第七章 成約時代と家庭協会
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第一節 真の父母の勝利圏 人間には自分の愛する対象が自分よりも素晴らしくなることを願い、しかも自分よりも無限倍に素晴らしくなることを願うという本性がある。この本性こそまさに神のもつ神性の反映であり、実は神御自身が愛する対象である人間を神よりも無限倍も素晴らしい価値ある対象として創造されたことを意味するのである。神が人間に対して、真の愛を無限に投入し続けておられるのはその故である。 このようにして創造されたアダムとエバが成長期間を通じて子女の愛、兄弟姉妹の愛を育て、両者が夫婦として初めて凹凸を一体化させ、初愛の体験をするその一点において神の愛が降臨し、子女の愛、兄弟姉妹の愛、夫婦の愛、及び父母の愛、すなわち四大心情圏が完成されるのである。 またその一点においてアダム・エバの相互完成がなされるのみならず、神御自身も完成する。アダム・エバの心と体が一つになって、喜びに震えるその一点において神も共に結婚愛の喜びに胸を震わせるのである。ここに神の願いと人間の願いは一つになって、神人共に完成し、神人合一の至福の世界が現れてくる。この一点こそ永遠なる天国の出発点であり、全ての人間が求めてきた幸福はここから始まるのである。 この一点こそ真の愛を出発できる真の愛の本宮であり、真の生命を出発できる真の生命の本宮であり、真の血統を出発できる真の血統の本宮である。さらには無限に素晴らしくなりたいと願う良心の欲望が神の愛、真の愛に触れて初めて満たされる良心の本宮でもある。 四大心情の完成は第二祝福でもある家庭完成に相当するものであり、その上に神と一体となって神の所有権を相続することにより第三祝福をも達成し、三大祝福または創造理想を完成するようになる。まず地上において神を愛し、人を愛し、全ての被造物を愛し、王者としての愛を体恤して完成し、死後は霊界に移行して、霊界においても愛の王者として永遠に生きるのが神の人間に対する願いであった。神はそのように人間の姿を構想し、その中に共に住んで喜ばれようとされたのであった。 これが神がその構想の中において願われた、創造理想を完成したアダム家庭だったのである。神はこのような真の愛と真の生命と真の血統の伝統に基礎を置く、地上天国と天上天国をつくろうとされたのであった。そのために神の計画はまずアダム家庭を完成せしめ、これと同じ価値をもった子孫たちを繁殖して、アダム家庭を中心としたアダム家庭、アダム氏族、アダム国家、アダム世界、アダム天宙を完成させ、神が自由に往来できる天宙となることを願われたのであった。 しかしながらアダムとエバの堕落によりその神の願いは一瞬にして崩れ去った。神の姦夫、愛の怨讐となったサタンのために神の心情は引き裂かれてしまった。その耐え難い苦痛の中から、自らの愛する者を犠牲にしても怨讐と怨讐の子女を愛する基準、しかもそれを最上の喜びとして感じられる基準を求めて何十万年も何百万年も苦悩してこられた神がようやく復帰の摂理を開始できたのが今から四千年前、アブラハム、イサク、ヤコブの時であった。 ヤコブはヤボク川で天使を屈服させた条件の上に、実体の天使長であるエサウを屈服させて外的サタン分立をなしメシヤを迎えることのできる基台を立てた。これが外的なイスラエルの出発であり、その上にタマルの胎中分別により内的にサタンを分立し、併せて外的・内的なイスラエルの出発となった。さらに神はマリヤを立てて国家基準においてそれを再蕩減させ、サタンのざん訴条件をもたないイエスを地上に送られたのであるが、十字架の故にみ旨を成就することができず、続く二千年の蕩減期間を経て再臨主を降臨せしめられたのである。 英・米・仏のキリスト教国家群をアベル陣営とし、日・独・伊の反キリスト教国家群をカイン陣営とし、アベルがカインを屈服せしめた第二次世界大戦後の世界は真のアダム(再臨主)を迎えるために準備された新婦宗教のキリスト教が全世界を支配することのできた神の摂理の頂点である。この千載一遇のチャンスに内的基台としてのキリスト教と外的基台であった戦勝国英・米・仏の自由主義国家群が、既に降臨していた再臨主を受け入れることさえできれば、1945年から52年までの七年間に世界を一挙に神の国に大転換できたに違いないのである。 お父様は再臨主として摂理の中心に立ち、人類を代表する個人として、アダムから再臨主までの六千年の歴史を蕩減され、個人におけるサタンのざん訴条件を清算されたので、1960年に御聖婚式を迎えることができるようになった。さらにお父様は第一次七年路程の目的である家庭的勝利基盤の上に「神の日」を決定し、続いて氏族、民族、国家、世界レベルの勝利を決定し、それぞれのレベルにおいて長子権、父母権、王権を復帰し、1989年8月31日の「八定式」および翌9月1日の「天父主義宣布」により天宙的長子権、父母権を勝利され、1991年7月1日の「神様祝福永遠宣布式」を通じて天宙的王権復帰の条件を立てられ、天宙的三権復帰を成就されたのである。 お父様はその勝利圏を直ちに真の母であるお母様に相続し、その結果天宙レベルにおけるサタンのざん訴条件のない、サタンが指一本触れることのできない一人の女性が人類の真の母として立たれることになった。ここに女性解放宣言がなされ、地上のみならず霊界の女性もサタンの主管から解放される道か開かれたのである。全ての女性は真の母の分身となって一体化すればその運勢圏を相続し、サタンから解放され、本然の女に帰ることができるようになった。このための外的組織が「世界平和女性連合」である。ここに女性時代は到来し真の母は真の父と並んで天宙的な人類の父母として立たれた。まず韓国内で「真の父母宣言」がなされ、8月24日には世界の代表者に対して宣言され、続いて日本、米国、欧州、オセアニアなどで大歓迎される立場に立たれたのである。第二次世界大戦後のキリスト教国の失敗が蕩減されることになり、キリスト教が再び神の摂理圏内に帰ってくる道が開かれたのである。 1993年は「成約元年」となり、「真の父母と成約時代」が宣布され、お母様の「真の父母と成約時代」のメッセージは米国、国連、日本、韓国さらに世界40カ国に宣べ伝えられ、1993年8月1日「還国の日」が決められ、いよいよアダム国家復帰の出発となったのである。 さらに1994年「真の父母と成約時代安着」の年頭標語のもとに1993年5月1日、世界基督教統一神霊協会40周年を越えて真の父母の家庭の安着が成就されることになり、神が創造の初めに願われた真のアダム家庭の完成、すなわち四大心情、三大王権の完成という神の創造理想が初めてこの地上に復帰され、完成されたのである。このことは何十万年、何百万年、何千万年の神の理想が初めてこの地上に打ち立てられたことを意味するのである。 これから後真の家庭は50億人類の全ての家庭に対して、絶対主体の立場に立つ家庭であり、この家庭の基準を相続することにより、他の全ての家庭も完成して神の国に住むことができるようになるのである。 第二節 家庭協会 この世界にある十数億の家庭を三つに分けることができる。第一はみ旨と関係のないいわゆる堕落圏の家庭であり、第二はみ旨を知って復帰の路程を長成、完成段階まで歩んで祝福を受けた祝福家庭であり、第三は創造理想を復帰した真のアダム家庭である。真のアダム家庭とは勝利されたメシヤ家庭と同じ価値をもった本然の家庭のことである。第一から第二へ転換するのが祝福であり、第二から第三へ移行するつなぎの摂理が家庭協会の摂理である。 私たちは完成したから祝福を受けたのではなく、重生して完成への道を出発するために祝福を受けたのである。今の祝福家庭は原罪は解決されたとしても、多くのサタンのざん訴条件をもったままであり、サタンに侵入される可能性のある不安定な善の天使長的家庭である。天使長的祝福家庭は間接主管圏内の家庭であり、本然のアダム家庭は直接主管圏内の家庭である。この両者を連結し、前者から後者へ移行するための摂理を担うものが家庭協会である。この使命は氏族的メシヤを完成することによって成し遂げられなければならないのである。 家庭協会の目的は理想家庭をつくることによって理想の国と理想の世界を築くことである。そのためには各祝福家庭は家庭協会宣布式を行い家庭盟誓を唱えつつ、160軒の家庭メシヤの勝利を目指して努力していかなければならない。 第三節 絶対信仰、絶対愛(心情) 四十周年を越えて真の父母の家庭が完全に安着されたので、完全に勝利された本然のアダム家庭に天使長家庭をつなぐ道が確立し、アダム家庭完成復帰時代に入ることができたのである。登りゆく断崖の頂上に偉大なる大木が立ったのである。その木にロープをつないで登っていけば、ロープを離さない限りかならずその大木の立っている所に立つことができる。この大木がこの世界に唯一の本然のアダム家庭、勝利されたメシヤ家庭であり、そのロープは絶対信仰と絶対愛なのである。 私たちが絶対主体の前に絶対信仰と絶対愛をもって絶対対象の立場に立つならば、私たちは本然のアダム家庭の天運をそのまま相続し、天運により守られ宇宙力によって保護されるのである。たとえ私たちの祝福家庭は未だ間接主管圏の天使長圏にあったとしても、そのような天運に守られて、サタンに侵入されることなく直接主管圏にあると同じような運勢を相続して、家庭協会の摂理を成就することができるようになるのである。 このようにして私たちの家庭においても四大心情が復帰され、三大王権も復帰されて本然のアダム家庭に至るとき、真の父母の家庭の子女を長子として私たちが次子の立場に立ってつながれ、天の皇族権に至る道が開けてくる。 |