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第2編 中辺路

さて、今回は紀伊半島をぐるりと一周するコースではなく、内陸を横断するルートです。前ページの地図にもありましたように、中辺路(なかへち)と呼ばれる、熊野大社参詣の古道をたどります。

そしてその主たる目的は…

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arw_left.gif (916 バイト)「熊野古道なかへち美術館」だ!。arw_right.gif (916 バイト)

 

妹島和世という女性建築家の設計によるこの建物は、雑誌発表のさいにいつも目を引く彼女の作品のなかでも特に印象的でした。どうしてこのような場所に有名建築家による設計が実現したのか、不思議でしたけれど、クレジットをよく見ると「総合プロデュース 博報堂関西支社」とあり、おそらくは4月末から開催される「南紀熊野体験博」をからめた核施設としても考えられているようです。

リンク…南紀熊野体験博ホームページ

雑誌の写真ではなかなか判らないことですが、素晴らしい敷地に建っていました。盆地状に窪んだなかにある平地で、低い山々が周りを取り囲み、鳥の声がそれらに反響してとてもよく響きます。サンクチュアリ的な場所です。

建築家は、ここに美術館を建てるのに、全体を一層とし、必要諸機能を外部に突出させるというプランニングを基本としてこの建物を計画しました。風景の中で、不定形に突出する各部分が外観に動的な印象を与え、静かでありながら動きのある、魅力的な建物となっています。


細部の計画も彼女らしく、外壁は縦長のプロポーションのガラスと墨色の鋼板が上から下まですとんとあり、それが水平に連続するという構成で、上端にはパラペットも外部樋もありません。フッ素樹脂塗装したステンレス鋼板を屋根に使うという方法で、高価に、対処しているわけです。一般的な解決法に比べれば不具合を生じやすいわけですが、それによってこのデザイン意図が発揮できたわけですから、悪いこととは思いません。
naka_wall.jpg (5569 バイト)arw_left.gif (916 バイト)ガラス、カラー鋼板には、ともに、このようなパターンをシルクスクリーン印刷した塩ビフィルムを全面に貼っています。(このページに使用している背景はこの写真から作りました)。
glass72.jpg (8361 バイト)arw_right.gif (916 バイト)こちらはガラスのほうのパターンを見た写真です。紫、青、緑、黄色の物体は、ガラスの向こうのサロンに置かれた椅子です。白大理石の床とポリカーボネートの壁で構成された空間に置かれたこれらの彩度の高い椅子が劇的な効果をあげています。
hannyu.jpg (7554 バイト)arw_left.gif (916 バイト)こちらは搬入用車路。コンクリートに凹凸をつけ、隙間に黒い砕石を入れるという単純な方法で白黒のストライプをつくっています。「やられた!」と思いました。

road.jpg (4080 バイト)arw_right.gif (916 バイト)というところで日が落ち、ヘッドライトをつけて、今度はふたつの温泉に向かいます。「渡瀬」と「湯の峰」です。

「わたらせ温泉」は、パンフレットによれば「西日本最大」の露天風呂だそうで、じっさい、内湯がひとつと、露天風呂が5つ、男女それぞれにあり、広く快適な温泉した。さらに休憩所、食堂、売店、3つの宿泊施設も併設されています。それだけの需要があるということなのでしょうね。泉質は重曹泉です。

食堂で、夕食として「さんま寿司」「めはり寿司」をいただきました。どちらも熊野名物なのだそうです。さんま寿司はさんまを酢じめしたもの一匹分が載っている寿司、「めはり寿司」は、おむすびを高菜葉でくるりと包んだものです。どちらもなかなかいける。

yunomine.jpg (7832 バイト)arw_left.gif (916 バイト)渡瀬から2kmほど奥まったところにある「湯の峰」温泉は、渡瀬の大規模さと対照的に、鄙びた情緒が存分に漂う、山あいの温泉町でした。暗かったので写真がうまく撮れていませんが、湯の湧く川越しに、地元の鎮守の神社、さらに小高い山に奥の院(のようなもの)があるのが望めます。「つぼ湯」という名物風呂があり、川の中に作られた小さな湯船を小屋で囲んだものですが、これはとても狭く、交代制であるそうで、時間の都合上、今回は共同湯のほうに入りました。

泉質が「重曹硫化水素泉」、温泉地全体が硫黄の匂いに包まれています。僕は硫黄系が好みなので、たいへん気に入りました。源泉を飲んでみると、これが「おいしい」。ハーブティーを飲んでいるような感じです。久住の寒の地獄のようにインパクトのあるものではなく、馴染みやすい味です。

ume.jpg (6883 バイト)arw_right.gif (916 バイト)湯上がりには、近くの土産店で売られていた、パック詰めをしただけの、いかにも手作りの梅干を購入して帰りました。いま毎日食べていますが、なかなかおいしいです。とても酸っぱくて、とても塩辛い、昔風の梅干です。

ふたたび車に乗りこみ、熊野本宮大社に向かいます。もちろん参拝する積もりで行ったのですが、たどり着いていざ車を降りて参道入口の鳥居から本殿方向を見ると、一つとして明かりがなく、真っっ暗です。これはちょっと怖くて、残念ながら本殿までは行かずに、鳥居からの参拝で済ませました。

hongu.jpg (9535 バイト)arw_left.gif (916 バイト)…本当はこの本殿に参拝するはずでした。
(写真提供:熊野本宮大社)

山中は少し冷えてきたので、海岸に出てから眠ろうと思い、熊野市へ向かいました。深夜12時頃、熊野市の少し外れに、その名も「磯崎」という小さな漁村を発見しました。今夜はここに車をとめて眠ることにします。

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最終更新日00/11/09