Tran-DS: The Side Story of Tran-D
Tran-DS
The Side Story of Tolled Armor Tran-D
Chapter 6: The End and a New Beginning
Part 4
真紗緒は目を開けたとき、最初に目に入ったのはやはり白い天井であった。
身体を起こし、痛みを覚悟したがそれはない。
身体が変な匂いをし、腕などの匂いを舁いた時顔の表情が歪んだ。
髪も油気が多く、べっとりしている感じだ。
-シャワーを浴びたいな-
ゆっくりとベッドから降りた真紗緒は部屋に隣接してある浴室にいった。
個室のため、風呂はなかったが小さなシャワーがあった。
真紗緒は寝間着をゆっくり脱ぐとシャワーに入った。
センサーが反応し、心地のよいお湯が身体に吹き付けられた。
「ふう」
と一息を出し、おいてあったシャンプーで髪を洗い次に石鹸を身体になぞらせた。
泡がたち、あまい匂いが部屋の中を充満した。
ふと、腕に付いているブレスレットに目が止まり、真紗緒はそれをみた。
無数の色に光る宝石が色々な光を反射し、そのすぐしたに伸びている針が腕の中に食い込んでいる。
針から来る痛みはなく、別に肌が荒れることもない。
不思議なものね、と真紗緒がそれを観察している。
最近は反応がなく、今はただのアクセサリとなったものであるが、真紗緒は別にしない。
シャンプーで長い髪を洗い、湯をしばらくそのまま体に当てた。
最後に覚えていることを思い出そうとし、目を閉じる。
ステファンに撃たれ、車に運び込まれ、車がはげしくゆれたシーンが脳裏を横切った。
そして、あの最後の大きな衝撃、あれで自分が気を失ったのであろう。
撃たれたところをたしかめようと腕を背中に回し、撃たれたと思われるところを触るが後もなにもない。
それに安心したのか、真紗緒は荒々しく頭から湯を流し、ふうとため息をもう一回すると真紗緒はお湯を止め、シャワー室から出た。
その時ふと、フェナのことが気になった。
彼女も自分と同じよう傷を受け、同じ治療を受けたならば、今ごろはあの地下工場にいるはずだ。
それだけを考えると身支度の準備が早くなっていった。
髪をまともに乾かさず、なぜかそこにおいてあった服を着る。
薫がいたら、髪がめちゃくちゃになる!とかしかられるだろうが、そんな彼女も今はいない。
しかし、自分のことよりほかの人気にしている自分に気づき真紗緒の手はとまった。
考えてみたら、フェナの世話をずうとやっているような気がした。
その考えはおかしいのか、真紗緒はくすっと笑うと身支度を済ませると地下工場へと向かった。
○
「はあ、はあ、はあ、はあ、はあ」
暗黒の空間にフェナの息使いが響いた。
身体は汗で濡れていた。
「驚いた・・・自分で切断するなんて」
もう一人のフェナがいう。
それに対して、フェナはにらみ返すだけであった。
ふらっと立ち上がってフェナは、もう一人の自分に近づいた。
しかし、異変はその時生じた。
女性の声が暗闇の中に響いて来たのである。
それだけでは、暗闇がまるで大きなスクリーンみたいに映像を見せた。
「「な!!」」
二人のフェナは同時に自分の体を抱き、なにかに耐えようとした。
『くくくくくく!!』
男の声が女性の声と混ざり響いてきた。
「これは・・・!?」
フェナは襲ってくる波に耐えながら、何が起きているのか、見極めようとする。
「いや、やめて!!いや!いや!いや!」
もう一人のフェナが頭を激しく左右に振りながら、耐えようとする。
フェリスは、どうすることも出来ず、ただ見えない壁に拳をうっていた。
そして声と同調するような映像が空間に現れた。
どこかの寝室らしく、映っているものは激しくゆれていた。
『いや、たすけて・・・・・』
聞き覚えがある声が響いてくる。
しかし、同時に快楽におぼれる女性の声も聞こえる。
「フィオ?」
再び襲う不快感を絶えながらフェナはその声の主を呼んた。
だが、かえってくるのは不愉快な笑いと声だけである。
その笑いのも覚えがあり、フェナの中に前はなかった感情が発生していた。
おそらくそれは一瞬聞こえた助けを求める声とそれに反し、みだらな叫びとその男の笑いが一緒になってフェナを襲ったせいであったかも知れない。
「やめろぉおおおおお!!!!!」
まるで活を放つかのように、フェナを大声で叫びながら券を強く振った。
その気迫に負けたのか、声が一斉にとまった。
不愉快な感覚も消え、映像も消え、フェナは立ち上がると口から流れたよだれをぬぐった。
その顔の表情は今まで見せたことがない厳しい表情であり、なにか決心したものになっている。
小さなフェナは倒れたまま、自分を抱き、すすり泣きをしていた。
体は大きく震え、息遣いが乱れたいる。
「おきなさい・・・」
フェナはその小さなフェナに近づきながらしっかりとした口調でいう。
その姿を見たフェリスは驚きの顔を隠せないでいる。
フェナの変化に驚いているのはいうまでもない。
「”あなたが”なにを経験したのかよくわかったわ」
小さなフェナのそばによるとフェナは彼女を見下ろしがらいう。
しかし、小さなフェナは反応せずただ、なき続いているだけである。
「自分がこんなに弱かったなんて思いたくない・・・・おきなさい」
フェナはもう一度いうが、小さなフェナはなにもしない。
その態度に腹立ったのかフェナ強引に彼女を立たせた。
涙とよだれで乱れている、もう一人の自分の顔を吹くとフェナはもう一人の自分の顔を覗き込んだ。
「このまま、負けたままいいの?」
その問いに小さなフェナはぴくりと体を振るわせ、フェナを見返した。
「そんなの、いいわけないじゃない・・!」
怒っている声だが決心がない声であった。
でもと言う言葉出てくる前の一言である。
「でも!彼に・・・」
「対抗する力ならある」
小さなフェナの発言をさえぎりフェナは自身ありげにそういう。
彼女の眼差しは小さなフェナにはわからない光がともっていた。
「どこにそんなものがあるのよ!!!」
小さなフェナは腕を振り解こうとするが、フェナはそれを許さない。
フェナはため息をすると、目を一度閉じなにか念じるような動作を行った。
そして、その闇の空間にひとつのTAが現れた。
黒と赤に塗装されたそれはいかにも悪役と思わせる雰囲気を持っていた。
それを見て、小さなフェナは目を丸くしたが、フェリスはかえって満足そうな笑みをあげた。
「これ・・・」
小さなフェナは驚きを隠せなず、TAを観察した。
膨らんだ足、肩についている正体不明なディスクに数が多いハードポイントがまず目についた。
ずっしりとした形がなんとも言えない威圧感を感じさせる。
そして、腰についている装甲が必要以上に厚い。
一見バランスが狂っていると見えるが、しばらく見ていると無駄がない機体である。
ほかに正体不明のものがいっぱいあった。
しかし、小さなフェナは
「これ?これがなんなの?!こんなもの使って彼には勝てないわ!いえ・・その前に私が生きている理由なんかないもの!」
この発言に無表情であったフェナの顔が少しゆがむ。
「あの世界に出たってなにもない!なにもないわ!生きる理由なんて!」
小さなフェナはなにかを否定するように頭も激しく左右に振った。
そんな自分を見てフェナはもう一度ため息をだし、フェリスのほうへ視線を向けた。
フェリスはなにか秘めた笑みをあげてフェナをみ返した。
再び泣き出した小さなフェナの頭にフェナは手を置いた。
「生きる理由。あなたはないといった・・・」
「そうよ!」
小さなフェナは悲鳴に誓い声で答えた。
しかし、その答えにフェナは動じず、かえって自分の分身をやさしく包み込んだ。
「あなたが生きたのは・・・何年?」
変な質問をフェナがしてきた。
「な、何をいきなり・・・」
「私は”7年”よ」
沈黙が二人の間を支配した。
フェリスもフェナの質問に混乱の色を出している。
「その時間に人は生きる理由なんて見つかるとおもう?」
今度は哲学的な質問をフェナはしてきた。
「み、見つかるわけなんか・・・」
「そう、ないわ・・普通はね」
意味ありげにフェナはしゃべりつづける。
生きる理由、これほど人間を悩ませた質問が果たしてほかにあるだろうか。
「あなたは見つけたようね」
発言したのはフェリスである。
それにフェナは小さくうなづき、小さなフェナに顔を向けた。
そしてしっかりと小さなフェナの顔を両手の頬に押さえる。
「今からあなたにそれを教えてあげる・・・」
といった刹那小さなフェナは悲鳴を上げた。
部屋には機械の音しかしない。
しかし、機械に囲まれたベッドの上には誰かが寝ていた。
その人物はゆっくりと目をあけた。
まるで長い眠りから覚めるように、ゆっくりとである。
その人が人物が意識を取り戻したことを機械がアラームで知らせる。
どたばたと人が慌てて部屋にくる音が立てられ、叫び声が響く。
「フェアランスさんの意識が戻りました!」
女性の声がし、それにつれ、白衣の男が部屋に入ってきた。
「フェアランスさん、聞こえますか?」
白衣の男はいろいろと質問してくる。
しかし、フェナの目はただ頭上にある白い天井を見、動かなかった。
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