文学雑誌 「メランジュ」 日本語web版 英語トップページ | 日本語トップページ

メランジュ第3号 2001年10月

編集者より
Guaranteed satisfaction - where did a deep impression dissapear? [英]/
約束された満足 感動はどこへいった?
[日]


Lonely Humanity (哀しき人類)[英]
Veteran (退役軍人)[英]
Guitar (ギター)[英]
inner child
[英]/ インナーチャイルド〜心に眠る子供〜 [日]

Cactus I / II [英]/サボテン[日]

マルチリンガル・ページ:英語
ロビー・ピーターソンとのインタビュー
英語学習者とのインタビュー

映画評論
Are dinosaurs getting too old for Hollywood? - Jurassic Park III (ハリウッドに恐竜は使い古しではージュラシックパークIII)[英]

連載小説
アドニス・ブルー(3)[英][日]

ゲストコーナー
Story of Strawberries: Bedtime Story for My Sister (いちごのおはなし:妹への読み聞かせ話)[英]

グループ作家陣について

サボテン

そう わたしは花束が大きらい
薔薇だのチューリップだのこすもすだの
町の娘も村の娘も
醜くしか生きられないわたしのために
この美しくドレスアップした花たちは死にかけてゆく
ほら いまにも 

そう わたしにサボテンをください
その太ったお腹に
たっぷりと生命の泉をたぎらして
光や 喜びや 痛みやかなしみをも

黙々とうけ止めて豊かにしている

いのちみじかいわたしにサボテンを
永遠だと嘘をいって
そうしたらわたしは夜のうす灯りに身を落として
泣くようにひっそりと永い眠りにつけるから


サボテンII

そう わたしは永遠を愛す
熱射の太陽のもと
棘一本にもあまさずそそいで
永遠のいのち 永遠のひかり
永遠のやさしさ 永遠のたしかさ

よどみなく 果てのない それらをください

そう わたしに永遠という名の嘘をください
やすものでいい にせものでいい
葉の胎内に永遠なる水源をやどして
そこからいくらでも与えうるように
渇いた我が身に恵みうるように

朽ちてゆくわたしに養分に富む液体を
枯渇れない泉だとやさしく騙して
そうしたらわたしはそれを大事にとっておいて
いつか使うわと宝箱にしまっておくから

たかみね あかり

この作品を英語で読む
著作権 (c) 2001 Writers' Group The 8th Continent. All rights reserved. グループについて | メランジュ作品館 | ご意見・ご感想