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■トレーニングの評価法
トレーニングの評価において,
実施したトレーニングを記録すること,
定期的なコントロールテストを実施することが重要である.
「トレーニング実施記録表」を用いれば,
トレーニングの内容やトレーニング強度・量を評価することができる.
トレーニング強度の評価は,トレーニング中のプレーヤーの
心拍数や疲労度(顔色)などを記録しておくことで可能となる.
また,定期的なコントロールテストの記録は,体力・運動能力の貴重な発達データとなる.
さらに,各シーズンにフィールドテストを行うことによって,
総合的な体力・運動能力の発達を確認する.
■コントロールテスト
一般的に「体力」を規定する要因は,「筋パワー」,「筋力」,「持久力」,
「柔軟性」および「調整力」であるとされている.
体力トレーニングを行っていくにあたって,
テニスに基礎的な体力・運動能力の発達過程を確認するため,
特に,調整力が関与する走・跳・投の運動種目の中から
コントロールテスト項目を選択する.
そのため,テスト項目は,
「30m走」,「片足交互立ち五段跳び」,
「メディシンボール上投げおよび後投げ」である.
各項目における試技は2回とし,値の良い方を測定値として記録する.
また,その日の主観的なコンディション(5件法尺度)も記入しておくと良い.
実施日は,毎月一回,第一火曜日の練習開始前に設定する.
実施場所は,ハードコートの同一場所で行う.
実施時の天候は,晴れまたは曇りで,
季節による気温や湿度等の隔たりを除けば,比較的同一の環境下で行う.
コントロールテストは毎年5月から開始し,
この時点の測定値から1年間で達成すべき目標値を定める.
テストの結果は,情報管理システムに基づき,EXCELでデータを入力し,
図表に加工した後,プレーヤー自身および監督・コーチ・トレーナーに
即時にフィードバックする.
コントロールテストの結果,記録が伸びていなければ,
トレーニングプログラムを見直しする必要がある.
あるいは,記録が伸びていたらそのままのトレーニングプログラムで
継続していけばよいという判断ができる.
これらのデータは第一に,プレーヤー個人の
コンディションの変動を随時把握するとともに,
発達のプロセスを確認できることからパフォーマンス向上の助けとなる.
また第二に,怪我をしたプレーヤーの現場復帰の目安の一つとして用いることができる.
そして第三に,シーズン終了時,次のシーズンへ向けて
トレーニングを見直しする材料としても役立つ.
■フィールドテスト
テニスに専門的な体力・運動能力の発達過程を確認するために,
特に走・跳・投のパワーが関与するフィールドテスト項目を選定する.
フィールドテスト項目は「ハイパワーテスト(3方向ダッシュ)」,
「ミドルパワーテスト(8方向ダッシュ)」,「ハイパワーの持続能力テスト(V字ダッシュ)」,
「スパイダーテスト」,「反復横跳び」,「片足立ち幅跳び」,「ラテラルジャンプ」,
「メディシンボール投げ」がある.
各項目における試技は2回とし,値の良い方を測定値として記録する.
また,この日の主観的なコンディションも記入しておくと良い.
これを各シーズンにおいて測定する.
実施場所は,ハードコートの同一場所で行う.
実施時の天候は,晴れまたは曇りで,
季節による気温や湿度等の隔たりを除けば,比較的同一の環境下で行う.
・走型パワー
ハイパワーテスト
ミドルパワーテスト
ハイパワーの持続能力テスト
スパイダーテスト
・跳型パワー
反復横跳び
片足立ち幅跳び
ラテラルジャンプ
・投型パワー
メディシンボール投げ:前・後・クローズドフォア・クローズドバック・オープンフォア・オープンバック・上・膝立ち上
<参考文献>
「テニスの科学」徳永幹雄.九州大学出版会.1985.
Training Journal.1994/7.