文学雑誌 「メランジュ」web・日本語版 | 英語トップページ | 日本語トップページ |
メランジュ 第2号 2001.7
編集者より
詩
短編作品
連載小説
リレー連作 |
ありがとう
君が僕にしてくれたこと 全部 とても感謝してる これは 僕が一番伝えたかった けど結局伝えられなかった言葉 2人が出逢う前から 未来がどうなるか わかってた 僕は自分の運命を変えようと 必死になってもがいてた 世界中を敵に回した独りの傷だらけの戦士 君が知ることはないだろう でもそれで構わない 君がどんなふうに僕を見てたか 君がどんなふうに僕を畏れてたか 気づいてた それは君のせいじゃない 全て 僕が悪い それは きれいな結末 ハッピーエンド なんてものじゃなかったけど それでも君には感謝してるんだ あの夜に あんな目に遭わされても 僕が悪かった 叶うはずのない 無理なことだった 恐れていたことが現実になった 2人とも 傷つくこと 恐れてた 実際は 2人とも 傷ついたのかも それでも君にありがとうと伝えたい 君を憎んだり 怒ったり 責めたり なんてしない 君は僕を変えてくれた つらく長い螺旋から救い出してくれたひと もしまだ良心の呵責に苛まれているなら それを解き放ってくれ 感謝の気持ちと すまなかったという思いしか 今の僕にはないから 君に ありがとうと言いたくて 君が僕にしてくれたこと 全部 とても感謝してる これは 僕が一番伝えたかった けど結局伝えられなかった言葉 |
Copyright (c) 2001 Writers' Group The 8th Continent. All rights reserved. | グループについて | メランジュ作品館 | ご感想・問い合わせ |