Tran-DS: The Side Story of Tran-D
Tran-DS
The Side Story of Tolled Armor Tran-D
Chapter 2: UES Heinlein
part6
突然ジャンプゲートから出現した20隻ほどの艦隊が6隻の行く手を阻んだ。
スクリーンにはいやらしい笑みを上げている中村准将が出ており、フォルスリングが艦長席から立ち上がって何かを叫んでいた。
しかし笑みを消さず中村准将は通信を切れという手巻きをした。
「これ以上話すことはなにもない・・・」
通信は切れ、前方にある艦隊から光がいくつか動き始めるのがわかる。
「く!やらなければならないのか!」
フォルスリングは艦長席のコンソールを叩く。
「全艦第一戦闘配置!!TAならびにレイピアは発進!シャトル射出まで時間をかせげ!」
「了解、総員戦闘配置についてください、TAならびにレイピア各部隊発進願います!」
警報が鳴り、証明は赤に変わった。
-Red Alert. All Hands to Battle Stations. This not a Drill. Repeat, This is not a Drill-
コンピューター声が戦闘状態への突入をクルーに知らせた。
廊下では皆戦闘配置、あるいは格納庫へ向かおうとする人が混じりあい,「がんばれよ!」とか、「死ぬんじゃねぇぞ!」とかが飛び回った。
「敵?!・・・って、誰が敵なんだ?」
「何ぼやぼやしている!攻撃してくるやつが敵にきまってんだろ!」
格納庫ではTAとレイピアが緊急発進する為、混乱状態であった。
しかし、訓練がよかったのか遅れも無しにTAとレイピアは程梱りなく射出されていく。
『レイピア1701いきます!』
『ハイ・ランツγ部隊、いっきまーーす!』
『スティーブ・ベルガー、出る!』
「みんな、ご武運を!」
薫は自分のコンソールに出てくるパイロット達の顔を見ながらそうつぶやいた。
射出が開始されて、数分後アインシュタイン戦艦の前方の空域で火球が現れる。
『敵』とされた者の機体は普通の青と違い、真っ赤に塗装されいる。
使ってるTAなどは同じなので、「色が違うやつは敵だ!」と言うような状態に入る。
『なんで同じ機体を相手に戦わなければならねぇんだ!』
『このぉ!!』
青いハイ・ランツの一機が赤い一機と格闘戦に持ち込む。
ランツがぶつかり合い、殴り合いもあるが勝者は数秒で決まった。
赤い機体が大きくランツを振りかぶった瞬間を見逃すさず、青いハイ・ランツが突きを出しコクピットブロックを正確に刺した。
稲妻現象が起こり、赤い方は四散した。
動きを止めては命取りになるので再び動きはじめ次の獲物を探す。
レイピアの方もミサイルの弾幕など、バルカン砲で相手を撃つ。
追撃機能があるミサイルを避けきれずやられるなど、バルカン砲でメインセンサーをつぶされたり赤いTAの数が減っていく。
しかし、死角が多いレイピアは時に、下または前に現れた敵機に両断されたり、至近距離でコクピットを撃ちぬかられたりした。
『1701号機後ろをつかれてるぞ!』
『え?!あ!くそぉ!』
一機の青いレイピアが赤いレイピアに追われる。
スラスターと可変翼を使い回避行動を必死にとる。
『だめだ!振り切れない!!』
『1701,しばし待て!』
『了解!』
知らない相手に返事をすると後ろの相手を振り払おうとする。
赤いレイピアのコクピットでは追っている機影がH.U.Dに表示され、ロックウインドー内にそれが収められる。
すぐにコンピューターがそれにロック。
パイロットは怪しい笑みをあげ、トリガーを引いた。
ミサイルスプレッドとバルカン砲が撃たれる。
『くのぉ!』
1701のパイロットはそれに対応するため高度を変えながら機体にローリングさせ、チャフとフレアをばらまいた。
火球が彼の機体の側で無数に発生する。
相手は容赦なく追撃を続ける。
「名無しのごんべえさんまだなのか?」
その時、前方から突っ込んで来る青いレイピアがあった。
「おいおいおいおいおいおい!!!」
本能的にコントロールステッキを前に押し、1701号機はバー二ア、及びスラスト・べクタリングを使用し急速的に降下をかける。
ぎりぎりで突っ込んでくる機体を避けたが、彼を追撃して機体はそういかなかった。
突っ込んで来たレイピアは1701とすれ違った瞬間、機首になる60ミリのバルカン砲を乱射した。
それに気が付いたころには既に遅く、赤いレイピアのパイロットは悲鳴を上げる間もなく蜂の巣にされ、彼の機体とともに四散した。
「おい!あぶねーーじゃねかぁ、この野郎!!」
助かったとは言え、無茶な対応のしかたに1701のパイロットは命の恩人に怒鳴る。
「あら、助けて上げたのに冷たいのね、それじゃ女の子にはもてないわよ!」
「もてないって、おまえもその性格だと男にもてないぞ!」
「なら、おあいこね、それじゃがんばって生き残って、いっしょに飲みに行こ!もちろん助けてあげたんだからそちらのおごりでね」
そういうと彼女は機体に急速な方向変換をさせるとアフターバーナーをかけ、次の獲物を探しにいった。
「おいちょっとまて!おれのおごりってふざけんじゃないぞ!」
1701号機もアフターバーナーをかけ、彼女を追った。
この二人の出会いが、後に結婚まで進展しゅる関係を生むがそれはまた別の話である。
○
Life Support.......... Online
Sensors................Online
Weapons................Online
All Systems Nominal
コンピューターの声が起動シークエンスを開始している。
いくつかのスイッチがひねられ、武器の選択がされる。
そして、そのTAは起き上がった。
「おい!やめろ!もうすぐ降下時間なんだぞ!!」
整備長がそのTAに向かって叫んだ。
それを無視し、TAはシャトルの貨物庫からいくつかの武器を取るとハードポイントに装着する。
そして最後にある白い細長い箱を取り出し、それを持ちカタパルトデッキへと向かった。
必要なものを取り出したと言うことが確認がされると、シャトルが乗っているコンべイヤーが動きだした。
クレーンも動き出し、そのコクピットブロックを掴み、はずす。
そして最後に、重火器のレールガンとミサイルポッドとプラズマガトリング砲を装備した、レイピアが別のエレベーターから現れた。
クレーンはそれを掴み、先程はずしたシャトルコクピットブロックの所へそのレイピアを収めた。
融合がうまく言ったとレイピアのコクピットで示された。
『二人ともやめろ!』
フォルスリングの声がTran-DSとレイピアのコクピットに響く。
しかし二人は同時に通信を切断する。
「エレベーターを止めろ!」
『いや、整備長行かせろ』
「し、しかし」
『いま、止めたら、降下時間に間に合わなくなる」
「・・・・・・」
しばらく沈黙が続いた。
「二人ともすまん!」
『それはこちらがいうことです。もうほかのみなさんは引かせてください』
そういったのは意外にもフェナであった。
彼女の頬には何故か涙が一つだけ流れていた。
一粒だけだったからなのか、それはブリッジの人の心のなにかに触れた。
フォルスリングはその顔をみた瞬間ある人の名前を口にした。
「フェリス?」
次の瞬間通信が切れると同時にTran-DSはカタパルトデッキから射出された。
すぐに動きを止めた後、担いでいた箱を広げ、Tran-DSは中に入っている物を組み立てはじめた。
パーツはいくつかしかないので作業はすぐに終った。
しかし完成されたそれはTran-DSの高さ1.5倍もあり、大きなセンサーも取り付けてあった。
そして、エネルギーの消費率が高いそれは、バックパックのハードポイントに繋げられた。
宇宙だからこそ使える武器とも言えた。
それを大きく振りかぶると敵艦隊へとの銃口をむけ、センサーが作動した事を示すかの用に赤く輝き出す。
Tran-DSのH.U.D.にはそのセンサーから送り込まれて来る情報が表示され、射撃可能な物をロックカーサーで示した。
そしてレイピアシャトルも発進し、Tran-DSの側で動きをとめた。
「あれは!!!!」
中村准将は、先程ハインラインから発進したものを見て大声をあげる。
拳に肉が裂けるほどの力が入る。
しかしそれを見た次の瞬間、光がTran-DSより発せられ右舷の方にあるエクセル級の戦艦は火球と姿を変えた。
艦砲射撃も届かない距離からTran-DSは敵戦艦を狙撃した。
気に入ったかのように小さな笑みがフェナの顔に表れる。
まるで笑われてるいることがわかったのか、中村准将はとうとう切れた。
「全艦、及び全機!Tran-DSを破壊しろ!」
冷静さがなく、無謀としか言えないその命令に反論もせず彼の軍は戦闘を止め、一直進にTran-DSへと向かい始めた。
もちろん敵に後ろを見せる事になり、尽く撃墜された。
戦艦もPDSも起動せずにアインシュタイン級の艦隊へと向かう。
ほとんど抵抗しない戦艦はTAとレイピアの格好の獲物であった。
やがて一、二隻が撃沈される。
しかし、艦砲射程内に入ると敵艦隊は主砲を撃ってきた。
TAに当るはずないが、アインシュタイン級はそうはいかない。
シールドを展開し、応戦を開始した。
味方機に当てないよう主砲を撃つ6隻も確実に敵艦隊の数を減らしていった。
まともな対艦戦を繰り広げようとしない敵の行動について、フォルスリングは不思議でたまらなかった。
相手は常にTran-DSだけを落とそうとする。
そのTran-DSといえば長距離ライフルを放置したあと、群がってくる敵の中へ突っ込んだ。
しかし初陣の時とは違い少々苦戦を強いられる。
「くっ!」
ランツの攻撃を受け、それをプラズマ・ソードで対応するが、その機体と遣り合っているうちに後ろ新たなレイピアがミサイル、及びガトリング砲を乱射しながら接近して来た。
格闘戦にもちこんで来る敵機が大半であった。
その相手と剣をまじわせると触れ合い回線で相手が言っている事が聞こえたりする。
『へへへへへ・・・』
『ふふ・・・おまえ』
『おまえが・・・消えれば』
『・・・を手にいれる』
『あの人が・・・』
『・・・あの子を』
『あんたを・・・・』
『おれは・・・・』
『私は・・・・』
『おまえさえ・・いなくなれば』
『おまえさえ・・消えれば』
『あんたさえ・・死ねば!!』
何かに取り付かれたような声がしてくる。
「うるさい!!!!」
前の敵機を両手に構えたプラズマ・ソードで十字切りにすると次に襲ってきたTAを頭から両断した。
もう一機が頭上から攻撃してきた。
それを見えなかったのか対応が遅れ、直撃をうけると思った瞬間別の方向から光が発射され、相手のTAを貫通した。
四散する爆発の中真沙緒のレイピアシャトルが現れる。
「フェアランス少尉!時間です!」
息を整えようとする中、「了解」と答え、ハッチが開かれたシャトルによる。
しかし・・・・
『行かせん!!!』
という通信が入り戦艦の主砲が二機をねらって撃たれた。
スタークラスター級のタツナミがそこまで来ていた。
「行かせる分けにはいかん。おまえにはここで死んでもらう!」
中村准将の顔と目は怒りと憎悪で真っ赤になっていた。
「零少尉、先に行ってください」
『え?し、しかし』
「すぐに追いつきから」
『でもいくらTran-DSでもあれは・・・・』
「みくびらないで・・・・この機体のことは私が一番よく知っている・・早く行って」
『わ、わかりました、でも時間制限はここからすると5分です、それまでには」
「了解」
フェナの返事を聞くと真沙緒は小さく頷き、機体を180°反転させるとアフターバーナーを全開にし降下窓へと向かった。
「Wile、5分後に決着が着かない場合強制的に降下窓へ行きなさい」
-Roger-
Wileに各システムの自己診断チェックをやらせると、フェナは腕を伸ばした後、コントロールステッキを再び握った。
大きく息を吸い込むとスロットルを全開にし、タツナミへと突っ込んだ。
タツナミも待ってましたと言っているかのようにPDSを開放した。
ハインラインの二倍の大きさを持ったタツナミ。
そして無数ともいえるPDSの網の中へTran-DSは進んだ。
再び、急な動きで甲板すれすれにブリッジにまっすぐに向かう。
「ええい!なぜ撃ち落とせない!!」
中村は突っ込んで来るTran-DSをみてうろたえた。
ブリッジに接近したTran-DSは腕を大きく振りブリッジをなぐりつぶそうとする。
しかしその時、どこから現れたのか黒いTAがTran-DSに体当たりを食らわした。
『ふふふ、やらせませんよ』
「ステファン貴様!いままでどこにいた!』
中村准将がその男に怒鳴りつける。
うるさいというように彼は片耳をふさいだ。
「いや、あちらでちょっとてこずっていたんでね」
目をアインシュタイン級艦隊のほうへを全員の目が向けられる。
『?!』
中村准将とフェナの目に映ったのは6隻あったアインシュタイン級が今は3隻に減っていた光景であった。
撃沈された物はその推進剤に火が付いているため赤く燃えている。
残っているいる船もやっと航行可能な状態だけで、戦闘能力はゼロに等しかった。
「Wile、時間は?」
-2 minutes-
「あの機体は?」
-Unknown, but judging from its looks, it's an UNIX model-
赤い目をした黒いTAはTran-DSの方へと向き直した。
『ふふふ・・・おひさしぶりですね、フェナ・・7年ぶりですか』
「・・・・私はしらない」
『ほう?あんなに仲がよかったのに・・・貴方の最初の・・」
彼は言い終わらせることはできなかった。
フェナがプラズマ・ソードで仕掛けてきたからである。
自分のなかで何かはこの男を嫌ってる、そうフェナは感じた。
『ふ・』
フェナの攻撃を簡単に受け流すと左腕のナックルショットがTran-DSの胸を直撃する。
強烈な一発で飛ばされそうになった。
しかし・・・ステファンと名乗る男は、その流れ出す寸前のTran-DSの腕を掴み、もう一発見舞いする。
もう一発入れようとしたとき、Tran-DSの頭部バルカン砲が火を吹いた。
一瞬たじろいだ相手のすきをねらい、フェナもナックルショットを撃ち、スラスターを使った蹴りを出した。
だが威力は足りなかった。
敵は後ろへ下がるTran-DSに近づき再びナックルショットを見舞った。
「ぐ!!」
-30 seconds-
『逃がしはしませんよ!』
フェナは対応しようとした。
だが格闘戦が苦手なTran-DSはまともに応戦できなかった。
それに相手の機体がTran-DS以上の機動性をもちTVSでは回避が間に合わなかった。
ナックルショットをまた数発食らう。
-10 seconds-
「はあ、はあ」
肩で息をしているフェナに取っては長い十秒になりそうだった。
そして5秒残ったところで彼女は最後の賭けに出た。
Tran-DSに左ナックルショットを打たせる。
もちろんそれはよけられ、膝蹴りが腹部に直撃と同時に肘が背部に撃たれる。
スラスターが多少ひん曲がり、腹部のジョイントが悲鳴を上げた。
やられた振りをしてじっとしていたのは一瞬で、右腕にすかさずプラズマ・ソードを構え下から上へと振る。
相手の男もそれを予測はできなかった。
プラズマ・ソードの先端は綺麗に相手の左腕を切った。
小爆発ご起こり、その反動で相手のTAが飛ばされた。
-Switching to Auto Control-
時間がきたためWileはその隙を利用してアフターバーナーを全開にし、降下窓へと向かった。
『やってくれましたね。しかし!!!!』
掛け声と共に黒いTAは追跡を開始した。
「零少尉、降下初めてください」
『フェアランス少尉?!』
「追手が来ている、ハッチを開けたまま降下開始下さい!」
『・・・わ、わかりました、絶対に追いついてください、できるだけぎりぎりまで待ちます』
「おねがいします」
そう言いながらフェナは後ろへと目をやった。
光が近づきながら追ってきている。
「く!、やっぱりこんな機体じゃ・・・」
-I beg your pardon-
「・・・・・・・・」
Wileはフェナの一言が気に障ったかのようにいうが、フォローする余裕は名かった。
やがて降下準備に入ったまま待機しているレイピアシャトルが見えてきた。
「零少尉!、降下して!!」
『でも、一つまちがえれば貴方は!』
「大丈夫だからはやく!」
『・・・・・了解』
歯を食いしばるような答えをすると、真沙緒は降下パターンを開始した。
バーニアが吹き、最終体制に入りシャトルは高度を下げ始めた。
機体の温度が上がり、下盤が赤く輝き出す。
「間に合うか!?」
スロットルをゆるめず、Tran-DSも大気圏に突っ込んだ。
『行かせないといったはずだ!』
その声を聞いた瞬間後ろからTran-DSは抱き捕まれた。
「・・・・・!」
振り払おうとしても動かない。
『ふふふ、さあ、いっしょに来てもらいましょうか』
大気圏を開始したのにどこへ連れていくのかとフェナはうろたえなかった。
フェナはすぐに対応の仕方を思い付いた。
「プレゼントを上げる・・・受け取って」
というとフェナはバックパック強制排除のパターンを実行した。
小爆発と共にTran-DSのバックパックは排除された。
その勢いで降下速度が上がる。
相手が排除された事を確認するため回転すると少し離れた高度にまだ追跡しようと高度を下げている彼が見えた。
Tran-DSはバルカン砲を撃ち相手を蹴散らそうとするが効果はなかった。
『ふふふ!逃がさん』
姿勢を変え頭から黒いTAが突っ込む。
降下中の上、バックパックを切り離したTran-DSはバルカン砲を撃つ以外手がない。
そしてTran-DSの正面まで降りてきた黒いTAは姿勢を建て直し、右腕を右に振りかぶり剣で攻撃をする。
それを予測してフェナはプラズマ・ソードでそれを受け止めようとした。
しかしプラズマ・ソードと同じ色に輝いていたその「実剣」はプラズマ・ソードのフィールド通り抜け、コクピットがある胸を襲った。
ばきぃ!という金属がぶつかり合う音がし、次の瞬間フェナの左腕に激痛が走った。
「うああ!」
Tran-DSの胸には大きな傷が現れた。
その破片が胸を貫通、コクピットまで達し最後にフェナの腕にめり込んでやっと止まったのである。
骨まで届いたそれはかんたんには取れない。
血がどくどくと出てくる。
「くううう!!」
生きてる右手でそれを引き抜こうとするが血のせいで手が滑り、なかなか取れない。
やっと取り出すと最初より上回る痛みが生れる。
「!!!!!!」
声にならない悲鳴をあげながらフェナはその傷口を押さえた。
『ふふふ、やっとおとなしくなりましたね。さて一緒に来てもらいましょうか』
そういうと黒いTAはTran-DSの腕を掴み自分の方へと引っ張る。
だがそれ以上はゆるされなかった。
『フェアランス少尉!!!』
降下速度を落した真沙緒は二機の高度に機体を持ってきていた。
『なに!!』
いきなりの出現に男は驚く。
生じた隙をねらい、真沙緒はレールガン一基の方向を変え、黒いTAの腕を狙って撃った。
きれいに当たったその一撃で黒いTAの腕は破壊された。
両腕を失ったその機体はバランスを失い転がり始めた。
そして爆発の勢いであらぬ方向へ飛ばされたTAはやがて降下する時に生れる光と熱の中姿が消えた。
しかしこれで終ったわけではなかった。
今度はTran-DSの脚部のスラスターが爆発し、Tran-DSは頭から落ちるようになる。
その結果、降下速度が上がる。
『フェアランス少尉!!!・・聞こえ・・・・!?体制・・・・して!!・・・・く!!』
血が止まらず・・意識がもうろうとしはじめたフェナはなんとか右腕で肩のスラスターを撃つ。
体制を直したが、摩擦熱は装甲の熱量限界に達し・・プラズマが発生させた。
「わ、い、る、あ、あと・・わ」
その一言をやっとの思いで言うとフェナは気をうしなった。
「お願い、間に合って」
真沙緒は必死にレイピアシャトルを操りなんとか自分をTran-DSの下の位置に着き、格納庫のハッチをあけ、Tran-DSを収容しようとする。
「フェアランス少尉!少し右に!!・・・フェアランス少尉!!」
-She has lost consciousness....Hold your position. I'll do the rest-
少しおどろいた真沙緒はWileの言われる通り出来る限り体制を保つ。
Wileは最小限の動きでなんとか機体を固定し高度少しずつ下げた。
やがて重い振動がし、Tran-DSは無事格納庫に入った。
-Touchdown-
それを確認することもなく真沙緒はすぐにハッチを閉じ、降下のことに集中した。
「着陸地点が・・・大幅にずれたわね」
戦闘のせいで着地点はトリエスタでは無く、もっと北・・・極地になるとコンピューターが教えた。
まだ人間が探索していない場所である。
「Wile、フェアランス少尉は?」
-She has lost quite a lot of blood....but I believe she will be OK-
「そう・・」
真沙緒はすこし安心すると、ハインラインのみんなが無事だと言うことを祈りながら、これからどうなることに付いて不安を感じていた。
その夜、トリエスタではいままで計測されことがない眩しい隕石が空を横切ったと後言われることになった。
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