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第2編 中辺路 |
さて、今回は紀伊半島をぐるりと一周するコースではなく、内陸を横断するルートです。前ページの地図にもありましたように、中辺路(なかへち)と呼ばれる、熊野大社参詣の古道をたどります。 そしてその主たる目的は… |
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妹島和世という女性建築家の設計によるこの建物は、雑誌発表のさいにいつも目を引く彼女の作品のなかでも特に印象的でした。どうしてこのような場所に有名建築家による設計が実現したのか、不思議でしたけれど、クレジットをよく見ると「総合プロデュース 博報堂関西支社」とあり、おそらくは4月末から開催される「南紀熊野体験博」をからめた核施設としても考えられているようです。 |
リンク…南紀熊野体験博ホームページ |
雑誌の写真ではなかなか判らないことですが、素晴らしい敷地に建っていました。盆地状に窪んだなかにある平地で、低い山々が周りを取り囲み、鳥の声がそれらに反響してとてもよく響きます。サンクチュアリ的な場所です。 建築家は、ここに美術館を建てるのに、全体を一層とし、必要諸機能を外部に突出させるというプランニングを基本としてこの建物を計画しました。風景の中で、不定形に突出する各部分が外観に動的な印象を与え、静かでありながら動きのある、魅力的な建物となっています。 |
細部の計画も彼女らしく、外壁は縦長のプロポーションのガラスと墨色の鋼板が上から下まですとんとあり、それが水平に連続するという構成で、上端にはパラペットも外部樋もありません。フッ素樹脂塗装したステンレス鋼板を屋根に使うという方法で、高価に、対処しているわけです。一般的な解決法に比べれば不具合を生じやすいわけですが、それによってこのデザイン意図が発揮できたわけですから、悪いこととは思いません。 |
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![]() ![]() 「わたらせ温泉」は、パンフレットによれば「西日本最大」の露天風呂だそうで、じっさい、内湯がひとつと、露天風呂が5つ、男女それぞれにあり、広く快適な温泉した。さらに休憩所、食堂、売店、3つの宿泊施設も併設されています。それだけの需要があるということなのでしょうね。泉質は重曹泉です。 食堂で、夕食として「さんま寿司」と「めはり寿司」をいただきました。どちらも熊野名物なのだそうです。さんま寿司はさんまを酢じめしたもの一匹分が載っている寿司、「めはり寿司」は、おむすびを高菜葉でくるりと包んだものです。どちらもなかなかいける。 |
![]() ![]() 泉質が「重曹硫化水素泉」、温泉地全体が硫黄の匂いに包まれています。僕は硫黄系が好みなので、たいへん気に入りました。源泉を飲んでみると、これが「おいしい」。ハーブティーを飲んでいるような感じです。久住の寒の地獄のようにインパクトのあるものではなく、馴染みやすい味です。 |
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ふたたび車に乗りこみ、熊野本宮大社に向かいます。もちろん参拝する積もりで行ったのですが、たどり着いていざ車を降りて参道入口の鳥居から本殿方向を見ると、一つとして明かりがなく、真っっ暗です。これはちょっと怖くて、残念ながら本殿までは行かずに、鳥居からの参拝で済ませました。
山中は少し冷えてきたので、海岸に出てから眠ろうと思い、熊野市へ向かいました。深夜12時頃、熊野市の少し外れに、その名も「磯崎」という小さな漁村を発見しました。今夜はここに車をとめて眠ることにします。 |
第3編 熊野市へ |
最終更新日00/11/09