めぐみ的こころ(^o^;;


吉原おんまいまいんど (我が心の吉原@笑)



ちょっとだっせんして、我が心の吉原&郭噺です




突然ですが、私は「小沢昭一の小沢昭一的こころ」っていうラジオ番組が
好きでした。新聞見たけど番組覧には載っていないので、終わっちゃたのかな?
文庫本も何冊も買っています。
ご存知の方も多いと思いますが、午後5時台番組なのに「赤線」「遊郭」「ストリップ」
なんて言葉がぽんぽん出てきて、小沢さんは旅先でおねえさんと「ねんごろ」になって
しまったりする(笑)それがほんとうにさらっとしていて、「いやらしい」っていうより
なんか男の方の「かわいい」部分みたいな感覚は、きっと一番この番組を聞いていた、
中学生当時(笑)から持っていたのかも知れません。

私は浅草で生まれて育ちました。
ほんとに、歩いてすぐの距離に吉原のネオンがきらめいていて、お店で働くおねぇさんや
うきうき急ぎ足で千束方面へ向かうお客さん達と、出会わない日はありませんでした。
年相応の恋愛に対する潔癖な部分は持っていたのですが、「それとこれとは別」みたいな
言葉では説明しにくい感覚が同居していた記憶があります。

土地柄、鈴本や末広の券を頂いて、演芸を見に行くこともありました。小学生の頃から
高座を聞く機会に恵まれていたのです。
落語の「郭噺」の舞台は殆ど吉原ですが、突き抜けた明るい笑いがあります。おかみさん
たちは町内の寄り合いの後、吉原に繰り出す旦那に恥をかかせないよう、多めにお金を財布
に入れておく。お金を払う段になって、少し多めに払おうとすると「いい、おかみさんじゃ
ないかぁ。帰りに簪の一本も買って帰ってやりなよ」なんて言われて、家へかえってその話を
すると「良い相方じゃないかぁ。どうせならこれからなじみになってやんなよ」なんて話に
になってゆく。
ある物はあるって前提の方が、どんなに気持ちが豊かになることでしょう!
「吉の原、だますきつねは芝居だけ、弁天様より狸多いが」
っていう狂歌がありますが、これが実体に近いのでしょうね(笑)
確かに甘えてお金を頂くって事は、ある意味で水商売の根本なのですがそれを判った上での
やりとりが、「粋」っていうものに繋がっていたようです。
だましてばっかりいたのでは、とってもじゃないけど、お客さんの数が続くはずないですものね。

同じ吉原を扱っても「人情噺」になると取ってつけたような道徳や、べき論が入って来て
あまり好きになれなかった憶えがあります。
お約束の料金を頂いて、満足していだくのは確かにお仕事の範囲ですが、普通のお仕事だって
気のあった方や、尊敬できる方、その他心が触れ合う方に仕事を越えた感情の交流が生まれて
行くのは当たり前の事ですよね。
ただ、お互いの立場を越えてしまうと、今度は仕事にならなくなるのも同じです。
お互いにちゃんと「個」として立って、触れ合っている部分を理解した上で大切にして
ゆけるといいなぁと思っていたりします。

私も、「あの子のなじみになってやんなよ」っておかみさんに言われるような.
気持ちだけは持って.いたいなぁとも思います。
どうせ狸だし(笑)


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