緑  〜 緑の中の風景 〜



今日のために生きよう
明日などあるか分からない

いつも一人 今日も明日も

不確かな私と
未知数のあなたが出会ったから
何もかも予想通り

あなたが私を見つめたら
私はしゅるると消えるから
魔法の国まで迎えに来てね

心が揺れたら 春の気配はすぐそこに

遥かなる国の王子様へ

     現の国の居眠りお姫様より

心はヴァイオリン
あなたの弦を待っている

ヒトカドになりたくて
ヒトカドにもなれない世の常

月並みになりたくて
月並みにもなれない
ごくごくあたりまえ

子猫のころから あなたが好きでした

ひとりで恋して ひとりで振った

笑いながら流す涙は 難解すぎて

うるさい家族の頭越し
テレビの音量 最大限に上げる

リモコンみたいに ひとを操れたら楽なのに

都合が悪くなると 急に話題を変える悪い癖

自分の今日の言動 思いやり
ワープロの取り消しボタンをそっと押す

一言多いわたし
しまったという時 既に遅し
友達の瞳 異様に輝く

満員電車に積み残されて
プラットホームに ひとり佇む

眠い講義
あたりを見渡せば
どこもかしこも同じ顔

出てこない子は とことん出てこぬ
大学の講義

みんな同じ子ばかりを好きになり
牽制球ばかり投げており

講義中 居眠りすれば
寝顔がかわいいと 皮肉られ

分からぬ授業は ノートとりつつ
異次元にトリップ

学校の屋上に立てば
心は翼をつけて飛んでいく

ブランコ揺れながら
こころはあの頃に 逆戻り









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