Tran-DS
The Side Story of Tolled Armor Tran-D
Chapter 6: The End and a New Beginning
Part 15
「ううう・・」
フィオは足元をふらふらさせながら、通路を歩いていた。
頭痛が時間につれ強くなっていく。
まるで、頭がはちきれそうな気分だ。
「はぁ、はぁ・・・」
目がかすんでくる。
フェナに会ってから・・・。
フェナに会ってから調子がおかしくなった。
そのことがが彼女への憎しみを増やした。
あの人がいなければ、自分は・・あそこを離れることはなかった。
あの人がいなければ、自分は・・・今ごろ幸せに。
あの人がいなければ、自分は・・・寂しい思いをしなくて済んだ。
あの人がいなければ、自分は・・・毎日泣き寝入りしなくて済んだ。
あの人がいなければ、自分は・・・
あの人がいなければ、・・・。
あの人がいなければ、・・・。
あの人がいなければ、・・・。
(あの人がいなければ、私はどうなっていたの?)
「?!」
最期の一言。
フィオは驚いて目を開いた。
ずぎ!激しい痛みが頭を襲う。
頭を抱えてフィオはいつもまにか走りだしていた。
(なに?なんなの?なんでこんな?)
フィオの胸に突然、どうしようもないほどの、恐怖と寂しさが広がった。
無が夢中にそれから逃げようとする。
しかし、それはついてくる。
それももちろんこと。
すべて彼女自信の中から生まれてきているのだから。
「うああ・・・」
ぬれたものが頬を伝い、目をぼやかす。
しかし、それは何故かものすごく冷たかった。
その時、ずずんと短い激しい揺れが周辺を襲った。
ふらふらのフィオはそのため倒れてしまう。
怪我はない、大した振動ではないからだ。
だが、それがさらにフィオを恐怖に落した。
「怖いよう・・・だれか、助けて」
頭の中ではぐにゃぐにゃと変な感触が襲う。
思考がぶつかり合い体がそれについて行けない。
吐き気が波のように襲い、ひいていく。
フェナを殺さなければならないという声と激しくそれを否定する声が発生している。
今のフィオはその両方の感情のぶつかりあいの間にいる感じであった。
なんとか立ちあがり、廊下を進んでいく。
体がおかしい。
針が全身に突き刺さっているような痛みが襲っている。
そして同時に、フェナとあったあの場をあのような形で離れた後悔が体の内側にあった。
「はぁ・・はぁああ」
だるい、体が痛い、熱い。
体から吹き出ている汗が今きている服を肌にくっつかせて気持ち悪い。
風呂に入って流したい、あの人と。
「フィオリーナ・・・」
誰かが自分を呼んでいる。
しかしそれは男か女なのかわからない。
誰かが自分の頬に触れてきた。
「お母さん・・」
何を言ったのかフィオは分からなかった。
しかし、その言葉で相手の手が固まった。
そして誰かがため息をする音がする。
「やっぱりあなたではだめでしたか」
(な、なにを?なにがだめなの?)
「気持ち悪い・・・助けて・・」
「そうですか。ならばあなたの不快感をなくす方法を教えましょう」
人物がその一言をいった同時に首に鋭い痛みが襲い、フィオが自分の体の中に何かが強制的に流しこまれるのを感じた。
「うあああ」
「ふふ・・・。あの女を殺せば、あなたは気持ち良くなりますよ」
体がさらに熱くなっていく。
「そう、あの女、フェナを殺してきなさい」
○
「ぐ!!」
稲妻が自分の機体を襲う。
その次に激しい振動。
「な、なんなの?!」
『核爆発よ…』
通信機からフェナの声がする。
なんで?と真沙緒は思ったが、7年前に人類が使った切り札のことを思い出した。
「ま、まさか、フォースリング艦長が!」
『それとは違うわ、この衝撃は地下から来ている』
「地下からって?」
『地上で使ったら、私達は無事にすまない。 電磁波の方はTAには対応ついているから大丈夫』
フェナの口調が変わったように真沙緒は感じた。
何か生気が感じられない。
これはまるで。
「フェナ?」
『大丈夫・・・・。』
息が荒い。
フィオに打たれた傷が大したことはなかった。
応急処置で血を止めることが出来たが、痛みは存在する。
痛み止めを進めた真沙緒だったが、フェナはそれを拒否した。
フェナには肉体より精神的なダメージが大きいのだろう。
肩を押さえてコクピットに戻ったフェナは、真沙緒には泣いているように見えた。
なんとか早くフィオを見つけたいと真沙緒は思った。
そのとき。
ピピ−!!
「え?!」
警告音が発生される。
同時に廃墟の影からビームが放たれた。
真沙緒はそれを簡単に避け、反撃をするが相手はうまく建物の後ろに隠れた。
「く!」
舌打ちをする真沙尾緒。
これからどうするかと一瞬動きを止めたとき、赤い影が彼女を通りすぎた。
いうまでもなく、Tran-DSzである。
背中に収められている大検を構えるとはTran-DSzはキラードールがいる角へ突っ込んだ。
しかし、爆発は起こらなかった。
金属がぶつかり合う音がしただけでその後は動きの様子はなかった。
真沙緒は慎重に動き、角に着くとライフルを構えたまますばやく出た。
そこには、倒れている首なしのキラードールとかがんでいるTran-DSzがあった。
「ふう」
緊張が一気に抜け、真沙緒は索敵を行った。
先ほど起きた核爆発のせいか、空は静かになっており他に動く気配もない。
TAならびに戦闘機のスターレイピアは一応対電磁波コーティングが施されている。
爆発に巻きこまれたら一たまりもないかもしれないが、電磁波には一応耐えられる。
そっと、頭部を回し、フェナがなにをやっているのか調べた。
Tran-DSzは手を倒されたキラードールの胸の上に手を飾らせており、指先からはいくつものワイヤが伸びていた。
なにかデータを取り出しているのだろうか?
ビビ!
と電子音がなる。
とそれとも同時に真沙緒のディスプレイに新しいウインドーが開き、データが流れこんできた。
なにか地図のようだ。
「ここの構図が分かった…」
「え、ええ」
恐らくキラードールに搭載されているコンピューターにハッキングをかけてひっぱりだしたのであろう。
しかし、フェナはまだ何かを取り出しているのか動こうとしない。
「く・・・」
聞き間違いだったかもしれない。
フェナが何かを飲みこむような声が通信機から伝わった。
そして・・・。
グシャ!
その音と思ったら、Tran-DSzの拳は深くキラードールの胸にめり込んでいた。
しかし、そこでは終わらなかった。
グシャ!がシャ!グシャ!
Tran-DSzは何度も、何度もキラードールを殴りつけた。
「ちょ、ちょっと」
止めようと真沙緒はTran-ZSSの腕を伸ばし、Tran-DSzの肩に触れた。
『あ、あはは・・あははは・・・』
から笑い。
その声を聞いて真沙緒は悪寒を感じた。
「フェナ?」
どうしたのかと問い出そうとしたとき、Tran-DSzは荒々しくTran-ZSSの腕を払った。
そして向きを変えるとジャンプをした。
スラスターがまぶゆい光を出し、Tran-DSzは島の中央へと再び向けて飛び去った。
真沙緒はただ、たたずむしかできなかった。
○
「被害状況は?」
フォルスリングは一気に静かになった戦場をみながら呟いた。
「シールドが50%に低下。エンジンには問題ありません」
核爆発による電磁波はシールドが塞いだ。
そして、TAならびに戦闘機も無事である。
時々PDSの光がし、残骸を言えるものを破壊する。
電磁波に対する防備がなかったのか、飛びまわっていた虫は炎を上げて落ちていった。
まるで死んだ蝿のように島の上に墜落していった。
「地上部隊はどうした?!」
「通信機能がまだ復旧していません。 地上部隊の位置ならびに情況は確認できません」
岬少尉の耳には雑音しか聞こえないのだろう。
必死に受信できる電波を探している。
「放射能は?」
「ターゲットの地下で爆発したため、放射能漏れの心配ありません。 しかし…」
その場にいたTAは消し飛んだか、陥没した地につぶされたと見ていいのであろう。
フォロスリングの口に鉄の味が広がった。
唇を噛んでいたからだ。
自分の判断は間違っていたのであろうか?
しかし、送りこんだものたちは一流の腕を持つものばかりだ。
相手はそれ以上の腕を?と思うほかならない。
読みが甘かったかとフォルスリングは頭の中で頭を抱えた。
そんなとき…。
「艦長!地上部隊から連絡が撮れました!アルファ、ブラヴォ、チャーリーの無事を確認!指示をまっているそうです」
「他のは?!」
「れ、連絡ありません」
岬少尉は俯きながら返事をした。
MKVIが爆発した部隊とその近くにいたため巻き添えを食らった部隊。
その中には正視兵出ないものが一名いた。
Back|Next
Back to Story Index
Tran-DS Homepage