Tran-DS: The Side Story of Tran-D
Tran-DS
The Side Story of Tolled Armor Tran-D
Chapter 5: The Beginning of the End
Part 6
「ふう」
とため息をするとグレナディアは自室でバスローブを纏、先ほどおこなった模擬戦の結果を見ていた。
とは言ってもただ眺めているだけで、思った通りの結果が出ていないことは自分でも分かっていた。
トランゼスに搭載されているE-TRON BIOSは確かにすばらしいものであった。
自分がやりたい操作をほぼラグなく実行しており、反応もよかった。
衝撃や攻撃への対応もよく、ENIAC BIOSでやるとしたら機体に大きな負担をかける動きもE-TRONはアクチュエーター等をうまく使い衝撃の負担をうまく吸収している。
再びため息をすると手に持っていた缶に入っていた液体を一気のみした。
酒がほしいが待機中の時にさすがにそれは許されない。
報告書を机の上に放り投げ、荒ただしくクローブを脱ぎ下着を身につける。
正規軍ではないので簡単にティーシャツを上にきて、パイロットスーツの下半身に足をいれ、腕となるところを腰のところで結び付けた。
そして体をベッドの上に身を落した。
腕で目を覆い再びため息をする。
エンジンの響きだけが部屋の中を支配した。
手を額に当て、グレナディアの目にふとアーリーの顔が浮かんだ。
正直言って彼女は彼のことが羨ましかった。
彼のTAを操る腕前と彼の精神的な支えになっている、フィリスとミアが。
自分の支えになってくれる人はいない。
そのことになぜか急に心細くなった。
しかしそれは一瞬のことで突然彼女は笑い出した。
「『ガルトスの閃光』がそんな弱気でどうする!私は私だ!」
そういうと開き直ったかのように彼女は飛びおき、報告書を再び手に取り部屋出ようとした。
その時証明が赤くなり警報がなった。
それと同時に大きな衝撃が襲い、ハインラインを揺らした。
-Red Alert! All Hands to Battle Stations! This not a Drill. Repeat this not a Drill-
コンピューターの声が第一次戦闘配置を告げた。
赤い点灯がフラッシュし、警報が鳴るなか通路が急に急いでいる人であふれていた。
「グレナディア!、なにやってるんだ!第一戦闘配置だろう!」
先ほど模擬戦をやっていたチャックがパイロットスーツに手を通しながら彼女を呼んだ。
その時再び衝撃がハインラインを襲った。
今度は最初のより強力である。
「でも私は!」
通路に消えて行く、チャックに叫ぶとチャックは足を止めた。
「普通だったら、おまえは出撃しないだろうが、今回事情がちがうんだ。なにせ、この船ではあんたがたった一人の経験者だからな」
「え?」
となにがなんだかわからない顔を一瞬グレナディアはしたがすぐにどういうことかわかった。
「まさか・・・」
「そう、敵はキラードールなんだ」
○
「う・・・」
ミアは頭を振りながら頭をあげた。
フィオは大丈夫のようであり、目を細めながらほかの人が無事なのか確かめた。
フェナと真沙緒はシルフィードが押さえつけていたから大丈夫のようだった。
リックとアーリーの体はエアバッグで守られ無事のようだったが、フィリスはそうはいかなかった。
「フィリスさん?!」
血まみれだった。
衝撃のせいか、無数のガラスの小さな破片が飛びフィリスの体の刺さっており、そこから血がにじんでいる。
顔も例外ではなかった。
幸い目とか口には入らなかったが、頬、額に破片多すぎるというほど刺さっている。
「フィリスさん!フィリスさん!!」
体を揺らすが気を失っており、簡単に目を覚ます様子はなかった。
しかし事態は最悪と言える以上なことに陥っていた。
黒い足が二本ビーグルの側に立っていた。
その形と現れた感じからしてミアの背筋は凍り付いた。
「お兄ちゃん!!リック!早く出なきゃ!!!」
悲鳴に近い声でミアは男共に声をかけた。
「く・・・」
痛みをこらえ二人は顔を上げた。
ミアが説明をする必要もなく、外にある二本の足を見た瞬間意識は完全にもどった。
それが一歩こちらへ近づいた。
二人はすぐにビーグルからでようとするがエアバッグが展開していることと、ショックから体がまだ回復していないことに思うように外には出られない。
「はやく!はやく!!」
ミアはフィリスをなんとか使用とするが、混乱している車の中である、パニックに陥っていることもあり、彼女もまた外にでることがむずかしい。
もう一歩足が近づいた。
もう一歩で潰されてもおかしくない距離だ。
「シルフィード・・・」
フィオは声を殺して小さく彼女の愛犬に声をかけた。
フィオがなにを考えているかすぐわかったかのように彼は遠吠えを上げた。
「な、なに?!」
ミア、アーリーとリックは驚いた顔でシルフィードを見た。
シルフィードは長い、そして狼のような遠吠えをあげていた。
まるで遠い仲間でも呼ぶような、そんな遠吠えだった。
しかしそれと同じ瞬間に大きな影がビーグルを覆った。
正体不明の者の足が大きくあげられたのである。
そしてそれはもすごい勢いで降ろされていった。
「きゃあああああああ!!!」
「うわあああああああ!!!」
絶対絶命というところであった。
助かるわけがない、自分達は潰されるのだ。
ミアはフィリスを強く抱き、アーリーとリックはダッシュボード、またはハンドルをつよく握り、死をかくごした。
その瞬間、低い音と共に眩しい光が頭上に光った。
「ガオオオオオオオオオオ!」
と咆哮を上げながら白金の獣が光の中から現れた。
なにかに飛び込んだかのようにそれはその勢いを使い、その影の主を襲った。
金属がぶつかり合う音と共に大きな振動がおきた。
「シルフィード、いくよ!」
「フィオ!?」
その小さな体を利用してフィオは砕けだ窓から飛びだし、シルフィードと自分の分身キラーアニマルへと走った。
相手は予想もしなかったことの驚きと受けた衝撃のためすぐには立ち上がれなかった。
「フィオ!だめ!!!」
ミアはフィオを止めようとするが、いつのまにかフィオはキラーアニマルの頭部にあるコクピットに飛び込み、ハッチを閉めていた。
シルフィードも自分の収納庫に入り無数の配線を体のあらゆる所に埋め込み、自分の分身と接続を終わらせていた。
「シルフィード!」
インターフェイスとの接続が完了したかのように「シルフィード」の目は赤く光り、咆哮を上げた。
いつでも相手攻撃を出来る体制に入る。
相手も体制を回復しており、そのなにもない顔で白金の獣をにらむかのように見下ろしていた。
「よくも、よくもよくも!!!」
フィオは怒っていた。
大切な人を傷付けられ、人としてではなくフェナを物として扱おうとした目の前にいるキラードールをあやつっている男がゆるせなかった。
「貴方でしょう?!それに乗っているのは!!」
フィオにはすでに分かっていたのである。
男がステファンである事を。
「ふん、ごみちびさんですか・・・・・そういえばあなたも借りがありましたね!!!!!」
掛け声と共にステファンは腕に仕込んであるソニックブレードを出し、シルフィードに仕掛けた。
「貸した覚えはないよ!!」
その言葉と共にキラーアニマルであるシルフィードの口あたりが光り、赤い光線が放たれた。
キラードール驚いたしぐさをし、直撃を受け爆発がそれを包んだ。
回りのビルのガラスは爆風でくだけ、中にいる人に襲い掛かった。
地面は揺れ、茸雲がそこに現れる。
「く!」
だが効果はうすかったのか、キラードールは腕を前に組んだ形で損傷はないに等しかった。
それをみた瞬間フィオは次の攻撃を仕掛けた。
シルフィードの牙が赤く光り、口を大きく開きながらキラードールに向かって突進した。
しかし、キラードール、ステファンは動じずだかた腕を振り、その拳をシルフィードの頭部に直撃させた。
勢いがあまったこともあり、シルフィードはすぐそばの、人がいるビルへと突っ込んだ。
たちまちビルは崩れ、回りにいた一般人はそれにより、飛んだコンクリートまたは鉄屑に襲われた。
悲鳴があがり、人は無残に潰されていった。
動きがすべて止まったと思った瞬間瓦礫の中からシルフィードが飛び出してきた。
まってましたといわんばかりにステファンはキラードールのフェイスキャノンを発砲した。
それを簡単にシルフィードは避けたが、ビームは別の建物に直撃した。
地響きと共にそれも崩れ、その下に歩いていた、買い物をしていた、デートをしていた人がどうなったかは言うまでもない。
シルフィードはそのまま、爪でキラードールに仕掛けた。
ビームを撃った後のため対応が間に合わないまま、その攻撃をうけ、さらに続いた体当たりをまともにうけ、シルフィードと共にその後ろにある三階の建物に落ちた。
ビルはそれで完全に潰された。
それでも攻撃をやめず、シルフィードは爪で打撃を加えた。
ばき!というおと共にフェイスキャノンのカバーをしていた、ノッペラボーの仮面ははがされた。
「やめてーー!!」
とミアは懸命に叫んだが、聞こえる分けがなかった。
キラードールは腕に仕込んであるソニックブレードで攻撃を仕掛けるが、シルフィードはタイミングよくそれを口で挟んだ。
金属がきしむ音がしてからそれは大きな音と共に割れた。
シルフィードはそれをとり、後ろに飛びいったん離れた。
着陸した時の衝撃で水道管がわれたのか、地面から噴水があがった。
「ミア!何をやってるんだ!今の内ににげるんだよ!」
アーリーはそこで動けなくなったミアを腕を掴みその場を離れようとするが、ミアは動かない。
アーリーの手を振り解きミアは戦いの中へ走ろうとする。
無理もない。
自分達のために関係ない人が無残に死んでいっているのである。
「ミアやめろ!!」
アーリーは両腕でミアを掴み拾い上げるた。
「だって!!だって!!!」
涙を流しながらミアは叫び、アーリーの腕の中で蹴った。
「今は、フィリスさん、真沙緒さんとフェナさんを安全な場所につれていくのが先だ!!!」
本心ではなかった、後味がまずい一言ではあったが、アーリーにはそれしか言えない。
「みんな!早く!!」
泣き声でフィオも叫んでいた。
仕掛けたことについて後悔していたのか、半分泣き声だった。
しかしやらなければこちらがやられる、そう自分にフィオは言い聞かせていた。
内心では「ごめんなさい、ごめんなさい」と叫んでいたに違いない。
しかし相手はそんな暇をあたえなかった。
「く!」
動きを感知した瞬間、フィオはシルフィードに掛け声をし、それに答えてシルフィードは鬣を立てた。
小型の飛行物体が射出され、それはその小さな銃口をキラードールに向けてシルフィードを囲んだ。
「ふふふ」
聞かないことを前に経験していたたま、彼はそれを無視し顔をある人物に向けた。
フェイスカノンしか残っていないキラードールの頭部の視線は今、リックとアーリーにより引きずり出されたフェナであった。
彼が何をしようとするのかすぐに感づいたフィオは小型飛行物体をフェナのすぐ側に移動させ発砲した。
「ふん」
しかし効果はまったくあらずステファンのキラードール一歩一歩フェナへとすすんだ。
アーリー、リックとミアは腰が抜けないようにせいっぱい三人をつれだそうとする。
だが、振動のもありそれがうまくいかない。
すぐ側まで来たとき、水道管がまた破裂し噴水が現れた。
それで腕を小さく動かし、アーリーが肩をかしているフェナをつかもうとしたとき、フィオは後先を考えず飛んだ。
嗅ぎ爪はキラードールの背中に食い込んだが、その勢いでキラードールが前に倒れた。
その左手げフィリスに肩を担いでいるミアに向かって落ちてきた。
「きゃああああああああ!!」
「ミアあああああ!!」
キラードールの腕は大きな振動と煙を上げそれは、ミアの上に落下した。
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