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![]() 【前回までのあらすじ】 香港在住のすちゃらか夫妻。新婚旅行として一年の旅に出る資金も無事なんとかなり、 あとは脱兎のごとく鉄砲玉のごとく出発するのみのはずだったが、 嫁の方が前の職場からどうしてもと慰留され、 アパートの契約が切れるからと断ってみたものの、 では宿は手配しますからと、 とうとう夫婦そろって一ヶ月のホテル住まいまですることになってしまい、 ラッキーなのだかあんらっきーなのだかさっぱりわからなくなってしまった夫妻だが、そんな日々ももう終わり。 両名ともすっぱりきっぱり念願の住所不定無職の身となり、 ラブラブ新婚旅行へ出発である。しかし・・・ 1996/03/31 本日から一年程度の予定で旅行。2時に廈門行きの船に乗船するためには、 12時にはイミグレを通過してチェックインせんとあかんというのに、 相棒のパスポート、やはり行方不明。マジでどうすんねん・・・ 香港人は中国大陸へ行く際には「回郷証」という パスポートのようなものを使用するため、本日の乗船はとりあへずなんとなかなるのだが。 なんとかなるってったって、永遠に何とかなるって訳ではない。つーか、どうにもならんぞ、おい。 考えてもしょうがないので(考えろ!)、荷造りに精を出すことにする。私の作業着(仕事用のスーツなど)は、 相棒が叔母の家に預けに行ってくれた。私は職場に連絡し、 もし私物(寄贈した書籍など)の中から相棒のパスポートが発見されたら 預かっておいてもらえるようお願いする。 職場の人、ゲラゲラ笑う。仕方なく私もゲラゲラ笑う。 相棒が叔母の家から帰還。このくそいそがしいのに、 「はっ!銅鑼湾の天后娘娘に旅の安全を祈願しに行かなくては!」 くっくう〜、わかっとんのかこいつぅ〜。 以上のことをそっこーですませて、正午、チェックアウト、タクシーを拾う。 船は2時の離港だが、国際線の飛行機とおなじで2時間前チェックインなのだ。 タクは12時半にチャイナ・ホンコンシティ(中国行きフェリーターミナル) に到着し、イミグレをさくさく越えると、1時前、無事チェックイン。ほっと胸をなでおろす。 日本の実家に電話。誰も出ない。50ドル分のテレカ買ったのに。 2等の二人部屋はとても狭かった。 しかし洗面台にせっけん、歯ブラシが付いている。ベッドはダブルデッキ。 船はやや遅れて2時半に離港した。2年間住んだ香港を、 ゆっくりと離れてゆくこの感覚といったら・・・うう、ヨダレがでるほど幸せ。 船上の空気は冷たいが甘かった。 今日からしばらく、当日と翌日のことしか考えなくていいのだ。 船の上から国際電話がかけられるかと思ったが、そこまでの設備はないようだ。 例によって船酔いが始まったのでとっとと寝る。 |