。そして、東京ドームから、札幌、大阪、名古屋、福岡と、全大会に同行された。しかも、ブッシュ氏がお膳立てして、お母様が次に堂々と出てくるというように、ブッシュ氏は我知らず善なる天使長の使命を果たした。このように、日本の講演は大成功に終わった。この事と祝福は関連していた。36万双の祝福の後に、9月にブッシュ氏が来られた。ブッシュ前大統領が来られたことによって、外的転換がなされた。マスコミはブッシュ氏を名を隠して招いたんだとか、世界平和女性連合はダミーだとか言う。しかし、ブッシュ氏は元CIAの長官である。全ての情報を持っている。全部知っている。統一教会、文鮮明師のいいこと悪いこと全部情報が入っている。全部知って来たというところに、そんな隠したとか騙したとかいう次元の人ではないということが分かる。そのことが、ブッシュ氏を知る人ならば、だんだん分かってくる。そのような本物が世界平和女性連合の理念に感動して来たということは、とても大きなイメージの転換に繋がった。今までは、世界平和女性連合や、その背後のレバレンド・ムーンをとても誤解してきた。それがあの前大統領のブッシュが来たということで、ちょうど池に石を投じてだんだんと波紋が広がるように、この去年の9月から、大きくイメージ転換をして、御父母様の再評価に繋がるような交差をして、転換するようなきっかけがつくられた。この事がとても大きな布石となった。そのことと平行して、お母様は教会を回っておられた。お母様は金孝南さんという霊能者の方と一緒に回られて、悔い改めの重要性を訴えられた。「まず、悔い改めなさい、自分の犯してきたあやまち、それを全て清算するのです。そうしないと、本当の霊界解放を受けられません。」そして、祈祷の重要性を訴えられ、統一のロウソクを与えて下さり、120日間の真の家庭から出発した9月5日から1月2日までの祈祷条件に日本も途中から加わった。このように、祈祷の重要性を伝授したり、そして何よりもお母様はこの巡回の最中に帰られる直前、千葉の幕張メッセのマンハッタンホテルに来られて、付近の50名ぐらいのリーダーを集めて、お別れの歓送会を持たれた時、第一声に、ここに座っている皆さんが一つになれば何の問題もありません、と言われた。これが開口一番だった。随所にお母様は一体化しなさい、一つになりなさいと、一体化の重要性を訴えられた。これが非常に印象的なみ言だった。本当に内的に日本の整理をして新しい出発をさせて下さったようなお母様の来日だった。まさに、お母様の来日は、内的転換を与えた。世界的転換を日本という次元から見ると、ブッシュ氏の来日と、お母様の来日によって、内外の転換をして、日本が新しい立場に立ちうるきっかけを与えられた。このような転換が9月になされて、9月20日頃帰られて、10月になり、突然、神山会長や江梨川会長が韓国に行かれる時に日本に指令が来た。とにかく韓国にお父様が招いている。韓国に来たいメンバーは来させなさい。とどめてはならない、という指示が来た。そこには大きな意味があった。この訪韓は10月10日から12日までで、3000名が行った。特に、1995年の10月12日、最終日、お父様は、正午12:00、今から重要な儀式をすると言われて、神山会長を立たせて、決意させた。その決意を条件として、エバ国に対する国家的赦し、国家的恩赦を与えられた。「過去の日本の誤りを先生は忘れよう」と言って下さり、今までの負債を赦すという特別な恩赦を与えられた。その次の10月13日に祝福家庭の恩赦が韓国であった。いろいろなことがあって、誤ちを犯してしまった祝福家庭に対して恩赦された。このように、祝福家庭を恩赦する前に、エバ国家全体を恩赦するということで、12日に、全く想像もしなかった式典があった。これは、一つには、エバ国家に於いて、世界的な天使長であるブッシュ氏を招き、真のエバであるお母様を招いて、それを成功させたという条件もあって、このような国家的赦しを与えたれたと言われている。ところが、この赦しは、あくまでも日本全体に対する赦しであり、日本国民に対する赦しである。しかし、君たち、日本に責任を持つ祝福家庭、統一教会のメンバーは条件を果たさないと全うできないんだと言われて、その条件を果たすために次の出発があった。これに関する通知文が全国に来た。それは、「腹のある女を一名出しなさい。」という通知文だった。日本の新体制は、今や家庭連合時代なので、父母を中心として、アベル・カインの子供たちから構成される。日本全体の父母の立場で、神山会長と江梨川会長が立った。そして、地方に於いては、韓国のリージョナル・リーダー16名が父の立場であり、特別経済部長が母の立場であった。この特別経済部長が、お父様によって各地から集められた腹のある女たちであった。彼女らに与えられた使命は、日本で36万双の祝福感謝献金と、16万の救国献金を完納することであった。これらを完納した時に、この国家的赦しの条件が満たされる。彼女らは、各地区ごとに特別経済部長になり、母の立場になった。今まで中心だった地区長がアベルに、教区長がカインになった。このように、心情組織、家庭組織として、父のregional leaderは六つほど地区を持っていて忙しいので、母子家庭のような形になって、母を中心として息子たちがまとまるように願われた。特別経済部長を母の立場として、国家的赦しを全うするために1996年の1月から6月までの六カ月間のうちに決着をつけるという新体制が発表された。1996年の神の日にも、普通それまでは地区長や、連隊長が行き、参加するようになっていたのだが、今回は一切それらの方々は行かず、かわりに、それまでは地区で二の立場や三の立場であった女性が特別経済部長としてアメリカに行って参加するようになった。それ程、お父様はこの新体制のもとに日本の峠を越えさせようという、なみなみならぬ決意をされていた。お父様の祝福をいただくために、神の日に彼女たちは来た。その祝福を持ち帰って、今日本で走っている。しかし、更に霊界解放が必要だと言うことで、2月9日から2月12日まで韓国の清平に言って金孝南さんの霊界解放を受けた。お父様の神の日のみ言を受けて、さあ出発だという準備をして日本がもう一度六カ月目に向かっていこうとしている段階であった。1995年は、一六万という摂理が全うできたので、済州島、32万、訪米セミナーが全うでき、それ故に南米摂理からブッシュ氏の来日と勝利されてきた。このように見てくると、成すべき時に成さなくてはならない。これがもしやってなかったらどうなっていることだろうと思われる。全て去年はこの摂理から出発したので、当座は理解できないがお父様の摂理はその時に成さなくてはならず、成すとすぐさま次に生かされる。このようなことの連続である。1995年は16万から始まった。このように痛感している。

 4)1996年

 まず、ダンベリーを通して、お父様は四十年荒野路程を勝利していかれた。1986年から三次の七年路程が始まった。92年が一つの分岐点であった。86年からの7年路程の中で最も大きいことは、1989年8月32日に「八定式」を制定されたことで、長子権復帰が一番最後の課題であったのだが、天宙的な次元で勝利された。それで、1992年までを長子権復帰時代と言うことができる。歴史的な長子権を復帰してきた。そして1993年から成約元年に入った。93年に入ると、お母様は「真の父母と成約時代」というメッセージを語られた。これは主にお母様が語られたメッセージであった。そして、95年にお父様は「真の家庭と私」というメッセージを中心に語って、世界を回って行かれた。どちらも真の父母宣布の内容であった。1992年に成された真の父母宣布を背景として93年に、具体的にお母様が「真の父母と成約時代」で私と夫が再臨主であり、メシヤであるということを証す意味の内容を宣布され、95年はお父様御自身を中心に「真の家庭と私」を宣布されて、御父母様自らが全世界をまわり、真の父母としての父母宣布のメッセージを語られた。この3年間は真の父母権時代であった。本格的な父母権時代であると語られた。父母様は長子権復帰をして、父母権復帰、王権復帰という基準を立てられて、七・一節をもって、氏族メシヤが出発したのだが、91年の七・一節までの父母権復帰や王権復帰は条件的内容であって、それをふまえて、本格的に93年、94年、95年と真の父母様御自身が自ら全世界にメッセージを語られて、本格的な父母権時代を3年間で成した。1996年の出発は本格的な王権時代の到来であった。この点に於いて、去年と今年は全然違うんだと、お父様は言われた。お父様は、父母権時代から、王権時代へと摂理的時代の転換をなして、本格的なる王権時代に入ったと言われた。この背景を理解して、96年を見つめる必要がある。まず、転換は私たちの意識を転換しなくてはならない。去年までと今年とは全く違うと知り、み言をよく学んで意識を転換し、次に生活を転換する。具体的に、私たちは去年までと全く違った次元からみ言に基づいた生活を展開し、その生活を展開した次に神様と父母様の心情と一つになって、心情転換をなし、心情の動機を転換しなくてはならない。王権時代の特色の一つに、神の王権が立ち、国ができる時代なので、天法が次第に明確になってくると、その天法に基づいて、栄光の道を歩むか、それとも審判されるかが明確になってくる。終末は救いと裁きだと、麦と毒麦に分けられるとか、羊とヤギに分けられると聖書にあるように、明確にふるいにかけられ、栄光か審判か、救いか裁きかに分けられる。その審判の基準はみ言である。天法というものはみ言に基づいてなされるので、今の時のみ言、96年に願われたみ言を理解してこれからだんだんと天法が明確になるに従って、その天法に従った私たちの歩みが願われてくる。その方向に歩むことが天から切に願われている。その次に王権時代は、国ができる時代なので、入籍の時代である。神の王権が立てば、そこに入籍が始まる。ゆえに、ますます本格的に氏族メシヤの摂理の推進が今年に願われている。これは96年の神の日に語られたことの要点である。ここに、「一人160家庭の復帰と入籍問題」とある。氏族メシヤとして160家庭の伝道を通して、祝福まで導くことを通して、父母様の160カ国の勝利を受け継ぐ。私たちの一軒はお父様の一カ国にあたる。この160家庭の復帰が入籍の基準である。そこを目指して、いよいよ王権時代として入籍の条件を勝ちとるために歩んでいく。1997年11月にワシントンにて360万双が開かれる。この360万双は、お父様一人で燃えていらっしゃるが、周りから見るとあまりにも天文学的な数字で先が見えず、不安な中にいる。父母様は絶対にできると言われるが、それには根拠がある。そのひとつは、台湾は36万双に一万組ほど出した。それは台湾の長官が国家的立場から宣伝して、集めてくれたという証があるように、国家が祝福に全面的に支援して、国家が募集をかけるということが起こる。台湾だけではなく、いろいろな国に起こるので360万双はできるという確信がある。もう一つは、宗教団体がまるごと参加する。今も郭先生がインドである宗教団体に何十万という人を参加させるという渉外が進んで可能性が見えてきた。いろいろなところで宗教渉外が進んでいる。ある宗教の教祖が賛同して、宗教団体がまるごとこの祝福に参加する。それゆえに、360万双はできる。もう一つは、ワシントンの市長が、1997年はぜひうちでやって欲しいと誘致した。4年に一度のオリンピックは誘致合戦である。これからは祝福の誘致合戦が起こるだろう。今まで祝福は大きく誤解されてきた。だんだんとその真価が分かれば、今度はぜひうちの国でやって欲しいという国が増え、誘致合戦によって、世界の人々に宣伝が行き渡っていくようになる。97年11月のワシントンが発火点となる。そこで、私たちは氏族圏から伝道する。氏族メシヤ摂理と表裏一体のものが360万双の祝福である。今までは、何となく伝道した人を連れてくるようにしてきたが、360万双は明確に氏族圏の伝道、氏族メシヤ摂理の結実をもってなされるべきである。今から準備して、おじさん、おばさん、お父さん、お母さんを360万双に連れている。

 王権時代に入って、かつて、王様は女王様以外にたくさんの女をかこった。側室を持ち、権力を持った王権が女性をかこむのは当然であった。それは周知の事実、暗黙の了解だった。サタン的な王様がたくさんの女性をかこったのだから、お父様はサタンに、「お前がそのようにたくさんの女をかこったんだから、今度は私が、王権時代に入ったんだから、天的立場で女王以外の女性を立てられるんだ」と言える。お父様にとっての女性は相対圏のエバであるエバ国家である。そのエバ国家以外に女性国家を立てる。これが「島嶼国家連合の編成」である。これが今年、全く新しい摂理として展開した。今、日本の使命はとても難しくなっているので、日本以外の島国の女性国家を立てて、協力し合って、エバ国家の使命を完遂するように、エバ圏を拡大していく。日本エバ国家の使命は今の現状ではダメ、2000年までに主権復帰は困難と見るので、島嶼国家連合を編成する。それは台湾、フィリピン、ニュージーランド、カナダ等の島国を連結し、カナダからイギリス、キリスト教文化圏に結ぶ。カナダは島国ではないが、エバ国家の立場なので、大きく島国の延長と見ている。日本から見れば、島嶼国家連合と協力し合って、日本の使命を分担してもらって、天的エバの使命を果たしていくということになる。そしてIOWCのような機動隊を編成して、日本からフィリピンに送り、フィリピンの機動隊を日本に送ったり、日本から台湾に、台湾から日本へと送る復興計画が立てられた。アメリカを一番最初に開拓した松崎さんが今度は島嶼国家連合で先頭を切って開拓する。日本にいても、電話をかけてもいつもいない。地区長として絶えず走り回っている開拓精神のある方である。この松崎さんと福井さんという二人が機動隊の隊長となり、これからこの4カ国をぐるぐる回りながら、日本と連結していくというみ旨に人事が決定されて、これから本格的に展開していく。そして、断食祈祷、リレー祈祷をする。一般に食口は3日に一度夕食か昼食を断食する。お父様は、「朝飯はいつも抜いている人が多いからダメだ」と細かく見抜かれている。やはり蕩減なので、多少ずしんとこなくてはいけない。そしてその抜いた食事の費用を断食の感謝献金として積み立てて、そのお金をいずれ島嶼国家連合のある目的のために使うんだと言われ、貯金箱をつくって、食費を断食した分だけ入れている。それを積み立てて、お父様は何かを計画している。このようにして、島嶼国家連合の摂理が進められている。

 そして、160カ国に各100名、合計16000名を宣教に送る。今までは160カ国に10名であったが、今度はお父様は100名だと言われた。海外宣教というものは、もちろん、世界を生みかえる、アフリカ、中南米を生みかえるなど、世界を重生するという使命をもっているものであるが、そのことが蕩減条件となって、エバ国の救いにもなるという二重目的を持つようになっている。海外宣教によって世界が生みかえられるのだが、その蕩減条件によってまた、日本に恩恵が与えられる。それが、1600名ではまた不十分であるので、16000名の海外宣教を言われた。そして、日本は具体的に、祝福感謝献金と救国献金の完納が六カ月のメインである。

 参考に見てみると、1945年の時代と1985年は同時性であるが、もう一つの観点は1995年もある面で1945年の同時性である。第二次世界大戦後50周年という節目の中で、45年当時の内容をもう一度再現している。1946年の6月6日にお父様は基督教が使命を果たさなかったために、平壌に到着された。神から汝、北に行けと言われ、妻子とも会わずに平壌に到着して、1948年にはついに興南に行かれた。蕩減としてお父様は6月6日にソウルを離れて平壌に行って、その後判決を受けて興南へ行った。お父様が言われるには、故にこの96年の1月から6カ月間までの使命を果たさないと、かつての6月6日に平壌に行ってここからお父様の十字架路程があったことのように、君たちが6カ月間でこの使命を果たさないと先生自身にまた十字架の路程が課されることになる。お父様は、「この6カ月間、君たちに任す」と言われた。日本としては非常に重要な期間でもあり、執行猶予期間としてこの6カ月間で成すか成さないかが栄光の道を歩むか、審判となるかという深刻な期間として託されている。その一番のバロメーターが祝福感謝献金と救国献金を完納できるかどうかということであり、これが最低限の条件である。それを果たせば日本の救いになるし、果たさなければ、日本が非常に厳しい状況になるという6カ月間の闘いになっている。 それから、この問題が地上界の問題であるとすると、次に、霊界の問題として、祈祷団の編成というものがある。これまで1995年の9月5日から、120日の祈祷が96年の1月2まで真のご家庭を中心に展開されて、その基台の上にお父様は今度は2000年までの1000日祈祷だと言われた。日本では、50ある地区を一地区30カ所の祈祷の拠点をつくり、そこに10名集まって祈る。30カ所なので、30日に一回まわってくる。10名のメンバーがそこに集まって、午前0時から午前3時まで、ちょうど一情会のような祈祷会をする。10名で30カ所なので、300名である。お父様はおもしろい計算をされて、10名で30カ所だから、360名だねと言われた。日本で50地区あるので、これで18000名じゃないかと、天的数学で計算されている。お父様から見れば、300も360も同じだと見て、18000名祈祷団とされた。このようにして祈祷の日を絶やさない。50地区それぞれが、1カ所ずつ祈っている祈祷団が編成された。この1000日祈祷が発表されたことと同時に、清平祈祷の重視も言われ、2000年までに食口は三回参加しなくてはならないことになった。非常にお父様は清平の祈祷の重要さを訴えられて、強調されている。なぜかというと、私たち特に日本の食口は祝福によって原罪が清算されたが、連帯罪は残っていて、自己の努力によって清算しなくてはならない。この連帯罪の故に悪霊がとりついている。この悪霊を負っているが故に、祈ってもなかなか天に届かない。悪霊が主管している。その悪霊の中で、特に従軍慰安婦の悪霊が問題となっている。日帝36年と言われる40年間の支配の間に純粋な若い農家の少女たちを騙して連れてきて軍隊の中に送って、売春のようにさせ、娼婦のように扱って、蹂躙した。その従軍慰安婦の怨みの霊が日本人だけは許せないと言って、とりついている。特に食口にとりついている。それは自分で断食したり、水行したりして蕩減条件を立ててもなかなか私たちの個人の力では難しい。そこで、大母様が昇華される前に、お父様は、「この娘に霊界と地上界の橋渡しの使命を与えます」言って使命を与えられた。今、時が来て、地上の金孝南さんという1800双の非常に優秀な、信仰的な、霊的素質をもたれた方に完全に協助されて、いつも共に歩んでおられる。大母様の役事を受けて金孝南さんは手を挙げて天使を呼び集められる。たくさんの天使を霊界から招いて、天使の力で悪霊につかれている日本の食口をばんばんと叩いて、悪霊を離される。しかし、ただ離しただけではまたすぐ来るのでその悪霊を天使が霊界の興進様のところへ連れていく。興進様とイエス様を中心に霊界で原理修練会が行われているところへ送られる。そして、その悪霊をつくりかえて使命を与えてより高い霊界にこの悪霊を送る。そうすると、悪霊は苦しい状態から高い霊界に引きあげられて、解放されていく。そうすると食口たちも悪霊人から解放されて、祈りがダイレクトに神に届く。こういうことをしないと、いくら祈祷団を編成しても間を遮っている。そのために具体的に役事が始まり、リーダーからそれを受けるべきだと言われている。このようにして、日本から続々と受けに来ている。暗雲がたれこんでいるような悪霊界を分別して霊的にスッキリした状態で摂理を推進するようにされている。

 今、日本丸という船が霊的に沈没しつつある。先生はアダムとして放っておけない。そこで、台湾、フィリピン、ニュージーランド、カナダの島嶼国家連動が連結して、縄張りをして、何とか船が沈まないようにしている。さらには、世界160カ国に宣教師を送ることによって、それぞれ日本に縄張りをして、世界から一生懸命縄をはって引きあげている。更に霊界からも、祈祷団の編成によって、霊界の全面的な援助をもって一生懸命引きあげている。霊界からの援助と、地上では島嶼連合と海外宣教によって引きあげている。その条件は救国献金と祝福献金の完納であり、これを全うして日本が沈まないようにという天の最大限の知恵と愛によってこのような摂理が与えられた。世界を生かすと共に日本にとっても死活問題である。これが成功するかどうかによってエバ国が浮上するかそれともズブズブと太平洋に沈んでしまうのかが決まる。この限られた期間内に本当にのるかそるかという闘いの真っ直中で1996年を迎えた。しかし、王権時代という、神の輝かしい国が立とうとしている時なので、その相対に立つべき日本が沈んではいけない。

 最後に、祝福家庭に関する宣言について、これは今にもかかわる問題である。今この時、第二次四十年路程がはじまった。95年から、新しく祝福家庭を中心にし、家庭責任分担が始まった。その新しい時代に於いて、何が必要かということについて、お父様は2つの観点を言われている。祝福家庭をして責任を果たす時に重要な2つの点を強調しておられる。その1つが我々祝福家庭は自分自身の決算と整理が必要であるということである。総決算と自己点検が必要である。その根本は心と体が一つになった自分自身となっているかということである。習慣的な、惰性的な生活を清算して神を中心として、心身の統一をなし得ているかどうかを新しい第二次四十年路程の出発に於いて徹底して点検して行かなくてはならない。これが私たち祝福家庭のなすべきことである。

 そして第二番目に、家庭的に再出発しなくてはいけない。原理はいつも全体目的と個体目的との二つの面がある。個体目的は、祝福家庭として、家庭をどう運営するか、そして、氏族メシヤをどう果たすかという当然やるべき課題を持つ。氏族メシヤを勝利し、祝福家庭としての確立をなす。全体目的としては神の国の建設である。祝福家庭として私たちは氏族メシヤというものを追求し、努力するわけだが、あくまでもそれは神の国建設と表裏一体である。全体目的と個体目的は二重目的となっており、これらをいつもバランスよくやらなければならない。そして二重目的には、主体と対象があり、あくまでも全体目的が主体であって、個体目的は対象なので、当然、神の国を建設するという主体的な目的に主体意識を置きながら、いかに氏族メシヤを着実に全うしていくかという歩みをしなくてはならない。主体はあくまでもより全体的な目的であり、組織的な活動をはずしたならば、もう統一教会はバラバラになって、何のための氏族メシヤ活動かということになってしまう危険性がある。もう一度、本来の氏族メシヤ活動、本来の祝福家庭というものを知り、徹頭徹尾神の国建設、さらには、理想的な統一祖国のための建設、さらに一つの世界に通じる家庭基盤のため、すなわち、国家建設から世界建設へ向かうための祝福であるということを、認識する必要がある。イエス様が「まず神の国と神の義を求めよ」と言われたように、お父様もまず神の国建設のための祝福家庭であると、そのために与えたれた祝福であると言われる。この一点を見つめながら、二重目的を勝利するのが、家庭的な再出発をする目的である。このように、自己を点検し、自己を清算し、家庭的再出発をして、日本の立場で言えば、献金を完納し、島嶼国家連合をさらに発展させ、海外宣教にさらにたくさんのメンバーを出し、そして、祈祷団を編成して、天が与えてくれたこの四つの内容を駆使して、日本丸を何としてでも浮上させなくてはならない。このように、日本という次元から見ても、深刻であり、世界的な摂理から見ても王権復帰時代という、いよいよお父様が待ちに待った、天が待ちに待った新しい時代を迎えて、その時代にふさわしい個人と我々はなり、そして、祝福家庭となり、新たな出発をすべき時である。