「異郷の国へのらせん階段」



柱時計の側に立つと
地球の鼓動が 聞こえてくる

緑の湖の底で
長い長い夢を見ていた気がする

永い眠りの後で
もう一人の自分に出会う

あなたのその言葉
今、胸に刺さった

抜けない刺のように
長い間 ズキズキと
私を苦しめ続ける

ガラスの鼓動が 静かに伝わってくる

長い空白を埋めるために
私たちに いったい 何が出来ただろう
言葉を置き去りにしたまま

心の融点は あなたがゴメンと
素直さ見せたとき

君の音楽が聞こえてくる

君が子供だった頃
僕はもう大人だった

今度は 君が大人になって
僕が子供に戻る番だ

真夏の夜の花嫁
白いヴェールの裾を
紫の風が 通り抜けた

君の声が聞きたい

君の声をまだ知らない

まだ見知らぬ君
そんな君に 思いのたけの
情熱をあげる

僕が同じ道をたどり着いた時
君はまだ待っていてくれるだろうか

それとも もう新しい道を
歩き始めているのだろうか

僕は君に追いつけないかもしれない

涙の色は
きっと 七色 プリズム色

真夜中の太陽
じっと僕を見つめている
そして僕も見つめ返す

永遠の沈黙を破ったのは 誰?

僕は静かに変化を続けている
ほら 今だって
体中を僕のwaveが廻るよ

みんなが耳を澄ませて
僕のwaveが君に伝わる瞬間を

きっと一番美しい時

いつか君と僕とは
区別がつかなくなる

真紅の首飾り
異国の娘の首すじを
妖しく彩り
それ自身 命を持つように輝く

夏のお嬢さん
頭をちょこんと下げて
僕にあいさつした

君の抜け殻は 余りにも軽い








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