アシュランド(4):演劇の街

アシュランドの観光の目玉は、60年以上の歴史を持つシェークスピア・フェスティバルです。1935年に大学教授のアンガス・ボウマーが始めた小規模な演劇活動は、現在では全米から観光客が訪れるほどに発展しました。わずか人口17,000人の街が、全米で5番目に大きい劇団を持ち、2月から10月の8ヶ月の上演期間に600以上の公演を行い、350,000人もの客を集めているのは驚異的です。シェークスピアばかりでなく、その他の演劇やコンサートなども盛んで、住民にも親しまれていることも素晴らしいと思います。
充実した演劇環境:ハードとソフト

街には3つの劇場があり、最大のものは1,200席のエリザベサン野外劇場(写真)です。600席のアンガス・ボウマー劇場、140席のブラック・スワン劇場と合わせて、劇場の稼動率は93%と非常に高くなっています。これは、ハード整備ばかりでなく、街独自の劇団を育成したり、シェークスピア展示室を設けてレクチャーやコンサートも行うなど、充実したソフトの整備の成果と言えるでしょう。


地元密着の公演

リティア公園の一角には、1946年に建てられたバトラー記念野外音楽堂があり、コンサートやバレエが日常的に行われています。私が訪れた月曜は地元のバレエ団の公演が行われており、人々(殆どが住民)はピクニック気分でビーチチェアとお弁当持参でくつろいでいました。公演は無料ですが、幕間に寄付を集めており、皆さん快く寄付を出していました。バレエそのものも非常に素朴なもので、洗練されたバレエ芸術とは全く別物のようでした。舞台の目の前に大勢の子供達が駆け寄って、壇上のダンサーの踊りを真似してはしゃいでいたのが非常に可愛らしく印象的でした。地元密着の素晴らしさでしょう。


街には開拓の歴史も色濃く残されています

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