There comes a time when I don't know what to do. I'm in the darkness, swallowed by unanswered questions. I'm in the dark, alone... No one is there to pull me out... But I'm not the only one... My brother is forever lost in the darkness. It's my turn to pull him out. |
「ふぅ〜‥‥」
オレは溜め息を付き眼鏡をとる。 朝からコンピューターの画面とにらめっこしている所為で目がかわききっている。 オレは‘プリント’にクリックしてコーヒーのお代りを入れに行く。 「‥‥‥‥もうこんな時間かぁ〜」 久し振りに時計を見てみると11AM‥‥‥。 コーヒーも冷たくなる訳だ。 コーヒーをレンジに入れ温める。 「‥顔も洗ってねーし‥‥。早く支度しないと…」 オレはプリンターから紙を取り 何度も読む。そして力が抜けたようにソファーに倒れる。 「‥‥これで、‥いいんだよな」 ニック‥‥。 答えは戻って来ない‥‥。 「さてと!」 オレは誤魔化すように立ち上がる。ボスに電話して今日中でストーリー提出できることを電話しないと。 ‘ピンポーン’ その時チャイムが鳴る。 「センパーイ? おれです〜。生きてますか〜〜」 チャド‥‥。 そーいえば昨日電話かけ返してなかったっけ? オレは唸りながらドアを開ける。 「‥よぅ」 「ようじゃないですよ…。昨日すぐ戻るって出て行ってそれっきりだし‥‥」 中に戻るオレの後に続き チャドはドアを閉める。 「あぁ、ごめん‥‥。今丁度 記事を終わらしたとこだ」 オレはソファーの上の書類を指しながらバスルームへ向かう。シャワーも面倒なので歯を磨いて顔を洗うだけにした。 準備をして出ると チャドが記事を手に読んでいた。 「コーヒーでも飲むか? 出来立てじゃねーけど…」 オレは新しいマグカップにコーヒーをつぐ。 「先輩…。‥‥‥これでいいんですか?‥」 オレはレンジのコップと入れ変える。 「何のことだ?‥‥‥オレが調べた限りニックは自殺した。良い悪いなんて読者が決めるもんだ」 「おれが言いたいのはそーいうことじゃなくて!」 チャドは書類をテーブルに置きながら立ち上がる。 「先輩はこれで満足なんですか?!」 オレは静かにチャドを見返す。そして‘ふっ’と小さく笑う。 「満足? オレは記者だ。オレが満足しよーがしまいが関係ないだろう? 重要なのは新聞を買ってくれる読者たちの満足感だ」 チャドはズシズジとオレに近寄って来る。 「嘘だ。…先輩は嘘付いている。そんなことちっとも思ってない癖に‥」 「オレの何が分かる、チャド? ‥‥どいてくれ‥‥仕事に行かないと‥‥。お前も今日仕事だろ?‥」 オレは殴りたい衝動を落ち着かせながらチャドを押しやる。…が奴はビクとも動かない。 「…チャド」 オレは奴を睨み上げるが 奴も怒りで顔を歪ませている。 「先輩…。この記事に満足しているかいないか答えて下さい。‥‥もし本当に満足しているならおれは何も言いません‥」 オレは奴の顔を睨み続けるが、口からは何も出てこない。 「先輩は今まで誰が何と言おーと自分が満足する記事になるまでdeadlineになっても提出しなかったでしょう?‥それをどうして今から…」 オレは奴の顔が見れず 下を向く。‥‥何も言えない‥。 チャドはオレの肩に手を置きゆっくりと言う。 「あんな記事‥‥もうみんな知っている情報しかないじゃないですか。‥‥‥先輩だけなんですよ?」 オレはチャドの顔を見上げる。 「先輩だけが、お兄さんの声になってあげられるんですよ?」 ああ、そうか‥‥。 オレ以外‥‥‥もうニックには‥誰もいない‥‥‥。 ‥‥‥‥オレしかいないんだ。 「‥‥オレ‥‥‥頑張ってもいいのかな‥‥‥」 オレがやっと口にした言葉は間抜けていた。 でもチャドはポンポンと肩を叩きうなずく。 「頑張って下さい。…お兄さんの為にも」 オレはチャドに微笑む。抱き付いてキスしたい衝動を理性で抑えながらジャケットを羽織る。 「どこに行くんですか?」 「‥‥ちょっと引っ掛かるとこがあってな。‥‥すぐ戻る」 オレは悪戯っぽい笑みを作り外に急ぐ。 「あ、先輩!! 鍵っ―‥‥って聞いてないな‥‥」 ―ケネスはすでにいない。 チャドは‘はぁ’と溜め息を付き苦笑する。 「ボスにも電話しないで‥‥。全く‥‥仕方ないな〜」 頭をかきながらテーブルの書類をゴミ箱に入れる。 Part 8: End Back top Next |