オーディオ日記
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2009/05/24

ハイエンドショー東京2009

今年もハイエンドショー東京に行ってきました。
今年は昨年よりも更に規模が縮小されていて、ブースはたったの4つ、交通会館の1階には表示もありませんでした。
来場者はそこそこの数ですが、ハイエンド機器の購入層は何人位だったでしょうか。もう来年には無くなるような気がしてきました。
私は、元々ハイエンドオーディオには懐疑的で、限られたコストで最大限のパフォーマンスを指向しているので、冷めた目で見てきました。
左のブースでは、大勢の人が集まり、高級オーディオのオーラに包まれた音を聞いていました。高級オーディオの音は、どの場所から聴いても高級オーディオの音で、生の音とは方向性が違います。
このブースの音も一聴して高級品であることが分る音です。残念ながらかかっていた音楽はアコースティックなものではなく、ジャズライブのようでした。大音量再生可能なことは良く分りましたが、これを家庭に持ち込んだらどうなるのか余計な心配をしてしまいました。

別なブースでもやはり、高級オーディオの音が響いていました。
こ ちらも残念ながらアコースティックなソースではなく、PA満載のソースでした。PAが混じった音を聴いて何か分るのだろうかと思いながら、聴いていたら、 また、例によって『ホテルカリフォルニア』のライブ録音が掛かっていました。前奏が一段落したところでの拍手とかを聞くと、またか...とうんざりしてい る自分に気付きました。

目を留めたのはダイヤトーンのところで、展示のみでしたが、さすがにダイヤトーンは、儲けなしの価格設定だと思い ました。別に欲しい訳ではありませんが、輸入品と比較すると随分と安価です(決して安いわけではありません)。他人事ながら、大丈夫かなと心配してしまい ました。
やっぱりハイエンドの世界は自分が指向する世界とは違うなあ...と改めて感じた数十分でした。

2009/05/17

三土会第103回

昨日は、手作りアンプの会の関東三土会がありました。100回記念の直後でもあり発表作が少なそうだったので、私は、多自由度バスレフ型についての研究発表をさせて頂きました。色々な意見を頂いてとても勉強になりました。私の内容はこちらをご参照ください。

高級オーディオ

某 専門家のサイトの主張として、何百万円もの価格設定は怪しからんという内容が載っていました。このサイトは有名なので読んでいる方も多いと思います。私個 人としては、その方の主張内容に、いかがなものか、と思うところがあり、リンクでも紹介していません。その方が、私のページを読むとも思えないし、読んで 理解されるとも思わないので、別な世界のお話しと考えています。
それは、さておいて、何百万円の価格設定がそんなに悪いことかなと思います。具体的な製品名やメーカー名は挙げられていませんでしたので、私も知る由がありませんが、そこで例として挙げられているのは、片チャンネル600万円のスピーカーだそうです。
日 本では、従来からコスト積上型の販売価格決定が多かったと思います。米国では、価値に対して価格をつける傾向が多く、また、某ソフトウェアメーカーのよう に独占的地位を利用して他を排斥し、価値に釣合わない価格設定をする場合もあり、こういうのは如何なものかと思います。
しかし、オーディオの場合 は、ソフトウェアのフォーマット以外は自由の世界であり、だからこそいろいろなことができます。その中で、実際にお金を払う個々人が自分の考える価値に対 して値段を決めることになります。この値段の決め方に対して他人がとやかく云うことではなく、カネを払う側が決めればいいことだと思います。
思うに、オーディオの世界は丁度いいところが手薄で、超低級低品質が99%、超高級が0.1%、その間は0.9%位でしょうか?丁度いいところが市場に無いので、コスト積上型の価格設定は無理でしょう。本当は一番美味しいところのはずでしょうが。
限 度なしに出費する人は、恐らく、良し悪し、満足・不満足について自分の評価基準がない人たちではないでしょうか?ナントカ先生がこう云ったとか、ナントカ エレクトリックの美音が忘れられないとか、そういう評価になると、基準が分らないのでどんどん注ぎ込んでしまうことになりがちです。
自分だったら、生の音楽を聴くことに殆どを費やし、オーディオには我慢できる程度の性能にほどほどの金額を注ぎ込みますが。

雷の録音

三土会と懇親会に参加し、ある方から、自主録音のCDを頂きました。内容は、雷の音、花火の音、自衛隊の演習の音で夫々を編集してディスクに入れたものです。こういうものは私のようにサウンドを追及する者にはとても有難く、聞いていました。
スピーカーを跳ばす可能性があるからメインスピーカーではしないほうがいいと助言を頂いていましたので、いくつかのシステムで再生してみました。

TR130a

Cantareの5FR IIを使用した13cmのシステムです。雰囲気は良く分りますが、低音はあまり出ません。小さ過ぎる箱で頑張っており、ポップス系には十分な低音が出ますが、花火や雷のような瞬発的な音はやはり無理でした。

TR100a

Tangband のW4-927SCを使用した10cm用システムで、外形寸法は概ね1cftで上記のTR130aと同じです。これのオリジナルは、ダクトの断面積が 30mm×30mmの9cm2です。この状態では、TR130aと同じ傾向の音でしたが、断面積を19mm×19mmとし、長さも変えられる補助ダクトを 詰め込むと空振りが減って重心が下がってきました。そんなに悪くありません。

TR130c

Feastrexの5"励磁型を使用した高級システムで、箱のサイズにもゆとりがあります。さすがに上記の2作品よりは重心が下がってゆとりが出ますが、雷のような瞬発的な音を受止めるにはまだまだ力が足りません。課題が残ります。
びっ くりしたのは、上記の2作品よりも、音場が拡がり、花火の高さや距離感などがずっと明確になったことです。10cmよりも音場感が良いのは意外でした。上 記の2作品は、このスピーカーの上に置いてあり設置の差があり、また容積の大きさに違いがあったのは事実ですがそれにしても大きな差です。価格の差(W4 -927SCの60倍弱)というのはこんな意外なところに現れるのかもしれません。

この後、他のソースで聴き比べていました が、普通の音楽ソースを聞く限りがは、これらの差がそんなに大きいものではないと感じました。この差の大きさをどう感じるかは人それぞれですが、大抵の人 には大した差に感じないのかもしれません。Tangbandのスピーカーユニットももう少しゆとりのある箱に入れたらもっと差が縮まると思うし、そうであ れば嬉しいと思わない訳ではありません。こういうところが自作派の拘りなのでしょう。
お金をかければそれで大満足というのではあまりにも寂しい気がします。次は、手持ちのスピーカーユニット(FostexのFE108SかOmnes AudioのL5)を活かす設計をしてみたいと思います。

2009/05/10

音の評価

最近、手作りアンプの会に入ったこともありお付き合いの幅が増えました。それまでは、オーディオ仲間は非常に少く、完全にオーディオアウトローでしたが、今後はもう少し幅を拡げられると思います。

5/3 に書いているように、自分と音楽またはオーディオの趣味が異る人とでは評価の着眼点が全く異り、音の評価が難しいことを実感しました。低域限界を何ヘルツ にするかは、趣向により変えるべきであることが良く分りました。私は、フルオーケストラをなるべく妥協しないで再生したいタイプなのでできれば20Hzを 再生したしたいし、少くとも30Hzまでは再生できなければ、我慢の限界を超えることがあります。しかし、オーケストラやパイプオルガンをあまり聴かない 人には30Hzは必要なさそうです。40Hzも出れば余裕で、50Hzで十分な場合が多そうです。確かに、クラシック曲の一部のソースを除いては、 30Hzまで記録されていることは稀ですので、殆どの人にとっては、精々40Hzが再生できれば十分で、50Hzでも問題ない場合が多いのかもしれませ ん。

そういう人と、私のような特殊派が同じように音を評価しようとしても無理なことが分りました。長岡先生は、何々向きというようなジャ ンルを限定した音作りには否定的だったと思いますが、私もそのように実感してきました。私はクラシックが十分に再生できる装置であればどのようなジャンル でも問題ないと思いますが、主流派はそのようには考えていないようです。この議論は平行線になりそうです。

低音再生下限が30Hz前後と いうのは、13cmまでの口径のMCAP型エンクロージャーを作ってきて感じた一応の限界です。これより下まで頑張ろうとしても、どうも別なダクトから音 圧が逃げてしまうようです。20Hzを再生する代わりに中低域が痩せても良いのであれば、簡単なのですが、それでは音楽再生に重要なところを犠牲にしてし まいます。そこを両立すべく頑張ったところが13cmで30Hz前後までというところが目下の下限になっています。振動板は、10Hzでも20Hzでも振 動するし、何か音は出ているので、高調波を聞いて勘違いする人が主流派のようですが、小口径で20Hzは到達が難しい課題だと思います。私は、オルガン曲 を好んで聞くので、32Hzが十分なレベルで再生できなければオーディオ装置で聞いた気がしません。32Hzでも音というより圧迫感という雰囲気なので、 20Hzとか16Hzはさぞかし凄いだろうなと想像はしますが、未だオーディオ装置で聞いたことはありません。

しかし、私のような限界挑 戦派は少数派だと思うので、今度40Hzまでで諦めたモデルを作ってみたいと思います。40Hzでいいことにするのであれば、副空気室が2つで良いため結 構な小型化が可能で、費用も節約できます。それでも、置き場所を考えるとこれ以上増やすのはどうかと悩んでいます。

既存の理論に挑戦

私は、オーディオの専門知識抜きで、エンジニアリングだけで悪戦苦闘してきましたが、改めて既存の理論を研究してみると、どうも納得し難い点が目に付きます。本当にこんな理論で設計が可能なのか?と思いながらオーディオの本を読んでいますが、欲求不満に陥ってしまいます。
ということで、次回の三土会で、今までの研究結果のまとめを発表して諸先輩方のアドバイスを頂こうと思います。手作りアンプの会の方々は大人なので大丈夫だと思いますが、専門家には殺されそうなきわどい内容を含みます。
止めておこうかな...

ようやく分ったアキュフェーズの凄さ

正 確な購入時期は覚えていませんが、私は、アキュフェーズのP-350というメインアンプを10年位使用しています。このアンプの音色についてはあまり気に 入っておらず、アキュフェーズ製品は信頼性を重点評価してきました。このアンプは、人気商品ではなさそうですが、一度もトラブルの発生がなく、いつも同じ 音を聞かせてくれます。
低音再生限界を30Hz前後まで伸ばしたMCAP型を使用するようになって、このP-350というアンプが只者ではないこ とが分ってきました。自宅には、故伊藤喜多男氏作成の真空管アンプがあり、そのアンプの音色のほうが良いと思っていましたが、最近は評価が全く入れ替わり ました。伊藤氏の真空管アンプは20年位経ったもので、オーバーホールが必要ですが、それだけとは思えないくらい瞬発的な音の再生力に差があります。P- 350は、突然の出力増にも余裕を持って対応でき、低音を瞬発的に出した位で、中音域が崩れることはありません。こういう差は、ジャズを聴いても分らない のだと思います。しかし、高級オーディオショーでは、再生の楽なソフトで誤魔化していることが多いように感じます。

今更ながら、アキュフェースは凄い...

TR130c3

私 のメインスピーカーは、Feastrex Nf5Ex + TR130c(MCAP型の自作箱)で、音には満足していますが、製作時に自分が間違えたほどややこしい構造なので、同じ設計で構造を単純化した TR130c3型の設計図を描いてみました。英語のページに、実際は製作していないが、設計だけしてみた図面がありますので、ここを覗いてみてください。主に外国の方からのご要望に応じて描いたものです。満足度は保証できませんが、変な音はしないと思います。

2009/05/05

関東三土会100回記念

昨日は、今年のGWの自分のメインのイベントである関東三土会100回記念に参加しました。
実は、手作りアンプの会の会員ではないのに、間違ってエントリーしてしまい、慌てて入会したものでした。皆様大変暖かく迎えて頂き感謝しています。

会の内容の詳細は省略しますが、メインは、アンプの発表で、今までの三土会に発表された作品が中心のものでした。スピーカーはダイヤトーンのDS-97Cというやや大型のもので、綺麗な力強い音を聞かせていました。
アンプの発表を聞いていて思ったのは、『アンプの評価は難しい』ということです。同時にスピーカーの評価も難しいのですが、スピーカーのほうは、まだ分りやすいと思います。
発表者ごとに使用する音楽ソースもばらばらなので、夫々の差は分らないといったほうが良いかもしれません。
ダ イヤトーンのスピーカーを聞いていて考えたのは、真空管アンプが好まれる理由です。半導体アンプでDS-97Cを鳴らすと、大型バスレフ特有の(超高級ス ピーカーも含めて)ブンブンした響きが気になります。ところが、真空管アンプで聞いているとこの響きが感じられずに適当に押えられて、減衰も速いように感 じられます。
私は、これは、半導体アンプのほうが、効率が良いため、瞬発的な低音の増加に対する反応が速いため、スピーカーの固有の響きを力強く 再生してしまうのではないかと考えました。それに対して真空管アンプは、持続的な負荷に対しては強いものの、瞬間的に増加する負荷には電流の供給が追いつ かない傾向があるのではないかと思います。この欠点によって、スピーカー固有の欠点が抑えられ、結果として良い音を再生する...正しいのかどうか分りま せんが、こんなことを考えながら発表を聞いていました。勿論、どの作品も文句なしの良い音でした。

私のMCAP-CRも発表しました。上 記のような自説があるので、私は、手作りアンプの会の標準アンプではなく、宇田さんの半導体アンプを拝借して発表しました。宇田さんのアンプは、目をつけ た通り、力強い音を聞かせました。宇田さん、有難う御座いました。前回の102回の発表を聞いていない方の中には、ちょっとびっくりされた方もいらして、 聞いて見なければ分らないものだ、と言って頂きました。QU080bは、小さいだけでなく、軽いのにも驚かれたとのことでした。あまり意識していませんでしたが、確かに軽く出来ています。

手作りアンプの会は、某先生のファンクラブ的なものではなく、専門知識を持ったアマチュアが集まった不思議な会です。私はアンプの回路が分らないので、ちょっと場違いなのですが、力学好きは少いようなので、意外と貴重な存在になれるかもしれません。

いずれ、三土会で、多自由度バスレフについて発表したいと思いますが、未だ、資料が完全ではありません。発表するとすれば、相当に微妙な内容になりそうなので、内部での発表のときに間違いの指摘等をお願いしようと思います。

忘れえぬ女

いま、渋谷の文化村で、トレチャコフ美術館所蔵作品の忘れえぬロシアという展示会をしています。
上 記のリンクを開くと目に飛び込むのがタイトルの『忘れえぬ女』という作品です。私はこの作品が見たくて5月2日に文化村に出かけました。 1800〜1900年代のロシアの絵画は日本でさほど人気がないようですが、どの作品も自分にとっては新鮮なものでした。題材が日常的で分りやすく、ま た、多くの作品が、克明な描写をしています。題記の『忘れえぬ女』というのは、本当は、『見知らぬ女』だそうです。フレームにはロシア語で、 『НЕИЗВЕСТНАЯ』と書いてありました。『女』の部分は省略されていますが、語尾が女性名詞を修飾する形になっているので、『有名でない女』とい う意味のようです。
この絵は、誰がモデルなのか謎に満ちているそうですが、それよりも先ず気付くのが、主題を中央に克明な描写で描いていること、 そして、背景は白っぽく薄く描写し、主題を引き立てているもののやはり克明に描かれていることでした。女のマフラーの毛の1本1本まで見事な描写になって います。絵の前で釘付けになりました。
こ の絵を見て思い出したのは、Feastrexのフルレンジドライバーの表現力です。Feastrexの音を表現するのにぴったりなのがこの『見知らぬ女』 の描写です。その他のメーカーのドライバーの表現力は比較すると印象派のような感じです。印象派が悪い訳ではないのですが、自分は、印象派より、克明な描 写が好きです。


2009/05/03

明日は関東三土会100回記念一般お披露目会

明日は、手作りアンプの会の関東三土会100回記念一般お披露目会があります。私も参加するので、お時間のある方はご来場ください。事務局では折角頑張っても一般来場者は必ずしも多くないのだそうです。Audio BASICの付録CD他、再生の難しそうなものを持参しようと思います。持参する作品は、QU080bです。

4/18の関東三土会には、私も参加しましたので、こちらもご参照ください。ちょっとお褒め頂きましたので恥ずかしいです。

シンガポールからのお客様

5月1日には、TR130cを聞くためにシンガポールのAさんがいらっしゃいました。Aさんは、Feastrex D9e TypeIのオーナーで、9インチ用のMCAPシステムを製作しようか検討中です。
拙宅に来られる前にFeastrexの試聴室で、TR130d型も聞いて来られ、FeastrexのTさんと一緒にいらっしゃいました。

自分のオーディオルーム兼研究室兼工作室は狭いので前日に居間に移動し調整しました。
普段のリスニング環境と少し違うと音が随分変わり、調整が大変でした。
まず、CDプレーヤーが違います。普段使用している日立の最低価格品の音にに慣れている耳に、Studerでは良くなったのかどうか分りません。正直云って悪くなったように聞こえました。
また違うのが、アンプです。自室のアキュフェーズC-2000+P350ではなくユニエル電子のPA036+安物のボリウムという構成になりました。このアンプは、粒立ちの良い音で綺麗な鳴り方をするのですが、今回は線が細いように感じました。

(自 室で使用しているアキュフェーズは、アンプメーカーの中では最も気に入っていますが、P-350の音は好きではありませんでした。しかし改めて別な環境に 移して聞いてみるとこのアンプは中々のものだったと思うようになりました。出力150W×2(8Ω)というのはだてではありません。同社のP-350以降 の同クラスのアンプは出力が下げられていますのでひょっとしてこのモデルは当たりだったのかもしれません。)

カバレリア・ルスチカーナを 聞いてみるとどうも音像が不自然でした。逆相になっているかを疑いましたが逆相ではありません。Audio BasicのテストCDを聞いてみると、左右が違っていることが分りました。接続を確認してみましたが、見た目は正しいようにしか見えません。理由は分り ませんがCDプレーヤーの出力のL/Rを逆に接続したら正しくなりました(何故だろう???)。
しかし、部屋が違うせいか、アンプが違うせいか、CDプレーヤーが違うせいか、どうしても普段の音になりません。結局は、その状態でAさんをお迎えすることになりました。

Aさんは、Feastrexには度々来られる方ということで、日本には慣れているのですが、私はAさんのことは良く分らないし、どういう音楽がお好みなのかも知らない状態でした。

A さんのお好みジャズということでした。私はジャズのことが良く分りません。ジャズとして購入したCDは1枚しか所有していません。その他に、石丸電気のク ラシックCD処分品の中に紛れていたのを知らずに購入したCDが何枚かあるだけです。私のCDライブラリにあるジャズは、クラシックほど周波数レンジが広 くなく、ローエンドが40Hzのシステムでも30Hzのシステムでもあまり差が出ません。ということは、MCAP-CRのような大掛かりなシステムは必要 ないのかもしれません。とりあえず実験機として作ってみようかということにはなりましたが、さてどうなのでしょうか?MCAP-CRはクラシック向きのよ うな気がしてきました。

一 緒に来られたFeastrexのTさんからお土産を頂きました。何百ドルもする効果不明のブロックではお客様にお勧めできないので、現在試作しているのだ そうです。頂いたのは右の写真のようなピラミッド状のもので、ブビンガ材に漆を含浸させたものです。これを片チャンネルにつき3個使用するものです。
東急ハンズで購入した数十個で数百円の木っ端のブロックから交換してみると音が僅かに変わりました。
製品版では、黒檀材になるようですがそれでも、通常のオーディオアクセサリのような価格にはならないようです。
この形状は設置が楽で使いやすいです。また、喰い込むので、安定度が増します。

高価なほど有難がる向きもあるようですが、そんなことは決してないのだと思います。

自分のオーディオライフは、メーカーも含めて色々な方々に支えられていると思います。支えてくださっている方々に感謝しなければなりません。お返しできることは、自分の研究結果を、公開して役立てて頂けるようにすることでしょうか。



2009/05/02

自分の好みに忠実に

こ のページを読んでいる方は、多分MCAP型を自分のシステムに採り入れてみようか、検討されている方が多いと思います。MCAP型は普及前の初期段階です が、あと数年後には、私の設計によるもの以外のオリジナル設計のものも含めて世界中に拡がるものと思います。しかし、普及すればするほど、好みに合わない ケースが出てくるでしょう。導入を検討している方は、下記についてご考慮ください。

(1) 中高域の量と質が重要な場合

通 常のバスレフやバックロードホーンを含め、背圧を利用する方式は、全てバックキャビティの容量や吸音材が中高域の聴感に影響します。これは、好みに直結す る要素なので、『吸音材なんか絶対に使わない!』と言い切る人には、MCAPのみならず、バスレフやバックロードホーンなどの方式はどれも好みに合わない かもしれません。
ま た、スピーカーユニットの中高域の癖は矯正できません。例えば、FE138ES-Rのように中高域にピークがある場合には、どんなに箱の設計を頑張っても癖をとることはできないので、ユニットの音造りが気に入らな ければ箱はどうすることも出来ません。南アフリカ(?)のDさんは、苦労してTR130bを作られてFE138ES-Rで使用されているとのことですが、 高域のピークが気なるのでエージング中は、BSC(Buffle Step Correction/Compensation)回路を使うそうです。BSCとは、調べてみたら、長岡先生のPSTに並列回路を追加したものでした。D さんによると、システムの低域は問題ないとのことでした。
また、FeastrexのD-5nfはどうかと相談を受けました。想像の話しかできないので、D5-nfは、間違 いなくいいドライバだが、ディストリビュータが地域にない場合には直接問合せるようお勧めしました。また、FE138ES-Rはいいドライバなので使いこ なすこともお勧めしました。

(2) 通常聞いている音楽に概ね50Hz以下の周波数成分が入っていない場合

ポップス系のソフトには、超低音が入っていない場合が殆どです。クラシック音楽の場合でも、超低音がカットされたものもあります。そもそも超低音が楽音に入っていない場合もあり、環境騒音だけが超低域の周波数帯にあたるということもあります。
大 太鼓の基音は、30Hz〜40Hzの間にあるようなので、フルオーケストラを聴くには、30Hz程度まで再生することが必要です。また、パイプオルガンで は、32Hzまでは録音されているソフトもそこそこあるので、やはり30Hz以上を再生するということが条件になる場合が多いでしょう。しかし、30Hz 未満の周波数帯域が記録されているソフトでもレベルが他の帯域と同等ということは滅多にないので、30Hz未満を再生する必要があるかどうかは疑問です。
ロー エンドが50Hz止まりのソフトを再生するだけだったら、もっと良い形式はたくさんあります。ローエンドを延ばすよりも活の良さを重視するのだったら、 バックロードホーンのほうが良いでしょう。バックロードホーンでは低域の再生限界は延ばしにくいですが、中低域のレベルは上げやすいので、活きのいい元気 な音造りが得意です。

または、中高域を含めて濁りの少いシステムを構築するのだったら、容量の大きめの密閉型にして、トーンコントロールで低域を持ち上げるという選択肢もあります。

50Hz以下を再生する必要がないのであれば、MCAP型のような手の込んだキャビネットは不要で、密閉、シングルバスレフ、バックロードホーン、背面開放等から選んだほうが良いと思います。

逆に、50Hz以下も再生したいのであれば、MCAP型は有効ですし、その場合には、電流供給能力の高いアンプが必要になってきます。

MCAP型は、バスレフ共振を利用しているので、中小型超バックローホーンでは再生できない超低域まで簡単に延ばすことができます。 しかし、通常低域の音圧は、バックロードホーンに負けることも多いでしょう。MCAP型は、共振を分散させた効果として、バスレフ共振の癖が分りにくいので、癖のある音造りは苦手です。自作派の多くはある程度の癖があったほうが好みに合うようです。

Audio BASIC誌の付録にオーディオチェックCDが付いていました。面白かったのは、録音したそのままのオルガン曲と、それの60Hz以下をフィルタでカット したものの比較です。3インチドライバーを使用したQU080bでもその差が良く分かりましたが、このような付録があるということは、差の分らないシステ ムが多いということでしょう。また、差の分らないシステムがあるということは、差が分らなくても良いソースが多いということでしょう。
昨年の ミューズの方舟での課題曲になったマーラーの交響曲では、50Hz以下が殆ど入っていなかったので、TR130b型と他のシステムの差が出にくかったと思 います。私の持参したソフトは、上記のチェックCDに使えそうなものばかりで、そういうところに着目してプレゼンテーションをしたのですが、普通のソース を再生するだけであれば、あまり重要ではないことだったのかもしれません。

上記のチェックCDでは、QU080bでも32Hzまで再生で きていることが確認できましたが、それでも、TR130c型と比較すると、レベルがずっと低いし、機関車や飛行機の離陸音などはあまりに違いました。こういう音を聞くためにオー ディオ装置を持っている訳ではないので、どうでも良さそうではありますが、フルオーケストラを再生したいという野望のある人には無視できないことなのかもしれません。

いずれにしても、用途と好みに合わせて箱の形式やアンプを決めなければ、無駄遣いになりそうです。


2009/04/26

Uenoさんのスピーカー

昨日はUenoさん宅を訪問し、凄いスピーカーを聞かせて頂きました。
凄いスピーカーというのは、発泡スチロールの振動板、コイル、箱全てをご自分で製作されたものです。しかも、アンプ、CDプレーヤーも自作というオール自作システムです。
Ueno さんのスピーカーは、振動板背面の音を外に出さないよう配慮したものです。厚めの発泡スチロール振動板の効果もあって背面からの音による濁りが感じられま せん。私の機材を持ち込んでチェックしたところ低音も50Hz以上はしっかりと確保されており高域も16kHzまで十分に再生されています。低域は部屋の 特性が出るので正確なところは分りませんが、中高域は見事にフラットな特性でした。市販するとすれば様々な用途に対応しなければならず結果としてつまらな い音になるのかもしれませんが、今のままで大変素晴らしいものです。市販の予定はないそうです。
この素晴らしいシステムの詳細は、リンクをご参照ください。

Feastrex試聴会

Ueno さんのスピーカの試聴と特性チェックを終え、二人でコイズミ無線に向かいました。目当てはFeastrexの試聴会でした。勿論Feastrexの音は素 晴らしいのですが、Uenoさん宅で試聴したCDと同じものを聞き、比較することができました。私は、Uenoさんに、Feastrexの音はUenoさ んの音に似ていると申し上げましたが、Uenoさんもそのような面を感じられたとのこと、また、朝には特性を確認できたのでご自分のシステムが立派なもの であることが分り安心されたそうです。

コイズミ無線での試聴会は、予定の時間を越えて18時頃までありました。雨の中、熱心なマニアの方 が来ておられました。初めての方は、他のフルレンジとの質の違いにびっくりされたようです。試聴会で使用したNf5 Exは、私が使用しているものと同じモデルで、もう少しうまく鳴らせるはずと思いました。更に高級なD5e TypeIIIとの比較があり、初めての方は、相当な差を感じられたかもしれませんが、Nf5 Exの実力はあんなものではありません。
試聴会の後、Feastrexと関係者の方々が、拙宅まで来られ、Nf 5Ex+TR130cの音を聴いていかれました。そして、TR130d箱を持っていかれましたので、近々韮崎で、TR130d箱との組合わせで聞けるようになると思います。

TR130b+FE166E

今 日、どこの国の方か分かりませんが、TR130b+FE166Eのシステムを作ったという方からお便りを頂きました。6.5"のFE166Eでも相性が良 かったそうで、次は未製作のTR120b2を製作されるとのことでした。TR120b2は、ロシアのBさんから、F120Aを使用してシステムを作ってみ たいとの問い合わせで設計したものです。Bさんもこれから製作されるそうですので、2台のシステムが誕生しそうです。MCAP-CRは悪くないシステムの ようです。

2009/04/23

読者の方との情報交換

先日、海外からの問合せを頂くようになったことを書きました。その中で、案外見落とされていることについて議論があったので紹介します。

質問を頂いたのは、ロシアのBさんからです。Bさんは、実験物理学者ということですが、自作マニアで、佐久間式アンプを作られているそうです。佐久間さんとも交流があるようですが、詳細は確認していません。

B さんの質問は、『箱によって低域を持ち上げるとその見返りとして中高域の良さが失われるのではないか?』ということです。Bさんは、エネルギ保存則からす ると、系に入り込む(時間あたりの)エネルギが一定の場合は、低域の再生にエネルギを消費すれば、中高域に割り当てられるエネルギが減ってしまうのではな いかとの指摘です。

私は、この指摘については正しいがそれが全てではないと考えています。私は、以下のようにBさんに回答し、Bさんも同意されました。

  1. 低域で消費するパワーに比べると、中高域で消費するエネルギは小さいので影響は少いのではないか。
  2. スピーカーの能率は低く、殆どのパワーは捨てられているので、低域用に増える負荷は、捨てられるエネルギを回収することになり、中高域への影響は小さいのではないか。
  3. 低 域でパワーを消費する場合にも、アンプが理想的であれば、必要なパワーを供給できるはずなので、中高域の損失は、アンプの能力によるはずである。長岡先生 がアンプのテストにスーパースワンを使用されていたのは、バックロードホーンは、箱によって低域の負荷をかける方式であり、この差が分りやすかったのでは ないか。
  4. 低域の音圧を持ち上げると、相対的に中高域の音圧が下がっておとなしい音に感じるのではないか。

また、Bさんがスワンのことを詳しくご存知なかったので、図解のあるウェブサイトを紹介しました。日本語ですが、仲間に翻訳してもらうそうです。

B さんと、私とはとても気が合うようで、ほぼ毎日メールで通信しています。ソヴィエト時代は閉鎖されていたので、外国語を勉強することがなく、Bさんは、最 近英語を勉強し始めたのだそうです。ネイティブの英語とは、感じが違い、最初は戸惑いましたが、日本語に置き換えると妙に分りやすい表現であることに気付 きました。ひょっとしたら、ロシア人の思考パターンと日本人の思考パターンには共通性があるのかもしれません。

上記の議論のように、再生音の質は、箱の負荷により変るので、好みにあった方式を選択しなければなりません。私のように、低音がなければ音 楽の骨格が分らないと考える場合には箱の工夫で低域を持ち上げることが良いのですが、中高域の透明感重視の場合は、箱の容量により、振動板の動作が変るので低域を犠牲にして、バッフル式を選択するほうが良いでしょう。 箱の工夫によって低域を持ち上げる場合には、箱の中の吸音処理などのチューニングが当然必要になりますし、また、アンプの選択も重要な課題となってきま す。低域の再生にはそれなりのパワーが必要なので、出力の小さな真空管アンプを使用すると、当然のことながら中高域が失われます。特に瞬発的な低音を再生 する場合には、効率や電源の電流供給能力がものを云うので、アンプの選択が重要になります。ポップス系の音楽ソースはダイナミックレンジの狭いものが多 く、こういうものは再生が楽ですが、クラシック系は、バロックから現代音楽までどのジャンルでも概してダイナミックレンジが大きいので、アンプの負担が大 きくなります。ですから、聞く音楽を想定せずにシステムを組むことはナンセンスだし、自分の好みを考慮せずに箱の形式を決めるのもナンセンスです。

上記のことは、スピーカーシステムの設計法や、システムの構築法に役立つ研究課題なので、今後検討してゆきたいと思います。

2009/04/19

手作りアンプの会(関東三土会)初めて参加しました

昨日は、手作りアンプの会があり、初めて参加しました。
名 前の通りアンプが中心です。電気回路に弱い自分としては、回路図を見せられてもちんぷんかんぷんでちょっと困りました。いずれは話についてゆけるようにし たいとは思います。皆様、各自の工夫を発表され楽しみが良く伝わりました。楽しむのが目的の情報交換会というのは気持ちが良いです。
スピーカーに ついては、私が持参したMCAP型試作品(失敗品というか...)のQU080aの他にも勿論ありました。QU080a型は、初期段階のもので、共振周波 数の計算を間違っていたので、計画よりも共振周波数が高くなってしまったものです。しかし、4つある外部ダクトが全て円形断面で、ゴム脚を使って簡単に塞 ぐことができるので、ダクトの効果を確認するのが容易です。ダクトに手をかざしながら、栓を付けたり外したり、効果を見て頂きました。三土会100回記念 では、もう少し設計のこなれたQU080bを持参する予定ですが、効果を確認するのは、このような試作品のほうが面白いと思います。

びっ くりしたのは、Uさんのスピーカーです。発泡スチロールを振動板とし、箱だけでなくフレームやコイルを含めた完全自作品です。詳細は、三土会の議事録に アップロードされると思いますが、驚いたのはその音の良さです!磁気歪が極小になるように工夫し、また、ボイスコイルから振動板に力を伝達する部分に紙を 使う、箱は基本的には後面ですが、穴開きフェルトを間隔を置いて並べるなどの工夫が随所にあります。リファレンス用のFostexのスピーカーは、これに 比べると...でした。この音は、Feastrexのドライバーの音に似ています。磁気歪を減らすというコンセプトは同じ、考えられるところはやってみよ うというところも同じです。周波数特性がどうだとか細かいことは抜きにして、完全自作でこういう音を出されてしまうと...完全に脱帽です。

最初の参加で緊張しましたが、次からは、もう少し気楽に参加しようと思います。皆様有難う御座いました。

2009/04/18

海外からの問い合わせ

3/29 の日記で海外で『MCAP海外に普及なるか』と書きました。その後、海外から6件の問い合わせを頂きました。今のところ南半球の方からの問い合わせが多 く、シンガポール2件、オーストラリア2件、南アフリカ1件、ロシア1件といったところです。日本語のページでは図面の詳細が見やすくなっているので、日 本の方は問合せる前に作ってしまう方が結構いらっしゃるようですが、外国の方は、入手できる板の規格が異っているとかの事情があるため、ちょっとギャップ があるようです。
お問合せ頂いた内容は、FE138ES-R用にいい箱が見付からないのでMCAP-CRはどうか、とか、SEASやMark Audioのユニットは使用できるか、とか、Feastrexの9インチ用の箱にどうかといったところです。
MCAP-CRを実際に製作された方は既にお気付きだと思いますが、普通のコーン型スピーカーユニットには殆ど適合する箱を作ることが可能ですので、そのように回答しています。

今 のところ設計法で出来上がっていない部分は、適切な容量の推定方法ですので現在はこれに取組んでいます。このところTSパラメータを使用した設計法を勉強 しているのですが、最近は、この従来の設計法がかなり怪しいように感じてきました。確かに、TSパラメータを使用して設計しても全然合わない、といった意 見をウェブで見るし、そもそも長岡先生は、パラメータを参考程度にしか使用していません。私の設計のTR130c等も、空気室の容量は、田中の教科書にあ る許容値を大きく超えていますが、無限大バッフルのような音にはならず、MCAP型の共振を実現しています。実際には、TSパラメータを使う設計はごく限 られた範囲でしか使用できないのではないでしょうか。

お便りを頂いたロシアの方は、物理学者ということですが、私が従来の設計法には疑問がある(questionable)、とコメントしたところ、『全くその通りだ』と書いてこられました。

何年かかるか分りませんが、いろいろな方と協力しながら、新しい設計法を開発してゆきたいと思います。

2009/04/12

来週は関東三土会

来週の関東三土会に参加することにしたので、持参するQU080a型を引っ張り出しました。一番上の小型のものです。
床 置きでは高さが足りないので、4段重ねにしました。QU080a型は、MCAP型の2作目になるもので、ドライバーにはW3-517SBを使用していま す。このキャビネットは、副空気室が4つのタイプです。計算を間違えていたので、ローエンドが90Hz止まりになっていました。結局2つのポートを塞ぎ、 6自由度型として使用しています。その結果ローエンドは35〜36Hz位まで下がりました。
久しぶりに聞いたその音は、決して悪くありません。むしろ、何の不満も無いような音でした。普段使用しているTR130c型と比較するとローエンドが高く、高域の明瞭度も落ちますが、通常はこれで十分と思えるものです。
塞いだポートは開けることもできるので、動作の違いが分りやすいのが特徴です。
来週が楽しみです。

下の矢倉は、TR130c型用に作っているものです。強度はそこそこありますが、□24mmの角材では、ちょっと弱々しい感じがします。見た目が悪いですね。

今 日、三越本店の向側にあるにいがた館の前を通りがかったら、ハセヒロのデモをやっていました。食事に行く途中だったのでゆっくりは聞けませんでしたが、曲 面構成のバックロードホーンは、さすがに音が滑らかでした。さほど高額商品ではないのですが、いい品質だと思います。しかし、ポップス系のソースでは評価 が難しいです。
今日は、ゆっくり出来ませんでしたが、いずれはちゃんと聞いてみたい音でした。
 

2009/04/09

手作りアンプの会

手作りアンプの会で、三土会100回記念のイベントを実施するということなのでエントリーしました。エントリーついでに入会も申し込みました。このような会に入るのは初めてです。
イベントの詳細は分りませんが、次の三土会には参加の予定です。電気回路は苦手なので手作りアンプの会というのも場違いな感じもしますが、さてどうでしょうか。

手作りアンプの会は、毎月秋葉原で関東地区の会合が実施されていて、様々なものを発表されているようです。最もアクティブな会かもしれません。

4月の三土会にはQU080a、100回記念のイベントには、QU080bを持参しようと思います。会の趣旨は、皆で役に立つ情報を共有しようということのように思うので、副空気室が4つのほうが面白いと思います。

2009/03/29

MCAP型海外に普及なるか

昨日、diyAudioの サイトにMCAP-CRが紹介されているのに気付きました。MCAP-CRを最初に発見したのはシンガポールの人らしいのですが、その書込みを読んだ米国 人、英国人も興味を示していたので、少しずつMCAP型を作る人が増えてくると思います。自分の研究結果を役立てて欲しいということは、元々の希望だった ので、早く普及すればと思います。

英文ページの中に、MCAP-CRの項を独立させ、Feastrex Projectと 題する内容を載せたので、検索に引っ掛るようになったようです。偶然にも、これらは出張中にシンガポールからアップロードしたものでした。これを機に、 Feastrexユーザーが世界中に増えるといいと思うし、MCAP型も認知されてゆけば良いと思います。今までいろいろ作ってきて思うことは、MCAP 型のメリットを最大限に引き出せるのはFeastrexの励磁型だということ、また、そこまでドライバーにコストを掛けなくとも、Tangbandの3"とか5" でも相当のパフォーマンスを引き出すことができるということです。このような特徴のキャビネットは世界中でかなりの需用があるものと思います。

これを機にdiyAudioに登録しました(実は以前に登録していたのですが、一回も議論に参加しないうちにログイン情報を忘れてしまっていました)。

それにしても、ネイティブの人のくだけた英語は難しいですね。主語が省略されていたりして、脈絡が全く分らない文が多くあります。

2009/03/29

引続きQ0の検討

Q0を物理的に理解するために、田中の教科書の記述にある式を図式化してみました。

Q0 を求める前に機械的共振峰先鋭度Qmを求める必要があります。Qmは、インピーダンス曲線のf0の直近の両側のインピーダンスがZnになったところの周波 数f1、f2とf0とを用いて表します。これを図式化したのが左側の図です。幾何学のようですが、数式をそのまま図に書くと左のようになります。
図 で、f0でのインピーダンス値を示すa点をb点にまっすぐシフトし、原点を中心にb点を左に90度回転させ、c点に移します。そして直流抵抗値を示すd点 を長辺とする直角二等辺三角形を上側に描き、その頂点eをy軸まで、d点を中心にg点まで回転移動させます。そして直流抵抗値分をマイナス側にシフトした 点hから右向きに半直線を描き、インピーダンス曲線と最初の交点での周波数をf1、次の交点の周波数をf2とし、f2-f1をf0で除した値がQmとなり ます。
これでは物理的意味が全く分らないですね。このZnというのは、特に意味もなくてきとうに決めたように見えてしまいます。このようなパラメータを元に出来てゆく理論とは一体....

やはり既存の理論をそのまま使って開発してゆくのは無理があるのかもしれません。自分は、誰にでも納得できるような物理学のアプローチを継続するほうが良さそうです。

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