Tran-DS: The Side Story of Tran-D
Tran-DS
The Side Story of Tolled Armor Tran-D
Chapter 2: UES Heinlein
Epilogue
「そうか・・・行方不明になったか」
『降下中事故があったらしく、無事降りたかわからん、そちらでなにかわからないのか?』
男が広い部屋のなかでラップトップに出ている軍人と話している。
「いや、最善を尽くしているが。君の方は?」
『船は大破された。死者及び負傷者がかなり出ている』
「・・・・すまない」
『ふ、君からそんな言葉を聞くとは思いもしなかったな』
「ふふ・・」
お互い苦笑する。
『あの娘・・・きれいになっていたぞ、母親似だな、おまえに似ていたら大変だ』
「それはどうかな」
『まったく憎たらしいやつだ。あの時あの人を君にゆずるんではなかった』
「せいせい堂々と勝ったのは私だと記憶しているが?」
『あの後捨てやがって・・・あの時の俺だったらまだ君をゆるしていなかっただろうな』
「いまは違うのか?」
『いちいち、突っ込むな。しかしあの人は君を愛することを止めなかった、くやしいぐらいだ』
「・・すまん」
『似あわないからやめろ。・・・こちらで調査を続ける、出来るだけ彼女たちの無事を祈ってな』
「ああ、よろしく頼む」
『では・・・また』
通信は終った。
男は机から立ち上がり部屋の窓から外をみた。
殺風景な町並みはビルが立ち並んで居る。
時々警察、またはタクシーのビーグルが視線を横切った。
そして上空では軍用の輸送ヘリが大きな音を立て、町を出たり入ったりしている。
「・・・様・・・・様!!」
外の景色にとらわれていたのか、考え事で埋もれていたのか、男は自分を呼ぶ声で現実に引き戻された。
「うん?ああ、すまん」
「どうか、されましたか?」
老人風の男がが尋ねる。
「いや、ちょっとな・・・」
「発表のお時間です」
「わかった、すぐ行く」
「では」
挨拶をすると老人は部屋を出た。
男も気を引き締め、やがて部屋を出る。
しかし部屋を出る前北にむいているその窓をもう一度見る。
口が少し動いたが、何を発したのかだれもわかるわけがない。
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