Tran-DS
The Side Story of Tolled Armor Tran-D
Chapter 3: Tran-DS Eliminated
part6

がしゃ!という音と共にTran-DSは地面に落下した。
同時にフェナはスクリーンに頭を強打する。

「がっ!!」

意識がなくならなかったのが不思議なほどであった。
額に大きな傷が現われ血が流れ始める。
スクリーンは死んでいるため外の状況がわからない。

「・・・・・」

意識をはっきりさせようと頭を左右に振るが気分がよくなるよりさらに悪くなった。
脳震盪がを起こしたのか頭がくらくらする。

「う!!!」

吐き気が生まれ、我慢できずそのまま吐いてしまう。
黄色液体が服の上に流れた。
胃液のいやな匂いがコクピットを充満する。
それを気にせずシステムを回復させようとする。
奇跡的にリアクター無事のようだがスクリーンには無数ともいえるエラーが表示されていた。
メインコンピューターはできるだけ使えるものを探そうとシステムチェックを行っていた。

「Wile?」

-i........e..........s, sususususususususus?-

Wileもただではすまかったらしい。

-re......bo.....t.......g..... ssususussus......tetetetete...... m.m.m.m.m.m.m-

システムを再起動しますといいたいのであろう。
それがうまくいったのかE-TRONの機動パターンがスクリーンに表示されるが、

L^%#@ su*&%$#....#.....#$@#$%%$^&&*
%^$#
weapons......of#$%*e

L$#%$ing Weapon and Attack pat$%n data...................File %$^%^6

Error
Error
Error

Bad command or File name
Bad command or File name
Bad command or File name
Bad command or File name
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please wait a moment...................

初めの方は理解できない文字が現われた。
しかし時間につれ自動回復システムがあるかのように自己診断をE-TRONは実行していった。
使えない部分を切り捨て、機体を使えるようにしていった。
やがて頭部のセンサーが回復し外の様子が現れた。
フェナはその光景を見ない方がよかったかも知れない。
いや、見なければいけなかった。
トランゼスSは仰向けに倒れており、胸のところは黒く焦げていた。
装甲は健在であったため、真紗緒は無事のように見えた。
しかしシャトルのほうは炎上していた。
コクピットはなくレイピアの形は見分けが着かないくらいにひん曲がっていた。
格納庫は無事であったがそれは一瞬のことであった。
推進剤に火が移ったのか融爆がおこり、かけらを飛び散らされた。
赤い炎は激しく残っているものを焼き、黒い煙がもうもうとあがった。
その時スクリーンに大きな手が現われ頭部を掴んだかのように機体が持ち上げられる。
赤い機体がその目を黄緑に輝かせながらTran-DSを覗いた。
ぶれるスクリーンに通信ウインドーが開く。

「美しいあなたには似合わないありさまですね」

いやな笑みをしたステファンの顔が現れる。

「おお、その服よく似合ってますよ」

フェナが着ている黒いドレスを彼は誉めた。

「誉めてもらってもうれしくはないわ・・・」

はき捨てるようにフェナが返事をする。

「おやおや、昔の恋人そんなことをいうのかね」

「あんたなんかしらないわ」

ふふんと笑いステファンはまた気味悪く笑う。

「すぐに思い出させてやりますよ」

その一言に対し、フェナはペッと唾を通信ウインドーに飛ばした。
それを見てステファンは逆上したのかもうひと腕でTran-DSの胸部を強打する。
まるで振り子のようにTran-DSは大きく揺れた。

「きき、わけの、ない子、ですね!!!」

何度も何度も殴りTran-DSを揺さぶる。
衝撃がフェナの頭に響き、痛みを増倍させた。
その衝撃でなにかの回線を再び接続させたのか、エラーの原因となったものは消え、スクリーンに「System OK!」と表示される。
しかしモーションプログラムを使えるにはまだ時間が必要であった。
なにもできないうちにステファンは殴りを止め、シャトルの方へ発砲した。
新たな爆発が起こりシャトルは跡形など残らなかった。

フィオが乗っていたシャトルが消えた。
フィオが消えた。
フィオが!!
そのことがフェナの心を直撃し、彼女の内側からなにかが込みあがってくる。

「フ、フィ・・・フィオ?」

涙が流れ始める、止めることができない。
そして・・・・
「い、い、いやあああああ!!!!」

まるで全次元聞こえるかのフェナは悲鳴をあげた。
手で顔を覆い、現実を否定しようと頭を左右に激しく振った。
その悲鳴はどうしてか真紗緒に聞こえた。
おそらくブレスレットを通してであろう。

「う!」

激痛が体中に走った。
スクリーンに目をやると「Sleep Mode」と表示されている。
真沙緒はすぐにシステムを目覚めさせ、自己診断をさせる。
異常はほとんどみられず、至近距離でのあの一発を絶えたトランゼスSに真紗緒は感動した。
しかし感動はする暇もなく痛みをこらえ真紗緒はトランゼスSを立たせた。
そして周りをみるや、Tran-DSを発見するとフェナの名を叫んだ。

「ほほう、貴方もなかなかしぶといですね」

「しぶとさは私の取り柄のひとつなので・・・・フェナを離しなさい!!」

その一言を聞いてステファンは肩で笑い始めた。

「はははははは!!君はどうやら自分が置かれている状況をわかっていないようですね」

その一言と同時に戦艦が頭上に現れた。
そして彼女を囲むように数多くのTAが現れる。
すべての機体が自分にロックを定めていることをトランゼスSが教える。

「ふははは!!貴方には死んでもらいましょう・・・さあ、フェナあなたは我々にたてつくものがどうなるかよく見ていなさい」

「く!」

システムが回復していてまだモーションプログラムを修正中のTran-DSはただ見ていることしかできなかった。
その時、小さな声が真紗緒とフェナの頭の中に響いた。
まさか!とおもいながら、フェナはシャトルの残骸の方へと目を向けた。
激しく燃えている炎しか目に映らない。
しかし声は確かに頭に響いている。
その声が何か指示をだした。
表情を変えずその声のいうことにフェナは従った。
気が付かれないようにフェナはコントロールステッキを握り、パターンを入力準備をする。
それに気が付かず攻撃開始の命令をするかのようにステファンはガルーの手を上げた。
そして振り落とそうとした瞬間

『いまよ!!!!』

という掛け声と共に炎の中から三連の赤い光線が発せられ、トランゼスSを囲んでいた敵を消した。
それを隙に真紗緒は発砲しながらシャトルの残骸の方に移動した。
フェナは右腕のナックルショットを放つ。
ガルーの腕を破壊することはできなかったが指をゆるめることに成功し、バックパックの生きているスラスターを使い同じくシャトルの方へと飛んだ。
テールバインダーがなければできない芸当である。
そしてそれと同時にべつな方向から光線がきた。
敵は混乱状態になり、炎から放たれるものと別方向からくるものに落とされていった。

「なんだ!!なにがおこったのだ!!」

ステファンは今おきてる出来事を信じられなかった。
頭上にいる戦艦も慌て始めたかのように転進しようとバーニヤを吹かしていた。
センサーを見ると正体不明の小さな機影が無数にと戦艦らしき機影が六つ現れていた。
その中にもう一つ正体不明の機影があった。
そのエネルギー反応をみてステファンの背筋は氷ついた。

「き、キラーアニマルだとぉ!!」

その言葉を発した瞬間なにかが彼に突撃して来た。 大打撃がガルーを襲った。

「がああ!」

爪痕が装甲に現れる。 体制を立て直す暇も与えずそれは再び仕掛けきた。
よけきらず、ガルー再び攻撃を食らう。

「く!」

しかし彼は焦らず冷静さを保ち相手の正体を見ようとする。
今度はまるで噛み付こうと影は攻撃してきた。
それを受け止めようとステファンはガルーの右腕をだす。
がきゃ!金属がぶつかり合う音がし、相手の動きはとまった。
相手の姿を見たステファンはの頭の中は白くなった。
白金の獣・・・・・それは彼らが数千年前に滅したはずのキラーアニマルであった。
血より濃い赤い目を輝せ、それはゆっくりとガルーの腕を噛みつぶしていった。
まるで木が折れるような音と共にガルーの腕は千切れた。
小爆発が起こりバランスが崩れる。

『ステファン!何をやっている!!』

中村准将が叫ぶ。
スタークラスター級のタツナミからまるで小さな蟻のようにTAが降りてきた。
ほかの船からも発進されている。
それを許さないかのように艦隊の後方より無数の光が発せられ、地上にたどり着くまえに撃退していった。
だが無事着地するものも十分いた。
そのためキラーアニマルは完全に包囲される。

『ふん』

とその操縦者は鼻で笑った。

『いくよ!シルフィード!!』

まるで同意するかのようにキラーアニマルは咆哮をあげた。
いくつかある鬣のようなものを立たせ、小さな飛行物体を放った。
その一つ一つにまるで意志があるかのように動き回り、主を囲んだ。

『いけ!!』

そして掛け声とともにそれらは自分の目標を定め、動き回り光を放った。
あまりに早い動きをしているため抵抗もできず敵機は落とされていく。
頭上の艦隊は主砲を撃ち始めていた。
そして何かがそれに返事をするかのように彼方から何かが発砲する。
1隻にそれが命中し轟沈させられる。
船体はそのまま地上に落ち四散しながら地面を大きく揺らした。
艦隊戦が繰り広げられ始められた。

「フェナ大丈夫?!」

自分のことは気にせず、上半身しかないTran-DSを見ながら真紗緒は叫ぶ。

「あんまり大丈夫ではない」

素直にフェナは答える。
彼女の視線は頭上に浮遊しているスタークラスターのタツナミに集中していた。

「Wile・・使える武器は?」

-・・・・・I do not ad・・・・-

「いいから早く!!」

反論できる前にフェナはWileに武器探索をさせた。
その結果、使えるものはというと頭部のバルカン砲と右腕のナックルショットと制御フィールドが崩壊寸前のプラズマソードと判明された。
ハードポイントに装備されている使えないものは排除しスラスターを全開にしTran-DSはタツナミへと飛び立った。

「フェナ!何を!」

真紗緒が叫ぶがついていくことができる前に敵がプラズマソードで襲ってくる。
プラズマソードを再び二刀流に構え、一本で相手の攻撃を受け流しもう一本で胴をねらい両断する。
もう一機が左から迫ってくる。
さらに警報がなりもう一機が右から攻撃してくると真沙緒に知らせられる。

「く!」

両機をプラズマソード一本ずつ対応するが、それからは押し合いが始まる。
片手で応戦しているため腕が震える。
ぴーーー!警報が再び鳴り後ろと前から敵が来てることが教えられる。
目に血が入っていることと地面にたたきつけれらた時のダメージのせいで頭がよく回らない。
なんとか前方の敵を蹴りで倒すが後方の敵はどうしようもない。

-やられる!!-

と思った瞬間その敵はなにかに後ろからくじ刺しにされた。
ゆっくりと倒れる機体の後ろから、自分の機体によく似た白い機体があらわれた。

『どうやら間にあったようだな』

「え?ベルガー大尉?」

聞き覚えの声が通信機から流れてくる。
頭上に数多くのレイピアとハイ・ランツが飛んでいく。
飛行用のパーツを排除し、それをまるでミサイルかのように使いハイ・ランツは着地し数多くの敵機に応戦し始めた。
同じ方向から強力な艦砲射撃が撃たれ、20隻の船を次々と轟沈させていった。

『しかしいい機体だな、このトランゼスというのは。おまえに先に譲られた理由がわかるぜ』

そういいながらベルガーは近づいてくる敵をレーザーライフルでいとも簡単になぎ倒していった。

「あの、大尉その機体いつ?」

トランゼスが使用されていることに驚いた真紗緒がたずねる。

まだ発表もされていない機体だ。
いくら軍でもそうそう手に入るはずがない。
『ああ、地上に降下した時に5機がラグナス重工の折り紙つきで導入された。艦長が手をまわしたらしい・・・おしゃべりはここまでだ!野郎どもやるぞぉおお!』

「はい!」

真紗緒もほかのパイロットと同時に返事をした。
それにまるで同意するかのようにトランゼスSの目は眩しく光った。

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