4日目:オシェク → ザグレブ → リイェカ


西へ

クロアチアの東部を一通り見終えたので、今度はクロアチアの西部に行くことにしました。しかし、クロアチアの西部は南北に長く、しかもどこも美しい所なので、どこに行こうかまだこの時点では決めていませんでした。そこで、とりあえずザグレブに行って、バスのスケジュールを確認してから行き先を決めることにしました。


バス

ザグレブからオシェクに来たときには電車を利用したので、オシェクからザグレブまではバスを利用することにしました。その方が違う景色を楽しめると思ったからです。(本当は、寝坊したため電車の時間に間に合わなかっただけですが・・・。^^;)

ミルクティーだけの朝食を済ませて、バス・ステーションまで約1kmの道のりを10分で歩き、なんとか朝6時15分発のバスに乗り込むことができました。(料金は99kn=約1683円)

このルートは途中から高速道路に切り替わりますが、それまでは一般道を走るので、座席に座っていて結構身体が弾みました。私が楽しそうに弾んでいるので、周りの乗客達が微笑んでいました。ザグレブへの所要時間は4時間でした。

バスの中にはTVモニターが設置してあり、ザグレブへ着くまでに映画を一本上映してくれました。その映画はなんとアメリカ映画で、シルベスター・スタローン主演の「Stop! Or My Mom Will Shoot」(邦題「刑事ジョー、ママにお手上げ」)でした。(恐るべしハリウッド。^^;)
この映画は英語の音声にクロアチア語の字幕がついていましたが、バスがガタガタうるさいので、音声はほとんど聞こえませんでした。仕方がないので、クロアチア語の字幕を眺めながら(決して読んでいた訳ではありません)映画を見ましたが、さすがハリウッド映画なので、セリフが判らなくてもストーリーはだいたい判りました。ちなみにこの映画はスタローン主演としては珍しくコメディ映画で、周りのクロアチアの人達にも結構ウケていました。



クロアチアのお手洗い

バスにはお手洗いが付いてません。そこで、1時間半おきくらいにバス・ステーションに10〜15分間停車します。

私もザグレブに向かう途中、一度だけバスを降りてバス・ステーションのお手洗いに行きました。ところが、男性用のトイレは鍵が掛かって入れませんでした。近くにいた地元の男性が私に声を掛けてくれたのですが、あいにく何を言っているのか判りませんでした。そうしていると、女性用トイレから清掃係りらしい女性が出て来て、私に声を掛けました。何となく、「女性用トイレを使いなさい」と言ってくれているようだと気が付いたので、「本当にいいのかな?」と思いつつ女性トイレに入りました。個室に入ろうとすると、先ほどの女性が、トイレットペーパーを手にして「紙は要る?」と聞いてきました。意外と親切な人だなと思いつつ、この時は必要なかったので断りました。
個室から出ると、他にもこの女性トイレを利用した男性がいて、先ほどの女性にお金を払っていました。

ここで私は全てを了解しました。

クロアチアの公衆トイレでは、お金を払わなければならないのです。昔、映画でこんなシーンを見たことがありましたが、実際に自分が払う立場になったのはこれが初めてです。料金は大3kn(約51円)、小2kn(約34円)でした。先ほどの女性は、トイレットペーパーを使うか訊ねることで、大か小かをあらかじめ確認しておきたかったという訳です。

空港やホテル、レストランのお手洗いではお金を払う必要はなかったので、クロアチアで3日間過ごしてこれが初めての経験でした。


ザグレブ

ザグレブのバス・ステーションには午前10時半頃に着きました。まずバスの予定を確認しましたが、クロアチアの西部は山が多く道が曲がりくねっているため、、地図上の距離よりも実際の走行距離はかなり長く、どこに行くにしても結構時間がかかることが判りました。おまけにこの日は雨だったので、あまり遠くへ行くのは諦め、ザグレブの西に位置する造船で有名な街リイェカ(Rijeka)に行くことにしました。リイェカまでなら4時間くらいで行けるとのことでした。

バスの発車まで40分あったので、まず旅行者用のインフォメーション・センターに行き、アドリア海の観光スポットを紹介したパンフレットを入手しました。このパンフレットを見ながらリイェカの次に訪れる街を決めることにしました。

その後、またお手洗いに行ったのですが、そこでは若くて美しい女性が番をしていました。用を済ませて彼女の所へ行き、大だったか小だったかを報告するのは、ちょっと辛いものがありました。(この時も小でしたが)

このステーションには沢山の売店があり、昼食をバスの中で済ませるためにソーセージパンとチーズパンを買いました。値段は忘れましたが、どちらも美味しいパンでした。


バス

リイェカに向かうバスにはTVモニターが付いていませんでした。おまけに窓ガラスが曇っていて周りの景色も楽しめなかったので、バスに乗っている時間の半分くらいは眠っていました。

ところが、眠っている間に足がひんやりとするので目を覚ましたら、なんとこのバスは窓枠の部分から雨が漏れていて、それが足に降りかかっていました。さらに手に持っていたパンフレットも濡れてしまい散々でした。


リイェカ

リイェカには午後3時ごろ着きました。とりあえず本屋を探して、この街の地図を買いました。(46.36kn=約788円) この時初めてクロアチアの本屋に入ったのですが、クロアチア語の本だけでなく、英語の本も結構置いてありました。

次にホテルを探すことにしましたが、この街は観光地ではないためホテルの数が自体が少なく、探すのに苦労しました。最初に行った地元の人達推薦の「Hotel Kontinektal」は満員で、そのホテルの従業員推薦の「Hotel Neboder」に空き部屋を見つけました。

クロアチアではホテルのランク付けをA〜Dで行っていて、一番良いのがランクA、一番悪いのがランクDです。ホテル「Hotel Neboder」は見るからに安そうなホテルで、ランクはCでした。

このホテルはひょろっとした縦長のホテルで、私の部屋は8階にありました。そのため、ベランダからの景色は抜群で、右の写真はそこから撮ったものです。ぎっしりと並んだ古い建物には感動しました。

ただし、部屋自体は悲しい内容でした。エアコンが無いのは他のホテルと同様ですが、TVも電話もありませんでした。電話が無いのでモーニングコールのサービスも頼めませんでした。8階なので窓を開けっ放しにして置いても虫が入ってくる心配が無かったのは幸いでしたが。



遅い昼食

ホテルのチェックインを済ませた後、まず銀行へ行ってドルの両替を行いました。それからやっと、遅い昼食を食べに、海岸沿いの道路に面したレストラン「Splendid」に行きました。(とてもいい名前です。)


まず注文したのが毎度おなじみのミルクティーです。(4kn=約68円)                                  
この時は写真を撮ってみました。



メインディッシュにはイカ墨のリゾット(24kn=約408円)を注文しました。これはめちゃくちゃ美味しいリゾットでした。私は出されたものをそのままの状態で食べるのが好きなので、このリゾットもそのまま食べましが、クロアチアの人達は粉チーズをそれこそ山ほど掛けながら食べていたので、それにはちょっと驚きました。



このレストランでは、クロアチアに来て初めてビールを注文しました。(コップ一杯が6kn=約102円) クロアチアのビールがどんな味か試してみたかったからです。どちらかというとアメリカのビールよも、日本のビールに近い印象を受けました。それでもビールはビールなので、結局コップ一杯を飲み切る事が出来ませんでした。^^; 日本にいた時はたまにビールを飲んでいましたが、アメリカに来て以来ほとんど飲まない生活を送っていたら、いつの間にかビールが苦手になっていました。


リイェカ市内

昼食を食べた後は(といっても午後5時を過ぎていましたが)、市内を散策しました。

街全体を見渡そうと、丘をどんどん登り、時には道を間違えて民家の庭先で行き止まりになったりしながら、なんとか見晴らしのいい所へ出ました。

丘を登るときは車道の脇の歩道を歩きましたが、丘を降りるときは石の階段を歩きました。なんだか小さい時に住んでいた長崎の石畳を思い出しました。



丘を降りて市の中心部へ向かうと、いきなり教会の鐘が鳴り始めました。この鐘が全然鳴り止まなかったので、この街って毎日こんなに鐘を突いているんだろうかと不思議に思いました。(何しろ10分以上鳴っていましたので) さらに歩いていると、綺麗な衣装を着た教会関係の人達がぞろぞろ歩いているのに出会いました。周りには兵隊の人達も大勢いたので、何が起こったのかと思いましたが、今日はこの街のお祭りの日だということが判りました。2日前にオシェクで夏祭りを経験したのに、またお祭りに出会うとは、何て運がいいんだろうと思いました。


                                                                               



街の中心部には大勢の人達が出てきて、大変賑わっていました。そこで、とりあえず私はアイスクリームを食べました。

大通りには仮設ステージが設置されて、これからショーが始まるところでした。


衝撃のサマー・フェスティバル

ステージでのショーが始まったのは確か8時頃でした。ショーの最初は男性歌手が出てきて、クロアチア語の歌を披露しました。私は昔からヨーロッパの民族音楽に興味があったので(仕事中に自分のオフィスでヨーデルの曲をかけたりしています)、彼の歌声も楽しめました。

さて、彼の歌が終わった後、司会の女性が出てきて、これから始まるメイン・イベントの紹介を行いました。このサマー・フェスティバルのメイン・イベントというのが、なんと日本からやって来た太鼓チームでした。

4人のチームで行われた太鼓の演奏は非常にアップテンポで、バチさばきも大変見事だったので、観客達もすぐに彼らの演奏に魅せられてしまいました。一つの演目が終わる度に大喝采で、今まで静かな街だと思っていたリイェカの人達がこんなに大騒ぎし始めたことに私は驚きました。ほとんどサッカーの試合を見ているようなノリで、彼らの演奏に合わせて手を叩いたり、叫び声を上げたり、本当に大騒ぎでした。彼らのショーは太鼓の演奏だけでなく、その合間に日本の伝統的な舞踏も披露し、リイェカの人達をカルチャーショックの渦にどっぷりと巻き込んでいました。海外で日本の伝統芸能を見ると、やはり日本の文化は独特なものがあると改めて思いました。

ショーの最後は観客の中から希望者をステージに上げ、一緒に太鼓を叩くというものでしたが、この時観客はすでにノリノリの状態だったので、お調子者から順番にステージに上がって行き、ステージの上は大騒ぎになりました。



それにしても彼らの演奏は見事で、リイェカの人達はとてもラッキーだったと思います。

お祭りが終わった後は、周りのクロアチア人達から何度も、「こんばんわ」とか「ありがとう」とかと、日本語の言葉を掛けられ、私はクロアチア語で返事をするという、おかしな経験をしました。(なんで私が日本人だって判ったんだろう・・・。^^;)


カフェ

日本の太鼓チームのショーが終わった後も、地元の人達のショー(女の子達がローラースケートを履いて踊るという意味不明のショーでした)が続きましたが、もう先程のような盛り上がりはありませんでした。

しかし、フェスティバルの雰囲気をまだ楽しみたかったので、通りに面したカフェ「Pizzeria」に行き、テラスでミルクティー(6kn=約102円)を飲みました。


夜食のような夕食

カフェで30分くらい過ごした後、今度は夕食を食べにバス・ステーションに近いレストラン「Moko」に行きました。ここのお店は「Spaghetteria」という看板を出していて、この街に着いた時から気になっていたレストランでした。

アドリア海に来たからにはシーフードを食べないわけにはいかないので、ここではシーフード・スパゲッティ(30kn=約510円)を注文しました。これがまた大きなお皿に山盛りのスパゲッティで、夜の11時にこんなに食べて良いのかなと思いつつ、とても美味しかったので、結局全部食べてしました。



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