![]() 防壁 真保裕一 | 私の好きな作家の新作。出る本は必ず買ってる著者です。 一昨年(だったけ・・)は傑作ホワイトアウトで一躍注目をあびた、 若手実力派とも言える作者。超まじめな人で(インタビュー読んだらそんな感じ)好感持ってます。 今回は、盗聴以来、久々の短編集。この人は、取材にやたらと時間をかける方で、 なかなか、新作が読めないのが悲しい。まあ、高村薫さんほどでは無いけど・・・高村さん いい加減レディージョーカー読ませて下さいな。もう、週刊誌の連載終わったんだし、 照柿から、2年になるよ・・・ と言うことで、この人の持ち味は、ふつーの人(良くある、特殊工作員とか、刑事とか、公安じゃない あまり、主人公としては派手さのない職業) が、事件に巻き込まれてしまうと言うところも大きな魅力。今回も、消防士、自衛隊、SP、海上保安庁 のダイバーなど、多彩な職業の職制をうかがわせつつ、その個人にとっての愛の形 が主題となっています。短編と言うことでそれぞれの事件に関する掘り下げは深くはないものの 、色々と考えさせられる”快著”と言えるのでは?。恋愛小説としても楽しめます。でも、願わくば、 長編が読みたい。 真保裕一さんのこれまでの著書は、ほとんど文庫になっているので、 是非読んで見て欲しいですね。 震源、連鎖、取引余談ですが(すべて文庫化されてます)連鎖は、 江戸川乱歩賞受賞作です。 でも、一番初めに読んで欲しいのは、傑作ですかね。絶対楽しめます!! |
![]() 鎮魂歌 馳 星周 | 待ちに待った、不夜城続編!!前作のソリッドな切れ味は、若干無くしたものの
水準以上のしあがり。タイトルにも不夜城Uの記載があるように、あの歌舞伎町のクライシス
その後の物語。歌舞伎町在住の中国人が、”大陸の人間は、そんなに悪く無い!!”
と著者に言ったとか(笑)。 一作目の不夜城の、帯には、賞賛の嵐と、おれは誰も信じない の文字が刻まれている。生きること、自分自身、国籍、金、愛、プライド、 アンダーグラウンド・・・ 驚愕と深い愛とを憶えながら、驚くべきスピードで読み切らせて しまった前作不夜城。今日も、歌舞伎町は、熱く冷たく煮えたぎっている!! 読むなら前作を読み終えてから取りかかって欲しい。かなり、お勧め!! 前作は、吉川英治新人文学賞受賞(吉川英治ってあの、宮本武蔵を書いた人)それも納得。 |
![]() 彼らの流儀 沢木耕太郎 | 新作の紹介を中心にやって行こうと思ってるんだけど、これはチョイ古いです。 沢木耕太郎と言えば、深夜特急でおなじみかも。実力派ノンフィクション作家。 著作も、かなり多く文庫化もされているけど、その中でも、地味ではあるがこの1冊を強く お勧めしたい。ハードカバーでは、平成3年に著された作品集。私はその時も買ったのだけれど 文庫化されたときにも買ってしまった。ちなみにその前は、 朝日新聞に毎週日曜日に連載されていた(勿論それもよんでたけどね) コラムといって読み飛ばしてしまうには、あまりに惜しい。当たり前の生のきらめき、 日常、若者、老人、生活、可能性、迷い、人生に当たり前に訪れるささやかな瞬間を 淡泊な文体で、興味深い目をして語られている。 多分ここ6年くらいの間に、何度も読み返した本など数えるほどもないけど、その中の1冊が この作品集。 とにかく、拾い読みでもいい、読んでみて欲しい。味わってもらいたい。 著書の中での隠れた名著であると、愛して止まない本です。文庫で480円。昼御飯を抜いてでも 読んで欲しい。え?そんなお金は無い?・・・んんんー、読書週間特別企画!!苦学生に限り先着3名にプレゼントしましょう!! んんんー太っ腹!(爆)但し、読書感想文をメールで返信する事(笑)希望者はメールでね。 そのほか一瞬の夏、チェーンスモーキング、路上の視野、敗れざる者たち、バーボンストリート 等々、良書沢山。お試しを! |
![]() 脱出GETAWAY 西村 健 | 待ってました、オダケン!!。前昨ビンゴで散々大暴れして楽しませてくれた著者の
待望の新作。今回は、厚さ約4センチ。読み応えあり!!。現在2センチ読破。 相変わらずふざけたところはあるものの、楽しめます。荒唐無稽もなんのその、ただ、ただ逃げろ!! ってなもんか(笑)前回の表紙もカッコ良かったけど、今回もGOOD!痛快アクション小説とでも 言うのかなあ・・・何も考えずに読み飛ばしたい、究極のエンターテーメント。 バーボンでもあおりながら、よっし!!逃げろー、いけー、などと唸りながら読みたい本です。 ああ、こんな事してる間に続きがどれだけ読める事か・・・(笑) 大きな心をもって、おおらかに楽しみましょう!! ・・・・と言うわけで、やっと読了。あーおもしろかった。なかなか、楽しめる(奥の深い?)作品 でした。銃器や兵器が好きな方には特にお勧め!それからお酒好きの人にもね。 2匹と二人に輝やかしい未来の訪れることを・・・ |
![]() 氷舞 大沢在昌 | おなじみ?新宿鮫!!最新作第6弾。この前に出た涙はふくな凍るまでが、悲しくなるくらい
出来が良くなかったので、口直しにはまあまあ・・・水準は満たしてます。つい辛口になってしまうのは
大沢さんにとても期待しているからです。 新宿鮫シリーズ中の一番の出来は、やっぱり新宿鮫U毒猿でしょう。あとは、伝統芸とも言える 私立探偵シリーズ漂泊の街角、感傷の街角、追跡者の血統、雪蛍あたりも、秀作!! まあ、どれを読んでもそう外れはないのだけれど。あえてもう少しあげれば氷の森、B・D・T、 天使の牙、ダブル・トラップ、などなど、ほとんどOKですね。それから、文庫化もかなり 進んでいるので、お手軽にどうぞ。はまりますよ(笑) 今回の作品では、鮫島の心の動きに注目か?・・多くは語りません、出来ることならシリーズの 初めから読み進まれることをお勧めします。トータルで見るとやはり良くできた小説群と言うことに 疑いは無いでしょう。若手?(中堅か)ミステリーの担い手・・と言うところですか。また、楽しませて 下さい、大沢さん! カバーを外して読むもので(どこかいった)、本の写真が訳わかんなくなってますけど、 本屋さんにはちゃんと鮫の写真入り(だったと思う)カバーが付いて並んでます(笑) どういう訳か、カバーを会社の机の引き出しの中から発見。やっと手に入れたデジカメ(ちょー安物) で撮影しました。蛍光灯の照り返しが素人くさくて良いでしょ?(笑) |