順ちゃんは、知り合ってからまだ1年にもならないのに、すっかり最高の親友の一人になっている遊びの達人です。msn.を通じて知り合ってからは、冬から春先までは毎週のように連れ立ってスキーに狂い、初夏は自転車でトレッキング、盛夏過ぎからはインラインスケートにと飽きもせずによく一緒に遊んでくれました。

話が合う、趣味が近いというばかりでなくそもそもとってもナイスガイの順ちゃんですから、スパイダーを任せるのも安心です。遥か4時間もの道程をわざわざ引き取りに来てくれるのですから・・・と、昨夜のうちから駐車位置を確保、今日、10月12日はちょっとお掃除をして、嫁入り支度を整えました。タイヤのエアーも十分。オイルも確認し、準備万端整った感じです。本当はもっときれいに洗車してあげたかったのだけれども、もう何年もワックスをかけていないために塗装には力がなくなっていて水拭きだけではあまり綺麗になりませんでした。

我が家に残っていたオイルや部品も積み込み、書類を確認。そうこうしているうちに、順ちゃんが現れました。ワシントン・ナショナル空港までレンタカーで現れて、そこから地下鉄に乗り継いでやってきたのです。ちょうどお昼時だったので取りあえずランチ。ピザをぱくつきながら、スパイダーの様子を説明します。つい数週間前、エア・ショーとスケート(笑)のために順ちゃん宅を訪れたばかりなのに、これでしばらくは逢えなくなっちゃうんだなあ・・・なんて思うとちょっと悲しい。

自宅に戻ってから、順ちゃんへのお土産(笑)を準備。名ばかりで実態はがらくたの山なのですが、とにかく貧乏性なので捨てたくないし使えないものでもないというモノを強引に順ちゃんに押し付けて、活用していただくことにしたのです。大半は食料品、多少のぬいぐるみ(笑)。それから、手持ちの資料でフィアットの説明。私がこれまで情報を得てきたクラブやショップを解説したわけですね。



そしていよいよ、クルマの説明。イグニション、ドア、トランク、防犯ロックと4つに増えたキーの説明に始まり、ボンネットの開け方からトップの開け閉め、トノカバーなどなど。説明していくうちになんだかますます離れがたい気分になってしまうのは致し方のないことなのだろうか。そしてつい車体に頬を摺り寄せたり、離れがたく抱きしめたりしてしまうのでした(笑)。



しかしいつまでもぐずついてはいられません。暖かいとはいえ秋の日差しですから、長距離をオープンで走るにはちょっと寒くなる時間に差し掛かってしまっています。子供たちも待っている(・・・今日も宿題していたのかなぁ・・・)(笑)。そこで、流れる涙を拭いつつ、キーを順ちゃんに手渡し、ついにオーナーは交代となりました。順ちゃん夫妻が嬉しそうに乗り込んでくれるのが本当に最高の救いでした。夫婦揃ってとても素敵な二人なので、きっとスパイダーも幸せに違いない。そう信じて、彼らを先導しつつ見送りにインターステーツまで走りました。




思えば、このスパイダーを別の車から眺めるのは生まれてはじめてだったわけです・・・ミラーに写るスパイダーを見ながら、ポトマック川沿いのジョージ・ワシントン・メモリアル・パークウェイを抜け、州間道路のI-395に。やがてスパイダーはランプから降りる私を追い抜き、大きく手を振る二人を乗せて消えてゆきました。霞んでみえたのは、きっと夕陽のせいだけではなかったんでしょうねえ・・・・。

順ちゃん夫妻は無事、4時間ほど後に着いたという連絡をいただきました。きっと、初めての車を長時間運転してとても疲れたと思います。そうでなくてもアメリカの州間道路を抜けるにはちょっと小さくて力不足なクルマだし、オープンってのは気持ちはいいけれども、風に当たるし音も凄いので結構疲れるのですよね。ごくろうさま。そして、本当にありがとう。これから、甘やかさずに可愛がってあげてくれると信じています。