Tran-DS: The Side Story of Tran-D
Tran-DS
The Side Story of Tolled Armor Tran-D
Chapter 1: Awakening
Part 4
衝撃と共にアラームがなる。
「く!」
鎌を構えた紅いTAが再び襲いかかる、プラズマソードで受け止めるが別な方向から別な攻撃がきた。
受け止めるのがやっとで、また機体が悲鳴をあげた。
-15 seconds-
「戦艦の方は?!」
-They have opened jump gates and will be leaving in 10 seconds-
Wileが言う通り、三隻のちょうど数百キロの前方に青く輝く渦巻きみたいな現象が現れた。
ジャンプゲート・・・・人間を宇宙と言う無限のフロンティアに旅をする事を可能にした技術である。
数々の星雲、太陽系、そして惑星の発見、探索することを可能にした。
しかし、それはいまフェナにとっては邪魔な存在でしかなかった。
せっかくの「獲物」を逃がす手だてとなっているからだ。
また機体が弾かれた。
だが、フェナは体制を整えようとせず、その反動を利用してスラスターを全開にした。
「Wile、ちょっとだけ操縦をまかせる、私のことは気にしないで好きにうごいて」
-Roger-
フェナの命令にしたがい、Wileは、機体の操縦をうけもった。
Tran-DSの目が光り、決まった回避パターンを開始する。
その動きも、機体保存のための動きで、中に人間がいるということをまるで無視してるようなものであった。
だが、相手もそれに応じ、動きを変えて正確にTran-DSに攻撃をしていった。
Wileもその攻撃を回避パターンの組み合わせで回避、対応したが変わりに攻撃を加えることはできなかった。
「・・・・・・・」
フェナは無言に何か作業をしている。
急転回などに生じるGのせいでそれもなかなかうまくいかない。
時々衝撃が機体を襲い警報が悲鳴をあげる。
左手にあるライフルをかまえようとしたらかんたんに切断された。
それを放棄してはなれる、エネルギーパックが融爆をおこした。
その中を紅いTAが突っ込んできて容赦無く攻撃をくわえる。
Wileも対応しようと頭部のバルカン砲を連射する、しかし効果はない。
ガトリング砲もおもりになるだけなので放棄した。
あとはプラズマソ−ドで相手の攻撃を受け流すことしかできなかった。
そしてパターンを先読みをし先回りして直撃になる一撃を加えようと紅いTAが大きく振りかぶった瞬間・・・
「Wile!停止!!」
フェナがTran-DSに急停止を命じた。
命令に応じTran-DSは、スラスターを全開、動きをとめた。
それを予測しきれなかった相手は、Tran-DSを追い越し空振りをする。
そして、前もって有るものにロックをおさめていた左肩に付いていたレールガンが発射された。
「なに?!」
紅いTAのパイロットは驚きを隠せず声をだし、艦隊の方へと目をやる。
しかしTran-DSから放たれた光は、艦隊へと走らなかった。
「しまった!」
目的はそっちではなく別のものだと気が付いた時にはすでにおそかった。
数発放たれた光は、的をはずしたが一本が、リキュールに確実に命中した。
そしてもうすでに限界を達していたリキュールの反応炉は、星の光を凌駕する閃光を放った。
瞬時に光熱とまぶしい光を放つ球体が現れた。
戦艦が入ったばかりでまだ閉ざされてないゲートも中心の近くにあった。
閃光がそれに流れ込むのがTran-DSからはっきりとみえた。
「な、なんだ!!」
「高熱源きます!こ、これ・・・・・・・」
報告を済ませる前に光がゲートの中に入ってる戦艦を包んだ・・・
断末魔はきこえなかった。
ただゲートから吹き出てくるもう一つの閃光が外から見えた。
「ふ、ふはははははは!」
笑い声が通信機を伝わってフェナの耳にとどいた。
「お見事!としか言えないな、く、く、く、く」
深くておちついた声だ
フェナは唇を少し噛みながら、正面をみた。
前に紅いTAがまだ輝いてる光球を後ろにしてゆっくりと正面に降りてきた。
爆発がその外枠の赤を引き立て黄色緑に光る目を一層ひきたてた。
しかし、その間も長くは続かなかった。
ばきぃ!と響かせるようにTran-DSのナックルショットがそのTAの顔面をつぶした。
そこにバルカン砲を撃ち込み、つぎにスラスターを利用して身体を傾け左回し蹴りをまたそこに叩き込んだ。
破片が飛び散ったが、相手の体制はくずらせずにいた。
そして蹴られた顔をゆっくりと向き直す・・・・・
「!!」
その「顔」をみたフェナは目を大きくして見た。
そこには割れた「仮面」を除いてる「顔」があったが・・・
「キラードール・・・」
特徴、表情がない「顔」、のっぺらぼうがこっちをみた。
コントロールステッキをより強く握りはじめるフェナ。
「見ましたね・・・ふふふふ、ここまでしてくれたお礼にあなたに見せましょうか、くくくく」
気が触れたかのように、笑い出す男、そしてそれをより引き立てる「仮面」を覗いてる「顔」・・・・・
それらを見て自分の中になにかうずく物を感じ、フェナは再びしかけるが・・
「むだですよ・・・・」
簡単に右手をつかまれ、相手はそれを離さず拳をつぶし始める。
ぴぃーーーー!
警報が右手が使い物にならなくなった事を教えた。
「く!!」
離れようと再びバルカン砲を撃ち放った。
しかしそれは仮面の残りをはじき飛ばしただけでなんの効果もない・・
変わりに今度はこっちの顔面がなぐられる。
スクリーンがゆれ画像がぶれ、衝撃が機体を襲う。
警報が再び鳴り、今度は頭部のダメージが表示される。
しかし相手はその手をはなさず、今度はTran-DSの腹部を殴られた。
腰に付いてるPSSがこれでつぶされ、そこで体制を崩したところにもう一発顔面にいれた。
その衝撃でフェナの顔が前方スクリーンに直撃し、ヘルメットのマスクがわれた。
「ぐ!」
なぶりはそこでとまらず、何度も頭部と腹部とコクピットブロックに衝撃がおそう。
しかしそのままやられ続けるフェナではなかった、
「いいかげんにしろ!!」
つぎの拳を今度こっちがつかんだそして・・・
「Wile!!!!発射!!」
次の瞬間自分の使命を思い出したかのように左ハードポイントに付いていたレールガンが至近距離で相手にねらいを定め撃った。
またしてもこのレールガンにふいにつかれた相手はその一発をまともにくらった。
その反動でTran-DSは、離れることはできたが同時に右手をもぎ取られることになった。
そして距離を保ち動きを止めず相手の出方をうががう。
「被害状況・急いで!」
割れたヘルメットをなぎ捨てるかのように外し、スーツの襟をゆるめるながら、フェナはほとんど叫びに近い問いをWileに向けた。
-Right Hand is gone. All joints are yielding to the amount of stress from our movements-
「右手は使用不能、各間接も限界」・・・・・あまり嬉しくない情報はまだ続いた。
-Chest Thrusters Damaged, Vulcan Cannon damaged, PSS destroyed, Main Sensor offline....-
「使える物は?!」
-.....Left Rail Gun, Mini Missile X 20, Plasma Sword, Knuckleshot and ........ D-Mode-
「Dモード?!」
-System Details Unknown......Research has been unable to unlock its purpose or method of use-
「正体不明・・TAのブラックボックスね・・・・」
-Killer Doll has revealed its true form-
ぶれてる画像をみるとそこには、のっぺらぼうとその異形ともいえる人の形をした赤い巨人がさきほどの座標であらわれた。
鎌を構え直し、まわりに廃棄したとおもえる「殻」が漂ってる。
それをみるとフェナの中でまた何かがうずく。
そして始めて自分が汗まみれになってることに気がついた。
急いで髪を直しながらフェナはTran-DSを格闘用に再設定をほどこした。
使えるシステムを優先し、使えないものの機能を停止させた。
それに対し再システムチェックがおこなわれた。
しかし、これで対等に戦えるかどうかフェナは少々不満を感じていた。
もともとTran-DSは長距離兵器を重視したもので、そのため機動性をあげて格闘戦をできるだけ避けようと考案されたものといっても過言ではない。
それにどうやら、Thrust Vectoringで生じるGとその機体への影響をあまくみたようだった。
だがフェナほどの動きを要求するパイロットを考案の元に設計されたかどうかはまた疑問かもしれない。
「私が設計していれば・・・・」
こんな設定はしなかったといいたかったんだろうのであろうが、いい終える前に相手が動き出した。
周りの状況をもう一度確認してからフェナも相手にしかけた。
Wileは静かに彼のパートナーの行動をサポートした。
二つの流れ星が一点で合い、離れ、時に円を描き、再び合う動きが宇宙の虚空で踊ってみせた。
時々細い光が数本が一つの光からもう一つの光へとむかって行ったが、何も起こらず、消えた。
「その機体でよくここまでがんばった!しかしここまでだ!」
その一言と共にのっぺらぼうの顔から砲口が現れた、瞬時に充電を完了し、光が放たれる。
「な!」
出力が落ちてる胸のスラスターを使い、なんとかよけたが、次のがすぐにきた。
「この!!」
対応してレールガンを打ち、小型ミサイルを五発ほど発射させる。
効果はなし。
「それ邪魔だな!!」
もう一発がきた、これもよけて距離をつめる。
相手が動きを止めてるのでそれもたやすくできたが、自分の間違いに気が付いた時にはちょっとおそかった。
勢いで限界に達していたTVSの反応が遅くなってることと相手の速さが尋常じゃないことが重なり、相手の攻撃をよけきることができなかった。
衝撃とともに左のレールガンが爆発しており、それにはじかれたTran-DSに鎌が降りかかった。
肩のスラスターに深く刺さったそれは、また爆発を起こし、Tran-DSは下へ飛ばされる。
今の衝撃でTVSもつかえなくなり、身体をふりまわせれたフェナも意識が一瞬とおくなった。
Wileは自動にミサイルを乱射する。
しかしダメージで照準をロックを収めていなかったそれは方向違いに飛んでいった。
「く!!!」
通常のスラスターしかのこっておらず、まともな回避も出来ず、プラズマソードで対応するしかなかった。
数回攻撃をとめたが、とうとうそれもはじかれ、体当たりを食らう。
「あう!!」
「おわりだな!!」
衝撃で気を失いそうになったフェナはなにか遠くを見詰めるように半分開いた目であきらめたようだったしかし・・・
『何があっても生き延びてね・・・・』
母親の顔と一言が幻のように浮かんだその時・・・・
フェナは無意識にかどうかは不明だがあるパターンを入力した。
それに対しWileでは無く別の声が反応した。
-Activating D-Mode-
「Dモードを起動します」と。鈍い起動の音がして瞬時に死んでいたシステムが一瞬だけ使えるようになった。
その期にTran-DSは相手に突っ込み壊れてる右手を使いそれを相手の顔にたたき付けナックルショットを放った。
反動で相手は鎌をはなしてしまう。
そこに出来た歪みに残ってるバルカン砲を打ち込み爆発させた。
「な、なに?!」
思わぬ反撃におどろいた彼が見たのは目を紅く光らせてるTran-DSであった。
今度は彼から仕掛ける。
Tran-DSの頭部に拳を叩き込む。
ぱきぃ!という音がしたかのようにTran-DSの片目がわれた。
頭部を向き直したTran-DSは睨み返しているかのように見えた。
紅く輝く片目は、彼の背筋を冷たくした。
「Wile! どうしたの?!これ・・・・!!」
フェナ自信も事体を掴もうとWileに説明を求めたが、いい終えるまえにTran-DSが急速的に動き出した。
別の意志が動かしてるようで逃げ始めた敵を追い始めた。
がちゃがちゃとコントロールステッキを動かしたが効果はなかった。
パターンをいくつか入れたりする。
とにかくでたらめに覚えのあるパターンを入力していく。
しかし「Error」としか出てこなかった。
-・・・・・・・・-
「いうことを聞け!!」
今度は腹立つため計器に平手打つ。
その結果またなにか特別なパターンが入力されたらしく、「了解」という声がしコントロールがフェナにもどった。
スクリーンにはD-Modeという文字がまだ表示され各システムは通常以上のパワーでみなぎっていた。
フェナはそんなことを気にせず相手の追撃を再開した。
計器から来る情報をみて男は恐怖を覚えていた。
「ば、ばかな!!あのシステムをぉぉぉぉ!!」
Tran-DSは漂う鎌を拾い上げ、 なおも木偶人形を追いかけた、
「ばかな!ばかな!ばかな!!」
すぐに追いつきTran-DSはそれを大きく振りかざし、死刑執行人みたいに正確に無駄のないうごきでふりおろした。
男にとってその瞬間が一番長い時間であり、Tran-DSはまさに死神にみえたかもしれない。
鎌はキラード−ルをいとも簡単に両断した。
勢いに任して過ぎ去るTran-DSの後方で紅い爆発が起こり破片が四散した。
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