クリープの退職日記
〜私はこ〜やって会社を辞めました(笑)〜




〜第1章 告白編(笑)〜

1998年12月末日
それは、雪がシンシンと降り積も・・・・っていなかったが、とても寒い日でした。
いつもの様に遅くまで残って仕事をしていたその日、同じ方向に住むS係長と同じ電車に
乗り帰宅する事になりました。
謀らずしも、その日に電車の中で交わした会話は人事異動の件。


その前に、私の職場の事を簡単に説明しておきましょう。
本来、私の仕事はエンジニアですが、現在の職場は直接修理する部門では無く、
あるユーザの取りまとめ部門。
ユーザクレームから、作業管理やら、技術的アドバイスやらと、ハッキリ言うと
何でも屋です。
しかも、うちの会社内部で”転勤したく無い部署ワースト5”に常にランクイン
しているような部署でした(笑)。

S係長を筆頭に、主任、先輩3人、私、後輩1人の計7名が働いており、
一番この職場で勤続年数が長いのがS係長で次が私でした。
先輩3人はいずれも優秀な方ですが特殊な部門の為、2番目に長い私が
色々と切り盛りしていました。
あ、あと後輩が一人いますが、こいつは色々と問題を起こす(仕事も私生活も)、
ただのアンポンタン野郎なので、取りあえず無視します。


話の内容の人事異動の件というのは、3月(98年)に、一番勤続年数の長かった
主任が転勤したが、来年も誰か転勤するかも知れないという話でした。

同じ駅で下車し、通常であればS係長は乗り換えの改札へ、私はそれとは反対の改札へ
向かうはずでした。
しかし、私も乗り換えの改札へ向かって歩きました。

S係長 「あれ?おまえさんは、あっちの改札だろ?」
   「ちょっと、本屋へ寄ろうと思って。」
S係長 「ふ〜ん、そうか。で、さっきの話だけどUあたりが、転勤の可能性が高いんだよなぁ。
     まぁ、おまえさんがいるから、何とかやっていけると思うが。
     でも、いまの状態で誰かが転勤させられたらショックだよなぁ。」
   「・・・・・・・・もっとショックな事教えて上げましょうか?」
S係長 「?」

一瞬考えたが、言うなら今しかない!

私   「実は私、会社を辞める気でいます!
あぁ〜ついに言ってしまった。

S係長は一瞬驚いた表情を浮かべた後、神妙な顔をして言った。
S係長 「・・・・・・そうか。」
   「私も、色々と思う所がありまして・・・・。」
S係長 「おまえさんが、そ〜いう事を口に出して言ったって事はもう決めてるんだな?
     お前は自分で回答を出してから報告するような奴だからなぁ。相談したいって
     訳じゃなく、辞めるって結果を出してるんだろ?」
さすが数年同じ職場に居ただけあって、S係長は私の性格を的確に把握していた。

   「でも、直ぐって訳じゃありません。また時期が来たら話ます。」
S係長 「・・・・・判った。それじゃな。お疲れさん」
私   「お疲れさまでした。」

たった一言「辞めます」という言葉を言うのに、その日残っていた気力を全部使ったような気がした。
RPG風に言うなら、残りHP=1/100って感じで、スライムの攻撃でも死んでしまいそうな位だった。
でも、まぁ現実的にスライムに襲われて死んだって人を聞いたこと無いのでいらぬ心配なのだが。
別にドラゴンも倒しに行くわけじゃないし(笑)。

1998年がもうすぐ終わる、師走の寒い日の事だった。


続く


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